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大阪第三学科たより
2015年
ゼミ参加者用


2015年12月18日号
2015年11月20日号
2015年11月6日号
2015年10月23日号
2015年10月9日号
2015年9月18日号
2015年9月4日号
2015年7月17日号
2015年7月3日号
2015年6月19日号
2015年6月5日号
2015年5月22日号
2015年5月8日号
2015年4月17日号
2015年4月3日号
2015年3月20日号
2015年3月6日号
2015年2月6日号
2015年1月23日号
2015年1月9日号


2015年12月18日号

世の中の動きに百歩以上遅れて、決して前に進めることはないことは、これまでの判例でも。個人の選択の自由を認めない、別姓にも。やはり..

[第714回ゼミ報告]
11月25日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第20章「単純再生産」第7節「両大部門における可変資本と剰余価値」第8節「両大部門における不変資本」第9節「A・スミス、シュトルヒ、およびラムジーへの回顧」を小野さんの報告で行いました。社会的労働日=必要労働+剰余価値。Uで再現されるcの価値が交換されるIでの新たに生産された価値v+mが等しく交換されることが、年々の生産物の価値はv+mに分解するとA・スミスが主張するきっかけとなった。Tv+m=Ucの交換は今年の労働と過去の労働の交換である。生産手段は有用的具体的労働でのみ生産物に転化するが、今年の労働も生産手段なしに生産物に転化されない。社会的総資本の不変資本補填は不合理な外観を呈する。不変資本価値部分は新価値とは全く別の種類の生産物として現れる。労働の具体的性格によって生産物に移転される。スミスのドクマは社会的生産物総体は収入・v+mに分解されるとしたが、社会的総生産物の不変資本部分を見落とした。
討論では、セーは不変資本を考えなかったのでなく、不変資本を考えるほど当時大きな不変資本はなかったのではないか。資本と労働は分離していなかったが、プルードンの時代は違う。ここは全部2稿であり問題を持ち越している。8稿は循環論と貨幣。生産で貨幣を考えると回転を考える必要あり。スミスのドクマの説明が良く分かった。過去の労働と新しい労働の交換とは価値の問題であって、富は過去の労働。サービスは価値実現の補助手段としている。
出席は、小野さん、高島さん、高橋さん、松村さん、服部さん、齋藤さんと高田の7名でした。

*次回ゼミ・12月23日は祝日で、午後6時以降会場ビルの1階入口ドアは外から開きません。ゼミ開始まで1階ロビー内に待機し中から開けます。遅れてこられた方は、働き方ネット電話.06-6809-4926あるいは高田携帯090-8658-3755まで連絡願います。中から開けに行きます。
*恒例秋のハイキングは11月24日に三室戸寺から宇治平等院・興聖寺を、森岡先生・高橋・高島・川口・高田各氏5名で歩きました。心配したお天気は良かったのですが、琴坂の紅葉はまばらで少し残念。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
12月23日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 10節 報告高橋さん

1月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第7章 報告大村さん

1月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 11節  報告者未定

2月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第8・9章 報告者未定

その後 2016/ 2/24, 3/9, 3/23, 4/13, 4/27, 5/11, 5/25, 6/8 (働き方AN予定)

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2015年11月20日号

「自由・平等・博愛(友愛)」の国の首都に爆弾と銃声が響く、エッフェル塔が青・白・赤の三色に。「戦争」だと、いつも丸腰の市民が犠牲に。

[第713回ゼミ報告]
11月11日のゼミは、高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第6章「金融恐慌とシャドーバンキング」を高田の報告で行いました。今回の金融恐慌の要因にはグローバルなシャドーバンキングの拡大があり、金融市場の不透明・監督機能不全で金融システムのリスクと脆弱性を高めた。ところがシャドーバンキングの定義・構成・規模は見解が分かれ明確でない。預金に依存せず短期資金調達し正規の銀行以外の金融仲介との定義はあるが不正確であり、銀行自体が持ち株会社を設立しシャドーバンキングをビジネス戦略にしている。規模は金融取引の25〜30%と劇的に拡大し、銀行簿外の市場取引により証券化で複雑な手順をとり、レポ市場とCP市場が重要である。拡大したのは金融側には銀行規制回避して資金供給し、投資家側には安全で市場ベース利回り流動資産の要求があった。1970年代に証券化スキームが始まり金融システム全体の歴史的な構造変化があり、90年以降証券化による銀行ビジネスの転換でシャドーバンキングが急拡大した。金融恐慌の引き金はレポ市場ではリスク不明確で担保枯渇への恐怖と仕組み証券の格付け引き下げによる資金流出であった。信用創造によらない信用膨張は一層の証券価格上昇をもたらすが、タックスヘイブンなしには機能しない。シャドーバンキングへの規制強化案にはタックスヘイブンを度外視している。過剰な貨幣資本は公的制御の下で民主的な政策による運営管理が必要である。
討論では、中国のシャドーバンキングはどうか、やみ金融でありこれとは違う。影の銀行として話題になった。70年代の金・ドルの変動相場制との関連がどうなのか。金・ドル交換停止とオイルショックにより、物と金の関係が金だけが回りだした。米国・日本の借金が膨大になり大量の国債発行が金融化では重要である。銀行による証券業務への壁を撤廃したことも。
出席は、小野さん、高島さん、松村さん、大村さんと高田の5名でした。

*恒例秋のハイキングは、11月24日(火)午前10時半に、京阪宇治線三室戸駅改札口集合で、「三室戸寺→宇治平等院」を歩きます。乞ご参加
*12月9日のゼミは、働き方ASU-NETの行事「これでええんか!雇用と貧困『雇用身分社会』と『下流老人』」エルおおさか南館1023:18:30〜20:30、に参加のため、お休みします。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
11月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 7〜9節 報告小野さん

12月9日(水)は働き方ASU-NET行事参加のためゼミはお休み

12月23日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 10節 報告者未定

1月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第7章 報告大村さん

その後 2016/1/27, 2/10, 2/24, 3/9, 3/30 (働き方AN予定)

