2013年12月20日号
2013年12月6日号
2013年11月22日号
2013年11月8日号
2013年10月18日号
2013年10月4日
2013年9月20日号
2013年9月6日号
2013年7月19日号
2013年7月5日号
2013年6月21日号
2013年6月7日号
2013年5月17日号
2013年5月3日号
2013年4月19日号
2013年4月5日号
2013年3月22日号
2013年3月8日号
2013年2月22日号
2013年2月8日号
2013年1月18日号
2013年1月4日号
2013年12月20日号
公共交通を外資に売り飛ばす維新号、離脱する車両で、すんでの処で停止信号点灯の大阪。一方首都では弁解号が迷走、とうとう辞任駅へ。
[第673回ゼミ報告]
12月11日のゼミは、森岡孝二『過労死は何を告発しているか―現代日本の企業と労働』の論点を参加者が発表する形で行いました。最初に斎藤さんが全体の感想として過労死問題を系統的に知ることにより日本の経済社会の異常さ・深刻さをあらためて認識した。人権尊重社会の対岸にある経済効率優先の企業中心社会と実効性のない労働対策が新自由主義的な財界・大企業支配に至っている。次に大辺さんがアマゾンへの書き込みを紹介し、「過労死」という社会に生起する現象は的確な名前を与えられて突然多くの人が知るようになり、ブラック企業にも一歩突っ込んだ命名が必要という。次に高田がこの本の中で小池和男が労働時間と過労死を論じていないことをヒントに、最近の労働経済学が労働時間をどう論じているか探り、雇用の生産弾力性、労働時間への所得と余暇の選択、致死への損害額と安全規制の費用対比というように労働者への健康配慮は視野に入らない。また本に挙げられた過労死・過労自殺者の企業名と年齢を列挙したとき、その時の年齢の若さ、また大企業でほとんど起こっていることがわかり、中小企業ではどうなのか。著者の森岡先生からは、確かに統計上中小企業より大企業の方が労働時間は長いと出ているが、80年代に変ってきている。中小事業所も管理がきびしくなって労働者の孤立化がある。大企業でも非正規化・労働条件の悪化がり、特に飲食業がひどい。もともと工場労働者よりホワイトカラーの労働時間は短かったが、どこかで逆転があり、この職工身分制がなくなり戦後男女格差になった。企業中心社会から個人中心社会ではなく人権尊重社会を提唱した。
出席は、この本の著者森岡先生、川口さん、小野さん、松村さん、齋藤さん、大辺さん、久しぶり参加の中野さんと高田の8名でした。
*1月8日からのテキストについて決着せず、次回25日のゼミでもう一度話し合います。推薦本を持ち寄りください。これまで出た候補本は、建部正義『21世紀型世界経済危機と金融政策』、紀国正典『金融の公共性と金融ユニバーサルデザイン』、ハーヴェイの新刊書、小倉一哉『「正社員」の研究』、若森章孝『新自由主義・国家・フレキシキュリティの最前線―グローバル化時代の政治経済学』などです。
*次回の会場も南森町・働き方ASU-NET事務所です。
****** ゼミ日程 *******
12月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第7章と第8章1節 報告濱田さん
1月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定 報告者未定
1月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第8章2節 固定・流動資本 報告者未定
2月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定 報告者未定
その後2014/ 2/26, 3/12, 3/26, 4/9, 4/23 (働き方ASU-NET)
[一番上に]
2013年12月6日号
民に知られず、民に知らせず、民に真実を隠し、民に嘘を言い、民を見下し、民を扇動し、民を陥れ、民の声を聴かず、かつてたどった道を何故急ぐ。
[第672回ゼミ報告]
11月27日のゼミはマルクス『資本論』第2巻第6章「流通費」を、高橋さんの報告要旨を(風邪の為欠席)高田が代読して報告しました。売買期間(購買期間と販売期間)では純粋流通費を費用ではなく流通期間の問題として分析する。仮定として価値通りに販売され、流通過程では価値や剰余価値が形成されず姿態変換が行われるだけである。取引の時間と労働力はこの姿態変換に必要であり、その削減は歴史貫通的である。簿記のための労働時間は売買期間と全く同じであるが、生産過程の社会的発展に応じて必要度増すが、その費用は生産の集積で減っていく。流通での貨幣は社会的富の一部分が不生産的に拘束され、貨幣の磨滅の補填費用は空費であり、資本主義的生産の発展につれ増大する。保管費は生産過程が流通のなかで続行される場合と、社会的にみれば労働の不生産的支出の場合がある。運搬費は本来的に輸送される生産物に価値を付け加える。その量は運輸業の生産力に反比例し、運輸の集中によって減少する。
討論では、空費について社会的に見る場合と個別資本としてみる場合には異なってくる。自発的・非自発的をどうとらえるか。空費がどの程度資本主義的な性格からくるのか、社会的生産に共通なのかの指摘が重要。歴史貫通的という用語は適切か。マルクス時代の運輸は船、馬車、鉄道が急成長する時期。空費の現代的現れとして温暖化がある。スミスの場合在庫は量の調整と価格の調整を関連させた。資本主義が作り出したものは複式簿記と株式会社という。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、松村さん、濱田さん、齋藤さん、服部さんと高田の8名でした。
*次回12月11日ゼミは、新刊の森岡孝二『過労死は何を告発しているか』について、皆さんが読んで思いついた事を参加者が全員報告する「協業報告会」を開催します。皆さん一人ひとり簡単なレジュメで報告よろしく
*姉歯本が終わり、1月8日からのテキスト、推薦本を持ち寄り下さい。
*姉歯本につき、『経済科学通信』編集部から1月締切で書評依頼があり応諾しました。ゼミ名合評の形で、高田が2回のゼミで少し時間をお借りして、12月8日ゼミでは毎回の討論内容整理、1月8日ゼミでは原稿案を提示し、皆様の意見を聞いて原稿に反映します。ゼミ以外でも意見を。
*次回の会場も南森町・働き方ASU-NET事務所です。
****** ゼミ日程 *******
12月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
森岡孝二『過労死は何を告発・・』 協業報告会 報告:参加者全員
12月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第7章と第8章1節 報告濱田さん
1月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定 報告者未定
1月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第8章2節 固定・流動資本 報告者未定
その後2014/ 2/12, 2/26, 3/12, 3/26, 4/9, 4/23 (働き方ASU-NET)
[一番上に]
2013年11月22日号
趣味嗜好とは主観性の最たるもの。主観は入って当然の芸術の世界。しかし事前に入選数を割り振るとは、公募が泣ける。親方徒弟制の世界、日展
[第671回ゼミ報告]
11月13日のゼミは、姉歯暁『豊かさという幻想』の第6章「消費のサービス化について―「豊かな消費社会論」批判―」、第7章「R.A.ウォーカーの「サービス経済論」批判―資本主義的分業の展開―」を川口さんの報告で行いました。家計消費に占めるサービス支出の比率は1980年代に3割を超え、2011年には4割を超えている。「消費のサービス化」が豊かな社会なのか、物からサービスを言う前にサービスの内容を再検討する必要がある。サービスを、T財生産に追加的支払い、U現物貸付・土地資本に対する支払い、Vサービス提供への支払いと分類し、「サービス消費」が通俗的な非物質的生産物の労働という誤解を生みだしている。本来は耐久消費財の普及、地価の高騰・公営住宅の不足、社会的共同消費手段の商品化による支出の増加と女性の賃労働化・家事労働の外部化により、「サービス」消費品目の支出増大を見る必要があるが、単純に財からサービスではなく、その原因への検証必要である。最後にウォーカーのサービス経済論批判を、財生産の巨大化・複雑化の分業が、直接労働から間接労働への比重移動と説き、「脱工業化論」批判を紹介する。
討論では、生活の社会化では家族の経済学(成瀬龍夫・小沢修司)が、インフラ論は宮本憲一が、持家政策では早川和男・平山洋介が、消費の文化論は見田宗介が論じ、サービス労働論では金子・飯盛等の論争があるが、どれも考察の対象としていない。それまで各章では、過消費社会と金融との関連を論じたが、この6・7章では論考とは断絶している。家計調査のサービス品目分類の全体を考察ではなく、分類項目UとVでの詳しい考察がほしい。サービスと消費との関連を理論的に掘り下げる必要があり、消費およびサービスの概念規定がなされていないのは問題。特にこれまでのサービス労働論争への言及が必要である。消費社会論では、豊かさと貧困の同居の視点が必要で、貧困との関わり欠かせないが、貧困の問題について論じていない。
出席は、川口さん、小野さん、高橋さん、松村さん、齋藤さんと高田の6名でした。
