2001年12月7日号
2001年11月23日号
2001年11月9日号
2001年10月19日号
2001年10月5日号
2001年9月21日号
2001年9月7日号
2001年7月20日号
2001年7月6日号
2001年6月22日号
2001年6月8日号
2001年5月18日号
2001年5月4日号
2001年4月20日号
2001年4月6日号
2001年3月23日号
2001年3月9日号
2001年2月23日号
2001年2月9日号
2001年1月19日号
2001年1月5日号
峠を越えた山里の神社にふと立ち寄り、朱色の社と太鼓橋が秋色の木々に映えているのに感嘆し社務所の神主さんと話をしていて、偶然聴いた誕生と旧官幣大社として様々な行事が控え、帰りの車のラジオが誕生を繰り返し報じ、その後の人々の動き、まだまだ旧世界が生き残っていると感じるこの頃。
11月28日のゼミはマルクス『資本論』2巻20章「単純再生産」の1〜5節を小野さんの報告で行いました。ここでは社会的資本の再生産過程がどのように行われるかが、問われている。社会的資本の再生産過程を個別資本のそれとどう区別するのか、その価値・現物がどう補填され、剰余価値と労賃の消費がどのように絡み合うのかを課題とした。可変資本は労賃に等しく、不変資本は生産において消費された価値を表し生産において使用されたその価値とは一致しない。社会的生産を生産諸手段生産部門(I)と消費諸手段生産部門(II)に分け、両部門間の交換は単純再生産ではI(v+m)=IIcとなることが明らかにされた。さらにII部門を必要生活手段(IIa)と奢侈品(IIb)に分割して、I部門・IIa部門とIIb部門間の交換を数式を使った詳しい分析によって考察され、それぞれの変換の数的な条件を明らかにし、その交換が貨幣流通によって媒介されていることを、それぞれの交換の数値にあたって明らかにしている。
議論では、スミスが生産財と消費財を分けて考察を始めたように、スミスとマルクスを万里の長城のように分けるのではなく、どう継承したのか観る必要がある。社会的総生産を見る場合には素材の考察が必要である。奢侈品は労働者が手に入らないものと前提しているが、現代はどうなのか。労働者そのもの自身が奢侈物ということは何なのか。サービス労働者と奢侈品生産労働者とは違うのか、不生産的労働者をどう位置付けするのか。再生産で軍事部門はどうとらえるのか、経済の軍事化との関連ではどうなのか、議論は進みました。
出席は、川口さん、高橋さん、小野さん、高島さん、高田、後の飲み会の団欒に駆けつけた松村さんの6名でした。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
12月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』第2部1〜4 報告 高橋さん
1月9日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』第3部1〜4終章 報告者未定
1月23日(水)午後6時半〜9時 会場未定
マルクス『資本論』2巻20章6〜10節 報告 川口さん
2月13日(水)午後6時半〜9時 会場未定
テキスト未定 報告者未定
後、2/27(会場:天六・報告:高橋さん)
しし座流星雲が日本全国で観測されたとか。その頃当方はすっかり夢の中、過去200年で最大とか。以前期待したのに外れたので、その気にならず、なんとも残念なような、もっとも宇宙より地球上のことが気になるこの頃。
11月14日のゼミは鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』第1部「中小企業のアジア進出」「1 中小企業のアジア進出における問題点と可能性」「2 アジアとの共生模索する中小企業」「3 中国進出企業の成功例と失敗例」「4 中国進出日系中小企業に関する数量的分析」を森井さんの報告で行いました。円高にともない海外展開が加速化し中小企業の海外進出が@親会社の受注確保A労働力確保B原料確保C市場開拓を契機として行われた。90年代にその見直しと撤退がある一方、技術移転という成功例もある。安価な労働力確保ではなく、進出国の消費者ニーズに対応し、中長期計画による国内工場と海外工場との役割分担が必要と説く。中国への進出企業ではその国を理解しようとする姿勢と良好な労使関係が成功例とあげ、他方で低賃金を求める典型的な渡り鳥企業が失敗例としてあげられている。しかし数量的分析では中国進出企業は低賃金志向・労働集約的傾向が強いとしている。
議論では、中小企業の自立的経営が書かれているが、国際的ネットワークが表題にあるのに書かれていない。「日本的経営」を美点として描いているが、朝早く夜遅く働くことが美点であろうか。ジャストインタイムの移転が書かれていない。若者の製造業離れが言われ空洞化批判に対して、それが企業社会の変革の起点になりうるのか。海外進出の問題に対して国際分業が叫ばれているが、他方での国民経済が忘れられているのではないか。食料安保論が主張されるが、衣料に安保論は成り立つのか。和装衣料の不振は海外移転ではなく、もともと着ないことが原因ではないか。
出席は、川口さん、高橋さん、小野さん、森井さん、松村さん、高田の6名でした。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
11月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻20章1〜5節 報告 小野さん
12月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』第2部1〜4 報告 高橋さん
1月9日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』第3部1〜4終章 報告者未定
1月23日(水)午後6時半〜9時 会場未定
マルクス『資本論』2巻20章6〜10節 報告者未定
後、2/13
大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより
峠のトンネルを越えて下り道、見える柿の木にはたくさんの実がついていて、道端の無人の売店にはビニール袋一杯100円のおいしそうな柿が並べられていた。帰りにでも買うかと急いで通り過ぎたが、さて帰り道には空っぽになっていた。あーあまた買いそびれたか、紀北の秋の風景。