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2015年11月6日号

杭偽装の続報:次々に各地広がる、建築業界の下請構造、実は同じ業者がやってました、現場責任者まで一時出向とは、責任はどこが・・、クイは残る

[第712回ゼミ報告]
10月28日のゼミはマルクス『資本論』第2巻第20章「単純再生産」の第5節「貨幣流通による諸変化の媒介」、第6節「大部門Tの不変資本」を急遽交代して高田が報告を行いました。生産手段生産部門Tと消費財生産部門Uの間で流通するものを、さらに、U部門を必要生活諸手段生産部門aと奢侈品生産部門bに分け、U部門内でaとbとでそれぞれ内部流通するものとaとbとの間で流通して還流するものを考察する。商品流通には流通に投じられる商品と貨幣が必要であり、すべて投下された貨幣が還流してくる。可変資本への貨幣資本は、貨幣額が少額ではあっても回転が短く、貨幣流通の主役である。いち本家の最初のW−Gは他のいち資本家の最後の行為W´−G´である。貨幣総額は商品価値総額によって規定されるが、回転が短ければ少ない貨幣量で十分である。諸商品の貨幣化は商品生産物に潜む剰余価値の貨幣化・実現である。事業が長期的に継続すれば消費を見越して貨幣が支出されるが、売上不振・物価下落すると見越し的性格から資本家の破産にいたる。資本家階級は自己の剰余価値実現のために自ら貨幣を流通に投じるのが必要条件である。現実は商業資本と貨幣資本で、また地代・利子・役人で現実の経過があいまいにされる。T部門内の交換は現物形態・素材要素から交換され補填しあい、資本主義的でなく社会的でも再配分される。
討論では、資本家は最初にある程度資金が必要で、それは剰余価値実現のため。3節では数字合わせになっているが商品流通は物々交換ではなく貨幣の媒介が必要である。貨幣量の考察では回転が問題となる。再生産の拡大による貨幣の滞りから恐慌が考えられる。労働者の消費が主役とは家計消費が6割を占めるから。見越しから恐慌の可能性は言いすぎではないか。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、服部さん、齋藤さんと高田の6名でした。

*高田太久吉本の次回11月11日のゼミは、6章のみとなります。
*12月9日のゼミは、働き方ASU-NETの行事「これでええんか!雇用と貧困『雇用身分社会』と『下流老人』」エルおおさか南館1023:18:30〜20:30、に参加のため、お休みします。
*恒例秋のハイキングは、11月24日(火)午前10時半に、京阪宇治線三室戸駅改札口集合で、「三室戸寺→宇治平等院」を歩きます。乞ご参加
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
11月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第6章のみ 報告:高田

11月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 7〜9節 報告小野さん

12月9日(水)は働き方ASU-NET行事参加のためゼミを休みます

12月23日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 10節 報告者未定

その後 2016/1/13, 1/27, 2/10, 2/24, 3/9, 3/30 (働き方AN予定)

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2015年10月23日号

大手企業の名前が紙面に踊るマンションの傾斜。地中の杭は見えないが、傾くのは建物だけでなく、企業の信用までもが。さて日本経済の杭はどうか。

[第711回ゼミ報告]
10月14日のゼミは、高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第4章「資本の過剰蓄積と貨幣資本の過剰―現代恐慌分析の方法をめぐって―」、第5章「過剰生産恐慌と「独自の貨幣恐慌―今次金融恐慌の基本的性格規定をめぐって―」を小野さんの報告で行いました。今回の経済危機の主因を、過剰流動性にみる見解と、過剰生産恐慌とみる見解があるが、筆者は貨幣資本の過剰蓄積とみる。過剰流動性概念を検討し、それは現実資本で需要されないだけでなく証券投資だけでは運用しきれないという二重に意味で過剰な資本である。近年の貨幣資本の過剰は過剰流動性やマルクスの資本の過多とも異なる長期趨勢的な貨幣資本の蓄積がもたらしたものである。今回の金融恐慌は過剰な貨幣資本が現実資本との蓄積の乖離を暴力的な価値破壊によってしか回復できない独自な金融恐慌である。恐慌を周期的な現象とみるマルクス経済学者がいるが、産業循環は大きく異なってきている。今回の金融恐慌は過剰生産恐慌に付随する貨幣恐慌とは根本的に異なったものである。商業恐慌に伴う信用恐慌は現代資本主義の危機の主要形態ではなくなった。世界的な貨幣資本の過剰により、低利潤や低金利がもはや貨幣資本の蓄積の制限にはならず、投機的に取引される資産の価格は新たな剰余価値の生産に依存しない。現実資本の過剰蓄積に代って、資産価格の上昇が過剰蓄積の一般的な発現形態となる。
討論では、過剰流動性と変動相場制との関係は。金融利潤は「虚の利潤」か、剰余価値の争奪に参加するが、全体としては利潤率の傾向的低下との関係は。経済の金融化に肯定的側面はあるのか、情報・グローバル化にプラス面はあるが、金融化はどうか。架空資本の価値・価格とは、カッコの有無。搾取と収奪との違いは対価なし、金融的収奪・流通的収奪はありうる。株価の変動は投資家の期待感と失望感から。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、齋藤さんと高田の5名でした。

*資本論は前回20章4節のみ、次回は5節からです。
*高田太久吉本の次回は、6章のみとなります。
*恒例秋のハイキングを計画、高橋さんから3案提示され、「黄檗山万福寺、(三室戸寺)、宇治平等院」案が優勢、日程はゼミでの話し合いへ
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
10月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 5・6節 報告大村さん

11月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第6章のみ 報告:高田

11月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 7〜9節報告者未定

12月9日(水)午後6時半〜9時  南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第7章、8章 報告者未定

その後 12/23 (働き方AN), 2016/1/13, 1/27, 2/10, 2/24, 3/9, 3/30

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2015年10月9日号

米国軍事産業大手が造る旅客機B737の製造工程の一部が中国に移管する、中国は300機をボ社から購入との報道。習訪米は日本を越して飛ぶ。

[第710回ゼミ報告]
9月23日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第20章「単純再生産」第4節「大部門Uの内部での変換。必要生活諸手段と奢侈品」を高橋さんの報告で行いました。U(500v+500m)は消費財の現物形態で内部交換される。Uを必要生活手段と奢侈品の生産部門に分割してもU部門内で交換される。またT(v+m)とUcの相互転換を必要生活手段と奢侈品の生産手段との交換に分割してUa1600c+Ub400c=Ta(800v+800m)+Tb(200v+200m)と転換され基本的な関係は貫徹する。ただし、T(v+m)がUcより小だと不変資本全部補填できす、大だと超過分が利用されない。またUb部門の労働者階級の存在と再生産は資本家階級の浪費・奢侈品への転換を条件としている。恐慌は奢侈品消費を減少させ、Ub労働者の失業、Ua商品売行き停滞・減少となり、繁栄期・投機最盛期は雇用拡大・実質賃金上昇となるが一時的で平均水準以下への賃金低落で相殺される。
討論では、部門分割の割合を変えても同じということでは国際的に論争が活発だ:水島多喜男、井村喜代子、山田盛太郎、宇野学派、富塚良三、置塩信雄、高須賀義博、高木彰等々。剰余価値全部が消費財源で実現されることでは、ローゼンベルクはブルジョア社会の階級的生活に起因したと、また不破哲三は19世紀のイギリスの社会的条件に論究したものという議論があるが、19章でのケネー経済表の発展とスミス再生産論の2部門分割への手がかりの意義を見るべき、それが20章の前に置かれた意味だ。ローザはmは本当に全部実現するのか、という。最後の消費者は地主・金融である。均衡で事足れりだが、不均衡を書く予定だったのでは。貨幣なしでは均衡論で終わっていた。貨幣が必要というのが2稿と8稿の違い。流通手段としては問題ないが、支払手段になりうる。信用がないと資本主義は回らない、1巻だけでは論じられない。価格があるから不均衡は解消される。それだけでなく大衆の貧困は。奢侈品を加えた意味は、8稿で出てくる。奢侈品との関係で軍事費はどうか、再生産表式と軍事費の研究、軍事費の増大。米国の肩代わり。「奢侈品労働者」の訳語は。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、大村さんと高田の6名でした。

