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大阪第三学科たより
2004年
ゼミ参加者用


2004年12月17日号
2004年12月3日号
2004年11月5日号
2004年10月22日号
2004年10月8日号
2004年9月17日号
2004年9月3日号
2004年7月5日号
2004年6月21日号
2004年6月7日号
2004年5月17日号
2004年5月3日号
2004年4月19日号
2004年4月5日号
2004年3月19日号
2004年3月5日号
2004年2月13日号
2004年1月30日号
2004年1月23日号
2004年1月9日号


大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2004年12月17日号

ディスカウントショップでの火災、若い命が奪われた。放火であれ、うずたかく積まれた商品棚が災いを大きくしたのではないのか、安売り店、命まで安売りされてはいなかったか。

[第480回ゼミ 報告]
12月8日のゼミはマルクス『資本論』第3巻第25章「信用と架空資本」を高島さんの報告で行いました。ここでは商業信用と銀行業信用だけを取り上げる。資本主義的生産様式が発展するにつれて信用制度が自然発生的に拡大され、一般化され、仕上げられる。商品同士の流通用具である手形は信用貨幣であれ銀行券の基礎となす。信用制度は貨幣取引の発展と結びつき、その発展は商品取引の発展と歩調をそろえる。銀行の業務は貨幣資本を集中し、その貸し手の代表者として産業資本家と対自し、貨幣資本の一般的管理者となる。貸付可能な資本の源泉は各生産者や商人の準備金等が銀行に集中することによるとともに、貸付の形態として、手形割引等の前貸しや対人信用、利子生み資本、船荷証券や当座貸越などが行われるようになり、他行宛手形・小切手・自己発行銀行券で信用を与える。これらをトゥック、フラートン、ギルバードを採り上げ、銀行の業務とその内容を例証する。さらに前貸しを前提に、さらにそのために事業が行われることを、アジア貿易、鉄道建設投機等で明らかにする。議論では、商業信用に銀行信用を加えたエンゲルスの加筆はどうであったのか。信用論はマルクスのプランの中では一番まとまりが悪い。プランの変遷はどうであったのか。銀行とは何なのか、信用創造と決裁機能。手形流通が銀行券に進むことは教えられる。銀行信用に対し、商業信用が基礎である、その証拠に、銀行信用がなくても商業信用だけで商売は続けることができる。つまり受注さえあれば材料を提供してくれて仕事ができる。先物市場では時間差が相場を成り立たせている。銀行券ははたして国民信用によるのか、国家信用によるのか。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、森井さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回の12月22日は出版プロジェクト第3弾のテーマ発表会を行ないます。一人30分、テーマと要旨をまとめたレジュメを準備してください。
*新年からのテキストは齊藤正『戦後日本の中小企業金融』ミネルヴァ書房2003年3800円に決まりました。

****** ゼミ日程 *******
12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト・執筆予定者テーマ報告会

1月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』序章、1章、2章  報告小野さん

1月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻26章「貨幣資本の蓄積。それ・・」報告高田

2月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』3章、4章、5章  報告者未定

後 2/23(天六:27章報告高島さん)、3/9

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2004年12月3日号

同じ町内で起きた凶悪犯罪、少女が車に乗せられた道路はいつも通るところ、いつか近くで犯人とすれ違ったかもと思うと、他人事ではなくなる。

[第479回ゼミ 報告]
11月10日のゼミは小林真之『金融システムと信用恐慌』第7章「預金保険と信用恐慌」・第8章「自己資本比率規制と金融システム」を森井さんの報告で行いました。銀行の公共性は経済活動のインフラ提供にある。アメリカの銀行は日本型と異なり地方分権型のユニットバンク制度で以前にはセーフティネットはなかったが、1930年代から復興金融公社が出来、預金保険制度が整ってきた。日本ではそれより遅れて1971年に預金保険機構がやっと出来た。ただその後の不良資産の巨大化で公的資金注入となった。銀行は営利企業であってもその公共性により銀行破綻が問題になるとき政府の金融業への規制が本格化する。自己資本比率基準が1988年バーゼル合意により、国際金融活動を携わる銀行に対する規制が自己資本比率として定められた。しかし資本の規制をしても銀行の過剰融資を抑制する効果は持ち得ない。これまでの経験の教えるところでは自己資本の比率の高さは必ずしも銀行の健全性を補償するものではない。
議論では、アメリカの様々な金融機関は民衆の次元から発達してきている。ユニットバンク制度、国法銀行、州法銀行とはなになのか。ここにはグローバリズムから金融システムの問題を書いていないから、国際的な金融の動きが捉えられていない。現在の金融業界の状況は当事者責任を打ち捨てて国が直接出てきている、それを国独資というのではない。歴史的なものとグローバルなもの、その両方の捕らえ方で問題を複雑にしている。金融システムを問題にするのであれば、多国籍銀行という視点が必要で無いか。グローバリズムを問題にするのであれば、アメリカの戦略が見えてこない。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、森井さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*前回で小林本が終わりました。次回ゼミで1月からのテキストを決めます。推薦本をお持ちよりください。

*12月8日に資本論を行います。お間違えのないように。

*12月22日は出版プロジェクト第3弾のテーマ発表会を行ないます。
一人30分、テーマと要旨をまとめたレジュメを準備してください。

****** ゼミ日程 *******
12月8日(水)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻25章「信用と架空資本」   報告高島さん

12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト・執筆予定者テーマ報告会

1月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定      報告者未定

1月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻26章「貨幣資本の蓄積。それ・・」報告者未定

後 2/9(天六),2/23、3/9

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大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2004年11月5日号

天災は忘れた頃、というが、あんなに多くの台風ができ、おまけに地震まで。忘れる前に。とまれ全て天災ではない、人災でもあることも忘れるな。

[第478回ゼミ 報告]
10月27日のゼミはマルクス『資本論』3巻24章「利子生み資本の形態における資本関係の外面化」を高田の報告で行いました。利子生み資本において、資本関係はそのもっとも外面的で物神的な形態に到達する。G―G'の両極面を媒介する過程なしに自己自身を増殖する価値となる。資本は大きさの関係であり、自己増殖する価値としての、剰余価値を生んだ元金としての自己自身にたいする、元金としての、与えられた価値としての関係である。完成された資本として、生産過程と流通過程との統一、一定期間に一定の剰余価値を生みだす資本となる。資本は利子の、自己自身の増殖の、神秘的で自己創造的な源泉として現れ、貨幣・商品が物として既に資本であり、総生産過程の結果が物におのずからそなわる属性として現れる。利子生み資本では自動的な物神が純粋に仕上げられている。資本はこの形態において、もはやその発生のなんらの痕跡も帯びていず、社会関係はひとつの物の、貨幣の、自己自身にたいする関係として完成され、現れるのは、内容の無い形態だけである。これが俗流経済学には願ったり叶ったりのもので、永遠に複利の増殖を夢想するにいたる。
議論では、利子生み資本が「架空資本」への橋渡しとなる。バブル期、日本の土地値段でアメリカの全土が買えるとか、株価でどれだけ買えるとか、すべて架空の話だ。楽天、ライブドアしかり、資産が世界一といわれるマイクロソフトも株価総額だ。利子生み資本のその他とは、株券、社債。23章までが実際に投資するが、ここからの資本は誰かに渡すだけとなる。昔、糸相場が立っていた。綿花の出来具合に左右されて上下したが、合繊が出てきて糸相場も変わってしまった。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、松村さん、高田の5名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*次回で小林本が終わります。次回ゼミで1月からのテキストを決めます。推薦本をお持ちよりください。

