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これまでの演奏会の紹介です。

リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、オルガンによる

バロック音楽の夕べ

Photo

 

◆日時

1994年10月7日(金) 7:00pm

 

◆場所

     奈良カトリック教会

     奈良市登大路町36ー1  Tel.0742-26-2094

     近鉄奈良駅より徒歩3分

「第25回奈良県芸術祭参加」 

◆演奏者

リコーダー       肥塚 賀津子

ヴィオラ・ダ・ガンバ  坂本 利文

オルガン 高田 富美

 

チラシ

◆プログラム

Girolamo Frescobaldi (1583-1643)

 Toccata Quarta

 Canzona 

 Canzona Seconda Per Basso Solo

Aurelio Virgiliano (?)

 Ricercare

Johann Pachelbel(1653-1706)

 Aria Quarta

Arcangelo Corelli (1653-1713)

 Sonata in F Op.5 No.4

  Adagio Allegro Vivace Adagio Allegro

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Georg Friedrich Handel (1685-1759)

 Sonata Op.1 Nr.7

  Larghetto Allegro Larghetto Allegro

Johann Sebastian Bach (1685-1750)

 Klavierbuchlein fur Anna Magdalena Bach

  Menuet G-dur,g-moll BWV Anh114,115

  Aria BWV988-1

Karl Friedrich Abel (1723-1787)

 Three Pieces for Viol Solo

  Andante Adagio Allegro

Georg Philipp Telemann (1681-1767)

 Trio F-dur

  Vivace Mesto Allegro

 

G.フレスコバルディ

 トッカータ 第4番

 カンツォーナ

バスソロの為のカンツォーナ 第2番

A.ヴィルジリアーノ

 リチェルカーレ

J.パッヒェルベル

 アリア 第4番

A.コレルリ

 ソナタ ヘ長調

   アダージョ  アレグロ ヴィヴァーチェ アダージョ アレグロ

-----------------

G.F.ヘンデル

 ソナタ ハ長調

   ラルゲット アレグロ ラルゲット アレグロ

J.S.バッハ

 アンナ・マクダレーナ・バッハのためのクラヴィーア

 小曲集より

   2つのメヌエット ト長調、ト短調

   アリア

K.F.アーベル

 ヴィオールソロの為の3つの小品

   アンダンテ アダージョ アレグロ

G.Ph.テレマン

 トリオソナタ ヘ長調

   ヴィヴァーチェ メスト アレグロ

 

 

◆プロフィール

肥塚 賀津子/リコーダー

相愛大学音楽学部器楽科卒業、同大学研究科修了。第1回全日本リコーダーコンクール

独奏部門にて最優秀賞、朝日放送賞受賞。若林正史、北山隆、有田正広、花岡和生、山

岡重治の各氏にリコーダー及びフルートトラベルソを師事。現在、同志社女子大学、相

愛大学非常勤講師。

 

坂本 利文/ヴィオラ・ダ・ガンバ

東京尚美音楽院ギター科卒。1974年ダンスリールネサンス合奏団に入団。1981年ー1983

年ベルギーのブリュッセル王立音楽院に留学。ガンバをW・クイケン氏に師事。室内楽

をD・フュールト氏に学ぶ。1986年ー1989年スウェーデンの公立古楽合奏団”ユースタ

ッツ・ピーパレ”に所属しスウェーデン、デンマーク、ポーランド等で演奏活動を行う

。1990年オルティス・ガンバコンソートを結成、活動を始める。現在、大阪音楽大学、

相愛大学音楽学部古楽器科非常勤講師。オルティスコンソート主宰。ダンスリールネサ

ンス合奏団メンバー。

 

高田 富美/オルガン

相愛女子大学音楽学部オルガン専攻卒業。その後、ドイツ・ヴェストファーレン州立教

会音楽学校に留学。現在、オルガンとその他の楽器による演奏会を「音楽の散歩道」シ

リーズで企画している他、独奏、室内楽・合唱などとの共演等、演奏活動を行っている

。奈良YMCA音楽院クラシックオルガン科講師。

 

 

◆曲目解説

 

G.フレスコバルディ(1583-1643)/トッカータ第4番、カンツォーナ、

                 バスソロの為のカンツォーナ 第2番

フレスコバルディは初期イタリアバロックの大作曲家であり、即興演奏の名手として名

高いオルガニストです。25才の時にローマのサンピエトロ大聖堂のオルガニストに就

任し、そこで生涯を過ごしました。彼の下にはドイツやオーストリアからの弟子が集ま

り、特に南ドイツオルガン音楽の発展に大きな影響を与えました。1曲目の「トッカー

タ第4番」はオルガン曲です。トッカータは本来鍵盤に「触れる」という意味で、自由

な形式で作曲され華々しい曲ですが、フレスコバルディにより、曲の中に華やかな部分

・声楽的な旋律・和声的な部分を挿入する作曲法が広められました。カンツォーナは、

フランスのポリフォニックなシャンソンのスタイルをイタリアで器楽用にしたもので、

後のソナタやフーガへの出発点となるものです。「バスの為のカンツォーナ第2番」は

フレスコバルディが1628年に出版したカンツォーナ集の中に含まれている曲です。

 

A.ヴィルジリアーノ/リチェルカーレ

この作曲家に関しては一切が不明で、"Il Dolcimero”と題される未完の手書きの原稿

がボローニャのジョバンニ・バティスタ・マルティーニ音楽院に残っています。リチェ

ルカーレは無伴奏の独奏曲として扱われています。

 

