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大阪第三学科たより
2016年
ゼミ参加者用


2016年12月23日号
2016年12月9日号
2016年11月25日号
2016年11月4日号
2016年10月21日号
2016年10月7日号
2016年9月23日号
2016年9月9日号
2016年8月19日号
2016年8月5日号
2016年7月22日号
2016年7月8日号
2016年6月17日号
2016年6月3日号
2016年5月20日号
2016年5月6日号
2016年4月22日号
2016年4月8日号
2016年3月18日号
2016年3月4日号
2016年2月19日号
2016年2月5日号
2016年1月22日号
2016年1月8日号


2016年12月23日号

12月14日のゼミは、シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第2章「新自由主義改革−租税国家から債務国家へ」の予定でしたが、小野さん、高橋さん、高田の3名の出席、3人で話し合った結果、非常に重要な箇所であるため、3人だけで議論するのはもったいないと、報告・討論を次回1月11日に順延することとしました。そのあと、3人でシュトレークの本を巡って、思いつつままいろいろと議論しました:
・EU体制について:当初とはドル体制に対抗だったが、今は・・・
・民主主義と資本主義の関係について
・「民主主義とは自分で考えること」
・中国は資本主義かどうか
・純粋資本主義という姿をマルクスは考えたのか ・・・などなど

*秋ハイキング:小浜:11月29日 より





*次回以降の予定:会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
12月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 3章利潤率(後半) 4章回転 報告高橋さん

1月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第2章 新自由主義 報告:高田

1月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 4章 利潤率への回転の影響 報告者未定

2月 8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章 財政再建国家 報告者未定

その後 2017/ 2/22, 3/8, 3/22, 4/12, 4/26, 5/10, 5/24, 6/14 (働き方AN)


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2016年12月9日号

DSA(Divided States of America)大統領トランプ、「今年の人」に選ばれしと、報道。フランス大統領出馬せず、イタリア首相辞任、とめまぐるしく変る‥

[第737回ゼミ報告]
11月30日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第3章「利潤率の剰余価値率にたいする関係」(前半)を小野さんの報告で行いました。ここでは利潤=剰余価値とし利子・地代等の再区分は無視、平均利潤は度外視する。計算式から利潤率と剰余価値率の比は可変資本と総資本の比に等しく、利潤率は剰余価値率よりつねに小さい。労働日の延長・労働強度の増大・賃金の低落は剰余価値率を増大、賃金の引き上げは剰余価値率を引き下げるが、これらの変化は剰余価値率と利潤率の同時的変化なしには起こりえない。不変資本の価値の変化は素材的にはどうであれ利潤率には逆の方向へ変動する。剰余価値率m'が不変で可変資本/総資本v/Cが不変な場合:利潤率間の比は可変資本の比に等しい。2つの資本を比較する場合は百分率で一目瞭然であるが、一つの資本に起こる変化は百分率では使用できずvかcかの絶対数を知らなければならない。そこでm'とCが不変でvが可変な場合、m'が不変でvが可変な場合、m'とvが不変でcが可変な場合、m'が不変でvとcが可変な場合を検討する:変化には経済的に不可能な限界が常に現れる。
討論では、ここではなぜ技術的構成に対する有機的構成の問題を論じなかったのだろうか、単に数式の入れ替えをしているだけ、まだそこまで行っていないのでは。農業・採取産業を生産性の減少・労働者数増加と何故出したのか、資本主義では不変資本部分は本来増加するのに対する例外して出したのでは、村岡俊三の国ごとの労働生産性の違い・1巻20章の労賃の国際比較が参考になる。労働の生産性は捨象する問題か。日本の労働生産性が低いと言われるが、サービス産業のことでは。「総価値生産物」の用語が何度も出てくる。マルクスは小数ではなく分数を使っている、割合・率を重視、抽象化と関係あり。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、服部さん、大村さん、高田の8名でした。