10月24日のゼミはマルクス『資本論』2巻19章「対象についての従来の諸叙述」第2節「アダム・スミス」、第3節「その後の人々」を高田の報告で行いました。スミスは労賃・利潤・地代を交換価値の本源的源泉だけでなく、収入の本源的源泉とした。そのため、一国の純収入から固定資本を除外したが、生産手段と消費手段の2つの生産部門に分けて考察したことにスミスの到達点がある。いわゆるスミスのドクマ・商品の価格は労賃・利潤・地代から構成され、また還元されるという。これらの収入を交換価値の構成部分から本源的な諸源泉に替えてしまったことから、俗流経済学への門戸を開いた。スミスは年々の生産物価値を年々の価値生産物を同一視し、後者は1年間の労働の生産物であるが、前者には前年(その前も)に生産されたものの価値を含むのである。スミスが忘れたものは、以前から受け継がれた労働諸手段と労働対象が生産に必要だということである。その後のリカード達はスミスを受け継ぎ、彼のドクマは経済学の正統派的信条をなしている。
議論では、社会的見地からCが消え失せたのではないか。スミス以前は富は金銀であったが、彼は富の源泉を労働とした。マルクスは第3節で、スミス以後はおれ(マルクス)以外にスミスを越えたものはいないと言いたかったのか。スミスは再生産表式への橋渡しをした。T部門のv+mがU部門のcと交換されると解いたとき、核心に迫っていたのだ。
出席は、川口さん、高橋さん、小野さん、森井さん、高島さん、中村さん、高田の7名でした。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回のゼミからは鈴木茂・大西広・井内尚樹編『中小企業とアジア』(昭和堂,1999年,3000円)がはじまります。
****** ゼミ日程 *******
11月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』第1部1〜4 報告 森井さん
11月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻20章1〜5節 報告 小野さん
12月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』第2部1〜4 報告者未定
1月9日(水)午後6時半〜9時 会場未定
鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』第3部1〜4終章 報告者未定
後、1/23(資本論2巻20章6〜10節 会場未定)。
[一番上に]
景気がますます悪くなる、「軍隊」が海外へ行く、いつか来た道ではないか。敵がみえない戦争と艦上から発射されるミサイル、その先に人がいる。
10月10日のゼミは西川潤『人間のための経済学』の第3部「社会、人間の開発理論」の第8章「援助と自立」第9章「社会開発とは何か−自立の条件づくり」第10章「貧困と格差−貧困緩和の諸方策」第11章「社会的経済−市民社会の経済学をめざして/EUの実例」第12章「アマルティア・センの人間開発理論」終章「内発性と自立をめざして−社会的経済理論と社会・人間の開発/発展」を高橋さんの報告で行いました。開発とは先進国モデルで近代化をはかる世界経済への統合にあり、それが債務負担と貧困の増大につながるのに対して、市民社会・NGOの活動を通じて水平的自立的な方向の道が開けてくる。国連が主導して経済開発から社会開発へと進み、、国家・企業と並んで市民セクターが不可欠なものとなる。貧困に対しては「社会的弱者」の人権強化が貧困克服の大道であると唱える。EUでは社会的経済が重要なものととらえ、非営利経済だけでなく非市場経済を対象にしそれが再び復活したという。センに対してはその倫理経済学は個人ベースであるという。物質的富の創出だけでなく積極的平和に支えられた豊かさの経済学の確立が必要と説く。
議論では、特に貧困とテロについて白熱し、世界でグローバリズムの洗礼を受けないところはない。そのグローバリズムがドロップアウトしているところに貧困とテロがある。NGOは生産関係に基づかないものであり、これをもとに経済学はできない。市民社会のあやうさを説くべきだ。日本の貧困とアフリカの貧困とは根本的に異なる。西川氏は空想的社会主義者か。
出席は、川口さん、高橋さん、小野さん、松村さん、森井さん、高田の6名でした。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*西川『人間のための経済学』を終わりました。次々回のゼミからは鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』昭和堂に決まりました。
****** ゼミ日程 *******
10月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻19章2節、3節 報告 高田
11月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』 報告者未定
11月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻20章1〜4節 報告者未定
12月12日(水)午後6時半〜9時 会場未定
鈴木・大西・井内編『中小企業とアジア』 報告者未定
後、1/9(会場未定)。
[一番上に]
大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより
いつのまにやら、簡単に憲法を乗り越える行動がまかり通っている。どの方向に日本を導いていこうとしているのか、注意が必要なこの頃。
9月26日のゼミはマルクス『資本論』2巻第18章「緒論」、第19章「対象についての従来の諸叙述」の第1節「重農主義者たち」を川口さんの報告で行いました。いよいよ第3編「社会的総資本の再生産と流通」に入りました。社会的総資本の運動は個々の資本の自立化された諸断片の運動の総体、個別諸資本の回転の総体から成り立つ。総過程は生産的消費と個人的消費を含み、その循環は資本の流通だけでなく一般的な商品流通をも包括する。資本主義的商品生産は社会的にも個別的にも原動力として貨幣資本を前提とする。規模の大きい生産には長期的な大きな貨幣資本を必要とし逼迫と撹乱を引き起こす。ケネーの経済表に代表される重農主義学説は借地農業を対象としていたが、資本主義的生産の最初の体系的把握であった。その後スミスは流動資本の混同を起こし、再生産過程の分析を後退させたが、それを農業資本だけでなく産業資本全体に一般化したという進歩の面もあった。