*11月24日のゼミは取りやめて、12月8日に資本論を行います。新しいテキストは来年1月からとなります。

*12月22日は出版プロジェクト第3弾のテーマ発表会を行ないます。
一人30分、テーマと要旨をまとめたレジュメを準備してください。

****** ゼミ日程 *******
11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第7・8章     報告森井さん

12月8日(水)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻25章「信用と架空資本」   報告高島さん

12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト・執筆予定者テーマ報告会

1月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定      報告者未定

後 1/26(天六)、2/9,2/23

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2004年10月22日号

とうとう司直の手が大銀行に入った。その訴えられた大銀行の頭取が同時に大スーパーの社長を再生機構に追い詰めた。なんとも滑稽な構図ではないか。

[第477回ゼミ 報告]
10月13日のゼミは小林真之『金融システムと信用恐慌』の第U部「現代の信用恐慌とセーフティ・ネット」の第5章「多様な金融システムと所業銀行の変容」・第6章「資産価格と景気変動」を高橋さんの報告で行いました。主要先進国の金融システムの比較において、各国の金融制度はその固有の経済的・歴史的背景の下で成立した金融媒介機構を法制的に追認したものである。高度成長期には外部資金需要が増えたが、低成長期には内部資金で賄うことが可能となった。ドイツと日本では間接金融優位の構造であるのに対し、アメリカ・イギリスでは直接金融・内部資金比率が高く、商業銀行において企業向け融資が低下し、中小企業・個人向け融資が増えている。自己資本比率規制により資本規模拡大が抑制され非金利収入へ移行している。日本の銀行の資産収益率は低いが自己資本経常利益率は法人企業より良い。それに対しアメリカの資産集積率は高い。グローバル・スタンダードといわれるアメリカの商業銀行のあり方は、自己資本比率規制という特殊な歴史的条件で営業しているものであり、必ずしも健全な商業銀行モデルといえない。地価の上昇により資産「インフレ」状態とで80年代後半から地価が上昇し投機的動きを促した。80年代企業金融は内部資金がありながらエクイティファイナンスによる資金調達が行われ、投資に走り、ブームを作り出した。89年の公定歩合引き上等で株価が反転し、資産価値下落と実物経済の長期停滞をもたらした。それが金融システムへの不安を呼び起こした。
議論では、「信用恐慌」といいながらその理論的な突っ込みがなく現象面だけに述べている。経済のグローバルといいながら、その進展に基づく対米協調的施策の分析が必要。金融機関の「ガバナンス」「モラルハザード」と大蔵省と金融機関の馴れ合い、癒着に注目すべき。家計にも目を向けて。
出席は、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、高島さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*11月24日のゼミは取りやめて、12月8日に資本論を行います。新しいテキストは1月からとなります。新テキストのご推薦を。

*12月22日は出版プロジェクト第3弾のテーマ発表会を行ないます。
一人30分、準備をお願いいたします。

****** ゼミ日程 *******
10月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻24章「利子生み資本の・・外面化」報告高田

11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第7・8章     報告森井さん

12月8日(水)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻25章「信用と架空資本」   報告高島さん

12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト・執筆予定者テーマ報告会

後 1/12、1/26

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大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2004年10月8日号

最多安打達成した日本人を祝福するアメリカの人達、その光景を見ながら何時どやの王を抜くかとローズを敬遠した日本の選手達を思い出す。そんな寛大なアメリカの人達が何故イラクを無政府状態にしたの?

[第476回ゼミ 報告]
9月22日のゼミはマルクス『資本論』3巻23章「利子と企業者利得」を高橋さんの報告で行いました。利子は利潤の一部分であるが、資本の運動にとって外的なものである。産業資本家と貨幣資本家の2種類の機能資本家の競争によって利子率が成立する。産業資本家が再生産過程を処分できないように、貨幣資本家は機能している貨幣資本を投下し続けねばならない。貨幣資本家が「所有としての資本」となり、生産的資本家は「機能としての資本」となる。利子は一般利潤率で規定されて自立し、純利潤は企業者利得となり、量的に利子に対立すると共に質的にも対立する。利子生み資本は機能資本と対立することによって賃労働と対立していないように見える。企業者利得も賃労働とは対立せず、利子とだけ対立する。結局、企業者利得は機能資本家の監督賃金となる。利子と企業者利得の対立は両者の真の源泉を忘れさせる。企業者利得は「資本として資本」から生ずるのではなく、労働過程一般から機能・労働の所産として生まれ出るように見え、労働の監督賃金とされる。監督・指揮労働では、オーケストラの指揮者のように、作業場の総活動の統一についての指揮と、直接的生産者としての労働者と生産手段の所有者との対立に基づく全生産様式で発生する監督労働がある。さらに、利潤を剰余価値としてではなく、資本家自身の労働に対する賃金として弁護論的意図がうかがえる。結局は企業者利得と監督・指揮賃金の混同へと結びつく。
議論では、資本の人格化を考える場合、大企業の社長は資本家か経営者か、現代では所有の細分化により誰が資本家なのか、はっきりしなくなる。利子生み資本と機能資本との分離により、管理労働をどう捉えるか。監督労働者という新たな階級が生まれる、実際、ストのときは人事部と秘書課は除外されていた。
出席は、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、高島さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*11月の会場について次回ゼミで話し合います。
*12月22日は出版プロジェクト第3弾のテーマ発表会を行ないます。一人30分、準備をお願いいたします。