*恒例の秋ハイキング:11月29日、森岡先生、高橋さん、高島さん、川口さん、服部さんと高田の6名で、湖西線電車からバスを乗り継いで、小浜の羽賀寺・明通寺・若狭神宮寺・萬徳寺をジャンボタクシーで巡り、美味しい魚を食べ、秋色に深まる山の木々に秋を満喫しました。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
12月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第2章 新自由主義 報告:高田

12月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 3章利潤率(後半) 4章回転 報告高橋さん

1月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章 財政再建国家 報告者未定

1月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 4章 利潤率への回転の影響 報告者未定

その後 2017/ 2/8, 2/22, 3/8, 3/22, 4/12, 4/26, 5/10, 5/24, 6/14 (働き方AN)

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2016年11月25日号

発効しそうもない条約をそれでも議会で審議中、TPP:日本で反対と不安の声があがり、米国でも反対の声、それでは誰が得するのか、誰のためなのか

[第736回ゼミ報告]
11月9日のゼミはシュトレーク『時間かせぎの資本主義』第1章「正当化危機から財政危機へ」を大村さんの報告で行いました。現在の危機は1975年前後から始まり頂点に達したもので、危機理論は逆戻り・正当性危機・新自由主義への転換の欠落した見通しであった。民主主義的資本主義は銀行危機・国家財政危機・実体経済危機という三重の危機の中にいる。資本主義経済はテクノクラート的に制御可能な福祉国家マシーン化し、階級としての資本は後景に退きメカニズムとして経済が前面に出た。消費主義とコマーシャリズムの時代が到来し資本の目的に一体化させたが、1970年以降市場飽和状態を打破するため生産戦略・労働力過剰供給として市場と生産システムの国際化が推進された。国家・資本・賃金依存者の3つのアクターを想定する拡張された正当性概念のもと、戦後資本主義は政治経済に根本的な改造を開始し、社会契約の中心的要素を破棄・疑問視し、新自由主義の名で規制緩和を拡大したが、経済格差拡大にも驚くほどの弱い抵抗で、高い失業率と就業条件の個人化・脱伝統化した社会生活に反映した。規模拡大への新たな手段は国家債務の時代の幕開けであり、公的資金と民間資金の区別をつきにくくし、公的部門の民営化と賃金紛争はついには国際金融外交の場となった。
討論では、正当性とは何か、政治経済体制のこと、正統性、文化を含めて、危機を乗り越える。ケインズ手法で格差・貧困を見えなくなってきた。ネオ・マルクス主義とソビエトマルスク主義。「時間かせぎ」とは先送り、解決でなく、買われ持ち越した危機。全般的危機との関連は。危機引き伸ばしを経済的にきれいに書きすぎていて、新自由主義には政治が絡んでいる。
出席は、小野さん、川口さん、高橋さん、松村さん、大村さん、高田の6名でした。

*恒例の秋ハイキングは、11月29日(火)、小浜行日帰り旅行:
集合場所時間:JR湖西線近江今津駅改札口10時40分
敦賀行新快速利用:尼崎9:09・大阪9:16・高槻駅9:32・京都9:48
近江今津発10:50小浜行JRバス、現地ジャンボタクシー予約済み
明通寺・萬徳寺・国分寺等を予定。乞う、参加の事前連絡を。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
11月30日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 3章 利潤率(前半) 報告小野さん

12月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第2章 新自由主義 報告:高田

12月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 3章 利潤率(後半) 報告者未定

1月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章 財政再建国家 報告者未定

その後 2017/ 1/25, 2/8, 2/22, 3/8, 3/22, 4/12, 4/26 (働き方AN)