*前回で姉歯本が終わり、次回12月11日ゼミは、新刊の森岡孝二『過労死は何を告発しているか』について、皆さんが読んで思いついた事を参加者が全員報告する「協業報告会」を開催します。皆さん、報告よろしく
*次回の会場も南森町・働き方ASU-NET事務所です。
****** ゼミ日程 *******
11月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第6章 流通費 報告高橋さん
12月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
森岡孝二『過労死は何を告発・・』 協業報告会 報告:参加者全員
12月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第7章 回転時間と回転数 報告者未定
1月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定 報告者未定
その後2014/ 1/22, 2/12, 2/26, 3/12, 3/26, 4/9, 4/23 (働き方ASU-NET)
[一番上に]
2013年11月8日号
またまた新聞をにぎわせる「偽装」、偽装請負でありませんぞ、偽装食材。食べ物になったら判らんとは、食通は見抜けず、働く人もそうなのか。
[第670回ゼミ報告]
10月23日のゼミは、最初に前回の宿題(回転の問題)を行った後、マルクス『資本論』第2巻第5章「通流時間」を高橋さんの報告で行いました。生産期間と労働期間とは不一致せず、労働過程は周期的中断している。生産手段機能の中休み、生産手段の準備期間、また労働過程なし生産期間として機能する醸造・農産物の成熟があり、これらは価値も剰余価値も生産しない。流通期間と生産期間は互いに排除しあい、流通期間の膨張・収縮は生産期間に対して消極的制限として働き、資本の価値増殖過程を制限する。流通期間と生産期間の区別は科学的経済学さえ外観と現象に騙されて蓄積は流通期間のおかげであるかのように見える。流通期間の販売期間W−Gは資本の変態の最も困難な部分であり、流通担当者は生産担当者から支払いを受けねばならない。流通期間の絶対的限界として使用価値の消滅があり、商品資本にとって流通期間の限界である。
討論では、この章は第4稿(1867-69)で古い原稿であり、第12・13・14章は第2稿(1868-70)で新しく、同じ問題の詳しく具体的な記述があり、両者の関連はどうであり、なぜ旧稿を独立して入れたのか。エンゲルスは執筆年代を知らなかったのでは。4章までの循環論と5・6章の流通費用論が同じ篇に含まれるのはどう関連するのか。発酵過程と同様に、染色では漂泊で生地を「寝かす」過程があり科学反応を待つ。資本はそれを極力小さくしたく、工程を並列にならべ手待ちならないようにし労働者を働かす。農業でもコメの時期を分けて作付する。現代は鶏の生育でのブロイラーの例もある。産業資本における商人資本の役割について、資本論では卸売資本・商人資本を前提としていないのはどうか。特に恐慌の問題では商人資本が問題となるが。販売人に委託しているということ、価値通りに売るという前提があり、そこでは詐欺瞞着の世界だ。「消極的megativ」制限より「否定的」としては。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、濱田さん、服部さん、大村さん、齋藤さんと高田の9名でした。
*次回のゼミで、姉歯本が終わる予定です。次のテキストの提案をお願いします。候補として、近刊の森岡孝二『過労死は何を告発しているか―現代日本の企業と労働』岩波現代文庫1240円が上がっています。
*次回の会場も新たな南森町・働き方ASU-NET事務所です。
****** ゼミ日程 *******
11月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』第6・7章 サービス化・報告川口さん
11月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第6章 流通費 報告高橋さん
12月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定 報告者未定
12月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第7章 回転時間と回転数 報告者未定
その後2014/1/8, 1/22, 2/12, 2/26, 3/12, 3/26, 4/9, 4/23 (働き方ASU-NET)
[一番上に]
2013年10月18日号
いまどきの老人はスポーツクラブで運動、体力が若返り記録が向上。対する小学生の運動労力は低水準と。はて彼らが老人になった時はどうなるの。
[第669回ゼミ報告]
10月9日のゼミは、姉歯暁『豊かさという幻想』第5章「消費者信用の一形態としての販売信用−販売信用の本質・成立条件・機能−」を高田の報告で行いました。これまで消費者信用の研究では信用関係の本質については皆無。対象を販売信用に限定し住宅ローン・消費者金融は除外する。販売店と消費者の割賦販売では、相互のみ、信販会社が入る、さらに金融機関がはいる、という信用の形態がある。将来所得が確実であるというのが販売信用の本質であるが、途中に信販等が入ると個別資本と社会的総資本とに価値実現の時間差があり、過剰生産を促進する。商業信用は資本の還流・剰余価値から利子支払い・担保があるが、販売信用では、将来所得と担保がないため、利子が高くなる。信用供与側からの成立条件は耐久消費財である商品滞貨の防止と金融機関での過剰蓄積の解消であり、受信側では、労働力再生産費を超える耐久消費財の買いであり、所得の安定で、耐久消費財無しで生活が成り立たないという受動的要因がある。ただ需要以上に生産が拡大し、有効需要の積み増しをするが、スウィージーの警告どおりサブプライム危機が現実のものとなった。価値実現のタイムラグは過剰生産を促進し、恐慌を引き起こす。
討論では、今は割賦販売よりクレジットカードを使っていて、広がりをもっている。カードはあらゆる消費部面やそれ以外で使われて、消費者金融をも含めて考察する必要がある。割賦販売時代と今のクレジットカード社会を同時に述べていて、時代とともに変わってきたのではないか。特にポイントカードでは顧客と消費情報がビッグデータとなり、需要予測が進歩している。耐久消費財の消費では、生活水準を維持することへの記述が必要だ。4章まではアメリカを対象にして、理論的に考察する5章では日本が対象になっている。サブプライム危機では除外した住宅ローンが問題。
出席は、川口さん、小野さん、濱田さん、松村さん、齋藤さんと高田の6名でした。
*10月19日の基礎研現資研は、「労働者派遣制度見直し論議と派遣労働の実態」をテーマに行います。午後2時から立命館大学朱雀キャンパスで、私(高田)がコーディネイトしました。ぜひともご参加ください。
*11月初めゼミで、姉歯本が終わる予定。次のテキストの提案を乞う。
*次回の会場も新たな南森町・働き方ASU-NET事務所です。
****** ゼミ日程 *******
10月23日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第5章 通流時間 報告高橋さん
11月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』第6・7章 サービス化・報告川口さん
11月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第6章 流通費 報告高橋さん
12月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定 報告者未定
その後は 12/25 , 1/8, 1/22, 2/12, 2/26, 3/12 (全て、働き方ASU-NET)
[一番上に]
2013年10月4日号
NISA、ニーサって、何なのサ。少額投資って、庶民のお金を巻き上げる魂胆なんだ。ましてや消費税で庶民はじわじわ巻き上げられ事になるし。
[第668回ゼミ報告]
9月25日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第4章「循環過程の三つの図式」の続き(原書S113)以下を齋藤さんの報告で行いました。産業資本の循環と商品流通との考察として、諸商品の大部分が他人の商品資本であり資本主義以外の生産様式からも商品を購入する。産業資本の商品が流通過程に入ったとき商品取引資本・商人資本と向かいあい、大規模な販売は個々消費者ではなく商人への販売を前提とする。しかし、ここでは販売は商人ではなく直接的販売を仮定する。ヒルデブラントは現物経済・貨幣経済・信用経済の運動形態を唱えたが、信用経済は貨幣経済の一つの形態であり、3つの形態は同格のカテゴリーでない。次に社会的再生産についての数量的考察を行う。資本家の目的は資本の増殖率を大きくし供給する商品価値を需要する商品価値より大きくすることである。生産が進歩すれば同じ量の商品生産物を作るのに必要な労働力は小さくて済み、生産手段より労働力への需要が小さくなる。すなわち生活手段を生産する資本家の生産手段にたいする需要は、生産手段を生産する資本家の商品生産物より小さくなる。しかしながら、大規模な生産への蓄積のために剰余価値の一部が蓄蔵貨幣となり増大する。