****** ゼミ日程 *******
10月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第5・6章     報告高橋さん

10月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻24章「利子生み資本の・・外面化」報告高田

11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第7・8章     報告者未定

11月24日(水)午後6時半〜9時 場所未定
マルクス『資本論』3巻25章「信用と架空資本」   報告高島さん

後 12/8(天六)、12/22(天六)。

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2004年9月17日号

名古屋での研究大会にて。トヨタのお膝元、豊田市市民の不満の第1位は交通の便が悪いこと、なんとも見事なアイロニーではないか。

[第475回ゼミ 報告]
9月8日のゼミは小林真之『金融システムと信用恐慌』第3章「信用恐慌と金融システム」、第4章「中央銀行と「最後の貸手」機能」を高田の報告で行いました。80年代に入り金融システムの不安という信用パニック現象が起こった。景気変動の各局面における短期金融と長期金融の動きを捉え、信用拡張が過剰投資と過剰信用を累積させて、パニック局面では銀行の資産が一瞬にして不良資産になり破産へと追い込む。銀行恐慌は金融取引の信用連鎖を断ち、他行へ波及し、決済関係の混乱により一国経済の危機に至る。銀行の資産とは実物資産の収益性に規定された架空資本であり、収益性の悪化は銀行の流動性の危機となる。中央銀行は「銀行の銀行」「最後の貸手」として金融政策の主体として実物経済の世界的規模の調整を媒介していた。しかし大企業が資本調達として社債発行に依存し始めると、資本市場の動向が金融政策の対象として無視しえなくなり、公開市場政策が公定歩合政策を上回る地位を得る。日本の高度成長では企業のオーバーローンを銀行が関与し、結局は政府・日銀の政策誘導に寄った。バブルの根本原因としてマネタリストは日銀が供給する通貨の増加が根本原因とし、90年代の景気後退を実物経済の要因とする日銀側に対し、パイパワードマネーの供給量の減少であると主張する。結局は今日の金融政策はマネタリストの主張に沿い、金利政策を放棄した量的緩和政策であるとする。
議論では、80・90年代はアメリカの政策と土地問題を無視できない。それがバブルとその後の不況に関係している。90年代恐慌をどうみるのかはっきりしない。国債の大量発行と日銀の関係。プラザ合意で金融政策の自主権を放棄した。経験的銀行論では好況では金利が上がり投資を抑え、不況では金利が下がり投資を促す、バブルでは金利が下げて投資へ進んだ。
出席は、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、高島さん、高田と、2次会に駆けつけた松村さんの7名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*先日の「森岡先生還暦お祝い会大阪第3学科の夕べ」の際、先生から出版プロジェクト第3弾の話があり、会が盛り上がった勢いで具体化へ一歩進めることになりました。いつもは休む12月第4週目に、テーマ発表会を行ないます。一人30分、準備をお願いいたします。

****** ゼミ日程 *******
9月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻23章「利子と企業者利得」   報告高橋さん

10月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第5・6章     報告高橋さん

10月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻24章「利子生み資本の・・外面化」報告者未定

11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第7・8章     報告者未定

後 11/24(場所未定)、12/8(天六)、12/22(場所未定)。

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2004年9月3日号

今年6個目の台風上陸。当たり年など言っているが、来るのが分かっていながら、災害は防ぎきれず。風に飛ばされた人、物より人が大事なのに。

[第474回ゼミ 報告]
7月12日のゼミは小林真之『金融システムと信用恐慌』の第1章「銀行業と決済システム」、第2章「擬制資本と証券市場」を小野さんの報告で行いました。現代は銀行が古典的な商業銀行業務の枠を超え、広範な「金融サービス業」化に転換しつつあり、その中で金融システムの危機が起こっている。近代銀行業は貨幣取扱業と商業信用(企業間信用)を基礎に成立した。しかしながら貨幣取扱業はキャシュレス化にみられるように情報化で他の経済主体に侵食され、商業信用と手形割引のウエイトが徐々に低下している。特に手形割引は社会的信用形態としては私企業の資本循環に依存するという限界を持つ。銀行の資本構成は流動性リスク、金利リスクに弱い構造となっていて、不良債権の発生とリンクした時、深刻な問題へと発展する危険性をもつ。個別企業の組織形態としての株式会社は株式市場で長期性の利子生み資本と接触する事により社会的存在となる。産業企業の利潤が利子生み資本の果実となればあらゆる財産価値は利子所得と結びつき金融資本概念が一般化する。証券業資本は直接信用の仲介として発達しながら、資金調達規模が巨大化すればそれを引き受けするようになる。その販売期間が長期化すればするほど在庫金融に対し価格変動リスクを負うようになる。ここに証券市場と銀行資本の関わりが出てくる。アメリカ企業が投資資金を内部資金に依存するのに対し、日本企業は外部資金に依存している。さらにアメリカでは株式の大衆化現象が生じているのに対し、日本では株式の相互持合いが顕著である。
議論では、株式会社の資金では証券発行は小さく株式で成り立っていない、情報化で本当に銀行は侵食されているのか、アメリカと日本の比較は株式会社の歴史の違いにあり、日本の銀行はヨーロッパ型では、等々。
出席は、高橋さん、川口さん、小野さん、松村さん、高田の5名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*「森岡先生還暦お祝い会大阪第3学科の夕べ」を7月31日、北新地「阿もちん」で行いました。出席の方は、森岡先生、小野さん、高島さん、仲野さん、川口さん、森井さん、松村さん、高橋さん、中村さん、大辺さん、高田の11名でした。楽しい集いとなりました。

*次回からは第2・4水曜日に戻ります。ご協力ありがとうございました。

****** ゼミ日程 *******
9月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第3・4章     報告高田

9月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻23章「利子と企業者利得」   報告高橋さん

10月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第5・6章     報告者未定

10月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻24章「利子生み資本の・・外面化」報告者未定

後 11/10、11/24。

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大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2004年7月5日号

突然名古屋駅を発車しなくなったのぞみ号の中で3時間、車掌さんは同じ放送ばかり。静岡県内の豪雨は依然として続き、運転再開見通しは立ちませんと。とうとう間に合わなくなって下車し、近鉄特急で家に引き返し。車窓から嘘のような青空と白い雲を見ながら、やっぱり東京は遠かった、と。

[第473回ゼミ 報告]
6月28日のゼミはマルクス『資本論』3巻22章「利潤の分割、利子率、利子率の「自然」率」を川口さんの報告で行いました。この章では、利子生み資本の自立的な姿態、および利潤にたいする利子の自立化を扱い、貸手と借り手の競争、それから生じる金融市場の比較的短期の諸変動・利子率が産業循環中に通過する循環・世界市場における利子率のおおよその均等化は考察外とする。利子の一般的限界は利潤であるが、利子の最高限度は利潤ともいえ、利子の最低限度は規定することはできないが、結局は利子は利潤率によって規定されている。産業循環と利子率の関係では、繁栄期は低利子率となり、景気の転換局面で上昇をはじめ、その最高極限が恐慌と対応している。低い利子率が停滞と、適度な上昇が活気の増大と同時であることもある。利子率を利潤率と関係なく低落させるのは、金利生活者の増大と信用制度の発達による貸付可能貨幣資本の増大である。利子率の利潤率に対する関係は商品の市場価格のその価値に対する関係に似ている。一般的には規定されているが、個別・一部面では規定されていない。利子生み資本は商品と違うカテゴリーではあるが、特殊な種類の商品として利子はその価格となるが、その価格は需要と供給によって、与えられた時点で固定されている。平均利潤は事実として現れず研究を通じてはじめて確定されるのに対し、利子率は局地的な普遍妥当性として日々固定されている。
議論では、自然利子率をどうマルクスは考えていたか。利子率は固定されているというがそれでは何によって決まっているのか。現代は金とリンクされていない、そこでの利子率とは。金利生活者とは誰のことか、現代はデイトレイダーか、左うちわに右キー打ち。カネボウの切り売りか、会社が商品に、と議論が続きました。
出席は、高橋さん、川口さん、小野さん、高島さん、松村さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*次回のゼミのテキストは、小林真之『金融システムと信用恐慌 信用秩序の維持とセーフティ・ネット』日本経済評論社2000年3000円です。