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2016年11月4日号

冗談じゃないよ、いや「冗談」だよ、と揺れるTPPの国会審議。国民に知らせず秘密裏に交渉して、日本には相当まずいことになりそう、冗談じゃないよ

[第735回ゼミ報告]
10月26日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第2章「利潤率」を高橋さんの報告で行いました。資本家にとって重要なのは資本価値を超える超過分でそのために前貸しするが、その構成部分が果たす機能・役割の違いを意識せず、剰余価値は可変資本ではなく前貸し資本の産物として資本家には現れる。しかも利得の現実の割合は総資本に対する割合、剰余価値率でなく利潤率によって規定されている。利潤率は剰余価値の源泉を隠し、資本家にとって好都合な表現である。剰余価値の利潤への転化は剰余価値率の利潤率への転化から導き、実際に利潤率が歴史的な出発点になる。超過分は生産過程で生じるが流通過程で実現され、そのため流通過程から生じる外観を帯びる。超過分の実際の量は現実の市場状況にかかっている。ここでは費用価格が商品の固有価格となり利潤は内在的価値を超える販売価格の超過分として現れる。利潤率は販売価格が費用価格の超過額と前貸総資本との比率・増殖度であるが、総資本の価値量と剰余価値量には、また不変資本価値と剰余価値にも内的な必然的関係はない。利潤率から出発すると剰余価値と可変資本の独自の関係が隠蔽され、資本は固定資本と流動資本との区別以外にどんな関係も示さない。結局資本が生み出した新価値は不可解なものとして現れ、資本そのものに備わる性質のように見え、内部組織の秘密はますますみえなくなる。
討論では、利潤率が出発点とは高利貸資本・商人資本ということか、「そして」が気になるが、出発点とは現象形態とも、率があって初めて利潤が問題になるのでは。剰余価値が実現される前に利潤も利潤率も算定できないとは。1巻7章・9章との比較。生産過程でおこる主体と客体の転倒とは。ヘーゲル流の自己反省とは。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、大村さん、服部さん、高田の8名でした。

*恒例の秋ハイキングは、11月29日(火)、小浜行日帰り旅行:
集合場所時間:JR湖西線近江今津駅改札口10時40分
敦賀行新快速利用:尼崎9:09・大阪9:16・高槻駅9:32・京都9:48
近江今津発10:50小浜行JRバス、現地ジャンボタクシー利用予定
明通寺・萬徳寺・国分寺等を予定。できれば参加の事前連絡を。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
11月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第1章 財政危機 報告大村さん

11月30日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 3章 利潤率(前半) 報告小野さん

12月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第2章 新自由主義 報告者未定

12月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 3章 利潤率(後半) 報告者未定
その後 2017/ 1/11, 1/25, 2/8, 2/22, 3/8, 3/22, 4/12, 4/26 (働き方AN)

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2016年10月21日号

風に吹かれて、ノーベルの声も届かず、応答もなし。何ともカッコいいではないか、彼らしいではないか。ボブ・ディラン、我らが若き日の唄、今も。

[第734回ゼミ報告]
10月12日のゼミはシュトレーク『時間かせぎの資本主義』序章「危機理論―当時と現在」を川口さんの報告で行いました。報告の最初に、シュトレークがこの本に結実したフランクフルト大学で行ったアドルノ記念講演に関連して、フランクフルト学派とアドルノを取り上げ、関連年表により、フランクフルト学派の批判理論をヘーゲル流に解釈しマルクスとフロイトの精神分析学を統合したものとし、第一世代のアドルノ達、第二世代のハーバーマス達、第三世代のオッフェ達を紹介し、パウル・クレーの絵にも触れた。この本は60年代末から70年代初頭に提唱されたフランクフルト学派の危機理論を案内役として、現代の民主主義的資本主義が直面している金融・財政危機を分析する。現代の危機を全社会的な発展の連続性の中で、かつその発展の契機として、開始点を60年代末とし、その後の発展を今日的視点から戦後の民主主義的資本主義体制の解体過程として描くことで、危機理論の理論的志向を継承する。現在の危機を一つの発展過程の中に埋め込むことで、動的視点から時間的・空間的に解釈して分析する。70年代の後期資本主義の危機と反応は、貨幣の助けを借りた時間かせぎであり、戦後民主主義的資本主義の危機の延命策は「金融化」であり、インフレ・国家債務・民間信用市場の拡大・中央銀行の債務買取りである。
討論では、ハーバーマスは彼の危機理論批判を正当と述べている(世界9月号)。この民主主義的資本主義とは社会福祉国家のことか。60年代の危機と全般的危機は。69年5月革命の影響はどうか、経済危機ではなく政治危機。ポンド危機・ドル危機と続いた。60年代と70年代の転換期は同じか違うのか。
出席は、小野さん、川口さん、高橋さん、大村さん、斎藤さん、高田の6名でした。