討論では、貨幣の購買手段と支払手段とはどのように違うのか。現在の中国とベトナムは新自由主義的な方向へと向かって似てきている。中国・ベトナムは社会主義への道というより、資本主義への道を歩んでいるのか。資本主義そのものが他の生産様式と併存して、生産手段の購入や販売において他の生産様式とつながっている。販売・生産の大規模化と述べているが、資本が自ら販売の組織を持つとなっていて、資本主義の初期では販売は卸売商人が行っていた。固定資本と流動資本に回転の問題を加えたマルクスの計算式はおかしいのではないかと、この問題は宿題となり、後日に検討することとなりました。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、服部さん、濱田さん、大村さん、齋藤さんと高田の9名でした。
*10月19日の基礎研現資研は、「労働者派遣制度見直し論議と派遣労働の実態」をテーマに行います。午後2時から立命館大学朱雀キャンパスで、私(高田)がコーディネイトしました。ぜひともご参加ください。
*次回の会場も新たな南森町・働き方ASU-NET事務所です。
****** ゼミ日程 *******
10月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』 第5章消費者信用・・ 報告高田
10月23日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第5章 通流時間 報告高橋さん
11月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』 第6章 消費のサービス化・報告者未定
11月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第6章 流通費 報告高橋さん
その後は 12/11, 12/25 (全て、働き方ASU-NETにて)
[一番上に]
2013年9月20日号
やっと長い夏が終わったと思ったら、台風が通り過ぎた。急行から特別急行、さらに超特急、警報から特別警報、次は超特警となるか、この異常気象。
[第667回ゼミ報告]
9月11日のゼミは、姉歯暁『豊かさという幻想』の第3章「アメリカ経済と消費者信用−その歴史的変遷−」、第4章「アメリカ経済における「過消費」構造と国際通貨国特権」を小野さんの報告で行いました。消費者信用は製造業による耐久消費財の大量生産と金融資本の蓄積の成立条件のもと、過剰生産と過剰投資を解決するために生み出された。それは、有効需要を生み出すが、また過剰生産をも引き起こし、大恐慌の形で一気に表面化した。ニューディール政策は大恐慌回復の特効薬ではなく、回復は戦時での軍事支出であった。消費者信用は、戦後さらなる発展をし、金ドル交換停止後天井知らずの信用創造ができた。その後海外生産展開が低賃金労働者を生み出し、低賃金と「消費のための一般条件」の喪失で生じた必需消費支出との間を埋め合わせるための手段が消費者信用となった。アメリカは対外的に経常赤字を累積しつつ、通貨国特権により「過消費」を可能にしている。アメリカが輸入品を消費市場で際限なく受け入れるために債務増加をし、それを通貨国特権として「友好的圧力」を発揮して対外債務決済の繰り延べを行っている。
討論では、用語の問題として産業資本と生産資本、社会資本、資本の深化、労働力の再生産「費」以下、が引っ掛かる。オフショアの説明がない。グラス・スティーガル法からビックバン、リーマンショックへの論理が見えない。消費社会というのが成り立つのかどうか。消費を生産に従属したものとして産業資本の販売先のみとしているが、消費の独自のモメントはないのか。労働者=消費者としているが消費の外にいる人はどうか。浪費の説明で過剰な消費だけでなく多くの廃棄物がある。消費者信用を扱うに「サラ金」シャークローンが出てこない。貧困の説明がない、ワーキングプアはどうか。製造業の賃金統計で職種の賃金に書かれているほど差はないのでは。消費者信用を扱うには消費全体の問題を述べる必要がある。
出席は、本当に久しぶりの森岡先生(討論の大部分です)、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、松村さん、藤本さん、大村さん、齋藤さんと高田の10名でした。
*次回9月25日ゼミの資本論は、2巻4章途中(新書P172,原書S113)以下を、引き続き齋藤さんに報告していただきます。
*次回の会場は新たな南森町・働き方ASU-NET事務所です。
****** ゼミ日程 *******
9月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第4章 循環過程の三つ(続き) 報告齋藤さん
10月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』 第5章消費者信用・・ 報告高田
10月23日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第5章通流時間・6章流通費 報告高橋さん
11月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』 第6章 消費のサービス化・報告者未定
その後は 11/27, 12/11, 12/25 (全て、働き方ASU-NETにて)
[一番上に]
2013年9月6日号
13年間お世話になった天六の会場で並んで記念撮影。上本町、天王寺から天六、そして新たな会場は南森町へ新たなステップへ、大阪第三学科!
[第666回ゼミ報告]
7月24日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第4章「循環過程の三つの図」の途中まで(新書P172,原書S113)を齋藤さんの報告で行いました。この章では、産業資本の循環の全体像、資本の循環と価値の自立化、価値革命と資本の循環、産業資本の循環と商品流通、歴史的な経済形態区分批判、社会的再生産についての数量的考察、が論述されている。まず「産業資本の循環の全体像」では、総過程は生産過程と流通過程の統一として現れ、三つの循環に共通するのは推進する動機としての価値増殖であり、社会的総資本は常に連続性をもち三循環の統一である。「資本の循環と価値の自立化」では、価値は単なる抽象ではなく循環過程を経て自立的に運動できる独自な存在であり、増殖する資本価値として機能する。「価値革命と資本の循環」では、価値関係が不変な場合、反復中に撹乱が相殺される場合にのみ過程は正常に進行するが、相殺できるためには大きな貨幣資本もち、資本の規模が大きくなり、それが個々の結合した大貨幣資本家たちを独占に転化せる要因のひとつとなる。
討論では、73年のオイルショックが思い出され、その時は後から重油の卸値が決まった。自立化は「二度と現れない」とは何か。自立化を物ではなく運動と見ることの意味は。抽象の現実化とは階級関係だけでなく産業資本の運動の現実化・自立化のこと。何故、価値革命が価値変動ではないのか。個別資本は産業資本とし、総資本の問題が出てきて、再生産様式へのステップとなる、価格ではなく価値で。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、松村さん、服部さん、齋藤さんと高田の8名でした。
*次回の9月11日開催ゼミから会場が、NPO働き方ASU−NET事務所(南森町駅6号出口横、南森町昭和ビル4階、06-6365-5800)に替わります。ハガキの表下部に住所・地図を載せています。なお、当事務所にはコピー機があり、1枚10円で使用可能です。
*天六・大阪市立住まい情報センターは、2000年9月13日から13年間に渡って使用させていただきました。ありがとうございました。
*7月24日ゼミの資本論は、2巻4章途中まで(新書P172,原書S113)で、次回の9月25日ゼミで引き続き齋藤さんに報告していただきます。
****** ゼミ日程 *******
9月11日(水)午後6時半〜9時 南堀町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』 第3・4章アメリカ・・ 報告小野さん
9月25日(水)午後6時半〜9時 南堀町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第4章 循環過程の三つ(続き) 報告齋藤さん
10月9日(水)午後6時半〜9時 南堀町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』 第5・6章ウォーカ批判・・ 報告者未定
10月23日(水)午後6時半〜9時 南堀町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第5章通流時間・6章流通費 報告高橋さん
その後は 11/13, 11/27, 12/11, 12/25 (全て、働き方ASU-NETにて)
[一番上に]
2013年7月19日号
銭高は上昇率一位、王将は最高値と、東証に吸収された大証上場株名が紙面を踊る。その日の熱中症最多は大阪と消防庁発表。株価も熱中症かも。
[第665回ゼミ報告]