*資本論は前回20章4節のみ、次回は5節からです。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
10月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第4章、5章 報告小野さん

10月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 5・6節 報告大村さん

11月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第6章、7章 報告者未定

11月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 7〜9節報告者未定

その後 12/9, 12/23 (働き方AN), 2016/1/13, 1/27, 2/10, 2/24, 3/9, 3/30

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2015年9月18日号

濁流に次々と流される家と車、4年半前を映像見ているよう。鬼怒川の名は暴れ川に因むとも。台風・地震に火山、日本列島は活発に動いている。

[第709回ゼミ報告]
9月9日のゼミは、高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』の第2章「現代資本主義と「経済の金融化」論―信用制度の役割と金融恐慌をめぐって」、第3章「金融危機の要因としての過剰流動性について」を高田好章の報告で行いました。2章では、80年代以降の現代資本主義で最も検討すべきものは、「経済の金融化」である。それは再生産過程が金融によって左右され、金融イノヴェーションの分析の遅れ、非金融会社の金融活動の重要性が高まったからである。世界的な生産能力の余剰・耐久消費財の普及・国際競争による利潤率低下・高度成長の鈍化により、資本の過剰蓄積が貨幣資本の過剰・信用膨張を引き起こした。実体経済の停滞傾向に対して金融市場・金融産業の自己増殖的に発展し、実体経済から遊離した信用制度により大規模な投機的取引が通貨危機・銀行危機が頻発した。金融恐慌のから脱出は現実資本の蓄積とは無関係に金融取引を主要舞台に自己実現的価値増殖領域を創出した。あたかも限度がないかのようだが、弱気筋多数によりバブルは崩壊し、架空資本の暴力的価格破壊・価値減少で世界的経済活動が収縮する。資本過剰・蓄積持続への有効な方策は資本主義体制自体の変革が必要。3章では、金融バブルの主因を過剰流動性に求めるが、しかし流動性概念自体が多様で曖昧であり、金融バブルが過剰な信用膨張であるのは大きな間違いではないが、なぜ過剰が発生するかの説明は容易でない。過剰な需要ではなく安全な投資先の供給不足ともいえる。金融機関・投資家の手元に過剰な貨幣資本の存在が必要である。計測困難な流動性をキーワードにするのは過剰な貨幣資本の役割理解の妨げにあり、予想・心理という仮想な現象に陥る。過剰流動性とは、過剰な貨幣資本の運動が金融市場での攪乱作用・市場不均衡を起こす、と言える。
討論では、論述で具体的数字が少なく概念で論じていて、また専門用語が難しい。それ自体の変革ではなく当面の対策は。70年代のスタグフレーションはドルの変動相場制移行が関係している。ドルではなく、金との関係では一定である。負債性資産とは。架空資本とは擬制資本のこと。強気筋・弱気筋は理論的ではないが。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、大村さん、齋藤さんと高田の8名でした。

*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
9月23日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 4〜6節報告高橋さん

10月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第4章、5章 報告小野さん

10月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 7〜10節 報告者未定

11月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第6章、7章 報告者未定

その後 11/25, 12/9, 12/23 (働き方AN)

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2015年9月4日号

研究大会で2つのテーマ「(敗)戦後70年」と「大阪都構想」を聴く。2つをつなぐキーワードは何か。国会を取り巻き各地の安保法制反対の声に。

[第708回ゼミ報告]
7月22日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第20章「単純再生産」第1節「問題の提起」第2節「社会的生産の二大部門」第3節「両大部門の変換―T(v+m)対Uc」を齋藤さんの報告で行いました。ここでは社会的総資本の年々の機能をその結果において、社会が1年間に供給する商品生産物を考察し、社会的総資本の再生産過程が明らかになる。年生産物は生産的消費と個人的消費からなり、この消費は資本家階級と労働者階級との再生産・維持を含み、総生産過程の資本主義的性格の再生産を含む。個別資本では販売後の商品は考察外であるが、社会的総資本では再生産のために価値と素材が補てんでき、社会的生産物の価値・使用価値の構成部分の相互比率によって制約されている。単純再生産は拡大再生産における蓄積の一部分を形成しそれ自体として考察されうる。社会的生産は生産諸手段と消費諸手段の二大部門からなり、それぞれ可変資本・不変資本の構成部分に分かれる。二大部門の年生産物の価値c+v+mは商品生産物として二大部門内・部門間で交換される。部門間の相互交換であるT(v+m)対Ucは貨幣流通によって成立・媒介される。可変資本は社会全範囲の事業部門において貨幣形態で前貸しされねばならない。結局、単純再生産の場合はT(v+m)がUcに等しくなればならない。
討論では、草稿からみると、20章の第2節が草稿2稿から、第3節が草稿8稿からで、二つの草稿に10年間の間がある。2稿では商品流通と貨幣流通を分けて、つまり貨幣流通がある場合・ない場合と分析しているが、8稿では両方の流通を合算して分析していて、商品流通だけであればこれほど複雑にはならなかった。エンゲルスは序文で拡大再生産を念頭において貨幣流通を入れた。再生産の攪乱の問題で、支払手段・金融に単純再生産でも恐慌の可能性をみていた。マルクスは再生産表式をマルサスの経済表から発展させ計算式に変更したことで分かり易くなった。縮小再生産はありうるのか。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、服部さん、齋藤さんと高田の8名でした。

*次回9月9日ゼミの報告は予定の高橋さんから高田に変更し、9月23日ゼミでの報告が高橋さんの担当となります。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
9月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第2章、3章 報告高田

9月23日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 4〜6節報告高橋さん

10月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第4章、5章 報告者未定

10月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 7〜10節 報告者未定

その後 11/11. 11/25, 12/9, 12/23 (働き方AN)

[一番上に]