*恒例の秋ハイキングは、11月29日(火)、行先は小浜に決まりました。集合場所時間:JR湖西線近江今津駅改札口10時40分:以下の新快速利用して下さい:大阪駅9時16分発・新大阪駅9時21分発・高槻駅
9時32分発・京都駅発9時48分発の敦賀行新快速:近江今津駅から
10時50分発小浜行JRバスに乗り、現地ではジャンボタクシー利用し、明通寺・萬徳寺・国分寺等を予定。ご参加の方は早く申し出願います。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
10月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻  第2章 利潤率    報告高橋さん

11月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第1章 財政危機 報告大村さん

11月30日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 3章 利潤率・剰余価値率 報告者未定

12月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第2章 新自由主義 報告者未定

その後 12/28, 2017/ 1/11, 1/25, 2/8, 2/22, 3/8, 3/22, 4/12 4/26 (働き方AN)

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2016年10月7日号

信じられない、「空気」が決裁をするのか。誰も決裁しないで「空気の中で進んだ」のか、そんな馬鹿なと、誰もが叫ぶ。豊洲問題にみる東京都の奇奇怪怪。

[第733回ゼミ報告]
9月28日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第1章「費用価格と利潤」の続きを小野さんの報告で行いました。資本主義的に生産される商品では、労働手段の摩耗分+生産諸原料と労働力が費用価格として、資本主義的生産の特殊な性格を表現する。費用価格は価値形成・価値増殖過程とは何の関係もなく、不変資本が再現する価値と新たに生産された価値の一部分であり、商品価値のうち前貸資本を補填する部分である。ここでは不変資本と可変資本の区別は消え失せ、固定資本と流動資本と区別され、価値増殖過程の神秘化が完成し、剰余価値は費用価格を超える部分と認識され、単に投下資本全てから生じたように見える。前貸総資本の観念の産物として剰余価値は利潤という転化形態を受け取る。それゆえ販売価格が費用価格以上である限り、つねに利潤は得られる。商品の販売価格がその価値を超える超過部分として剰余価値は現れ、販売そのものから生じるということになる。その後、報告者はマルクスの経済学批判体系プランと資本論の叙述プランとは同じものでなく、資本に絞って書き上げたという大谷説に同意する。
討論では、費用価格を資本主義的とみるか、現実的費用として超歴史的にみるか、労働日で測ることの意味。費用価格が間違った外観を受けとる:虚偽的外観が重要。最後にプルードンを出して批判している所、労働貨幣、私的労働が社会的労働にならない、物々交換に対して労働日の交換。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、服部さん、大村さん、高田の7名でした。

*10月12日からのテキストは、W・シュトレーク『時間かせぎの資本主義―いつまで危機を先送りできるか』みすず書房2016年2月、です。
*11月に恒例の秋ハイキングを計画中です。行先は少し足を延ばして、小浜、丹波篠山、龍野、近くでは妙見山の案で、小浜案が優勢に。日程?
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
10月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』 序章   報告川口さん