J.パッヒェルベル/アリア第4番

パッヒェルベルは、17世紀後半に南・中部ドイツで代表されるオルガニスト・作曲家

で、フレスコバルディから発した南ドイツオルガン派の中で音楽教育をうけました。親

しみやすい世俗歌曲による変奏曲等を多く作曲しており、このアリアも「ヘクサコルド

ゥム・アポリニス」という曲集の中に第4曲目です。曲は主題と6つの変奏からなりま

す。

 

A.コレルリ/ソナタ ヘ長調

後期バロックのソナタ及びコンチェルトの形式の定着に重要な貢献をした作曲家として

、又ローマ派のヴァイオリンの名手として知られています。ヴァイオリン用のソナタが

リコーダー用に編曲された例はすでに18世紀から存在していて、完全4度上げる場合

が多いのですが、今日の曲は原曲のまま演奏します。

 

G.F.ヘンデル/ソナタ ハ長調

ドイツのハレで生まれ、1710年ハノーヴァー選帝候ゲオルグ・ルートヴィッヒの宮廷楽

長となりましたが、すぐにイギリスに渡り、オペラで成功をおさめ、1727年には市民権

を得ています。ヘンデルのフルートソナタの古くは1722年頃アムステルダムで出版され

、後3曲を加え作品1の名で知られており、この中で今日演奏する第7番を含む2、4

、11番の4曲は表紙に横笛のフルートとあるにもかかわらず、リコーダーの為のソナ

タであることが明らかです。

 

J.S.バッハ/アンナ・マクダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集より

バッハが愛する妻アンナ・マクダレーナの為に贈った音楽帳がこの小曲集です。その中

にはバッハの曲だけでなく幼い息子の小品や家族で楽しんだ他の作曲家の曲が書き加え

られています。この音楽帳から、バッハの家庭での音楽生活を眺めることができます。

今日はその中から2つのメヌエットとアリアを演奏します。

 

K.F.アーベル/ヴィオールソロの為の3つの小品

アーベルはドイツのケーテンで生まれましたが、1759年以降ロンドンに移り音楽活動を

行っています。彼が1770年頃作曲した29曲のガンバ独奏曲から選んだ1)アンダンデ

 2)アダージョ 3)アレグロの3曲。これらの曲は、ガンバ音楽の歴史の最後を飾

るものです。

 

G.Ph.テレマン/トリオソナタ ヘ長調

チェンバロ、ヴァイオリン、リコーダーをヴィルトゥオーソ的水準で演奏し、フルート

、オーボエ、ヴィオラ・ダ・ガンバにも堪能で、18世紀前半のドイツにおいてはバッ

ハ、ヘンデルをはるかにしのぐ人気で、生涯に約145曲のトリオ・ソナタを残し、こ

のうち生前に出版されたものは60曲程でありますが、彼が最も力を入れたと言われる

ものは、アマチュア愛好家の需要をみたす為のもので、それぞれの楽器の特性を生かし

、編成にも融通性が見られ、このF-durのトリオも他の作曲家にはほとんど見あたらず

、テレマンにしてもめずらしい組み合わせのものです。

 

 

◆楽器解説

 

リコーダー

リコーダーの歴史は古く自然発生的なもので起源は不明ですが、西洋では11世紀のフ

ランスの細密画に描かれているのが最古の資料です。中世全般を通じ教会、宮廷、庶民

の踊りや祭儀などに広く用いられ、16世紀に入るとコンソートが主流を占め、シャン

ソン等の編曲によるものが多かったのですが、後半に入ると器楽舞曲が盛んとなり、

17世紀には大小9種類のリコーダーが使用されたと言われています。18世紀にかけ

て楽器の構造に手が加えられ1本の木から作られていたものが3部分になるなど、音域

も広がり音色も豊かになりコンソートから独奏楽器へと移って行きますが、次第にフル

ートにとって代わられるようになり、古典派、ロマン派と通じ150年以上の間姿を消す

ことになり、20世紀始めアーノルド・ドルメッチによって復活され、現在では教育楽

器としても広く使われています。

       使用楽器  山岡重治作 (ソプラノ、アルト)

             F.フォン.ヒューネ作 (アルト)

 

ヴィオラ・ダ・ガンバ(ヴィオール、ヴァイオル)

ルネッサンス時代からバロック時代にかけて、ヨーロッパ諸国で愛用された弓奏楽器。

普通は6弦で、棹にフレットが巻かれているのが特徴。トレブル(小)テナー(中)バ

ス(大)と3つのサイズがあるが、いずれも脚(イタリア語でガンバ)の間で楽器を保

持するのでこの名称があります。

      使用楽器  LUTFI BECKER(1985):J.PITT(1677年作)のコピー

 

オルガン

鍵盤を押すと風箱の中の空気がパイプに流れ、発音する楽器がオルガンです。本日使用

している楽器は、ドイツのクラウス・セバスティアン氏製作のもので、1987年に購

入したものです。一段鍵盤で4種類の違った形のパイプ(Holzgedackt 8',Rohrflote 4'

,Prinzipal 2',Quinte 1-1/3')を持ち、鍵盤の数が56鍵なので全部で224本(4

本X56鍵)のパイプと送風機の役目をするモーターがケースの中に入っています。こ

のオルガンは持ち運び用に作られていますが、教会やホールに設置されている複数の鍵

盤を持つオルガンとは根本的に同じであり、大きなオルガンは違った役割を持ついくつ

かの鍵盤の集合体といえます。

 

 

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