2015年7月17日号

夏の台風11号が日本に接近・上陸も、被害が出ぬよう祈る。まさに同じ時に、別の台風が立法府でも大荒れ。立憲を捨て去り、民意を64号にした。

[第707回ゼミ報告]
7月8日のゼミは、高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第1章「現代資本主義としての「経済の金融化」論」を小野さんの報告で行いました。「経済の金融化」論は1980年代以降の現代資本主義の新しい様相を批判的に分析するための理論であり、新自由主義批判が含意されている。金融市場と金融産業の急激広範な変化は、順調な成長を続けた実体経済に比べて対照的である。金融化とは国内・国際経済の運営で金融的要素・機関の役割の増大を意味している。諸説を紹介し、金融市場と金融産業による企業と家計を含む経済全般に対する影響力が強まり、現代資本主義の蓄積様式および企業・家計の行動様式に変化が生じている。金融化論によれば金融化をライトモチーフ(主題)とする現代資本主義の構造的特徴の分析で、現在進行中の経済・企業システムの歴史的変化を総合的に説明可能になるという。それが発する問題点は、金融市場と金融産業の膨張・影響力の重要性、金融の証券化が金融システムの基軸を銀行制度から資本市場への移行、実体経済の順調な成長に比し金融危機の発生問題であり、貨幣資本の金融市場への引き付けで産業での資本蓄積が停滞し、産業分野で生みだす利潤は貨幣資本価値増殖のために不足する。ただし、高田氏は現代資本主義論としての金融化論の可能性はやや慎重な見通しを持ち、世界各国のアメリカ型収斂への疑問、産業資本の金融活動の限界、新自由主義政策・グローバリゼーション・金融化の関係の理論的課題、フォーディズム資本主義から「金融主導の資本主義」産出の解明、影の銀行等の実体把握困難な問題、などの理由を挙げる。だたし金融化は深刻な世界的金融危機のように現代資本主義にとって共通の課題である。
討論では、80年代以降実体経済が比較的順調な成長は本当か。金融化には国家への言及が必要、国家権力を利用しシカゴ学派がチリ・インドネシア・中国などに新自由主義的政策を広めたことと金融化の関係。経済主体は企業・家計・政府として、家計の主体である労働者と企業は平等であるのか、階級論が必要ではないか、カード時代の労働者ローン・過剰な商品と貧困・商品廃棄など。ドルで米国と日本は異なる。特徴と特長の混同。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、齋藤さんと高田の6名でした。

*次回7月22日の次のゼミは9月9日です。8月中はお休みします。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
7月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 1〜2節 報告齋藤さん

9月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第2章、3章 報告高橋さん

9月23日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 3〜4節 報告者未定

10月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第4章、5章 報告者未定

その後 10/28, 11/11. 11/25, 12/9, 12/23 (働き方AN予定)

[一番上に]


2015年7月3日号

憲法と沖縄の基地問題:天皇はアメリカに沖縄を差し出したとの説あり、いまだ沖縄の基地に主権が及ばず。はて本土も同じ、このたび憲法解釈で増々。

[第706回ゼミ報告]
6月24日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第19章「対象についての従来の諸叙述」の(後半)、第2節「アダム・スミス」の3「不変資本部分」から第3節「その後の人たち」 を高島さんの報告で行いました。報告に先立ち小野さんから、マルクスによる2巻の第1草稿の編別を示され、現行資本論との編別構成の違い、第1草稿は荒くとも最後まで書かれて、特に収入・恐慌の扱いが違っている、と指摘された。さて報告では、スミスは不変価値部分を追い払うように、穀物価格を地代・賃金・借地農業経営者利潤に分け、第4部分:役畜・農具等を究極的に前述3つの部分に分解されると説いた。結局は商品の価値は労賃と剰余価値(総価値から労賃を引いたもの)v+mに等しいという。スミスの誤りは生産物価値と年々の価値生産物を同一視する点にあり、労働の二分裂的性格―価値を生み出す労働と使用価値を作り出す労働を―を区別しないことにある。商品価値が収入の源泉になるのでなく、収入が商品価値の源泉になるという取り違えから商品価値は様々な収入から構成されたものとして現れる。スミスの正しさは年労働によって新たに創造された価値は前貸し可変資本価値+剰余価値に等しいという点にある。個々の資本家の見地で見えるものが、社会的見地からは不変資本価値は消えてしまう。スミスは「奥義をつかんだ」が、その見解は俗論的な見解と交錯している。この混乱はこんにちまで経済学の正統的信条をなしている。なおこの章では資本論全巻、特に1巻の復習を要求され、すぐ後に控える再生産論へのプレリュードであると締めくくられた。
討論では、社会的見地とは現象形態である。二分裂的性格は1巻での二面的・二者闘争的とは違う表現だ。スミスの時代は固定資本の規模が小さいので無視できたのではないか。スミスに社会的生産の考えはあったのか、「諸国民の富」とある、しかし重商主義批判でもあった。マルクスの収入の概念はこの章では、ある商品の反服される販売による価値の取得としている(S381)。マルクスはスミスをどうしてここまで論じたのか、やはり重要だから。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、服部さん、大村さん、齋藤さんと高田の8名でした。

*次回から、高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』新日本出版社です
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
7月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第1章 金融化論 報告小野さん

7月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 1〜2節 報告齋藤さん

9月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第2章・金融化 報告者未定

9月23日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 3〜4節 報告者未定

その後 10/14, 10/28, 11/11. 11/25, 12/9, 12/23 (働き方AN予定)

[一番上に]


2015年6月19日号

法案通れば3年で切られると、労働者の緊迫した声が新聞に載る。本来、短期のはずが長期継続を切望という派遣の矛盾。そもそも派遣がおかしいのだ。

[第705回ゼミ報告]
6月10日のゼミは、鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第10章「日本経済分析と『資本論』」を高橋さんの報告で行いました。エリザベス女王・ローマ法王のリーマンショック・現代資本主義を巡るエピソードと「代替的経済学」としてのマルクス経済学の話で始め、経済学の方法は具体から抽象へ、現実の進化での資本主義全体像説明に必要な諸概念・理論は経済分析と他の学説から批判的摂取するが、史的唯物論と剰余価値論に独自の優越性を持つ。資本主義という経済システムは歴史的存在であり、諸矛盾に対し1)労働力再生産、2)資源配分、3)労働生産力の上昇という3つの経済原則を『資本論』は明らかにした。イギリスでの典型的な資本主義的生産様式は後発国で独自の特色をもち、日本では会社主義・法人資本主義として基幹労働者と底辺労働者をもたらした。企業は協働組織としての本性を持つが、失われた20年で日本型資本主義も瓦解する。戦後の日本資本主義は幾つかの大きな転換を経て、金融グローバル化と労働規制緩和・維持可能性消滅の危惧に対して、「ものづくり」立国路線再建を提唱する。
討論では、「天皇制を頂点とする権威主義的国家」の語句はどうか。日本資本主義瓦解は新自由主義とグローバル化によるが、それに対し「ものづくり」提唱はどうか。自動車需要は今は新規でなく買換えで、いいものを作れば世界で売れる、という時代ではない。おもてなし資本主義と爆買い、中国の資本主義化はどうか。資本主義の賞味期限(小西一雄)と言われ、労働力再生産できない資本主義と非資本主義的要素の増加の観点。世代交代ができない日本資本主義に対し、アメリカは移民がある。競争には、価格をめぐる市場競争と利潤をめぐる資本主義的競争があり後者を問題にすべき。なお先日のハイキングで話題なった「樹々の緑(京大反戦自由の歌)」の歌詞(細川汀(1951)を齋藤さんが持参、さてメロディーは? 
出席は、小野さん、高島さん、高橋さん、松村さん、大村さん、齋藤さん、初参加の平川邦昭さんと高田の8名でした。

*6月24日の資本論2巻19章は2節「3不変資本部分」からです。
*鶴田本は6月10日のゼミで終わり、7月8日からのテキストは、高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』新日本出版社2015に決まりました。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
6月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第19章 従来の諸叙述(後半) 報告高島さん