7月10日のゼミは、姉歯暁『豊かさという幻想』の「まえがき」、第1章「サブプライムローン問題の本質−アメリカにおける「過消費」構造と家計債務の現状」、第2章「サブプライムショック後のアメリカにおける消費動向」を高田の報告で行いました。この本は、消費者信用による労働者の危機的状況を、消費をめぐって批判的に検討する。サブプライム問題は中間層を含めて、失業・疫病・離婚により自己破産・住宅喪失として普通のアメリカ人に起こったことである。一般にアメリカ人の消費浪費をいうが、新自由主義のもと社会的固定支出が増大し必需的消費だけでなく選択的消費部分でも浪費を許さず自由度が低く圧迫されている。サブプライム問題は29年恐慌と同じ本質をもつ実体経済への信用の収縮であり、論点は最終消費での信用供与に行き着く。対消費者貸付は耐久消費財生産拡大による資本主義生産の必然的な産物であり、消費者である自国の労働者を低コストの海外労働者と競争させ、労働力の再生産費を引き下げるという矛盾が、低賃金・赤字補填と将来所得の不安定による対消費者貸付の増加に現れる。アメリカのGDPに占める消費支出は7割と他国から突出し、モーゲージローンが消費者信用と連動することで、住宅価格の急落に端を発した不良債権化はアメリカ経済に内包する深刻化の要因であり、実際にそれが一気に表面化した。
討論では、サブプライムの付く用語の整理ができていない。井村批判で、金・ドル交換停止後の問題であり世界で起こったことの問題を説いている。アメリカの住宅価格と土地価格の関係はどうか。国際通貨特権との関係では、消費者信用は個人の問題ではないか、ただこれで投資を日本・中国から呼び込むことはできた。耐久消費財の大量生産と消費者金融の関係を資本主義一般から説いているか、アメリカでは20年代以降、日本では戦後高度成長期に起こったこと。住宅はいまも投資の対象となっている、バンコクや韓国、日本でも。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、濱田さん、井貝さん、松村さん、齋藤さん、久しぶり復帰の大辺さんと高田の10名でした。
*9月から会場が、NPO働き方ASU−NET(南森町駅6号出口横)事務所に替わります。このハガキの表書き下部に住所・地図を載せています。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
7月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第4章 循環過程の三つの図 : 報告斉藤さん
9月11日(水)午後6時半〜9時 南堀町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』 第3・4章アメリカ・・ 報告小野さん
9月25日(水)午後6時半〜9時 南堀町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第5章通流時間・6章流通費 報告高橋さん
10月9日(水)午後6時半〜9時 南堀町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』 第5・6章ウォーカ批判・・ 報告者未定
その後は 10/23. 11/13, 11/27, 12/11, 12/25 (全てASU-NETにて)
[一番上に]
2013年7月5日号
34年5カ月ぶりに仕事の責務を離れ、もうひとつのArbeitsのみを邁進することとなった。が、雑務で自由時間にまだまだ戸惑いの中。私事にて失礼。
[第664回ゼミ報告]
6月26日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第3章「商品資本の循環」を松村さんの報告で行いました。W'は増殖された資本価値・資本関係として始まる。単なるWとしては循環を開始できず、ただW'の循環のなかでW−Gとw−gに分離可能である。それらの不変資本・可変資本・剰余価値の各要素は細分化できる。形態Tは完結した事業循環であり、その結果は何にでも使える貨幣である。形態Uは生産資本としての産業資本の再定在であり、再生産の形態である。形態Vでは商品資本の再定在として循環が終結する。前の2つの形態との違いは、増殖された資本価値が価値増殖の出発点として現れることである。さらにWが他人の手中にある商品を前提とし、最初から生産的消費と個人的消費を包含する。個別産業資本の循環の分析には形態I・Uを基礎として、形態Vは個別資本として農業で現れ、ケネーの経済表の基礎になっている。
討論では、まずいつもながらの手書きのレジュメに書かれた循環図に称賛の声が上がった。消費の問題がここで出てくるが、生産的消費と個人的消費の区別に対して、労働者の消費が生産的消費に含まれるということか。それでは個人的消費とは何か。労働力の再生産を第1巻21章では資本の再生産の条件としているが、ここでは労働者自身の再生産を問題にしている。消費とは食べることとかいうが、自然との関係であり自然に対する克服でもある。ここで初めて総資本の問題が出てくる。総資本の循環を個人資本の循環として捉え、個別資本での循環の絡み合いを問題としている。ここでは後で出てくる再生産表式へ行く道筋となっている。特に他人の資本循環を前提としている。他の循環が条件となり、それはまさに産業連関表である。この章最後の一面的把握で「商品諸要素とはかかわりない諸要素」とは価値増殖過程なのか。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、濱田さん、服部さん、松村さん、齋藤さんと高田の9名でした。
*次回ゼミから、新刊の姉歯暁『豊かさという幻想−「消費社会」批判』桜井書店が始まります。毎回2章程度で進みます。
*9月から会場はNPO働き方ASU−NET(南森町駅6号出口横)です。
このハガキの表書き下部に住所・地図を載せています。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
7月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
姉歯暁『豊かさという幻想』 第1・2章サブライム・・ 報告高田
7月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第4章 循環過程の三つの図式:報告斉藤さん
9月11日(水)午後6時半〜9時 南堀町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』 第3・4章アメリカ・・・ 報告者未定
9月25日(水)午後6時半〜9時 南堀町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第5章通流時間・6章流通費 報告高橋さん
その後は 10/09, 10/23. 11/13, 11/27, 12/11, 12/25 (全てASU-NETにて)
[一番上に]
2013年6月21日号
ランドセルにICチップ、校門通れば下校メールが母親に届く。道草もできず。会社のタイムカードもICチップ、退社メールが妻に飛ぶ、かも。
[第663回ゼミ報告]
6月12日のゼミは森岡孝二「企業社会論の枠組みを問い直す」(『経済科学通信』第131号)を高田の報告で行いました。昨今の労働側の弱体化はマクロ的労資関係にあり、この論文でミクロ的労使関係にとらわれた企業社会論を問い直す。80・90年代にストライキは皆無で資本の専制の強化と労働組合運動の無力化、その時期が社会科学から労働者階級概念が消滅した時期と重なる。この筆者と基礎研の企業社会論・マルクスの労働時間論を問い直し、企業社会分析での階級視点の重要性を確認する。企業社会の用語は「企業内社会」と「企業中心社会」の二つの意味を持つが、企業内社会の考察で企業中心社会の考察に代えている。80・90年代の企業社会論はマクロ的視点が希薄で、大企業男性正社員を分析対象としていた。渡辺雅夫氏が階級概念の復権を述べていたが、基礎研の90年代の論文は企業社会論を対象にしながら、企業内社会を論じて階級闘争が明確でない。過労死問題でも同様であった。また同じころ基礎研内での労働過程論でも階級論・労働組合への記述はない。ハーヴェイの『資本論入門』では労働日・労働時間の短縮制限は総資本対総労働の階級闘争で決着すると述べ、これは現代にも当てはまる。最後に、マクロ的労資関係の分析を必要性を説き、職務概念の希薄な雇用契約(メンバーシップ契約)にも言及する。
討論では、企業社会論に中小企業では違和感があり企業にそれほど縛られていなかった。ただ90年代半ばからバブル崩壊で転職が容易でなくなった。筆者の『日本経済の選択』では市民概念の有用性を説いているが、もう一度二大階級論に戻るのか。マクロ的労資関係の分析には二大階級だけでなくいろいろな階層が対象となる。階級論をどのように構築するのか、大橋隆憲など。グローバル化との関係、アメリカとの関係はどうか。オキュパイ運動を総労働の運動と見れないか、等々。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、濱田さん、服部さん、松村さん、齋藤さんと高田の9名でした。
*7月10日からのテキストは新刊の姉歯暁『豊かさという幻想−「消費社会」批判』桜井書店です。一括購入し次回ゼミで渡す予定です。
*9月から会場はNPO働き方ASU−NET(南森町駅6号出口横)です。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
6月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第3章 商品資本の循環 報告松村さん
7月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
姉歯暁『豊かさという幻想』 第1章サブプライム・・ 報告小野さん
7月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第4章 循環過程の三つの図式:報告者未定
