森岡孝二編
『格差社会の構造 グローバル資本主義の断層』 桜井書店 2007年9月
目次
はしがき (森岡孝二 執筆)
序章 こうして拡大した格差と貧困 (森岡孝二 執筆)
はじめに
T ここまで拡大した拡大した格差と貧困
U 非正規雇用の増大と労働所得格差の拡大
V 雇用・労働の規制緩和と派遣労働者の増大
W ノンフィクションに見るワーキング・プアの労働と生活
X 新自由主義の経済再生戦略と市場個人主義
おわりに
第一章 新しい働きすぎとホワイトカラー・エグゼンプション (森岡孝二 執筆)
はじめに
T 見せかけの時短のもとで猛烈に長時間働く
U 日本的働きすぎとアメリカ発の働きすぎ
1.日本的働きすぎの特徴
2.アメリカ発の新しい働きすぎ
V ホワイトカラー・エグゼンプションの導入論
1.総合規制改革会議から規制改革・民間開放推進会議へ
2.日本経団連の「ホワイトカラー・エグゼンプションに関する提言」
3.厚生労働省「今後の労働時間制度に関する研究会報告」
おわりに
第二章 雇用の外部化と製造業における派遣・請負 (高田好章 執筆)
はじめに
T 人材派遣の解禁と拡大
U 製造業における派遣と請負、その実態
V 製造現場への人材派遣の問題点
W 雇用の外部化と製造業における変化
おわりに
第三章 アメリカのスタッフィング・サービス産業と労働市場改革 (仲野(菊地)組子 執筆)
はじめに
T 労働力流動化構造とスタッフィング・サービス産業
1.労働力流動化構造
2.労働市場仲介業
3.スタッフィング・サービス産業の労働市場への影響
4.スタッフィング・サービス産業の矛盾
U 派遣業に対抗する労働市場の改革運動 ─底辺労働者の底上げ─
1.日雇労働者保護法規制の動き
2.よい雇用をつくりだすWRTPの試み
3.労働者支援のための派遣事業と派遣労働者の組織化
おわりに
第四章 ディーセントワークと日本の労働基準 (高橋邦太郎 執筆)
はじめに
T グローバル化による雇用・労働の変化
U ILOの提言するディーセントワーク
1.ILOはなぜ新しい提案をしたのか
2.ディーセントワークの内容
V ディーセントワークからみた日本の雇用と労働
1.ILO後進国日本の雇用・労働政策
2.ディーセントワークと若者の雇用政策
3.ディーセントワークとホワイトカラー・エグゼンプション
W ディーセントワークへの企業の対応と変化の兆し
おわりに
第X章 家計の資産格差と生活格差 (高島嘉巳 執筆)
はじめに
T 家計の所得格差と資産格差
1.所得、諸負担、可処分所得、消費、貯蓄の相関分布統計
2.土地・住宅資産と金融資産の分布状況
3.小括
U 家計資産形成と格差への構造的諸要因
1.家計所得における勤労所得と資産所得
2.世代間移転事項
3.可処分所得、消費、貯蓄
4.法制的・政策的諸要因
5.小括
V 企業資産との関連における家計資産
1.国民経済のなかの家計資産と企業資産
2.家計資産と企業資産
3.家計資産における「生活資産」と「貨殖資産」
4.小括
W 家計の資産格差と生活格差
1.家計資産と生活水準との関連
2.A.センの「生活水準」論
3.家計資産と「生活水準」との関連をめぐる論点
X 家計資産形成をめぐる近時の諸動向
1.家計資産をめぐる近時動向
2.近時動向の中間結果−格差拡大の進行
3.中間結果の背景−企業と家計の関係
4.中間結果の背景−政策要因
5.近時動向からの小括
おわりに
第六章 日本経団連の税制提言と格差問題 (大辺誠一 執筆)
はじめに
T 経団連の税制提言の経緯と概要
1.経団連の政策提言と優先政策
2.経団連のホームページに見る税制提言
3.二〇〇七年度の税制提言
4.提言はどれだけ実現したのか
U 経団連の税制提言の意図と特徴
1.企業活力を最優先
2.実効税率の引き下げ
3.研究開発促進税制
4.減価償却制度の見直し
5.証券税制
6.給与課税と課税最低限
7.住宅税制
8.消費税率の引き上げ
9.その他
V 企業税制と格差問題
1.増えた内部留保
2.「成長」を追及してやまない経団連
3.経団連の税制提言と格差問題
4.経団連の税制提言への提言
第七章 繊維産業のグローバル化とユニクロ経営 (小野 満 執筆)
はじめに
T 繊維産業グローバル化の流れ
1.一九七〇年代前半まで
2.一九八六年以降
U ユニクロ経営成功の秘密
1.一貫生産システムとリスクを取る経営
2.繊維産業の生産システム−多段階分断構造
3.繊維産業の流通システム−リスク分散構造
4.「ユニクロ」というブランド
V ユニクロの模索
W 日本の繊維産業の前途
1.クリエーション能力
2.ロングテール理論
第八章 バイオテクノロジーと多国籍種苗企業 (森井久美子 執筆)
はじめに
T とうもろこしの歩み、現状
1.とうもろこしの歩むと用途
2.とうもろこしと水
U 遺伝子組み換え作物
1.遺伝子組み換えととうもろこし
2.遺伝子組み換え作物の認可
3.遺伝子組み換え作物の栽培
4.特許権と知的所有権
V 政府の戦略産業・農業の株式会社化
1.遺伝子組み換え作物開発における科学・技術者の役割
2.バイオに向かう経済背景
3.戦略産業・農業の株式会社化
W 市場原理主義に歯止めをかけよう
1.農業に広がる賃金労働化と格差社会
2.食糧の量と質の危機
3.天変地異と重病の地球