*「森岡先生還暦お祝い会大阪第3学科の夕べ」を7月31日(土)午後7時より北新地「阿もちん」で行います。出席の方は、ご連絡をお願いいたします。地図等は次回ゼミでお渡しします。

*次回は月曜日ですが、9月からは第2・4水曜日に戻ります。

****** ゼミ日程 *******

7月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第1・2章     報告小野さん

9月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第3・4章     報告者未定

9月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻23章「利子と企業者利得」   報告高橋さん

後 10/13、10/27。

[一番上に]


2004年6月21日号

早くも6月に大型台風到来、高波にさらわれた人達。小学生の頃、飛ぶ瓦に家では危ないと、一家で身をかがめ駅まで走って避難した日を思い出す。雨戸を打ち付けた家には、大きな桜の木が根元から折れて寄りかかっていた。

[第472回ゼミ 報告]
6月14日のゼミは飯盛信男『サービス産業』第7章「サービス業回復の原状」、第8章「サービス業雇用拡大の現状」、第9章「米国・自営サービス業の増加について」、補論「産業分類の改訂とサービス産業」を高橋さんの報告で行いました。これらの章では各種の統計「第3次産業活動指数」、「サービス経済化の課題と雇用問題について」、「2001年事業所統計」の検討を通じて、米国でサービス業が雇用の拡大の牽引役をはたしたことから、日本でもサービス業が成長しているが、その内容は情報産業、人材派遣、ビルメンテナンスが増えている。それ以下のサービス業は横ばいないし減少している。サービス業を区分すれば、対個人サービス、対事業所サービス、公共サービスとなるが、伸びているのは対事業所サービスのみである。公共サービス部門拡充を民営化で可能とすることを誤りを指摘し、特にNPOや「愛と奉仕」にゆだねる構想は、低収入雇用の大量創出だとし、民営化に対して財政支出増によるその拡充を図るべきであり、租税負担率の低さから所得再分割強化が必要で、ニーズがあれば国民は税負担を受け入れるだろうという。
議論では、安易に税負担の増加を持ち出すのはどうであろうか。資料の分類をそのまま利用しているが、その分類替えに振り回されている。構造分析から分類の組み換えは出来ないのであろうか。サービス業をいうばあい、対個人と対事業所サービスを一緒のまな板で論じることはどうか。サービスの提供する側と受ける側の経済的問題が必要で、構造分析がどこかにいる。サービス産業の豊富化は生活の豊かさの表層ともいえる。しかし家内労働が産業化されること、アウトソーシングは進歩といえるのであろうか。
出席は、高橋さん、川口さん、小野さん、高島さん、松村さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*飯盛信男『サービス産業』が終わり、7月12日からのテキストは、
小林真之『金融システムと信用恐慌 信用秩序の維持とセーフティ・ネット』日本経済評論社2000年3000円に決まりました。

*「森岡先生還暦お祝い会大阪第3学科の夕べ」を7月31日(土)午後6時半頃北新地「阿もちん」で行います。詳細は後日お知らせいたします。

*4月〜7月は第2・4月曜日に変更、9月からは第2・4水曜日に戻る。

****** ゼミ日程 *******
6月28日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻22章「利潤の分割、利子率・・」報告川口さん

7月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第1・2章     報告者未定

9月8日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第3・4章     報告者未定

9月22日(月)午後6時半〜9時 場所未定
マルクス『資本論』3巻23章「利子と企業者利得」   報告者未定

後 10/13、10/27。

[一番上に]


大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2004年6月7日号

やいやい、人のカネをどうするんだい。勝手に減らすなんて決めやがって。だいたいが払うほうも払うほうだ、「とられる」なんていうから、向こうだって知らん間に勝手に決めてしまうだい。みんなで集めてみんなで支えあって、必要になったときに受け取る、もともとは頼母子講なんてこと忘れて。

[第471回ゼミ 報告]
5月24日のゼミはマルクス『資本論』3巻21章「利子生み資本」を小野さんの報告で行いました。貨幣はそれが貨幣として有する使用価値のほかに、一つの追加的使用価値、すなわち資本として機能する使用価値をもつようになる。貨幣は可能資本として利潤を生産するための手段としてただ一つの特殊な商品になる。利子は利潤のうち機能資本家が自分のポケットに入れずに資本の持ち主に支払わねばならない部分を表す特殊な名称、特殊な項目にほかならない。利子生み資本特有の流通として、貸し出された資本は二重に還流する、ひとつは機能資本家のもとへ、もうひとつは貸し手である貨幣資本家のもとへ。利子生み資本が商品として販売される独自の仕方は、貨幣が現実に資本として使用され、現実に自己の出発点に還流することを前提としている。他の商品は最後の入手者の手中でその使用価値が消費され、その価値も消滅する。それに反して資本という商品はその使用価値の消費によって価値・使用価値が維持されるだけでなく、増加される。利子と本来の利潤への分割は、需要と供給とによって、したがって競争によって規制されるほかに分割の法則は実存しない。利子率には「自然」率は実存しない。
議論では、「利潤がその使用価値である」という記述をどう考えたらよいのか、資本の使用価値とはその有用性、資本の機能、能力、結果が利潤、すなわち使用価値は価値増殖にあり、生み出される超過分とする。そこに売買と賃借の違いがある。機能資本としての貨幣資本と、利子生み資本との関係において、記述ではそれまでの貨幣資本に比べて、ここで利子生み資本がサラッと出てくる。この巻全体を未完の書と考えて読んでみるべきだ。
出席は、高橋さん、川口さん、小野さん、高島さん、松村さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*次回で飯盛信男『サービス産業』が終わります。次のテキストをお持ちよりください。3月10日の話し合いにより、現代物のテキストの選択基準は、「資本論の進み沿った現代的問題と日本資本主義論」となっています。

*「森岡先生還暦お祝い会大阪第3学科の夕べ」を7月31日(土)午後6時半頃北新地「阿もちん」で行います。詳細は後日お知らせいたします。

*4月〜7月は第2・4月曜日に変更、9月からは第2・4水曜日に戻る。

****** ゼミ日程 *******
6月14日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
飯盛信男『サービス産業』7・8・9章、補論      報告高橋さん

6月28日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻22章「利潤の分割、利子率・・」報告川口さん

7月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定                  報告者未定

後 その後は夏休みで、9/8から再開。

[一番上に]


2004年5月17日号

いつもの会場を離れ、はじめて中之島中央公会堂の地下第1会議室で行いました。改装後もその前も初めて館内で入り、思わずその歴史を前にカメラを取り出してしまいました。それにしても「見学禁止」と警備員の多さは何。