7月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第1章 金融化論 報告小野さん

7月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 1〜3節 報告者未定

9月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第2章・金融化 報告者未定

その後 9/23, 10/14, 10/28, 11/11. 11/25, 12/9, 12/23 (働き方AN予定)

[一番上に]


2015年6月5日号

訪れる人も少なき葡萄畑の草生した道の先に眠る古の河内源氏の三代。大きな墳墓に墓標で今も守られる。そっと、名もなき墓なき多くの兵士を想う。

[第704回ゼミ報告]
5月27日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第19章「対象についての従来の諸叙述」の第1節「重農主義者たち」と第2節{アダム・スミス}の「1スミスの一般的観点」「2スミスによる交換価値のv+mへの分解」を小野さんの報告で行いました。ケネーの経済表は年生産物が同じ規模で再生産・流通・分配を示した表であり、資本主義的生産の最初の体系的把握である。スミスが原前貸し・年前貸しを固定・流動資本と進歩させたが、固定・流動を決定的区別して退歩させた。スミスは収入を労賃・利潤・地代に分解しながら総収入と純収入との区別することで固定・流動資本を密輸入する。純収入から固定資本を除外するが、固定資本の更新維持のための部分も除外せねばならず、生産手段と消費手段を生産する労働者の区別にぶつかる。彼は社会的生産で生産手段・消費手段の2部門がどう分割されかを分析しなければならなかった。労賃・利潤・地代の構成部分に還元されるというドクマは俗流経済学に門戸を開いた。なお報告レジュメとは別に、マルクスがケネーの経済表に習い1858年、63年、65年に独自の経済表に至る過程を資料で説明されました。
討論では、19章は20章単純生産の後のほうが良かったのでは。古い原稿により、地代もここで初めて出て来るのでは。スミス当時の固定資本はずっと小さく、風力・水力が動力であった。炭坑では蒸気機関が使われ、スミスはワットの蒸気機関の推奨者であった。最初はストックの用語であった。宮川彰氏はスミスに同情的でv+mを評価している。2部門分割はスミス研究から始まる。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、服部さん、齋藤さん、高田の8名でした。

*鶴田本は次回6月10日ゼミで終わります。7月8日からの次のテキスト候補を募集中です。高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』 (2015/3/25)推薦の声と異論が出てます。皆様からの多数の候補を推薦願います。
*6月24日の資本論2巻19章は2節「3不変資本部分」からです。
*恒例春のハイキングは5月30日に道明寺→道明寺天満宮→源氏三代墓→叡福寺聖徳太子廟を、高橋さん先導で森岡先生・高島さん・川口さん・齋藤さんと高田の皆さんが30度超す熱中症寸前の暑い中を歩きました。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
6月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第10章    報告高橋さん

6月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第19章 従来の諸叙述(後半) 報告高島さん

7月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定                     報告未定

7月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 1〜3節 報告者未定

その後 9/9, 9/23, 10/14, 10/28, 11/11. 11/25, 12/9, 12/23 (働き方AN予定)

[一番上に]


2015年5月22日号

注目の住民投票の結果は僅差で否決された。大阪を変えたいという声が多くあることは確か、でも中身まで庶民は分からず。民主主義の危うさをみる

[第703回ゼミ報告]
5月13日のゼミは鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第9章「アベノミクスで日本経済はどうなるか」を齋藤さんの報告で行いました。2008年世界恐慌以後の米の金融緩和政策・欧州の経済危機を概観し、アベノミクスの第一の矢・金融緩和政策は日銀の独立性を喪失し、貨幣数量説的誤りであり、株価上昇は一見成功に見えるが資産効果は極少数の人々に限られる。第二の矢・機動的な財政政策は公共事業に突出し、むしろ公共サービス拡充・賃金上昇・生活圏保障に重点を置くべき。第三の矢・成長戦略は労働の柔軟化・規制緩和をいうが、ワーキングプア・深刻な雇用・失業問題を無視していて、雇用拡大と労働のディーセントワーク化・最低賃金の押上げ、健全な経済と産業の再生を目標とすべき。人間とその知識・技術・労働が尊重される経済社会を構築すべきである。
討論では、ここではアベノミクスを主催に詳細に分析しているが、それが体系的にまとまっているわけではない。いろいろな政策を寄せ集めたもの、時には相反するものがあり、まさにアベノ「ミックス」だ。公共投資・金融緩和は一部の人たちがもうかるようにやっているが、多くの国民が少ないが株を持っているので、株価上昇には国民の期待があることも確か。ただしこの政策によって生活までまわってこない。モノ造りよりカネ造り。厚生年金の資金を株式に多く投入するというのは株式市場での影響は大きい。積み上がった国債はどうなるのか、インフレで解消、それとも戦争。アベノミクスがやりたいことは軍事化、帝国の復活ではないか。アメリカとの関係では多くの官僚がアメリカで学んでいる。小経営はマル経では淘汰されるものと、がマルクスは小経営の自立を説いているとも。
出席は、小野さん、高橋さん、齋藤さん、高田の4名でした。

*5月27日の資本論2巻19章は2節2「スミスによる・・」までです。
*恒例春のハイキング:5月30日(土)10時半、近鉄南大阪線土師ノ里駅改札口集合。道明寺・源氏三代墓・壷井八幡・聖徳太子廟を歩く予定。
*鶴田本は6月10日ゼミで終わります。次のテキスト候補を募集中。
現在、高田太久吉『マルクス経済学と金融化論―金融資本主義をどう分析するか』新日本出版社 (2015/3/25)が候補に挙がっています
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
5月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第19章 従来の諸叙述(前半) 報告 小野さん

6月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第10章    報告 高橋さん

6月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第19章 従来の諸叙述(後半) 報告者未定

7月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定                     報告者未定

その後 7/22 (働き方AN)

[一番上に]


2015年5月8日号

有権者の33%に対して衆議院議員は84%、憲法改正アンケート調査で賛成する人の割合。なんとも民意とかけ離れあまりに差の開いた数字にびっくり

[第702回ゼミ報告]
4月22日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第18章「緒論」を高田の報告で行いました。この章から第3編「社会的総資本の再生産と流通」に入りました。直接的生産過程は循環の一つの環で循環の流通過程を媒介し媒介され、個別資本の運動は社会的な総資本の運動の一つである。総過程は個人的消費を含み、商品流通による循環は資本と個人消費の2つの構成部分からなる。個別の諸資本の循環は互いに絡み合い社会的総資本の運動を形成する。2節では前もって社会的総資本としての貨幣資本の運動をみる。貨幣資本は循環開始の形態・原動力であり生産資本の運動は貨幣資本の量で制限されるが、労働力搾取強化により、社会的結合・熟練により、また資本の集中により、また回転期間の短縮により、絶対的制限ではない。ただし、長期・大規模生産では大きな貨幣資本が必要で、信用制度・株式会社でその制限を突破する。社会的生産・社会化された生産上では貨幣資本はなくなり、労働力と生産手段が配分される。生産者は指図証券と引き換えに社会的消費在庫から労働時間に応じて引き出すが、指図証券は貨幣資本ではなく流通しない。
討論では、2節に貨幣資本の叙述が入っているが「緒論」は1節だけで良いのではないか、貨幣資本の問題を後で述べるというが取り上げていない。なぜ貨幣資本をここで問題にしたのか。18章が第2稿で19章から第8稿からなので、18章は古い草稿により、ここで終わっていた。貨幣資本にたいして問題を持っていたが、十分に解明できなかったのではないか。v+m=2cに見合う貨幣資本が必要であるということをかなり前から問題にしていた。労働時間と流通時間への分割を貨幣の増加とするが減少はないのか。株式会社は社会化された生産か。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、服部さん、高田の7名でした。