9月11日(水)午後6時半〜9時 南堀町・働き方ASU-NET事務所
姉歯暁『豊かさという幻想』 第2章 報告者未定
その後は 9/25, 10/09, 10/23. 11/13, 11/27, 12/11, 12/25 (ASU-NET)
[一番上に]
2013年6月7日号
「成長戦略、大胆な目標」、しかし「実現への道筋不透明、株式は失望売り」、新聞見出しを並べ、「講演中に下落」となれば、ただの空想物語、か。
[第662回ゼミ報告]
5月22日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第2章「生産資本の循環」の第2節「蓄積、および拡大された規模での再生産」3節「貨幣蓄積」4節「準備金」を高橋さんの報告で行いました。実現された剰余価値は循環を繰り返されてから現実の追加資本として機能するが、それまで蓄蔵貨幣の形態で潜在的な貨幣資本をなす。ただ剰余生産物を金銀生産者に売った場合、金銀を外国からの輸入商人に売った場合は、潜在的な貨幣資本は国内の蓄蔵金銀の一増加分となる。資本の不断の増大が資本の維持の条件になり、資本が蓄積される。貨幣機能と商品機能は循環のそれぞれの機能形態であり、同時に貨幣資本の機能、商品資本の機能である。貨幣蓄蔵は産業資本の規模の拡張に一時的に伴う過程として現れる。貨幣蓄蔵元本は循環の攪乱をのぞくための準備金として成り立つ。準備金は機能している貨幣資本の一成分ではなく、まだ能動的な資本に転化していない剰余価値の一部分である。生産資本の循環は古典派経済学が産業資本の循環を考察する形態である。
討論では、宇野弘蔵氏は貨幣資本の循環には資本家としての主観的立場が必要であるが、生産資本の循環では、主観的動機は問題にならないが、資本運動そのものは資本家の主観的動機を含む運動である、というのはどうか。S86の「まちがい」という記述は古典派批判を読むべきか。第一循環、第2循環という翻訳は、最初の(1回目の)循環、2回目の循環、と訳すべきはないか。ここではスモールgがどのように資本になるか、を考えて、gを外にはみ出た循環ともいえる。Gは増えていくのに、Aは増えないということか。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、濱田さん、服部さん、松村さん、大村さん、新加入の齋藤紀彦さんと高田の10名でした。
*次回ゼミのテキストは『経済科学通信』最新号131号掲載の森岡孝二「企業社会論の枠組みを問い直す」を取り上げます。
*7月10日からのテキストは新刊の姉歯暁『豊かさという幻想−「消費社会」批判』桜井書店です。一括購入で6月26日のゼミでお渡しできます。
*9月からの会場は、NPO働き方ASU−NET(南森町駅6号出口横)に変更し、その後もこの会場を使用させていただく了解を得ました。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
6月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
森岡孝二「企業社会論の枠組みを問い直す」通信131号 報告高田
6月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第3章 商品資本の循環 報告松村さん
7月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
姉歯暁『豊かさという幻想』 第1章サブプライム・・ 報告者未定
7月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第4章 循環過程の三つの図式:報告者未定
その後は 9/11, 9/25, 10/09, 10/23. 11/13, 11/27, 12/11, 12/25 (ASU-NET)
[一番上に]
2013年5月17日号
富士山が世界遺産へ、とのニュースが流れる。頂上のゴミと汚物の問題が世界遺産なれないと聞いていたが。とはいえ富士川鉄橋の富士山は良い。
[第661回ゼミ報告]
5月8日のゼミはハーヴェイ『資本の〈謎〉』第8章「何をなすべきか?誰がなすべきか?」を高島さんの報告で行いました。危機に瀕した現代資本主義のオルタナディブが求められているが、かつての社会(民主)主義と共産主義のビジョンは輝きを失っている。グローバルな反資本主義運動の中心的課題は複利的資本蓄積を終焉させる政治革命が必要で、そのための社会変革は剰余の生産と分配に対する社会的管理を前提としたものである。共進化の理論での試みは失敗し、知の構造は機能不全に陥っていたが、共−革命的政治理論で武装した知識人が決定的役割を果たし、資本の謎を解く。全ての略奪された人々の同盟を構築し、階級的関係と国家権力の資本主義的形態を攻撃し、様々な変革主体の潮流と組織形態で新しい反資本主義運動の目標を追求している。略奪の経済への道徳的憤怒が起こり、分裂している政治的運動も融合し、時間と空間の障壁を乗り越える。
討論では、複利的成長は将来的に必要ないと言い切れるのか。成長と持続的発展との関係、複利的発展と蓄積の問題。成熟社会論もある。後進国の問題は別になっている。それまで主張した地理的不均衡の問題が出てこない。オキュパイ運動を予言している。資本主義を経ない社会主義はどうか、中国の公害問題にも言及。成長の必要ない社会は償却の範囲での投資、利潤率がゼロになる社会か。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、濱田さん、松村さん、大村さん、高田の8名と、井貝さん(開始前まで)でした。
*ハーヴェイ本は今回で終わりました。次のテキストの話し合い結果、新刊の姉歯暁『豊かさという幻想−「消費社会」批判』桜井書店、3200円が候補になり、出版時期を調べ次回ゼミで話し合うこととなりました。桜井書店さんに問合せの結果5月末に出るとのことです。そこで私から提案は、姉歯本は7月10日からにして一緒に本を購入し、6月12日は「経済科学通信」最新号131号掲載の森岡孝二「企業社会論の枠組みを問い直す」を取り上げてはどうか、という案です。ご意見をお寄せ下さい。
*次回の『資本論』第2巻第2章は第2・3・4節です。
*9月からの会場について、NPO働き方ASU−NET(南森町駅近く)に変更する件は、諸事情のため決定はもう少しお待ちください。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
5月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第2章 生産資本の循環 2〜4節 報告高橋さん
6月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定 報告者未定
6月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第3章 商品資本の循環 報告者未定
7月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定 報告者未定
その後は 7/24 (以上天六), 9/11, 9/18(天六) or 9/25(ASU), 10/09
[一番上に]
2013年5月3日号
日本の電機メーカー各社から人材が海外に流出し、中国・韓国・台湾メーカーでは技術者の奪い合いもあるとか。テレビドラマの通りに進む。
[第660回ゼミ報告]
4月24日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第2章「生産資本の循環」の第1節「単純再生産」を高橋さんの報告で行いました。生産資本の循環は周期的に繰り返される機能、再生産である。G−Gの場合は商品形態から貨幣形態への転換を明らかにし、P…Pは、G'に含まれるGかgの運動で単純再生産か拡大再生産が決定される。gは流通の外に出て蓄蔵貨幣形態から支出される。Gとgの分割は、機械のように観念的にか、分割できる商品要素として表される。ここでGは、はじめからPの貨幣形態への転化として現れる。W'―G'−Wは再生産の契機である流通行為を含んでいる。再生産過程では生産物が売れる間は正常に進行し、資本価値の循環は中断しない。ただし外観上消費に入ったように見えるだけで現実には売れず諸品が滞留したときには、投げ売り・支払期限・支払不能となり恐慌が起こる。恐慌は需要の直接の現象ではなく、資本と資本の交換の減退、再生産の縮小による。
討論では、G−Gが重商主義、P−Pは古典派、W−Wは重農主義といえ、それらを統合して産業資本といえる。ここでは労働力の問題は出ないで、諸変態に力点がある。恐慌の問題では、第1巻で可能性を論じ、ここでは同じ論を出している。1868年恐慌が当時での現実問題となっている。外観上の消費が積み上げられ生産は止まらず、流通から返品がかえってくる、その例として、出版、ダッコチャンなどがある。第2巻はほとんど研究されていないが、宇野弘蔵が研究している、流通主義といわれる所以。マルクス草稿問題まで議論。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、井貝さん、濱田さん、松村さん、高田の8名でした。
*ハーヴェイ本は次回で終わります。次のテキスト候補を持ち寄り下さい。シュンペーター『資本主義・・』、ポランニー『大転換』、また若森みどり『カール・ポランニー』、松井暁『自由主義と社会主義の規範理論』、あるいは政策論、新書でもいいのでは、との意見が出ています。
*次々回の『資本論』第2巻第2章は第2・3・4節です。