[第470回ゼミ 報告]
5月10日のゼミは飯盛信男『サービス産業』第4章「サービス産業成長の要因」第5章「構造改革とサービス部門」第6章「需要不足経済からの脱却」を大辺さんの報告で行いました。サービス産業が他の産業部門と比較して売上高、従業員数とも大きな伸びを示している。その中で一番大きく伸びたのは対事業所サービスであり、外注化と異業種からの参入が大きい。それに伴いサービス支出が増加しているが、最大の伸びは交通通信である。しかしながらサービス産業ではその低生産性と低賃金が問題となる。政府の構造改革における雇用の振り向け先として情報産業の吸収が予測されていたが、需要面の対策がなかった。その後の政策では雇用の吸収先として様々なサービス業があげられ、アメリカの雇用拡大の理由として90年代の公共サービスの雇用拡大に対し、日本ではその間アウトソーシングを背景とした企業関連サービスが大きく伸びている。そこで公共サービス部門を拡充することにより、雇用不安の解消と家計支出の停滞をとくことにより、初めて「骨太の方針」で需要不足状態からの脱却をうたっている。
議論では、公共事業から公共サービスへの転換を言っているが、そこでの政策論争が必要。しかしそこには産業構造論がない。アメリカとの比較について、アメリカの動きを肯定的に捉えて、それを日本の方向付けとすることには疑問が残る。埼玉県志木市での公務員をパート、ボランティアに変えた例があるが、その低賃金だと問題の解決とならなくなる。むしろリビングウェジと公共サービスを考える必要がある。ここではあまりに統計利用の記述が多すぎて、ただの結果論に終わってしまっていないか。むしろ「大きな政府」論と「小さな政府」論の政策論争を展開してほしかった。
出席は、大辺さん、高橋さん、川口さん、小野さん、高田の5名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*「森岡先生還暦お祝い会大阪第3学科の夕べ」を7月31日(土)午後6時半頃北新地「阿もちん」に行います。詳細は後日お知らせいたします。

*4月〜7月は第2・4月曜日に変更、9月からは第2・4水曜日に戻る。

*6月で飯盛信男『サービス産業』が終わります。次のテキストをお持ちよりください。

****** ゼミ日程 *******
5月24日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻21章「利子生み資本」    報告小野さん

6月14日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
飯盛信男『サービス産業』7・8・9章、補論      報告高橋さん

6月28日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻22章「利潤の分割、利子率・・」報告者未定

7月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定                  報告者未定

後 その後は夏休みで、9/8から再開。

[一番上に]

大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2004年5月3日号

毎週新幹線のE席に座り、静岡を過ぎるといつも窓の外が気になる。今日はよく見えるかな。その姿が現れるとついカメラを取り出し、シャッターを何度ときってしまう。講義の冒頭で映すと意外と好評、「今日の富士山」。

[第469回ゼミ 報告]
4月26日のゼミはマルクス『資本論』第3巻19章「貨幣取扱資本」を森井さん、20章「商人資本にかんする歴史的スケッチ」を高橋さんの報告で行いました。19章「貨幣取引資本」では、商品取引資本が流通過程で貨幣をもって行う純粋に技術的な諸運動が貨幣取引資本に転化し、総資本のうち一定部分が貨幣資本として分離独立し、産業資本家等のために操作を行う。結局貨幣取引資本の運動も、自分の再生産過程上にある産業資本の一部分が独立したものの運動でしかない。両替商や為替等の国際的交易、地金取引業が貨幣取引資本の本源的形態であるとしても、いまや全資本主義的生産様式の商業一般から生じる蓄蔵貨幣と遊休資本を集積して決済に必要な貨幣量を減少させるが、貨幣流通の技術と貨幣機能にのみ関係し、彼らの利潤は剰余価からの控除である。20章「商品資本にかんする歴史的スケッチ」では、商人資本は流通過程にある産業資本が自立したものであるが,俗流経済学者はこれを混同している。確かに商業資本は歴史的に最も古い資本の自由な存在様式であり、資本主義発展の歴史的前提でもあるが、商人資本の独立な発展は社会の一般的経済発展に反比例する。生産者が商人や資本家になる道と、商人が直接生産をわがものとする道があるが、前者が真に革命的な道あり、後者は古い生産様式を変革するまでに至らない。いまや商人資本は商品交換を媒介するだけであり、資本主義的生産様式ではひとつの特殊な機能の資本でしかない。議論では、貨幣取引資本には信用制度を含むのかどうか、資本主義への発展の3つの道(商人が直接生産者になる、問屋制マニュとなる、産業家が商人になる)をどう考えるのか、日本資本主義の発展では商人資本はどう機能したのか、寄生地主制が大きな関わりを持った等の議論が続きました。今回第3巻20章を終わり、これで新日本新書版3巻6分冊のうち2分冊を終わり、次回から第3分冊目に入ります。
出席は、高島さん、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、松村さん、高田の7名でした。

*次回の会場は中之島中央公会堂地下第1会議室です。

*「森岡先生還暦お祝い会大阪第3学科の夕べ」を7月31日(土、予定)に行います。詳細が決まり次第、皆様へお知らせいたします。

*4月〜7月は第2・4月曜日に変更、9月からは第2・4水曜日に戻る。

****** ゼミ日程 *******
5月10日(月)午後6時半〜9時 中之島中央公会堂地下第1会議室
飯盛信男『サービス産業』4・5・6章        報告大辺さん

5月24日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻21章「利子生み資本」    報告小野さん

6月14日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
飯盛信男『サービス産業』7・8・9章、補論      報告者未定

6月28日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻22章「利潤の分割、利子率・・」報告者未定

後 7/12(天六)、その後は夏休みで、9/8から再開。

[一番上に]


2004年4月19日号

25年ぶりの大学は大きな工場のように変わっていた。かつて花壇があってのんびりと昼休みを過ごしたところは強大な建物・大きなコンクリートの構築物になっていた。それでも硬い椅子に座った学生達の目は輝いていた。

[第468回ゼミ 報告]
4月12日のゼミは飯盛信男『サービス産業』の第1・2・3章を小野さんの報告で行いました。第3次産業が1970年代以降に急激に拡大し、その中でもサービス業が拡大した。生活関連サービス、余暇関連サービス、対事業所サービス、公共サービスがあるが、特に対事業所と公共サービスが伸びた。しかしながら、サービス経済化は低賃金・不安定雇用の増大を促している。結局雇用吸収の受け皿としてサービス部門があり、教育・医療・福祉等への国民要求の高まりが公共サービス拡充を不可避にしている。これまでの学説では脱工業化・サービス経済化を楽観的に描く未来論があり、ソフトノミックスとして成長を描いていた。これも70年代半ばからバラ色の未来社会論は後退する。サービス産業による雇用吸収には限界があり、経済成長、所得上昇、家計消費の増加を前提としている。そしてそこには低賃金と不安定雇用ある。サービス産業自体が中小企業にのみ適した分野ではなく、むしろ成長分野では大企業のウェイトが高まっている。サービス産業は99年頃には頭打ちとなり、第3次産業就業者数も横ばいである。サービス経済化のいっそうの進展は、工業化社会以上に富の大都市集中・中央集中をもたらす可能性が大きい。
議論では、サービス産業と第3次産業をそのまま結びつけていいのか。ある産業で分業が進むとそのうちのどれかがサービスと称されるようになる。ここではサービス産業を主眼に資本主義美化論に対抗することが目的だったのでは。サービス産業・サービス労働の概念は人によってずいぶん違っている。「いわゆるサービス」を個人にたいしてその利潤あるいは賃金からの支払いとして行うものと考えるならば、公共サービスと対事業所サービスはどう考えるべきか。例えば、人材派遣をサービスとして考えると、その派遣先が生産現場である場合はどう考えるのか。
出席は、高島さん、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、大辺さん、高田の7名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*4月〜7月は第2・4月曜日に変更、9月からは第2・4水曜日に戻る。