議論では個人的消費に対し、生産的消費を対比するが、個人的消費に対して「社会的消費」という観点はどうであろうか。資本の循環に対して商品流通を取り上げているが,それは2つあるのみ,剰余価値の循環と労賃の循環は別の環として捕らえられる。共産主義社会の循環にも言及しているが,はたしてうまく生産手段や消費手段を振り分けることができるのか、欲望と消費の関係はどうなのか。フランスには借地農業者はいたのか。現在すすめられている銀行の統合、店舗がビルの1階の一等地ではなく上の階にいくこと等、議論は続いた。
出席は、川口さん、高橋さん、小野さん、松村さん、高島さん、中村さん、久しぶりの森井さん、高田の8名でした。
*次回の会場は四天王寺前・天王寺区民センターです。報告者変更です。
*次回のゼミで西川『人間のための経済学』が終わります。11月からのテキストの推薦をお持ちより下さい。
****** ゼミ日程 *******
10月10日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
西川潤『人間のための経済学』岩波書店 第V部 報告 高橋さん
10月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻19章2節、3節 報告 高田
11月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
文献未定 報告者未定
11月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻20章1〜4節 報告者未定
後、12/12(会場未定)。
9月12日のゼミは西川潤『人間のための経済学』第U部「豊かさと貧しさの理論」の第4章「経済発展から人間発展へ−シュンペーターとペルー」,第5章「構造学派から従属論へ−その歴史的意義」,第6章「世界システム論からレギュラシオン理論へ−制度的見方の展開」,第7章「豊かさと貧しさ−ガンジーとマザー・テレサの仕事から経済学を見直す」を大辺さんの報告で行いました。シュンペーターからペルーへの経済発展論をみ、前者が純粋経済理論に対し後者は国家や集団を重視した。主流派経済学への疑問として構造学派がラテンアメリカで50年代に生まれ、南の工業化に伴う社会問題の発生のもとに工業化が必ずしも真の発展につながらないとして従属論が生まれた。今日の従属論は経済のグローバル化に対し自らの地域・文化伝統を踏まえている。さらに近代化論に権力論と経済分析を結合しようとする世界システム論とレギュラシオン論が出てきた。特にレジュラシオン理論は国民的枠組みを重視し、資本蓄積体制の調整制度を重視した。最後にガンジーとマザーテレサの仕事から経済学を見直すと説く。
議論ではそれぞれの理論の流れが理解できた。低開発国・南北問題が念頭にあり、そこでの工業化をどう見るかにかかっている。中国の生き方を対象にすると、また東南アジアの問題からはどのように扱うのか。アジアからはどういう理論が出てくるのか。そこで日本は中心か周辺かとの問いかけがなされる。アジアでの内発的発展はどうなのか、それぞれの国にそれぞれの発展がある。中国の工業化と百円均一とは結びつくのか、議論は続いた。
出席は、川口さん、高橋さん、大辺さん、小野さん、初参加の藤本さん、高田、餃子店に駆けつけた松村さんの7名でした。
*次回の会場は四天王寺前・天王寺区民センターです。
*10月で西川『人間のための経済学』が終わります。11月からのテキストの推薦を10月初めのゼミのお持ちより下さい。
****** ゼミ日程 *******
9月26日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻18章、19章1節 報告 川口さん
10月10日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
西川潤『人間のための経済学』岩波書店 第V部 報告 高田
10月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻19章2節、3節 報告者未定
11月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
文献未定 報告者未定
後、11/28(天六)。
2001年9月7日号
我が家の恒例の夏登山は今年は8月末に木曽駒ヶ岳へ。ところが麓のペンションで明けた朝は雨が降っていて山は真っ白な雲の中。登るのをあきらめ、残念な気持ちのまま即刻帰路についた。明けて日曜日、近くの松尾寺から矢田寺まで山を歩き、ようやく納得して今年の夏は終わりました。
7月25日のゼミはマルクス『資本論』2巻17章「剰余価値の流通」を中村さんの報告で行いました。これまで資本の回転を固定資本と流動資本から、また生産の諸期間から、さらに可変資本から検討してきた。これまでは対象からはずしてきた剰余価値をここで初めて正面から取り上げ、その資本への転化と資本の蓄積が問題となる。社会的総資本の運動として後の第3編で単純再生産と拡大再生産が正面から検討されるが、ここではもっぱら資本の回転という観点から剰余価値の流通とその蓄積・投下が対象となっている。生産が拡張されその規模が拡大されていくと、剰余価値の実現だけでなく、追加資本が必要となる。これは信用の発達とともに貨幣市場が発達し蓄蔵貨幣が利用されようになる。そこからはもっぱんら貨幣の流通が検討され、さらに金生産が取り上げられている。さて、この章では剰余価値の流通を本当に検討したのであろうか。結局、剰余価値を貨幣化するための貨幣はいったいどこから来るのかという問題提起に対し論難を試みている。さらに、金生産が検討されたのは貨幣の磨耗分はどうするのかという問題からだ。ここでは奢侈品の購入はもっぱら資本家が行うことになっているが、現代に眼を転じれば、今日のいう奢侈品はどうなのか、労働者も購入しているのか、あるいはそれは必要なもの、必需品になっているのか、それとも個人の嗜好の問題としてしまうのか、議論は続きました。
出席は、川口さん、高橋さん、高島さん、松村さん、小野さん、中村さん、高田の7名でした。
*次回の会場は四天王寺前・天王寺区民センターです。
****** ゼミ日程 *******
9月12日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
西川潤『人間のための経済学』岩波書店
第U部 第4,5,6,7章 報告大辺さん