*9月からの会場について、NPO働き方ASU−NET(南森町駅近く)に変更する件は、現在先方NPOからの回答待ちです。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
5月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第8章 何をなすべきか? ・・ 報告高島さん
5月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第2章 生産資本の循環 2〜4節 報告高橋さん
6月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定 報告者未定
6月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第3章 商品資本の循環 報告者未定
その後は 7/10, 7/24 (以上天六), 9/11, 9/18(天六) or 9/25(ASU)
[一番上に]
2013年4月19日号
早朝の揺れで起こされ、18年前のことが頭をよぎる。ニュースは未知の活断層からと。まだまだ知らない地震源に、安全審査はどうするのか。
[第659回ゼミ報告]
4月10日のゼミは、ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第7章「地理的不均衡発展の政治経済学」を高島さんの報告で行いました。資本主義の出現で土地に対する創造的破壊の速度と広がりは増大したが、これまでそこに焦点があてられなかった。生産・交換・消費の地理的景観の劇的な再編は「時間による空間の絶滅」を伴い、資本蓄積の内部に深刻で永続的な矛盾が存在している。社会的組織の領土的形態が創出され、場所形成をめぐる無数の階級闘争と社会闘争があり、その実体は地域社会・都市圏・国民国家・連邦国家である。その結果、分業と生産システムの地域的編成において国家がその構造の守護神として出現し、資本主義はその活動を支える領土的実体を必要とする。国家間の戦争は資本主義の歴史地理において世界を震撼させる創造的破壊のエピソードであり、資本は戦争の近代的形態の必要情景を作り出す。政治的利害による権力の領土的論理と、企業への貨幣権力の蓄積への資本主義的論理との間には一定の区別が生じる。国家権力の拡大は資本蓄積の空間的流れを拡大し特定の領土内部に多くの富と貨幣を囲い込む。地理的不均等発展は資本主義の作動の単なる補足ではなく、資本主義の再生産にとって根本的なものである。
討論では、不均等発展の経済学は体系として出来上がっていない。国家の位置づけができていない。共進と7つの領域とは弁証法とは違う。彼は進化論(ダーウィン)の立場にたっている。新しい地理学とは何か、地政学と地経学からの形成。地理学と産業立地論である。国際的に地理的不均等発展は言えるのか、経済的条件だけでない。資本主義発展での等質化を否定しているが、日本の駅前はどこで降りても同じ姿。領土を持たない国家はありうるのか、民族としてクルド。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、井貝さん、濱田さん、松村さん、高田の8名でした。
*次回の『資本論』第2巻第2章は第1節のみです。
*ハーヴェイ本は5月に終わります。次のテキストの候補提案を。シュンペーター『資本主義・・』、ポランニー『大転換』との声もあり。
*会場を9月からNPO働き方ASU−NET(南森町駅近く)に変更する案が参加者の賛同を得ました。現在、先方NPOと交渉中です。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
4月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第2章 生産資本の循環 1節 報告高橋さん
5月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第8章 何をなすべきか? ・・ 報告高島さん
5月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第2章 生産資本の循環 2〜4節 報告高橋さん
6月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定 報告者未定
その後は 6/26, 7/10, 7/24 (以上天六), 9/11, 9/18 or 9/25
[一番上に]
2013年4月5日号
近くを通った学生に聞いても判らずやっと辿り着いた松川資料室。多くの人が支援した松川運動の資料が整理され、手紙の中に文化人の名を見つける。
[第658回ゼミ報告]
3月27日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第1章「貨幣資本の循環」第3節「第三段階、W'−G'」、第4節「総循環」を、高島さんの報告で行いました。W−Gはある不変な価値の商品形態から貨幣形態への単なる転化であるが、W'−G'は商品形態から貨幣形態への商品資本の転化である。剰余価値にとっては商品形態から貨幣形態への最初の転化であるが、資本価値にとっては最初の貨幣形態への復帰また再転化である。最初の貨幣形態への資本価値の最終的再転化は商品資本の機能であり、そこに最初の商品形態から貨幣形態への剰余価値の第一の転化形態を含む。価値変化はもっぱら生産過程に属し、それゆえ生産過程は流通の形態変態にたいして資本の実質的な変態として現れる。貨幣資本・商品資本・生産資本の3つはただ産業資本の特殊は機能諸形態を言い表すだけであり、産業資本の定在は資本家と労働者との階級対立の定在を含む。資本の循環過程は流通と生産の統一であり、両者を包含し、この全循環は生産過程そのものの資本主義的性格を前提している。産業資本の循環の一般的形態は、資本主義的生産様式が前提されている限りでは、貨幣資本の循環である。
討論では、第3節は特に概念が判らない言葉が多数ある。作用度とはなにか。本質と現象、本質と概念、この関係は。原書S50で新日本新書版のみで「概念的」→「没概念的」との誤記の指摘はどうか、誤記ではないのか誤記か意見が分かれた。貨幣と貨幣資本の関係で貨幣そのものが増殖とみえるが、W'秘密がある。特に重商主義との関係で。金生産と輸送業の定式はどうなるのか。本質、概念、現象、形態、それぞれの言葉の関係はどうなるのか。当日は哲学的議論が多し。
出席は、川口さん、高島さん、高橋さん、井貝さん、濱田さん、松村さん、服部さん、高田の8名でした。
*次回のハーヴェイ『資本の〈謎〉』は7章のみで、8章は次々回に。
*ハーヴェイ本は、5月に終わる予定です。次のテキストをそろそろお考えください。ご提案をお待ちしています。
*4月の資本論2巻は2章ですが、途中までの場合もあり。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
4月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第7章 地理不均衡発展の・・ 報告高島さん
4月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第2章 生産資本の循環 報告高橋さん
5月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第8章 何を・・、あとがき 報告高島さん
5月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第3章 商品資本の循環 報告者未定
その後は 6/12, 6/26, 7/10, 7/24, 9/11, 10/2 (いずれも天六)
[一番上に]
2013年3月22日号
普通の公園の中にポツンと数字表示盤がある。その数字の単位はμSv/h。マイクロシーベルト。日常に非日常の数値がある現実、福島の現実。
[第657回ゼミ報告]
3月13日のゼミは、ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第6章「資本の流れの地理学」を高橋さんの報告で行いました。恐慌の勃発・展開の地理的軌跡を資本主義の地理的不均等発展の理論からみる。人口分布と経済状態の多様化として、1)人口成長の停滞地域:西欧・日本、2)人口の増加地域:ラテンアメリカ・アフリカ・東南アジア・中国、3)政策で人口が維持されている地域:開放的移民受け入れと、独自の地理を形成している。資本は場所に縛られず人口は場所に縛られず、資本蓄積の空間的ダイナミズムでネットワークを通じて金融恐慌が広まった。地理的空間と共進化の軌跡は1)調和した共進化、2)停滞的共進化の方向、3)異なる共進化の方向として行われる。地理学的原則の第1は地理的限界の克服と空間支配であり、第2は地理的集中と地理的差異である。産業都市が台頭し、都市空間の形成が過剰資本の吸収と増大する人口の吸収と内的関連が生じる。土地開発業者は資本主義の地理を形成するに能動的役割を果たし、地代を分析の前面に出し、空間と地理の持続的発展を理解することで恐慌の形成過程を有効に分析できる。
