森岡孝二編
『勤労者の日本経済論―構造転換と中小企業』
法律文化社 1986年
目次
序 (執筆 森岡孝二)
第T部 産業再編成と国民の労働・生活
第1章 石油危機後の産業再編成 -石油化学産業の国際的再編戦略を中心に- (執筆 中原優)
はじめに
T 「構造改善法」の政策的意図
1 「構造改善法」登場の経過と目的
2 石油化学産業の国際的再編戦略
U OPECの資源主権とメジャー、アメリカ合衆国のエネルギー戦略の転換
1 メジャー、アメリカ合衆国の総合エネルギー戦略と国際分業
2 OPECの資源主権と新国際経済秩序(NIEO)
V 国庫寄生型海外侵出と国内産業支配
1 国庫寄生型海外侵出
2 石油化学産業の独占的支配収奪体制
むすびにかえて
第2章 総合商社の経営と労働 -「商社・冬の時代」論をめぐって- (執筆 宇多真揆世)
はじめに −問題の設定にあたって
1 同情と訓導の「商社・冬の時代」論
2 収益構造の内訳と悪化の由来
T 総合商社活動における関係会社
1 関係会社とは何か
2 総資産に占める関係会社関連項目
3 総合商社の「総合性」を支える関係会社分布
4 ”お荷物”ぶりを示してきた関係会社群
5 ”生残り”への布石としての関係会社群
U 総合商社における労働と人事
1 二正面作戦で「高給」にかげり
2 くりかえされる人事制度の手直し
3 「みんな仲良く」から半強制「スピンアウト」へ
4 活性化かしからずんば廃棄か
5 性別や国籍をこえて総動員体制へ
6 「冬の時代」の労組の対応
7 「使用者概念の拡大」で社会的包囲
Vまとめと展望
1 「人を活かす」点での無能告白
2 専制のなかで゛ハングリー精神"鼓吹
3 メインテーマとなった「活力論」と「生きがい論」
4 「凡庸の団結」にこそ゛生き残り"と活路
第3章 オフィス・オートメーションと事務労働(執筆 西田達昭)
はじめに
T 日本経済と”OA革命”
1 日本経済と「高度情報化社会」
2 不況の深化・産業行動の転換とOA・ロボットブーム
U オフィス・オートメーションと事務労働
1 OA機器導入状況と雇用の動向
―労働省職業安定局「大企業(本社)におけるOA機器導入状況と
雇用の動向」調査を中心に―
(1)事務処理機器導入割合の推移
(2)導入目的およびその達成状況
2 OAが事務労働・労働者の及ぼす影響
3 金融OA化、揺らぐ”OLの座”
―都銀の場合―
4 OAと健康障害―VDT作業の危険―
おわりに
第4章 婦人労働の発達問題(執筆 野崎律子)
―生命保険会社の女性たち―
はじめに
T 戦前の生命保険会社と婦人労働者
U 戦後の日本生命と婦人労働者
1 婦人労働者のたたかい
2 資本の攻撃と権利解体
V 職場の労働実態と婦人労働者の発達障害
W 婦人労働者の発達の課題と道筋
1 国民のための生命保険の担い手は誰か
2 資本は婦人をかしこくする
3 生保の婦人も発達し生保を担う
むすび
第U部 構造転換のなかの中小企業
第5章 「多様化」時代と中小企業(執筆 安満弁吉)
―アバレル産業を中心に―
はじめに
―「多様化」の進行と独占企業の流通支配―
T 大手繊維メーカーの川下志向
1 繊維産業における「構造不況」の原因
2 「構造不況」に対する繊維独占の対応
U 繊維産業における生産・流通機構
1 分断された生産機構
2 アパレル産業における下請重層構造
3 長く複雑な流通経路
4 流通部門も「不振」の時代へ
おわりに ―国民の豊かなくらしに役立つ中小企業―
第6章 新興産業における中小企業と独占(執筆 高田好章)
―日本のエアゾール産業―
はじめに
T 日本のエアゾール産業の現状
U エアゾール産業の創設と参入
V エアゾール産業の支配構造
W エアゾール産業と外注・下請
X 新たなる方向への模索
おわりに
第7章 工業都市の企業動向と活性化の条件(執筆 山田文明)
―尼崎市の事例研究―
はじめに
T 尼崎市経済の変遷と現状
U 大工場の動向と都市問題
V 尼崎市の中小企業
W 工業用地の活用状況と問題点
第8章 中小業者運動における仕事おこしと地域づくり(執筆 永吉秀幸)
はじめに
T 民主商工会の「不況に打ち勝つ経営対策」「仕事おこし」の運動
U 技術革新と下請業者の「仕事おこし」の運動
1 日本型収奪体制と「かんばん方式」によるメカトロ機の
小零細業者への普及
2 メカトロ業者と「共同受注」「仕事おこし」の組織づくり
V 生産性向上と日本型収奪機構
おわりに