*恒例春のハイキングの日程は5月30日(土)に、昨年の行程の続き(南大阪)道明寺・源氏三代墓・壷井八幡などを歩く予定。
*5月27日の資本論2巻19章は2節2「スミスによる・・」までです。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所です:南森町駅の大きな交差点を西へ道路の左側を300m、徒歩約6分、CoCo壱番カレー店の次のビル:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
5月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第9章   報告 齋藤さん

5月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第19章 従来の諸叙述(前半) 報告 小野さん

6月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第10章     報告者未定

6月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第19章 従来の諸叙述(後半) 報告者未定

その後 7/8, 7/22 (働き方AN)

[一番上に]


2015年4月17日号

日経連が1億人維持の提言:限定正社員など多様な働き方推進で賃上げ無しとは、お粗末。出会いイベント・お見合い世話人に報酬とは、余計なお世話。

[第701回ゼミ報告]
4月8日のゼミは鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』の第7章「米英・欧州・日本資本主義モデルの違い」、第8章「21世紀日本経済の針路」を高橋さんの報告で行いました。構造は力学的・無機的被造物、システムは生物的・有機的被造物。資本主義的システムは、自由主義的・個人企業的経済システム→独占的・株式会社的経済システム:古典的独占資本主義→国家独占or福祉国家資本主義→グローバル資本主義:基軸産業は情報産業、労働の多様化・分散化・個別化、労働運動弱体化、金融業の肥大化。資本主義のモデル:アングロサクソン型・ヨーロッパ型・日本型。21世紀の長期ビジョンでは21世紀半ばに人口も経済規模も定常型に向い、そこでどのような社会・経済システムを転換するのか:情報の水平的・相互交換、地球環境保全の国際的合意、金融業への監督強化。日本経済の指針|持続可能性:地球環境の保全と人間社会の存続、公正:自由・平等・人権保障・人間への同感、グローバル化:多様で自由な国際交流・国際平和。日本経済システムの必要条件:金融監視体制の強化、原発廃炉・再生可能エネルギー・エネルギー節約のライフスタイル、民から公へ・ステークホルダー参加の決定の社会化、脱成長の定常経済への接近。
討論では、構造とシステムの違いはどうか。発展を「型」で論じることに疑義。人口の問題では、それまでは増え続けてきて、植民地・満蒙開拓があった。人口が減ったら困るのか、労働力が生産力に組み入られているから。日本的経営を肯定的に評価、物づくり共同体、大企業体制の問題。定常状態で適正利潤を出すには人口を増やす必要はない。正しい理論があればいいのではなく、どう行うのか政策論が必要。自然に定常型に行くのか、主体は?「労働力の一体化」とは何か。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、齋藤さん、高田の7名でした。

*ゼミ会場の注意:働き方ASU-NET事務所は移転先しました!!
移転先:南森町駅の大きな交差点を西へ道路の左側を300m、徒歩約6分、CoCo壱番カレー店の次のビル:梅ヶ枝中央ビル7階(表面地図参照)
*恒例春のハイキングの日程は5月30日(土)に決まりました。昨年の行程の続き(南大阪)道明寺・源氏三代墓・壷井八幡などの予定です。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所(注意!:移転先)です。

****** ゼミ日程 *******
4月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所(移転先)
マルクス『資本論』第2巻第18章 緒論 報告 高田

5月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第9章   報告 齋藤さん

5月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第19章 従来の諸叙述 報告者未定

6月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第10章     報告者未定

その後 6/24, 7/8, 7/22 (働き方AN)

[一番上に]


2015年4月3日号

祝700回!1977年10月20日に第1回開催して37年6ヶ月の歳月。独占資本主義からグローバル資本主義へ、『資本論』をなおも読み直す。

[第700回ゼミ報告]
3月25日のゼミはマルクス『資本論』第2巻第17章「剰余価値の流通」の後半、「貴金属の総生産」S337からを高橋さんの報告で行いました。金生産資本家は不変・可変資本の補填や剰余価値部分を金で持ち、流通に必要な貨幣を補填する。社会的剰余価値の一部分は貨幣形態で資本家の手にあり、その年に生産された金だけでなく国内に蓄積された貨幣量である。資本の回転で必要貨幣量は変化するが量は適応する。賃金と物価の上昇については、一方の価格の上昇は他の価格の低落となり均衡化し、流通貨幣量の増大は賃金と剰余価値との割合の変動には関係がない。資本の回転が速くなれば還流が速くなり、貨幣の流通を促進するが、貨幣流通の技術的方法により変動し、大量の取引では、より早い貨幣流通が現れる。資本主義的生産様式には十分な貨幣量が必要で、歴史的前提である。拡大された規模での再生産では蓄積と貨幣流通に何も新たな問題は出てこない。貨幣は空費であるが信用制度がその限界を取り除く。
討論では、報告に先だって小野さんから、この章に関連して資本論当時19世紀中葉の賃金額は金価格から計算すると現代とあまり変わりがなく、金は現代でも通用している、いう関連報告がありました。この章の叙述はとても難解だ。この章で剰余価値の年率という用語が1回しか出てこない。奢侈品についてはどうか、この章の前回ゼミ(2001/07)の報告では奢侈品を取り上げている。資本家の消費の問題である。歴史的には鎌倉時代に中国から銅銭が盛んに輸入されて、中国で足らなくなったという、それほど貨幣経済が進んでいて庶民も使っていたであろう。この章で金生産者が出てくる、金の輸入とともに、流通のためには社会的にある程度の蓄蔵貨幣が初期には必要であるが、後には信用制度の発達で解消されていく。実際に金の流通では磨滅が問題となっていた。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、服部さん、齋藤さん、高田の8名でした。

*次回4月8日のゼミ会場は、働き方ASU-NET事務所の移転先です。
移転先:南森町駅の大きな交差点を西へ道路の左側を300m、徒歩約6分、CoCo壱番カレー店の次のビル:梅ヶ枝中央ビル7階(地図参照)
*前回ゼミが700回目ゼミで参加者で記念写真を撮りました(下の写真です)
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所(注意!:移転先)です。

****** ゼミ日程 *******
4月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所(移転先)
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第7・8章   報告高橋さん