9月26日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻18章、19章1節 報告 川口さん
10月10日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
西川潤『人間のための経済学』岩波書店 第V部 報告者未定
10月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻19章2節、3節 報告者未定
後、11/14、11/28(会場未定)。
[一番上に]
落ちるべきして落ちた、という感想。誰がオリンピックを誘致したかったのか。落選の3日後大阪の町に出て、あれほどあった誘致垂れ幕がみごとにきれいになくなっているのには、感心した。あれほど声高に「2008大阪オリンピック」と叫び声が聴こえても、この街にオリンピックが来るなんで誰も信じていなかったのではないでしょうか?
7月11日のゼミは西川潤『人間のための経済学 開発と貧困を考える』岩波書店の第1,2,3章を松村さんの報告で行いました。1970年代に内発的発展論が西欧的近代化論の直輸入への批判、独自の価値伝統の再評価として出てきた。これを西川氏は19世紀のイギリス自由主義にたいする独仏米の内発論を源流とする。それは人権に比重をおき、人間の自律性・社会の自立を促し、共同・自主管理を進め、地域の自力更生に貢献する。そして地域経済の産業連関を形成・発展させる。グローバルな視点からは、国家と企業の連合体が動かしてきた世界システムが国家・企業・市民社会の連係関係へと変わっているとみる。
議論では、ガンジーを論じているが、はたして欲望を規制できる社会ができるのだろうか。西氏の議論は全体に楽天的・空想的である。内発発展論とは自給自足の経済か、輸入規制を行うのか、地域内ですべての製品を作り出すということをめざすのか、北海道で使うストーブを四国で作ることがどうして分業の矛盾なのか、地域をどう捉えるか、その範囲をどのようにくくるのか問題になってくる。資本の世界戦略とモノカルチャーに対して、はたして資本の論理を規制できるのか。共生社会というが差がある国の間で共生は育つのか。内的発展論というときアメリカからの自立の視点が抜けている。分業と支配従属との関連を解く必要がある。結局、ガンジー・国民会議派はカースト制を廃止できなかった。
出席は、川口さん、高橋さん、松村さん、小野さん、大辺さん、高田の6名でした。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
7月25日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻17章 報告 中村さん
9月12日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
西川潤『人間のための経済学』岩波書店第4,5,6,7章 報告大辺さん
9月26日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻18章 報告者未定
8月はお休みです。後、10/10、10/24(会場未定)。
2001年7月6日号
初めて本をインターネットから注文しました。注文して4日目にコンビニで現金を支払い受け取りました。早いが遅いか判定は難しいのですが、ゆっくり本屋に行く時間が取れない人、私のように大阪中心地から遠くを通勤してるものにとっては便利です。ただ、あの本屋さんの高い本棚のなかで偶然巡り合う、という気分が味わえないのは、寂しい限りです。
6月27日のゼミはマルクス『資本論』2巻16章「可変資本の回転」を高橋さんの報告で行いました。この章は剰余価値の生産と資本の回転の関係を考察する。1回転期間に生産する剰余価値率に1年間の可変資本の回転数をかけたものが剰余価値の年率となる。ここで年に1回転する資本と10回転する資本を比較し、1年間に生産される剰余価値はその充用される資本できまるのであって、前貸される資本で定まるのではない。潜在的に準備されている資本は価値形成も剰余価値形成にも参加しない。前貸資本は現実に機能する度合いでのみ充用される資本に転化し機能し、作用する可変資本に転化する。個別資本における回転期間の違いが前貸額に影響を与えることを考察し、さらに社会的な考察へと進む。回転期間の違いが貨幣資本の前貸しに影響し、その労働者のために多量の生活手段を市場から引き上げられ、貨幣市場・利用可能な生産資本への圧迫が生じる。さらに恐慌に対する議論にまではいり、「社会的理性が事後になって初めて発現する資本主義社会」に対し、計画経済により障害のない共産主義社会を対峙する。
議論では、この章は前貸資本と充用資本を区別し、リカード批判に当てられている。前貸しは支出ではなく、その本性は「過程する価値」である。社会的考察の中で貨幣市場への圧迫を投機・資本移動の活発化・輸入増加・価格騰貴まで導くが、まさに401Kに見るように、今や普通の人が投機市場に投げ込まれる。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、小野さん、中村さん、高田の7名でした。
*次回の会場は四天王寺前・天王寺区民センターです。
*次回ゼミのテキストは
西川潤『人間のための経済学 開発と貧困を考える』岩波書店
(2000年2,500円)です。
****** ゼミ日程 *******
7月11日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
西川潤『人間のための経済学』岩波書店第1,2,3章 報告松村さん
7月25日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻17章 報告 中村さん
後、8月はお休み。9/12、9/26(会場未定)。
今年の梅雨は、いつものじとじとではなくざっと降る、そんな潔い振り方にカラッと晴れて夏の日差しについ梅雨を忘れてしまいそうです。それでも夜には涼しい風が入ってきます。
