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これまでの演奏会の紹介です。

綺羅星のごとく響いて

リコーダー、リュートと
オルガンによるサマーコンサート

199907pf.jpg (35544 バイト)

演奏者

リコーダー 中村洋彦

リュート、テオルボ 高本一郎

オルガン 高田富美

日時

1999年7月9日(金)7:00pm

場所

音楽の友ホール・新大阪
Tel.(06)397-0333
新大阪駅より徒歩7分 SORA新大阪21 1F

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リハーサルより

 


曲目

Jan Pieterszoon Sweelinck(1562-1621) Fantasia in G
J.P.
スウェーリンク ファンタジア ト調

Jacob van Eyck(c.1590-1657) <Malle Symen>
J.ファン・エイク <病のシモン>による変奏曲

Nicolas Vallet(c.1583-1642?) Est-ce Mars
N.ヴァレ 戦いの神マルス

Anonymous <<'t Uitnement Kabinet>>(Amsterdam 1646)
作者不詳 <<すばらしい飾り棚>>(1646年アムステルダム)より

Jan Pieterszoon Sweelinck (1562-1621) Mein junges Leben hat ein End
J.P.
スウェーリンク 我が青春は終わりぬ

Dario Castello (fl.early 17C) Sonata seconda in d
D.カステロソナタ 第2番 ニ調

Arcangelo Corelli (1653-1713) Sonata F-dur op.5 No.4
A.コレルリ ソナタ へ長調

Antonio Vivaldi (1675?- 1741) Trio in Sol minore
A.ヴィヴァルディ トリオ ト短調

G.Ph.Telemann (1681-1767) Triosonate B-dur
G.Ph.テレマン トリオソナタ 変ロ長調


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プロフィール

中村 洋彦/リコーダー
エリザベト音楽大学宗教音楽学科卒。第4回全日本リコーダーコンクールにおいて最優秀賞を受賞。1981年、82年、84年に渡欧、研鑚を積む。1987年第1回リコーダーリサイタルの成果に対して大阪文化祭奨励賞を受賞。リコーダーを花岡和生、フラウト・トラヴェルソを有田正広の各氏に師事。1993年より『笛の楽園』と題してリサイタルを開催。現在、相愛大学非常勤講師、セミナリオ・コンソート主宰、ダンスリー・ルネサンス合奏団所属。

高本 一郎/リュート、テオルボ
1995年相愛大学音楽学部音楽学専攻卒業。幼少より父の指導のもとでギターを始め、「第3回読売ギター・コンクール銀賞」「第1回ギターフェスティバル入賞」。大学在学中より古楽に興味を抱いたことからリュートを始め、岡本一郎、佐野健二の両氏に師事。その後1996〜1997年フランスに留学し、ストラスブール国立音楽院において今村泰典氏にリュートを学ぶ。1998年ホテル阪急インターナショナルのチャペルにおいてリサイタルを開く。現在コレギウム・ムジクム・テレマンのリュート奏者及び通奏低音奏者。ダンスリー・ルネサンス合奏団メンバー。

高田 富美/オルガン
相愛女子大学音楽学部オルガン専攻卒業。その後、ドイツ・ヴェストファーレン州立教会音楽学校に留学。現在、オルガンとその他の楽器による演奏会を「音楽の散歩道」シリーズで企画している他、独奏、室内楽・合唱などとの共演等、演奏活動をしている。


音楽を形造っているものをシンプルに考えてみると、様々な姿で水平に流れる線的なもの、垂直に加わる豊かな響き、あらゆる拍とリズム、斜めからさすプリズムのような光と影…。
西洋音楽の流れを見ると、古代ローマ・ギリシャ時代から現代に至るまで約3000年近くを経て、それぞれの時代背景と社会、宗教、そして人々の生活の中で音楽は発展してきています。
物事が発展していく過程にはいろいろな流れがありますが、その一つに単純なものから複雑なものへ移行していくという、もっとも自然な流れが音楽の発展に当てはめられます。言葉と共に単旋律がうたわれ、それに並行してもう一つの独立した旋律をつけてうたうというアイデアが生まれ、その後長い年を経て音の積み重ねによる垂直的な和音の響きと彩りを感じるようになるまでに、どれだけ多くの人々が音楽に携わったでしょう。
音楽における水平的な線の動きと垂直的な音の積み重ねは、今や切り離せない関係にあります。一つの主となる旋律があり、それを輝かせ、際立たせるための伴奏を持つ音楽が、今の私達には耳慣れた音楽になっていますが、古い時代には、たとえ主となる旋律があっても、同時に進行している他の旋律はそれぞれ個性を持った独立したものであり、すべてが線的に流れていくという「ポリフォニー(多声音楽)」と呼ばれる音楽が完成を遂げました。
ポリフォニーは13世紀以降フランスとイタリアで創作され、15世紀には全ヨーロッパに広がり、16世紀ルネッサンスの時代には全盛を迎えます。そして、それは次に来るバロックという時代への遺産として受け継がれ、同時にもう一つの音楽の要素である音の積み重ねにより得られる響きと彩りを求め、音楽家達の和声的な理論と書法の探求、そしてあらゆる実践を経て、ようやく後期バロック時代においてその水平的な音の動きと垂直的な和声の響きが融合されたのです。
今日のプログラムの前半はルネッサンス後期からバロック初期に、後半はバロック後期に活躍した作曲家達です。それぞれに生きた彼らの、もう見聴きできない時代を想像してみるのも良いものです。

高田 富美


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