10月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻  第2章 利潤率    報告高橋さん

11月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第1章 財政危機 報告者未定

11月30日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 3章 利潤率・剰余価値率 報告者未定

その後 12/14, 12/28 (働き方AN) 2017/ 1/11, 1/26, 2/8, 2/22

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2016年9月23日号

誰もが予想した結末、知恵の文殊菩薩が驚く1兆円と20余年の無駄遣いの末に、ようやく「もんじゅ」廃炉へ。切り捨てられた地方と核燃料サイクル固執。

[第732回ゼミ報告]
9月14日のゼミは、『この経済政策が民主主義を救う』の著者・松尾匡さんに来ていただき、本の内容紹介とゼミ参加者からの質問への回答の後、討論を行いました。報告では、最新の内閣支持率は60%前後だが、期待する政策は憲法ではなく景気・社会保障であり、若者は雇用となっていることに注意が必要。民主党政権時代は景気・雇用が悪く、だから人々は、民主党政権はひどかったと思いこんでいる。非正規増加は高齢者と専業主婦が働き出たからだ。今後の財政出動の好景気下で解散総選挙圧勝の可能性があるが、追加緩和は見送りとなり、そこで野党は欧米左派に習い財政出動で大幅な景気対策を打ち出すべき。悪性インフレになるのは供給が追い付かないためで、供給が追い付けばマイルドになる。歯止めはインフレ目標で、それに達すれは富裕層への増税を行う。そもそもインフレ目標は新自由主義に反対する新しいケインズ派の経済政策で、日本は、ケインズから再発見された「流動性選好のわな」に入っている。失われた20年は神がくれたチャンスの時代で、財政出動は旧型公共事業にではなく、生活支援・教育・震災復興に使うべきであった。均衡財政にこだわることはない。
討論では、第二の矢はマネタリストではないか、いや新しいケインズ派の政策だ。イギリスのEU脱退はどうか、短期的にはポンド安でいいが長期的にはマイナスだ。60〜65歳は正規での雇用延長なので非正規増加とは異なるのでは。70年代バンザイ論はどうか。日銀の独立性・民主的管理が重要だ。
出席は、松尾匡さん、小野さん、川口さん、松村さん、服部さん、齋藤さん、高田に、中村美樹子さん、小林伸考さん、松浦章さんが参加されて10名でした。

*9月14日ゼミは公開ゼミとして、ゼミ外から3名の参加がありました。会場にプロジェクターの用意がなく、松尾さんが2つのマウスで操作される2つのパソコン画面を、皆で覗き込んで報告を聴きました。
*10月12日からのテキストは、W・シュトレーク『時間かせぎの資本主義―いつまで危機を先送りできるか』みすず書房2016年2月、です。
*11月に恒例の秋ハイキングを計画中です。行先は少し足を延ばして、小浜、丹波篠山、龍野か、近くでは妙見山の案が出ています。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
9月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 1章 費用価格と利潤(続き) 報告小野さん

10月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』 序章   報告川口さん

10月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻  第2章 利潤率    報告者未定

11月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第1章 財政危機 報告者未定

その後 11/30, 12/14, 12/28 (働き方AN) 2017/ 1/11, 1/26, 2/8, 2/22

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2016年9月9日号

7・9・10・11・12・13号:8月から9月初めに日本に接近・上陸した台風、なんと次々。各地の被害ニュースに自然災害とは片付けられない・・

[第731回ゼミ報告]
8月24日のゼミは、著者懇談(9/14)への質問事項の確認を行った後、マルクス『資本論』第3巻の序言と第1章「費用価格と利潤」の冒頭文を高橋さんの報告で行いました。エンゲルスによる2巻編集は2年で終わったが、ほとんど印刷可能とされた3巻は9年半かかり、彼の死の半年前の刊行であった。視力の問題(草稿書取り)・他の本の仕事・国際労働運動の高まりがその遅れの原因。編集方針はマルクスの原文を損なわないとあるが、草稿は奇しくも残り、最近の研究からエンゲルスが相当書き加え・書き換えをしていることが指摘され、3巻をエンゲルス版と呼ぶ人も出てきた。序言で執拗に長い反論を書いているのは、限界効用価値説が出てきたドイツで社民党内でのマルクス批判への対応であった。批判対象のうち、3人は肯定的に、あと3人は罵倒の対象であった。第1章冒頭文について、第1部が直接的生産過程、第2部が社会的再生産としての流通過程の分析であるが、第3部は資本の特殊な諸契機として具体的な諸形態を分析すると書き、エンゲルスが第3巻(第3部)を「資本主義的生産の総過程」と題したが、マルクスの草稿では「総過程の諸形象化[大谷説](または諸姿態化[大泉説])」と現象形態を分析しているという。
討論では、この3巻を形象化・具体的姿態の分析であるとの指摘は、読み方・見方を大きく変える指摘だ。この序言でエンゲルスは商品を歴史的に説明しマルクスとは異なる。増田和夫さんは膨大な商品から取り出した商品と書いている。プランは変更したのか否か。
出席は、小野さん、高島さん、高橋さん、川口さん、服部さん、高田の6名でした。