6月13日のゼミはアマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』の最終第9章を高島さんの報告で行いました。この本全体像を概括し、この本がセンの平等論の一里塚であり、特にロールズの『正義論』への関心とその批判に多くを費やされている。「何の平等か」の問いは倫理的アプローチの違いを理解するのに中心的はものである。「人間の多様性と異なる平等」に視点をあて、効率主義と不平等擁護論に対する批判から、「自由と潜在能力」に注目することにセンの特徴がある。特に「個々人の優位性を判断する際の基礎として潜在能力を検討することに主な関心を」払い、自由の評価は「選ぶ自由」の位置付けに基づくという。さらに別の視点でマルクス主義の論文を紹介し、「正義」と「平等」について、「マルクスの正義の理想の本質的意味は、生産手段の私有から生じる否定的結果と、分業への従属から、個人を解放することである」(ウィースロー・ラング)と。
議論では、センは国連開発計画にかかわっているように政策を視野に入れた記述と思ったが、実際の論理展開ではどこにどのような政策が出てくるのか、わかりづらいところがあった。従来の経済学(新古典派)に対する批判は良く理解できた。一般市民に対して経済学はどのようなアプローチをすべきか、教えられることは多い。センの叙述から経済学がA.スミス以来のもっと広い学際的な論述、経済哲学を語る必要としているのではないか。センの提起によりマルクスの読み直しが出来た。センの議論は個人を重視するが、資本主義の中で個人の問題をどのように全体の問題としていくか、まだまだ課題が多いように思える。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、高田の4名でした。餃子会へ松村さんが駆けつけました。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*センが終わりました。次のテキストは
西川潤『人間のための経済学 開発と貧困を考える』岩波書店(2000年2,500円)
に決まりました。
****** ゼミ日程 *******
6月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻16章 報告 高橋さん
7月11日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
西川潤『人間のための経済学』岩波書店第1,2,3章 報告松村さん
後、7月25日(天六)、8月はお休み。9/12、9/26(会場未定)。
休日、山に登りたいがその時間と気力はなし。用事でドライブついでに回り道をし、竹之内峠のニ上山登り口のログハウス建の喫茶店にコーヒーを飲みに入り、まわりの登山者の人達から少しだけ登山気分をおすそ分けしてもらった日曜日でした。ますます山の緑がまぶしく目に映りました。
5月9日のゼミはアマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』の第7章「貧しさと豊かさ」、第8章「階級、ジェンダー、その他のグループ」を小野さんの報告で行いました。貧困とは低所得であるという見方を批判し、受け入れ可能な最低水準に達するのに必要な基本的な潜在能力(Capability)が欠如した状態であるとする。したがって、「所得が不十分」とは外部から与えれた貧困線より低いということでなく、その所得が特定の潜在能力を発揮するのに必要な水準に達していないことをさす。平等の追求を人間の多様性から見るならば、グループ分析する上で人々をどのように分類するかが重要となる。経済的機会と自由の関係を分析する際にマルクス的階級分析に基づく分類の仕方は不適当であるという。所得の不平等が解消しても個人的な様々の多様性は解消できない。ジェンダー間の不平等も機能や潜在能力から接近する必要を説く。
議論では、この2つの章には共鳴するところある。所与の社会と進歩を考えると昔は「楽園」であった論に注意。階級概念を経済的階級と見ることに疑意。「ゴータ」の引用は不適切。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、小野さん、森井さん、高田の7名でした。
*次回の会場は四天王寺前・天王寺区民センターです。
*センのテキストが6月に終わります。次のテキストを次回のゼミで検討いたします。推薦・読みたいテキスト候補をお持ちよりください。これまで候補として、毛利良一『グローバリゼーションとIMF・世界銀行』、佐藤武『マルクス再生産論研究』、アンデルセン『ポスト工業経済の社会的基礎』などが出ています。
****** ゼミ日程 *******
5月23日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻15章 報告 高田
6月13日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
9章 報告 高島さん
6月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻16章 報告者未定
後、7月11日(四天王寺前)、7月25日(天六)、8月はお休みです
大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより
2001年5月4日号
ゴールデンウィーク、9連休となった会社を伝え聞くが、中小企業が集まる工業団地では連休谷間の日も多くの人々が出勤し、窓の外の遠くからはメーデーのデモ行進でもあろうか、人々の声が聴こえてきた。
4月25日のゼミはマルクス『資本論』2巻12章「労働期間」 、13章「生産時間」、14章「通流時間」を高島さんの報告で行いました。はじめに資本の循環の全体概念図を示し、時間としては生産時間に労働期間と自然諸過程、通流時間に販売時間と購買時間があり、運動過程としては生産過程(その中に労働過程)、流通過程がある。まず日々の労働時間が同じでも労働過程の持続時間に相違が様々な生産部面で起こる。紡績業と機関車製造業を例に取り、一つの完成生産物の供給に必要な多数のつながり合う労働日を労働期間と定義する。それが長い生産部面は資本主義として集積を必要とする。それが短縮される部門とされない部門がある。生産期間は労働過程と自然諸過程に分かれ、その不一致が問題となる農業・造林・畜産業などが語られ、在庫とは相対的に生産過程にあるものと、潜勢的な生産資本分けられる。通流時間で決定的なのは販売時間であり、商品資本として市場に持ち込まれ、そこに交通運搬手段と距離の問題が出てくる。
議論では、それまで章との観点がどのように違うのか、特に5章と14章の同じ名前の章に関し5章では価値移転が取り上げられていた。技術的発展が協業・分業を通じて大量生産・大量消費をもたらしたこと、資本の回転の促進要素として技術の発展と資本の集積があった。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、小野さん、森井さん、高田の7名でした。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