4月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第18章 緒論 報告 高田

5月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第9・10章   報告者未定

5月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第19章 従来の諸叙述 報告者未定

その後 6/10, 6/24, 7/8, 7/22 (働き方AN)


700回記念写真

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2015年3月20日号

名古屋駅前のビルで基礎研春大会、会場は13階。10階で多くの若者がエレベーターを降りる。見ると人材ビジネス会社、一等地に。大学も

[第699回ゼミ報告]
3月11日のゼミは、鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』の第5章「グローバリゼーションと国際秩序」、第6章「民から公へ」を小野さんの報告で行いました。第5章では、冷戦後の世界のキーワードはグローバリゼーションであり、その特殊性はグローバルな経済活動を制御・調整するガヴァナンス無きに等しい。諸資源・情報の国際的移動が迅速化されるが、それは情報通信技術革命・金融の比重の増大・パックスアメリカーナと特徴づけられ、アメリカのユニラテラリズムに対し反グローバル運動がグローバル化する。アジア通貨危機に見られる外国投機資金の急速な流入がバブル的発展を呼ぶが、反転して外国資金の急速な流出ということが、ユーロ危機にも見られる。生産活動はグローバル化しながら統治システムはナショナルという問題があり、資本や労働の国際移動に対して、かつての国連「新国際秩序宣言」のように、21世紀には世界的な公正・平等を保障する国際秩序の構築が必要である。第6章では、新自由主義路線による「官から民へ」の民営化はむしろ私有化とすべきで、国の公共的負担の縮減である。公共財は資本主義的には生産できない物やサービスを、不特定多数の人々が共同的に利用するもので、無料・非排除性・非競合性を持ち国家が誕生するまでは「民」が担ってきた。公共圏の拡大によって「新しい公共」を担うのが公益法人である。
討論では、グローバリゼーションと冷戦との結びつきはどうなのか、冷戦終了前からその問題があったのでは、二つの体制論が影響している。金ドル交換停止が大きな転機になったのでは。後進国発展・自立化も視野に入ってくる。公と民では会社は誰のものかが重要なキーワード。新国際経済秩序ではバンドン精神の確認が必要では。公共財をドサグサに民に払い下げる歴史がある。新しい公共は新自由主義と親和性があるのでは。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、齋藤さん、高田の6名でした。

*次回3月25日のゼミは、1月28日のゼミが資本論2巻17章「剰余価値の流通」S337の途中(貴金属の前)までで、「貴金属の総生産」からです。
*次回のゼミは700回目となります。600回(2010年7月28日)のゼミではマルクス『資本論』第1巻第13章を読んでいました。
*次回の会場も南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
3月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第17章剰余価値の流通(後半) 報告高橋さん

4月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所)
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第7・8章   報告高橋さん

4月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第18章 緒論 報告者未定

5月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第9・10章   報告者未定

その後 5/27, 6/10, 6/24, 7/8, 7/22 (働き方AN)

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2015年3月6日号

やっぱり俺たちはモノ扱いなんだ、と派遣の人達。モノ扱いから人間扱いに、と派遣法改正で厚労省幹部発言。人材業者の前では本当のことを言う

[第698回ゼミ報告]
2月11日のゼミは、鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』の第3章
「2008年恐慌後の世界と日本経済」、第4章「グローバル資本主義のゆくえ」を高田の報告で行いました。2008年恐慌は過剰信用でリーマンショックが起こったが、それは過剰貿易・過剰生産が顕在化したものである。日本は恐慌の震源地ではないが、貿易収縮の影響を最も受けた。その回復の微妙な時期に東日本大災害(原発事故含む)があった。現代資本主義は当初からグローバルではなく、国家独占資本主義は冷戦背景に管理通貨制上で経済過程に国家が介入し高成長・雇用拡大する体制であった。70年代は国独資からグローバル資本主義への過渡期であり、金ドル交換停止・産業構造変化・新自由主義的経済政策でグローバル資本主義は一つの体制・段階となった。その後90年代では米国は独り勝ちしたが、リーマンショックで投資銀行が消滅し世界経済恐慌は一時的に金融のない経済が出現した。これは戦後最大の過剰生産恐慌であり、過剰信用→過剰消費に対応した過剰生産が過剰信用によって隠ぺいされ、それを整理する役割であった。新興工業国・資源国が台頭しG20に加わり、金融・経済サミットが常設化されたが、新しい金融規制ルールはまだ実施されていない。グローバル資本主義は、アメリカナイゼーションのパートTから多極型・規制許容型・格差是正型のパートUへ変容しつつある。
討論では、現代資本主義を戦後からというのはどうか。グローバル資本主義段階は理解できるがグローバリゼーションの変容を言う人は少ない。時代区分は情緒的ではないか、ソロス・T→U・G20・IT化を述べるが、生産体制はどうなったのか。景気循環というが産業循環というマルクスの用語は。労働力の金融化は、戦前でも割賦販売があり、セールスマンの死・フォードのローンがある。産業投資から住宅投資への流れ。グローバル経済は国民経済の成立上にある。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、大村さん、齋藤さん、高田の8名でした。

*2月25日予定ゼミはお休みし、報告は3月25日に順延しました。
*前々回ゼミの資本論2巻17章「剰余価値の流通」はS337の途中(貴金属の前)まで行いました。3月25日のゼミは「貴金属の総生産」からです。
*次回の会場も南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
3月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第5・6章    報告小野さん

3月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第17章剰余価値の流通(後半) 報告高橋さん

4月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所)
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第7・8章    報告者未定

4月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第18章 緒論 報告者未定

その後 5/13, 5/27, 6/10, 6/24, 7/8, 7/22 (働き方AN)

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2015年2月6日号

豆好きにはうれしいが鬼には迷惑な行事、節分といえば豆まき。寒気の中で興福寺の豆まきに。舞台で鬼が暴れまわって主役、競って豆を取る。

[第697回ゼミ報告]
1月28日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第17章「剰余価値の流通」の前半(S.337貴金属の総生産の前まで) を高橋さんの報告で行いました。回転期間の相違は剰余価値年率・資本蓄積に相違が生じ、剰余価値率が同じでも剰余価値量に相違が生じる。最初の前貸資本だけでなく資本化された剰余価値でもあり、信用の発達とともに銀行家を媒介に剰余価値を資本化する。回転数が増えると剰余価値の多年の蓄積による追加資本が必要であり、貨幣蓄積が必要である。ここでW・トンプソンの過去の蓄積された富の問題で共同組合的労働の論点を出している。単純再生産の場合周期的回転で生産され実現された剰余価値は資本家により不生産的に消費され、その一部分は貨幣として存在する必要がある。金銀の年間生産最少量は貨幣金属の磨滅に等しい。金銀生産資本を考察し、そこでは商品を流通に投じても貨幣を引き上げる必要なく労賃も生産された金の一部分で支払われる。問題は剰余価値を貨幣化する貨幣はどこからくるのかにある。それは一国内の商品流通のために必要な貨幣はどこからくるのかという問題に一致する。
討論では、なぜトンプソンをここで引用したのか、過去の労働が資本であること、フローでなく蓄積が重要なこと、蓄積をもつものの権限に関して、マルクスは評価した。スミスはストックと考えた。剰余価値実現のための貨幣はどこからの答えは回転・循環では出てこない、資本家一人の問題ではなく社会的総資本の問題だ。一般的な解答、問題そのものが存在しない、というのは「一般」「外観」の問題であって、二部門分割への前触れとして書かれ、資本家階級と労働者階級間の流通が問題となる。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、服部さん、高田の6名でした。