討論では、いままで恐慌が地理的分析で行われていなかった。歴史的過程でなく地理的・空間的にみることに主張がある。郊外化と軍事化との関係は。言葉として恐慌形成、空間の生産はどうか。インドで飢餓状態とあるがむしろ工業が発展していたのでは。ハンザ同盟を取り上げて商業の役割が重要している。ドイツが新自由主義的というが均衡財政ではないか。マーシャルは19世紀でなく20世紀に入るのでは。これまでの地代論は農業で豊度から地理的差異を求めていたが、現代は都市の地代論が必要となる。この3つの地理的空間の問題は普通経済学ではやらない。過剰資本の吸収を土地と人口に求める視点は新鮮。資本蓄積にとっての空間の生産はどうか。いわゆる日本の「地理」という概念ではなく、多くの概念を含んだものである。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、井貝さん、濱田さん、松村さん、大村さん、高田の9名でした。
*次回の『資本論』第2巻は、第1章の続き、第3・4節です。
*ハーヴェイ『資本の〈謎〉』は7章と8章に分けて行います。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
3月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第1章 貨幣資本の循環(3・4) 報告高島さん
4月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第7章 地理不均衡発展の・・ 報告高島さん
4月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第2章 生産資本の循環 報告者未定
5月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第8章 何を・・、あとがき 報告高島さん
その後は 5/22, 6/12, 6/26, 7/10, 7/24
[一番上に]
2013年3月8日号
セリでは価格上げていくもの。毎週水曜日に値段を下げていく古着ショップ、待って買えば安いが、その前に誰かに買われる、逆説でデフレの極み。
[第656回ゼミ報告]
2月27日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第1章「貨幣資本の循環」第1節「第一段階、G−W」、第2節「第二段階、生産資本の循環」を高島さんの報告で行いました。G→W<A,Pm…P…W'→G'、循環過程の出発形態が終結形態に復帰する。G→Wでは、貨幣を資本機能にするのは資本の運動の中での役割であり、G→Aは資本主義的生産様式に特徴的であり、資本家と賃労働者の階級関係は前提された売買である。循環が進行する第一の前提が賃労働者階級の恒常的な現存であり、生産資本の循環の形態を想定している。賃労働者は労働力の売買によってのみ生活し、必要生活手段が商品形態で相対化されている。人間の労働力が生まれながらに資本でないのと同じに生産手段もまたそうではなく、歴史的な特定の条件のもとで独自な社会的性格を受け取る。労働力は生産資本の器官のひとつとして作用し形成要素を超える部分が資本の果実である。
討論では、貨幣機能と資本機能の関係を論じるにはPの生産過程が重要であり、特にG→Aに重点的に説明を行っている。実存形態、実在、定在の訳語をどう使い分けているのか。労働の社会化の用語が出てくるがこれは今の使い方と違う。ここではまだ個別資本として捉え後に出てくる社会的総資本を見据えている。単純再生産が3回出てくるか、最初は個別資本で後に総資本から論じている。階級関係が前提というが歴史的な前提か、論理としてするのか。何故計算の数字が中途半端な数字で計算されているのか、後の合計額から出てくる。Wは貨幣機能でW'は資本機能としてAが重要。Aは本質的条件であり、生産手段に比べ労働者は遊ばせない。ロシアの例はいわゆる自由な労働者ではないと、労働者が不足したというが、いわゆる農奴解放の結果は。明治期の日本は寄生地主の元にあり、農民は結という共同組織にあった。資本蓄積には国家の力が強い。ロシアの資本主義発展をレーニンは強調し過ぎではないか、いや彼は村に一つ機械あれば資本主義とみている、それを膨大な実証資料で実証している。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、井貝さん、濱田さん、松村さん、服部さん、大村さん、久しぶりの松野さん、高田の11名でした。
*次々回の『資本論』第2巻は、第1章の続き、第3・4節です。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
3月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第6章 資本の流れの地理学 報告高橋さん
3月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第1章 貨幣資本の循環(3・4) 報告高島さん
4月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第7・8章 地理不均衡、何を 報告高島さん
4月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第2章 生産資本の循環 報告者未定
その後は 5/8, 5/22, 6/12, 6/26, 7/10, 7/24
[一番上に]
2013年2月22日号
隕石が落ちたのは、かつての体制から急伸資本主義化されたところ。そのせいか隕石探しで一攫千金を求める人波と偽物隕石のニュースがトップに。
[第655回ゼミ報告]
2月13日のゼミは、ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第5章「資本主義発展の共進化」を井貝さんの報告で行いました。工業化が1820年イングランド中部農村で広がったように、1980年の中国珠江デルタ地帯でもおこった。資本主義的進化は、技術と組織形態、社会的諸関係、社会的・行政的諸制度、生産と労働過程、自然との関係、日常生活と種の再生産、「世界に関する精神的諸観念」の7つの活動領域があり、長い歴史の中で集合的に共―存在し共進化する。領域間は資本の流通と蓄積を通じて弁証法的に絡み合い、その間と内部での不均等発展は様々な時と場所で共進化過程の前景に登場し、巨大な圧力を加え、資本主義の恐慌的傾向は解決されない。1973〜82年危機では比較的緩慢に領域間で適度に調和した共進化の期間に、混乱と根本的改革の局面が存在した。国家―金融結合体の再建、資本の権力の強化、労働組織へのイデオロギー的・政治的攻撃、賃金抑制と社会的給付縮小、新自由主義的原理、消費主義と個人化ライフスタイル、自己中心的個人主義・多文化主義、新しい電子技術等々である。1980年〜2010年には活動領域を横断して世界が大きく変化した。技術決定論、環境決定論等々のように、活動領域のどれか一つを決定因と見ないで、常に同じ重要性を与え不均等発展の弁証法的緊張を常に念頭に置くことである。
討論では、前景とは顕在化か。7つの活動領域について、マルクスの論にプラスワンか、ハーヴェイのオリジナルか。イデオロギーを強調しているが、マルクスはすでに言っているし、土台・上部構造論をはずして論じている。機械と組織では技術を重要視している。ここでは資本蓄積が謎を解くカギと重要視し地理的問題は脇に置くと言っているが。中国への言及が多いが日本は出てこないのは、すでに時代が中国になっているからか。精神的諸観念をあげて、進化論・共進化というが、それらを決定論的なものではないというのは、状況依存的で日和見的ではないか。視点は恐慌に置いているが、この本はオキュパイ運動より前の出版。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、井貝さん、濱田さん、松村さん、高田の8名でした。
*いよいよ『資本論』第2巻の本論、第1章に進みます(序言は昨年5月に済み)。なお、報告者の希望により2回に分けて行います。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
2月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第1章 貨幣資本の循環 報告高島さん
3月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第6章 資本の流れの地理学 報告高橋さん
3月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第1章 貨幣資本の循環(続き) 報告高島さん
4月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第7・8章 地理不均衡、何を 報告高島さん
その後は 4/24, 5/8, 5/22, 6/12, 6/26, 7/10, 7/24
[一番上に]
2013年2月8日号
500年前の骨が子孫のDNAで実在の国王と判る。5000年前のミイラ・アイスマンはDNA鑑定でヨーロッパの13人に続くを思い出す。
[第654回ゼミ報告]
1月23日のゼミは、マルクス『資本論』第一部未定稿「直接的生産過程の諸結果」の 177-216頁、「V資本の生産物としての商品」の途中から「個々の断片」・「解題」と、最後までを高田の報告で行いました。価値と使用価値の表現様式の矛盾として、生産された総生産物に対して価値は比例配分で表すが、使用価値はそれぞれの部分に分けられる。プルードンの困惑は、商品の価格を労働者の賃金+資本の利子として、労働者は生産したものを買い戻せないといい、週賃金を一週間分の生活手段の価格総額として、買い戻すのは可変資本部分のみという。直接的生産関係の結果は、商品の価格は生産中に消費された剰余労働が剰余価値として物質化・対象化され、商品として交換過程に入り、様々な形態転化を通るが、流通の過程の叙述は第2部で述べる。「個々の断片」では、労働力商品の特殊性、労働組合の役割、出来高賃金について書かれている。労働組合の目的は価値よりも価格が下がることを阻止することにあり、労働者たち自身で形成された保険会社である。「解題」では、1861年から63年の23冊ノートでの1巻の構成案があり、この手稿は最後に1巻に取り入れられなかったが、諸理論との関連、1巻の総括、続く巻への橋渡しとして、全体系成立史、諸理論の理解のてがかりなる。