5月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
7章、8章 報告 小野さん
5月23日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻15章 報告 高田
6月13日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
9章 報告 高島さん
6月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻16章 報告者未定
後、7月11日(会場未定)、7月25日(天六)
[一番上に]
2001年4月20日号
29年前百貨店からスーパーへ、そして今年コンビニへと小売の主役が交代した。大量生産大量消費から少量多品種へ、その小売業でのエポックメーキング。デフレと言われる中、低価格が売りもののユニクロの売上高が2倍以上伸びたという。小売業は確実に大きく変わってきている。
4月11日のゼミはアマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』の第5章「正義と潜在能力」第6章「厚生経済学と不平等」を松村さんの報告で行いました。センはまずロールズの「公正としての正義」を取り上げ、基本的自由と機会の平等が原初的状態として必要とし、善を追求する手段や資源を「基本財」と呼び、その保有を求めることとしている。しかし人間は多様であり同じ組み合わせの基本財でも違ったものになってしまう。基本財の分配の平等ではなく、基本財から目的や目標を追求する潜在能力に変換する能力の個人間の多様性が検討されねばならないとする。厚生経済学に対しては所得の次元から福祉の構成要素の次元へ、自由の構成要素の次元への根本的転換を要求している。
議論では、「正義」を問題に取り上げることの意味は何なのか、資本主義の矛盾の表出、自由主義では成り立ちがたくなっていること、結局誰に対しての正義かが内包されている。センは効用学派の「最大多数への最大幸福」に疑問を投げかけ、インド社会を見つめている。基本財の組み合わせを言うが、供給側ではなく需要側の論理ではあるが、非常に評価の困難なものがある。潜在能力とマルクスの享受能力との関係はどうなのか、マルクスには協業・分業という労働の考察がある。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、小野さん、研究生として初めて参加された岡田公彦さん、高田の7名でした。
*次回の会場は四天王寺前・天王寺区民センターです。
****** ゼミ日程 *******
4月25日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻12章 、13章、14章 報告 高島さん
5月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
7章、8章 報告 小野さん
5月23日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻15章 報告 高田
6月13日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
9章 報告 高島さん
後、6月27日(天六)、7月11日(会場未定)
桜の花が咲くと不思議と入学式が思い出されます、なぜが桜にランドセル。あまりに花がこれとばかりに咲き誇るのが派手すぎて、むしろ白い花に蒼い葉が一緒に咲く山桜、あのお日様に透き通るまぶしい緑が好きなのですが、どうもまわりはソメイヨシノばかりで。
3月28日のゼミはマルクス『資本論』2巻11章 「固定資本と流動資本とにかんする諸学説 リカードゥ」を高橋さんの報告で行いました。リカードは労働を維持するべき資本を流動資本、道具・機械・建物に投下されいる資本を固定資本とした。流動資本を可変資本と混同し、流通過程から考察することで剰余価値の創出される過程が無視される。リカードは労働材料を欠落させ、労賃に投じた資本は前貸しであると資本家的取り違えをしている。耐久性を固定資本の特徴とするが、同じ素材が労働手段にも原料にもなりうる。スミスが引き起こした混乱の結果、固定資本と流動資本の区別と生産資本と商品資本の区別が混同され、流動資本を労賃に投じられた資本と同一視し、可変資本と不変資本の区別を流動資本と固定資本に還元してしまっている。
議論では、これらの混同は労働と労働力の区別があれば防げた、そこにスミス・リカードを超えたマルクスがある。生産資本に関係してる固定・流動資本の問題が貨幣・商品資本の問題にすり返られている。利潤の源泉の追求した経済学は今は利子を追求する金融工学まで行き着いた。人類は資本によって破壊されながら、それとの戦いで発展する。豊かさとはそれぞれの国に応じた豊かさがある。ダウンシフターからIT革命まで議論は進みました。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、森井さん、小野さん、高田の7名でした。
*次回の会場は四天王寺前・天王寺区民センターです。
****** ゼミ日程 *******
4月11日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
5、6章 報告 松村さん
4月25日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻12章 、13章 報告 高島さん
5月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
7、8章 報告者未定
5月23日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻14章 報告者未定
後、6月13日(会場未定)、6月27日(天六)
生まれて「経済学」なるものを学びだし、いつもインフレと聞き続けそれが当たり前のように思っていたのに、最近やたらとデフレなる言葉を目にするようになった。「経済」の中に大きな変化がそんなことからうかがえる。