*2月25日予定のゼミは、会場をお借りしている働き方アスネット主催の「ストップ!エグゼンプション2.25緊急集会:18:30エルおおさか」の開催によりお休みし、報告は3月25日に順延することにしました。
*前回ゼミの資本論2巻17章「剰余価値の流通」はS337の途中(貴金属の前)まで行いました。3月25日のゼミは「貴金属の総生産」からです。
*次回の会場も南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
2月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第3・4章    報告高田

※2月25日(水)のゼミはお休みし、3月25日に延期します(上記)。

3月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第5・6章    報告者未定

3月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第17章剰余価値の流通(後半) 報告高橋さん

4月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所(予定)
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第7・8章    報告者未定

その後 4/22, 5/13, 5/27, 6/10, 6/24, 7/8, 7/22 (働き方AN予定)

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2015年1月23日号

何ということをするんだい、と目を疑いたくなる画面の数々が映し出された。グローバル化とイスラム圏、共存・収奪・抗争、奥に潜む格差と貧困。

[第696回ゼミ報告]
1月14日のゼミは、鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』の第1章「21世紀における経済システムの変革」、第2章「2008年世界経済恐慌の基本性格」を高島さんの報告で行いました。生産資源の配分・労働力再生産の保障・労働生産性上昇はあらゆる経済システムに共通する経済原則であり、21世紀にそれをどのように変革するかが課題である。第2次大戦以後を現代資本主義と呼び、それは国家独占資本主義・福祉国家資本主義から、IT化・金融化等によりグローバル資本主義へ進みが、2008年恐慌を契機としてグローバリゼーションは終焉へ向かう。そこで21世紀経済システムは持続可能で公正なものとして、バブル経済の阻止・地球保全・「公」領域の拡大を提唱する。2008年恐慌をカタストロフィか、景気循環かを検討し、拡大生産過程が信用創造の限界に達した時に過剰生産恐慌は発生するが、2008年恐慌はこのタイプである。ポスト不況の経済社会システムの必要条件は新自由主義との訣別と金融の国際的監視・資源等を公正な配分の構築・民から公への推進であると提唱する。
討論では、システム概念の多用はどうか、地球環境システム・社会システム・資本のシステム等。グローバル資本主義の段階規定・概念の適否、グローバル資本主義の極を構成するのは国家か多国籍企業か。カタストロフィとは、構造的崩壊であるが体制変革ではないのか。恐慌での循環をどう考えるか、マルクスの再検討が必要。第2次大戦後を現代資本主義とするが、20世紀の時代区分の再検討が必要だ。第2次大戦の性格付けを反ファシズム戦争とする理解はおかしいのでは、第1も第2も帝国主義戦争と理解。恐慌への回避として中国の成長を肯定的に扱うのはどうか。同じ恐慌というのはあり得ない、その時その時の条件・産業構造も違う。G20の話し合いで世界はまとまるのか、G0(ゼロ)ではないか。維持可能で公正な経済システムはあるのか。環境維持と労働生産性の上昇は両立するのか。定常経済はどうか、過剰消費・富裕化に対抗できるのか、里山資本主義は、消費節約できるのか。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、齊藤さん、と高田の7名でした。

*次回ゼミでの資本論2巻17章「剰余価値の流通」は、2月25日と2回に分けて行いますが、2回の分割箇所は報告者にお任せしています。
*次回の会場も南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
1月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第17章剰余価値の流通(前半) 報告高橋さん

2月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第3・4章    報告高田

2月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第17章剰余価値の流通(後半) 報告高橋さん

3月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第5・6章    報告者未定

その後 3/25,(働き方AN) 4/8, 4/22, 5/13, 5/27, 6/10, 6/24, 7/8, 7/22

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2015年1月9日号

荒れた天気で雪が吹きすさぶ寒い年明けとなりました。訪れた湖北は別世界にいるような一面の雪景色でした。本年もよろしくお願いいたします。

[第695回ゼミ報告]
12月24日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第16章「可変資本の回転」の第2節「個別可変資本の回転」、第3節「社会的に考察した可変資本の回転」を齋藤さんの報告で行いました。年回転数10回の資本Aと1回の資本Bを比較し、Aは1回転分可変資本が前貸しされ、Bは1年分が潜在的に前貸しされ、毎週同様に労賃が支払われるが、Aが貨幣に転化され次の回転の労賃に使われるのに対し、Bはまだ生産資本・可変資本の形態をとっていない。1年間の剰余価値の総量は変わらないが、剰余価値の年率は回転が短いほど増大し、長くなれば減少し、前者はすぐに生産物・商品を市場に投げ込むが、後者はすぐには投げ込まない。貨幣資本のない共産主義社会では年々の総生産から計画的に事業部門に振り向けるが、資本主義社会では無計画で大きな攪乱が生じる。回転期間の長い大規模事業では貨幣市場と社会の生産資本への圧迫があり、貨幣のみの市場への投入のため価格騰貴と投機がおこり引き続く崩壊を引き起こす。回転期間の長さは労働期間だけでなく市場に投じられる量的規模と販売の変動・生産地と販売市場の距離に規制される。イギリス綿製品のインドへの販売では前貸し資本が還流するまで輸出業者の追加貨幣資本が使われ、信用の場合に為替手形によって大量に行われると貨幣市場での恐慌を引き起こしうる。
討論では、3節の「それに比例して与えられた剰余価値率のもとで1年間の剰余価値の総量が大きくなる」の記述がどうか、前貸し資本の額に対してと考える。イギリスからインドへの間での恐慌に関する貴金属輸出の記述が理解しがたい、インドからイギリスへの輸出ではないのか、貿易差額に対し貴金属を支払決済に使ったものとしている。インドの銀に関して、中国では銀本位制でアヘンと関係している。ここで流通期間を問題にして商人の介在を指摘し、在庫・貯蔵を最後に論じている。流通の距離が貨幣の追加を促し、それに商人が投じている。草稿からのエンゲルスの書き換えがあった。
出席は、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、大村さん、齊藤さん、と高田の7名でした。

*次回ゼミからの新しいテキストは、鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』桜井書店2014年12月です。
*次回の会場も南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
1月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第1・2章    報告高島さん

1月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第17章剰余価値の流通(前半) 報告高橋さん

2月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
鶴田満彦『21世紀日本の経済と社会』第3・4章    報告者未定

2月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第17章剰余価値の流通(後半) 報告高橋さん

その後 3/11, 3/25(働き方AN) 4/8, 4/22, 5/13, 5/27, 6/10, 6/24, 7/8, 7/22

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