****** ゼミ日程 *******
4月26日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻19章「貨幣取扱資本」    報告森井さん
     20章「商人資本にかんする歴史的スケッチ」 報告高橋さん

5月10日(月)午後6時半〜9時 中之島中央公会堂地下第1会議室
飯盛信男『サービス産業』4・5・6章        報告大辺さん

5月24日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻21章「利子生み資本」    報告者未定

6月14日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
飯盛信男『サービス産業』7・8・9章、補論      報告者未定

後 6/28、7/12(いずれも天六)

[一番上に]


大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2004年4月5日号
ソメイヨシノに大きな枝振りの山桜、すっかり満開の枝垂れ桜、春の一日を満喫しながら、疏水の流れにいにしえの人の気概と汗を思い描きました。

[第467回ゼミ 報告]
3月24日のゼミはマルクス『資本論』3巻18章「商人資本の回転。価格」を高島さんの報告で行いました。産業資本の回転は生産時間と流通時間の統一であり、それゆえ全生産過程を包括する。これに対し商人資本の回転は商品資本の自立した運動であり、W−Gを特殊な資本の自立還流運動として表しているだけである。流通の内部では産業資本はW1−G−W2として現れ2つの商品が交換を媒介するが、商人資本ではG−W−G'となり、同じ商品が2度持ち手を変える。すなわち貨幣の商人への還流を媒介するだけである。総再生産過程の周期は商人資本にとっては外的な条件にすぎない。商人資本が迅速な回転をするためには産業資本が恒常的に商品を市場に投げ込み引き上げることが必要であるが、商人資本の回転は産業資本の回転の制限である生産時間に直接影響を及ぼさないが、個人的消費の速度と範囲によって制限されている。商人資本は自立化によって再生産過程の制限に関わりなく運動しその制限を越えてまで進み、恐慌によって回復される点まで到達する。商人資本の販売価格には、商品の生産価格と平均利潤率という2つの彼の自由にならない限界があり、唯一決定しうるのは高い商品か安い商品を取引するかである。平均利潤率は商人資本にとっては一つの与えられた大きさであり、産業資本が生産した利潤総量から自分の配当を引き出す限りでのみ一般的利潤率の形成に規定的に入り込む。
議論では、小売業は商業資本に入らないが、問屋を通さない直接取引きが多くなると産業資本に比べ商業資本は小さくなるということか。現実はスーパーなど小売業のバイヤーは大きな力を持っている。繊維業では製品が27回業者の間を移動すると言われ、物が動かないのに取引される。商人資本の介在は見込み需要に大きく動き結局は過剰生産を誘っている。一般的利潤率と平均利潤率はどう違う。薄利多売に対し「厚利少売」というのか。
出席は、高島さん、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*次回のテキストは飯盛信男『サービス産業』新日本出版社2004年です。

*4月から都合により当分の間第2・4月曜日に変更となります。

*4月3日、満々と流れ来る水面に桜の花びらが浮かぶ中、御陵から山科まで琵琶湖疏水を第三学科春のハイキングで歩きました。4名参加。

****** ゼミ日程 *******
4月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
飯盛信男『サービス産業』1・2・3章        報告小野さん

4月26日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻19章「貨幣取扱資本」    報告森井さん
     20章「商人資本にかんする歴史的スケッチ」 報告高橋さん

5月10日(月)午後6時半〜9時 中之島中央公会堂地下第1会議室
飯盛信男『サービス産業』4・5・6章        報告者未定

5月24日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻21章「利子生み資本」    報告者未定

[一番上に]


2004年3月19日号

選ばれた人より落選した人が大きく報道される。選ばれた人には失礼ではないのか。それは女子。男子の姿はどこ。マラソン代表決まる。

[第466回ゼミ 報告]
3月10日のゼミは、1)まず労働総研『均等待遇と賃金問題―整理と提言―』を3月21日の基礎研研究交流集分科会に向けて、まとめをゼミ参加者で話し合いました。同一価値労働同一賃金ということで個人主義にいいのか。95年以降の現場を見ると労働者を励まさない理論、現状分析とビジョンがない現状追認となってしまっている。個人賃金か家族賃金か、生活を守るという姿勢が必要。はたしてこれで個人賃金として生活を守れるのだろうか。仕事給と職務分析、そこでは価値は確定できるが、使用価値は確定できない。これは方針ではなく提言ではあるけれども、労働者は戦えない。ファンドで取っていかないと。自立可能な個人単位化には、労働者の再生産は入っているのか。 2)続いて、これからの月前半ゼミのテキストを採り上げるための計画を話し合いました。これまではそのときそのとき話し合って決めていましたが、テキストに一貫性がなくせめて一年間ぐらいの計画をもってゼミを開催できるようにしたいとの意見に基づくものです。参加者の意見から:経済白書、アメリカ資材白書。資本論の流れに沿ったテキスト、商業・金融・土地・階級。帝国主義。日本資本主義論、企業社会論。IT技術と危機。テキストの紹介・内容説明はなしで論点・討論のみとしたい。一貫性と方向性。結論:資本論の進み沿った現代的問題と日本資本主義論。次のテキストは飯盛信男『サービス産業』に決まりました。出席は、高島さん、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*次々回のテキストは飯盛信男『サービス産業』新日本出版社2004年、2100円に決まりました。

*前号ゼミたよりで4月26日の報告者名が入れ替わっていました。19章は森井さん、20章は高橋さんです。お詫びして訂正します。

*4月から都合により当分の間第2・4月曜日に変更となります。

*春の研究大会3月21日京都橘女子大学で労働総研プロジェクト『均等待遇と賃金問題―賃金の「世帯単位から個人単位へ」をめぐる論点の整理と提言―』を同時に取り上げているジェンダーゼミと合同で公開ゼミを行います。多数の参加を。

****** ゼミ日程 *******
3月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻18章「商人資本の回転。価格」報告高島さん

4月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
飯盛信男『サービス産業』1・2・3章        報告小野さん

4月26日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻19章「貨幣取扱資本」    報告森井さん
     20章「商人資本にかんする歴史的スケッチ」 報告高橋さん

5月10日(月)午後6時半〜9時 中之島中央公会堂地下第1会議室
飯盛信男『サービス産業』4・5・6章        報告者未定

後、5月24日(天六・大阪府立住まい情報センター)

[一番上に]