2月28日のゼミはマルクス『資本論』2巻10章「固定資本と流動資本とに関する諸学説 重農主義者たちとアダム・スミス」を高田の報告で行いました。ケネーは生産資本に固定資本と流動資本の区別を正当に行っていたが(だたし農業資本でのみ)、それを一般化したスミスは流動資本と流通資本を混同したことによって資本の解明を後退させた。スミスはその規定を物に備わる性格としてしまった。またスミスは労働力ではなく労働者の生活手段を生産資本の流動的構成部分と規定することによって、可変資本と不変資本の区別の把握、資本主義的生産過程一般の把握を不可能とした。スミスは社会的富を直接的消費元本、固定資本、流動資本に区分した。
議論では、マルクスはわざわざなぜここに学説を章立てにしたのか。スミスが流動資本と流通資本(マルクスはわざわざ「私がなづける」と言っている)を混同したのは、流動とは売り買い(持ち主を換える)のことであり、一度に回収できることに注目した結果だ。スミスの社会的富のうち直接的諸費元本とは何か。アジア的生産様式の評価、イギリスだけをモデルにしたことの評価、ヘーゲル・マルクス無しに現代社会を正しく解明できるか、文化の継承とは何か、まで議論が進みました。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、小野さん、松村さん、中村さん、高田の7名でした。
*次回の会場は四天王寺前・天王寺区民センターです。間違のないように。
*3月11日の「研究交流集会」で、大阪第3学科は公開ゼミを奥村宏『株式会社はどこへ行く』の高田の報告でおこないます。
****** ゼミ日程 *******
3月14日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
2、3、4章 報告 川口さん
3月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻11章 報告 高橋さん
4月11日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
5、6章 報告 松村さん
4月25日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻12章 、13章 報告 高嶋さん
後、5月9日(天六)、5月23日(四天王寺前)
日本の外交が日本の人々のためにではなく、自分たちの組織とアメリカの方に向いていることが、最近の機密費問題の実態と実習船潜水艦衝突事件での外務省政務官発言で明確になりました。日本の国家とは国民自らの組織ではなく、「下々」を統治支配するための「お上」の装置なのだ。
2月14日のゼミはアマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』の序章「問題とテーマ」、第1章「何の平等か」を小野さんの報告で行いました。人間はそもそも異なった存在であり、平等という概念もひとつの変数では測れない。平等の倫理分析の中心課題は、なぜ平等でなければならないか、何の平等かというである。社会制度にたいする規範理論も何に関する平等かを要求している。功利主義は総効用の和を最大化することを求め、平等主義ではない。人間の多様性から平等を考えること、自由がどのようにかかわるかが重要である。所得のみに焦点をあて不平等というには限界がある。
議論では、welfareではなくwell-beingが真の平等、マルクス主義は平等をどう考えているのか、多様性を強調すると差別を是認する危険がある、資本・企業の運動がでてこない、その上で個人の潜在能力を考えれば、結果の平等より機会の平等さえない、潜在能力と選択の自由の関係はどうか、最大の不平等は所得ではないか、そこから様々な問題が炙り出される、倫理から問題を立てることに新鮮さがある。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、小野さん、松村さん、高田の6名でした。
*次回の会場は四天王寺前・天王寺区民センターです。間違のないように。
*3月11日の「研究交流集会」で、大阪第3学科は公開ゼミを奥村宏『株式会社はどこへ行く』の高田の報告でおこないます。
****** ゼミ日程 *******
2月28日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻10章 報告 高田
3月14日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
2、3、4章 報告 川口さん
3月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻11章 報告 高橋さん
4月11日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
5、6章 報告 松村さん
4月25日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻12章 報告者未定
この3日間、ISO14001の審査がありほとほと疲れてしまいました。国際化の波が中小企業にも押し寄せ、これからはISOをとっていないと企業競争に勝ち残れない時代、とまれこれで地球環境は良くなるのだろうか。
1月24日のゼミは、マルクス『資本論』の2巻9章「前貸資本の総回転。回転循環」を中村さんの報告で行いました。生産資本の固定的構成部分と流動的構成部分だけでなく固定的構成部分の中にも回転期間が相違するが、総回転はそれらの異なる構成部分の平均回転である。その回転期間の相違は量的な区別だけでなく質的区別が生じる。流動資本では全価値が生産物に移転され販売によって現物で補填される。固定資本では一部分(摩滅分)だけ移転されある期間の後はじめて補填される。年度内に何回か回転する流動資本により前貸資本より大きいことがある。資本主義の発展とともに固定資本はその寿命が延びるが、他方生産手段の恒常的な変革によってその生命が短くなる。社会規範上の磨耗が周期的な恐慌の物質的な基礎である。
議論では、現在は恐慌なのかと問い、つい最近まで29年恐慌との比較がはやったが、どうなったのだろう。回転ということから、企業にとって商品在庫と資材在庫がとても重要な要素であるが、マルクスは詳述していない。また、日本でも終身雇用制というのは手持ち在庫ではなかったか。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、小野さん、中村さん、高田の6名でした。