討論では、「諸結果」の位置付けが問題。資本論成立史を知ることができる。プラン問題として後半体系と「諸結果」との関連はどうか。価格の計算がたくさん出て読みにくいが、その計算の意味は後の平均利潤率へのつながるのでは。最後は出来高賃金の途中で切れている、何を言いたかったのか。労働時間の延長の問題は支払い労働と不払い労働の問題に、労働強度の問題は国民の賃金の相違の問題に関連している。マルクスは資本論1巻では初版と2版では大きく変えて書いていて、も書く度に違ってきていることが、重要。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、井貝さん、濱田さん、松村さん、服部さん、大村さん、高田の10名でした。
*前回で『資本論』第一部未定稿「直接的生産過程の諸結果」が終わりました。昨年6月から始まり今年1月まで7回かかりました。続いて2月からは、『資本論』第2巻、第1章に進みます(序言は昨年5月に済み)。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
2月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第5章 資本主義発展の共進化 報告井貝さん
2月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第1章 貨幣資本の循環 報告高島さん
3月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第6章 資本の流れの地理学 報告高橋さん
3月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第2章 生産資本の循環 報告者未定
その後は 4/10(高島7-8), 4/24, 5/8, 5/22, 6/12, 6/26 7/10
[一番上に]
2013年1月18日号
中国で大気汚染の報。かつての四日市、スモッグ注意報、東京の灰色空を思い出す。資本主義発展の過程か。いや眼に見えない核汚染はもっとやっかい。
[第653回ゼミ報告]
1月9日のゼミは、ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第4章「どのように資本は市場を通るのか?」を井貝さんの報告で行いました。蓄積に対する最後の潜在的制限はW’−G’売りの実現である。アメリカの成長は大衆消費に依存したが、30年代の過少消費恐慌と08年金融恐慌では有効需要が問題であった。帝国主義期にはインド・中国からの富の移転で安定していたが、70年代以降中国等の成長で富移転の逆転現象が起こった。商品輸出から資本輸出へ、生産者市場の形成、信用制度の拡大へと至る。蓄積が二重に投機的になり、金融・貨幣恐慌の可能性はあらゆるところに存在する。資本蓄積がグローバルになれば信用制度の役割は顕著になり「国家−金融結合体」への融合が不可避なものとなる。価値と剰余価値の実現問題・過少消費の脅威はなくならず、信用制度は短期的に機能するが、長期的には矛盾と緊張を蓄積し、真の問題は有効需要の不足ではなく資本流通の連続性に由来するが、グローバル経済の発展によってその連続性の維持は困難となる。最後に恐慌論の歴史(利潤圧縮説・利潤率の傾向的低下説・過少消費説)から恐慌の契機を検討し、直接の震源地が信用制度と国家−金融融合体の技術と組織形態にあり、労働に対して資本が力を持ち賃金抑制で有効需要問題を起こした。討論では、資本主義の発展にはその外部市場が必要だと、250年間を行き来している。生産者市場の指摘は興味ある。信用には時間差がありまた地理的条件を強調している。ここでRルクセンブルク、バラン・スウィージーを持ってきたのはどうか。新自由主義批判があまり出てこない。ケインズとシカゴ学派の区別がはっきりしない。蓄積が二重に投機的とは、期待と予測、システムへの信頼ということか。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、井貝さん、濱田さん、松村さん、高田の8名でした。
*次回で『資本論』第一部未定稿「直接的生産過程の諸結果」を終わります。その後2月からは、『資本論』第2巻に進みます。
*テキスト『資本論』第1部未定稿「第6章 直接的生産過程の諸結果」国民文庫版が絶版の為、以下の所にスキャンしたPDF版を掲載しています。http://210.143.110.133/~ytakada/hon/ CHOKUSETSU.pdf 61MB
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
1月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』直接的生産過程の諸結果 177-216頁最後 報告高田
2月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第5章 資本主義発展の共進化 報告井貝さん
2月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻 序言 報告者未定
3月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第6章 資本の流れの地理学 報告高橋さん
その後は 3/27, 4/10(高島7-8), 4/24, 5/8, 5/22, 6/12, 6/26
[一番上に]
2013年1月4日号
あけましておめでとうございます。正月、奈良・十津川の道を走る。昔ながらの道と新道が交互に。今も所々に、水害による仮設道路と橋がまだ残る。
[第652回ゼミ報告]
12月26日のゼミは、マルクス『資本論』第一部未定稿「直接的生産過程の諸結果」の 152-177頁まで「V資本の生産物としての商品」を濱田さんの報告で行いました。発達した資本主義的生産での商品は資本の恒常的な基本的な存在条件であるとともに、資本主義的生産過程の直接の結果として現れる。商品生産が必然的に資本主義的生産になるのは労働力そのものが一般的商品になる瞬間からである。資本主義的生産は商品生産の基礎をすなわち個々別々な独立な生産と商品所持者たちの交換または等価交換を廃棄する。資本と労働力との交換は形式的なものとなる。商品は資本の生産物として一部分は支払労働を、一部分は不払い労働を含んでいる。個々の商品に費やされる労働はもはやまったく計算できない。個々の商品は資本がそのなかに再生産される総生産物の単なる観念的な一部分として現れるのである。前貸しされた不変資本のうちの建物や機械は労働手段として労働過程で失う一定の価値分量だけを生産物に渡し、それがその後引き続き労働手段として役立ち一定の価値額を表している限り生産された生産物量の価値形成にはいらない。織布労働と小麦生産の価格変動と剰余価値率の事例。討論では、価格決定を観念的といい、計算貨幣の用語はどうか、社会的労働の尺度、社会的平均、平均利潤率の問題、1巻ではまだ使っていない。価値と価格の用語の分離はあるのか。ひとつの商品・企業か、一商品群・一産業部門か。減価償却では道徳的減価・競争による設備廃棄は社会的損失。農業をどうして出すのか、資本主義的農業で価格変化が穀物法以後激しかったから。マルクス自身は資本主義と使うことは少ない。冷戦期は自由世界といったが冷戦後は堂々と資本主義と使っている。
出席は、川口さん、小野さん、高島さん、高橋さん、井貝さん、服部さん、濱田さん、松村さん、高田の9名でした。
*3月16・17日に福島で基礎研研究交流集会があります。終了後の18日に、被災地や原発隣接地を回るツアーを企画中、参加しませんか。
*テキスト『資本論』第1部未定稿「第6章 直接的生産過程の諸結果」国民文庫版が絶版の為、以下の所にスキャンしたPDF版を掲載しています。http://210.143.110.133/~ytakada/hon/ CHOKUSETSU.pdf 61MB
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
1月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第4章 どのように資本は市場を 報告井貝さん
1月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』直接的生産過程の諸結果 177-216頁まで 報告高田
2月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
ハーヴェイ『資本の〈謎〉』第5章 資本主義発展の共進化 報告井貝さん
2月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻 序言 報告者未定
その後は 3/13(高橋6), 3/27, 4/10(高島7-8),4/24,5/8,5/22,6/12,6/26
[一番上に]