大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2004年3月5日号

鳥にはかわいそうだが袋詰めで生き埋めに、それも人のなせる業のひとつ。そんなことを繰り返せば、いつかは人もトリかえしのつかない事になる。

[第465回ゼミ 報告]
2月18日のゼミはマルクス『資本論』3巻17章「商業利潤」を川口さんの報告で行いました。商業利潤の源泉について商品取扱資本は剰余価値を生まないとして、平均利潤の形態で商人資本に帰属する剰余価値が総生産資本によって生み出された剰余価値の一部分であるという。それでは、どのようにして商人資本は剰余価値のうち自分に与えられる部分をわがものとするのか。まず流通費用を捨象して、商人は生産価格以上に売ることで、前提として商業資本は一般的利潤率の形成には参加せず、利潤の分配に参加する資本であるとする。しかしながら商業資本が総商品資本の価値に商業利潤として組み入れられるならば、一般的利潤率の形成に参加することとなる。産業資本家が自ら商人である場合よりも商業資本として自立化し商品売買を集中化することで一般的利潤率の低下を小さくすることができる。困難は純粋流通費用が還元できなかったことと、商業労働が価値を創造する労働でないとすると商業資本の可変資本部分を前貸資本として加算するのかどうか。困難は依然として片付いてない。
議論では、商業資本は今でもホットな論争部分である。「困難」をマルクスは自ら出して売買が価値どおりにならないことから再び困難にしてしまっている、特に可変資本部分が困難の原因となっている。純粋な流通費ということでは商社はどうか。小売商人は中間部類(雑種・両性)となっている。商社といえば繊維を扱うより鉄鋼を扱えば単位金額はとてつもなく大きい。
出席は、高島さん、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、高田の6名に、後の場外ゼミに松村さんが駆けつけました。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*次回のゼミでは前半でもう一度労働総研提言を取り上げます。後半では、現代物のテキストを1年間系統だったものにするべく、ゼミ計画を話し合うこととなりました。推薦書をお持ちよりください。

*4月から都合により当分の間第2・4月曜日に変更となります。

*春の研究大会3月21日京都橘女子大学で労働総研プロジェクト『均等待遇と賃金問題―賃金の「世帯単位から個人単位へ」をめぐる論点の整理と提言―』を同時に取り上げているジェンダーゼミと合同で公開ゼミを行います。多数の参加を。

****** ゼミ日程 *******
3月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
1)労働総研『均等待遇と賃金問題―整理と提言―』まとめ
2)ゼミでのテキスト採り上げ計画の話し合い

3月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻18章「商人資本の回転。価格」報告高島さん

4月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト・報告者未定

4月26日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻19章「貨幣取扱資本」    報告森井さん
     20章「商人資本にかんする歴史的スケッチ」 報告高橋さん

後、5月10日(場所:中之島中央公会堂地下第1会議室)

[一番上に]


2004年2月13日号

進むべきが、退くべきか、決断はむずかしい。全員救助されてほっとしたが、雪山でその判断を誤ると、とんでもないこととなる。自然は美しいが過酷だ。

[第464回ゼミ 報告]
2月4日のゼミは労働総研『均等待遇と賃金問題―整理と提言―』     の論点提言・課題・論文(22〜56頁)を高田の報告で行いました。まず論点として、1)年功賃金は「性差別賃金」か、2)「家族賃金イデオロギー」批判で「世帯賃金」は否定されるか、3)「市場原理主義的個人単位化」と「自立可能な個人単位化」を出し、年功賃金はすべてジェンダーフリーとはいえず、労働力の世代再生産と「家父長制」は区別するもの、自立可能な個人単位化でジェンダー・ジャスティスをすすめるという。特に非正規雇用が問題である。提言では、賃金の「自立可能な個人単位化」を展望し、生活確保の賃金、全国一律最賃制の確立、同一(価値)労働同一賃金の原則・均等待遇、成果主義・雇用の流動化・生活手当の廃止に反対し、公的な給付と生活援助施策の拡充、女性・若者が働き続けられる環境の整備をうたう。川口論文では、中川スミ氏を肯定的に取り上げ、家族賃金思想からの脱却を言う。辻岡論文は従来の賃金論を展開し、黒田論文では、女性労働者が4割を占める中で、女性が男性の半分の賃金になる仕組みの解明を訴える。
議論では、自立可能として個人単位化を肯定しているが、働く個人だけが生活できるでいいのか、子供・老人は入らないのか。「自立可能」とはどのくらいをいうのか、そこが肝心である。個人単位の賃金と社会政策を合わせた形で提言をしているが、労働現場でとれないものが、社会保障でとれるのだろうか。ファンドでとるということ、団結が必要で個別の賃金闘争ではとれない。自立した個人というなら市民社会論が必要だ。
出席は、高島さん、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*3月10日のゼミでは前半でもう一度労働総研提言を取り上げます。後半では、現代物のテキストを1年間系統だったものにするべく、ゼミ計画を話し合うこととなりました。推薦書をお持ちよりください。

*2月後半のゼミは第3水曜日となります。また4月から都合により当分の間第2・4月曜日に変更となります。

*春の研究大会3月21日京都橘女子大学で労働総研プロジェクト『均等待遇と賃金問題―賃金の「世帯単位から個人単位へ」をめぐる論点の整理と提言―』を同時に取り上げているジェンダーゼミと合同で公開ゼミを行います。多数の参加を。

****** ゼミ日程 *******

2月18日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻17章「商業利潤」      報告川口さん

3月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
労働総研『均等待遇と賃金問題―整理と提言―』まとめ
ゼミでのテキスト採り上げ計画の話し合い

3月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻18章「商人資本の回転」    報告高島さん

後、4月12日(天六)、4月26日(天六:19・20章報告高橋さん)

[一番上に]


大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2004年1月30日号

「もったいない、もったいない」の大日本ドケチ教の教祖様のマルビルが産業再生機構の支援を受けるとか、例にもれずバブル期の過剰投資が原因とか、やっぱり「もったいない、もったいない」ことしていたんだ。

[第463回ゼミ 報告]
1月28日のゼミはマルクス『資本論』3巻16章「商品取引資本」を小野さんの報告で行いました。流通過程にある資本が特殊な機能として自立化され分業によってわりあてられた機能が固定される限りで、商品資本は商品取扱資本となる。生産者の商品資本の貨幣への転化の機能が、生産者の付随的な操作ではなく、資本家の専門の操作として現れ特殊な投資の営業として自立化される。自立化の契機として、商品資本の貨幣への転化が社会的分業の一つの特殊な形態であり、独自の流通代理人専属の機能として現れることと、自立した商人が貨幣資本を前貸しする事による。だた、分業の結果として産業資本家が販売を行うより資本部分が小さいこと、貨幣への転化が早く成し遂げられること、商人資本の一回転が生産資本の多数の回転をあわすことが認められる。商人資本は流通部面にあり、そこでは剰余価値は生産されない。流通時間を短縮する限りで間接的に剰余価値の増加を助け、商人資本が市場の拡張をすることにより産業資本の生産性と蓄積を促進し、通流時間を短縮することで剰余価値率を高め、流通部面にわずかな部分を貨幣資本としてとどめる限りで直接生産のための資本部分を増大させる。議論では、資本論草稿集では、運輸業・倉庫業と並んで卸小売業が取り上げられていてこちらの方が詳しい。消費の直前までを生産過程と捕らえている。ここでの商人資本の役割は個別資本としてか、社会的総資本としての問題か。商人資本はせまい範囲で使っていて、純粋の流通費にあたる。空費とは。虚偽の社会的価値・差額地代等々議論が続きました。出席は、高島さん、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*次回のゼミで次のテキストを決めます。推薦書をお持ちください。