*次回から、アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店1999年2600円)が始まります。
****** ゼミ日程 *******
2月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
序、1、2章 報告 小野さん
2月28日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻10章 報告 高田
3月14日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
3、4章 報告 川口さん
3月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻11章 報告 高橋さん
4月11日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
5、6章 報告者未定
[一番上に]
昨年末に今年は暖冬かなと思っていたら、年明けから寒い日が続いています。久しぶりの雪に、私も車の渋滞に巻き込まれてしまいました。くれぐれも風邪をひかれませんよう、祈っております。
1月10日のゼミは奥村宏『株式会社はどこへ行く』の第5章「株式会社はどこへ行く」を高島さんの報告で行いました。この本の最終章ということで、これまでの各章とゼミでの議論をまとめる形で報告があり、この本の意図は株式会社が変質しもはや株式会社といえないこと、株式会社改革の問題点をあきらにすることにあるとしている。3つのキーワード「株主資本主義」「法人資本主義」「会社本位主義」の相互関係の組み合わせから、企業批判ではなく株式会社批判へ、株式会社に代わるもの、新しい企業像をさぐっている。法人資本主義の改革、会社本位主義からの転換、株主資本主義でない新しい道をと、「新しい個人の確立」「所有から存在へ」と結ぶ。具体的な方法は独禁法の許可、従業員による企業支配、NPOの普及、協同組合とならべている。議論では、法人資本主義と会社本位主義はコインの裏表であり、どちらかが規定しているというのはおかしい。批判の華々しさに比べ、対策の貧しさがあり、国家・政府・法制・国民運動等との関わりが希薄で、理論的に株式会社論の経済学的追及に深みが欠ける。会社本位主義といっても、現在は会社帰属意識が変化してきている。株式会社は制度であり、資本支配のひとつの方法として株式持合いがあり、それがなくても資本の支配は貫徹する。分社化はひとつの手段であり大企業体制は弱まっていない。最後にどのように資本主義が終焉するのか、それぞれの社会主義像を話し合った。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、小野さん、高田の5名でした。
*2月14日からのテキストは、アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店1999年2600円)に決まりました。
****** ゼミ日程 *******
1月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻9章 報告 中村さん
2月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
序、1、2章 報告 小野さん
2月28日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻10章 報告 高田
3月14日(水)午後6時半〜9時 場所・未定
アマルティア・セン『不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店)
3、4章 報告者未定
あけまして、おめでとうございます。昨年の正月は2000年問題でさわいでいたと思ったら、今年の正月は21世紀の幕開けの大合唱。毎年毎年話題に事欠けません。とはいえ、愚かな人間の足跡が20世紀に残したことを思いながら、どのような世紀にしようするのか、人間の叡智が試されている新世紀です。今年もよろしくお願い致します.
12月22日のゼミは奥村宏『株式会社はどこへ行く』の第3章「株主資本主義の危険」第4章「会社は株主のものか」を高橋さん報告で行いました。株主重視の経営とは株価重視の経営であり、その株価は作られて、投機資本主義となっている。「含み資産」経営の安易さと法人資本主義、高株価経営がバブルとその崩壊を生んだ。その対策には銀行の株式所有禁止、事業会社・持株会社による株式所有の制限と相互持合の解消が必要という。機関投資家・法人による株主は誰が会社を支配するか分からなくしている。株式分散による経営者支配があり、株式所有の法人化により株式会社の原理が崩され、誰も責任をとらない会社になってしまっている。
議論では、これが「現代資本主義分析」といえるのか、大企業を軸としているだけで、中小企業の問題が出てこない。考察の単位を「資本」ではなく「企業」としていることに資本主義像が狭くしていて、大企業解体と子会社化、分社化の論理を捉えきれるのか。またこの資本主義にはそこで働く労働者が出てこない。機関投資家に対するファンドマネージャーを論じるが、日本のファンドマネージャーはそんなに独立独歩しているのだろうか。企業改革をどの立場で行うのか書かれていない。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、小野さん、松村さん、高田の6名でした。
*次回のゼミで『株式会社はどこへ行く』が終わります。次のテキストの候補には、アマルティア・センの著作にしたいとの声がありました。基礎研MLからの推薦本は『福祉の経済学』『不平等の再検討』『貧困と飢餓』(いずれも岩波書店)です。皆さんの推薦本を持ち寄りください。
****** ゼミ日程 *******
1月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
奥村宏『株式会社はどこへ行く』5章 報告 高島さん
1月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻9章 報告 中村さん
2月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定 報告者未定
2月28日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻10章 報告者未定