*2月は第1・3水曜日に変更します。2月4日・18日(いずれも天六)、また4月から都合により当分の間第2・4月曜日に変更となります。

*春の研究大会3月21日京都橘女子大学で労働総研プロジェクト『均等待遇と賃金問題―賃金の「世帯単位から個人単位へ」をめぐる論点の整理と提言―』を同時に取り上げているジェンダーゼミと合同で公開ゼミを行います。多数の参加を。

****** ゼミ日程 *******

2月4日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
労働総研『均等待遇と賃金問題―整理と提言―』     報告高田
           論点提言・課題・論文(22〜56頁)

2月18日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻17章「商業利潤」      報告川口さん

3月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定             報告者未定

3月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻18章「商人資本の回転」    報告高島さん

後、4月12日(天六)、4月26日(天六:19・20章報告高橋さん)

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2004年1月23日号

牛が駄目かと思っていたら、今度は鳥インフルエンザ、牛丼から焼鶏丼へは大丈夫か。カレー丼が意外と人気とか。それでも牛丼という声、味にうるさいというよりも、味に慣らされているということか。マックの幼児教育も。

[第462回ゼミ 報告]
1月14日のゼミは労働総研『均等待遇と賃金問題―賃金の「世帯単位から個人単位へ」をめぐる論点の整理と提言―』の政策・検討(1〜22頁、予定は論点まででしたが、次回にまわしました)を森井さんの報告で行いました。この報告書は女性の就労増大、家族形態の変化による賃金問題を、特に「世帯単価から個人単位へ」にテーマを絞り込んだ。それは女性労働者の増大とともにその均等待遇の潮流が大きくなったこと、非正規労働者の増加等の賃下げを「多様な働き方」として「個人単位化」の主張が多くなったことによる。財界・政府の新戦略として、賃金水準の一般的切下げ、従来の賃金水準決定機構の解体、成果主義賃金体系の導入をし、「多立型賃金体系」への転換を雇用の流動化へのすすめ、パートタイム労働者まで成果主義へと拡張する。「働き応じた処遇の確立」として年齢・勤続給から業績・成果給への道が、賃金の「世帯単位」から「個人単位」へと変更し、家族手当の見直し、賃金決定の世帯生計費からの分離を提起している。これに対して「資本論」における賃金の基本概念を検討し、労働力の価値規定は、「あるもの(存在―Sein)」であって「あるべきもの(当為―Sollen)」ではないという。均等待遇と賃金形態では労働の価格という現象形態から出発して価値どおりの賃金要求ではなく労働力の使用価値に応じた賃金を要求することが同一労働同一賃金を要求である。生活過程の社会化と自立・共同できる社会体制づくりが女性労働問題として取り上げられる。
議論では、「平等」ではなく「均衡」という意味。価値と使用価値どちらの要求なのか。成果主義とどう戦うのか。電産型にたいして個人単位には大いに賛成という意見、等々議論が続きました。
出席は、高島さん、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天満橋・ドーンセンターです。お間違えのないように。

*春の研究大会が3月21日京都橘女子大学でありますが、当ゼミは今回のテキスト:労働総研プロジェクト『均等待遇と賃金問題―賃金の「世帯単位から個人単位へ」をめぐる論点の整理と提言―』を同時に取り上げているジェンダーゼミと合同で公開ゼミを行うことになりました。

*そろそろ次のテキストを考えて置いてください。

*2月は第1・3水曜日に変更します。2月4日・18日(いずれも天六)、また4月から都合により当分の間第2・4月曜日に変更となります。

****** ゼミ日程 *******

1月28日(水)午後6時半〜9時 天満橋・ドーンセンター
マルクス『資本論』3巻16章「商品取引資本」     報告小野さん

2月4日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
労働総研『均等待遇と賃金問題―整理と提言―』     報告高田
           論点提言・課題・論文(22〜56頁)

2月18日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻17章「商業利潤」      報告者未定

後、3月10日(天六)、3月24日(天六)、4月12日(天六)

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2004年1月9日号

あけましておめでとうこざいます。年の初めは心も新たにと、思った早々から、参拝や派遣やら憲法を踏みにじるきな臭い匂いがたちこめている。

[第461回ゼミ 報告]
12月10日のゼミは高島嘉巳「企業会計における固定資産評価―減損会計導入と不動産鑑定評価の関連―」(『京都経済短期大学論集』2003年10月)を高田の報告で行いました。企業会計基準での固定資産の評価が国際的「調和化」で行われるようになり、特に減損会計における不動産評価、その土地への関心がたかまっている。そこで1)国際的会計基準の影響における減損会計と固定資産評価の概観、2)評価の実務と土地の評価、3)「使用価値」概念、以上3点について論じている。国際的会計基準では原則は取得原価主義であるが、部分的に時価主義が出てきて、それが日本に導入された。その評価方法は正味売却価額と使用価値がとられ、一方は比較方式なのに対し、他方は収益方式といえる。評価の主体は自社であるが、外部の評価人も重要視される。減損会計では実務上の評価が重要な位置を占める。不動産評価では市場価格としての時価の算定に不動産鑑定士がかかわりを持つ。特に不動産は資産の中で重要な位置をしめ、特に減損会計では土地が非償却資産であるがゆえにその重要性が大きい。そこで現行使用の市場価値ではなく非市場原理の「使用価値」での評価が注目を浴び、それは企業の営為に主眼を置くものとなる。それは継続的使用から期待されその処分で得られる金額の現在価値となる。収益性という「物神性」からの主観的見方ゆえに、実効性と実行性という2つのジッコウ性が困難となってくる。
議論では、評価に時価の要素が入るとその不安定要素が増え、ますます土地での投機的動きを誘い込み、相場が企業の業績を左右するようになる。原価主義の方が相場に左右されない。時価評価を促す意図は企業のっとりのためではないか。企業は商品となっている。土地価格は権利と考えよ。
出席は、高島さん、高橋さん、川口さん、小野さん、森井さん、高田の6名でした。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。

*次回ゼミのテキストは労働運動総合研究所基礎理論プロジェクト報告書『均等待遇と賃金問題―賃金の「世帯単位から個人単位へ」をめぐる論点の整理と提言―』(労働総研クォータリー No.51 2003年夏季号)を2回に分けておこないます。雑誌は直接労働総研から取り寄せ可能です。

*2月は第1・3水曜日に変更します。2月4日・18日(いずれも天六)

****** ゼミ日程 *******
1月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
労働総研『均等待遇と賃金問題―整理と提言―』     報告森井さん
           政策・検討・論点(1〜27頁)

1月28日(水)午後6時半〜9時 天満橋・ドーンセンター
マルクス『資本論』3巻16章「商品取引資本」     報告者未定

2月4日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
労働総研『均等待遇と賃金問題―整理と提言―』     報告者未定
           提言・課題・論文(27〜56頁)

後、2月18日(天六)、3月10日(天六)、3月24日(場所未定)

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