*次回9月14日ゼミは、『この経済政策が民主主義を救う』の著者・松尾匡さんとの懇談の夕べです。基礎研ニュースで広報しました。
*10月12日からのテキストは、W・シュトレーク『時間かせぎの資本主義―いつまで危機を先送りできるか』みすず書房2016年2月に決定。
*8月24日ゼミから資本論第3巻へ入りました。前の時の3巻の序言は、14年前の2002年6月26日ゼミで、小野さんの報告でした。なお、第2巻は2013年2月27日に1章で始まり(序言は2012年5月23日)、2016年7月27日ゼミまで3年6ケ月40回行いました。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
9月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
『この経済政策が民主主義を救う』著者・松尾匡さん懇談の夕べ

9月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 1章 費用価格と利潤(続き) 報告小野さん

10月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』 序章   報告川口さん

10月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻  第2章 利潤率    報告者未定

その後 11/09, 11/30, 12/14, 12/28 (働き方AN) 2017/ 1/11, 1/26, 2/8, 2/22

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2016年8月19日号

夏は暑いのは当たり前、昔こんなに暑かったのか。大阪の気温、今年8月は34〜36度、40年前は30〜33度、ん。50年前は27〜37度、えっ!

[第730回ゼミ報告]
8月10日のゼミは、9月14日の著者懇談会での質問事項準備作業と、高田が研究大会分科会報告の事前報告を行いました。
質問事項準備作業では、これまでのゼミたよりの抜粋と小野さんからの質問表を基に議論を行い、質問事項を次の3点に絞ることになりました。1)経済成長:右肩上がりの成長それしかないのか、左派でも、2)軍事・アメリカ・労働の質:財政の問題と軍事費、アメリカとの関係、3)第一の矢はマネタリストでは。その他:人口の問題、都市と地方の問題、70年代がバンザイでは困る、失業率・成長率が時代を超えて数字だけで当てはめるのはどうか。
次に、高田の事前報告は、「請負労働者の実態調査研究について−伊原亮司氏の自動車産業報告に寄せて」として、伊原氏の近著の日産調査について行いました。2000年のゴーン改革の一環として期間労働者から請負労働者に切り替えられた。著者は自ら請負労働者として働き、請負会社での面接・導入研修・製造現場の実態をトヨタの経験と比較し、労働統制が全てに行きわたらないが、職制からの差替え要求がある。民間アパートを寮とする生活は我慢・不満・疑念の生活であった。請負ではあっても日産社員・他請負会社労働者と同じラインで働く。しかしチームの結束力は弱く、標準作業を勝手に変更することもある。日産の管理がルーズであるようだか、それが普通の日本の製造現場であって、トヨタの管理が異常である。この時点ですでに偽装請負が行われていた。90年代以降外部労働力導入の契機はその前の不況による生産体系の変更が大きい。伊原氏の方法論的批判が必要と。
出席は、小野さん、高橋さん、川口さん、松村さん、大村さん、齋藤さん、高田の7名でした。

*8月24日ゼミから、いよいよ資本論第3巻へ入ります。先頭バッター高橋さんの報告は、序言と第1章の冒頭部分です。
*9月14日ゼミは、『この経済政策が民主主義を救う』の著者・松尾匡さんとの懇談の夕べです。基礎研所内へも広報しました。
*10月12日からの次のテキストは、W・シュトレーク『時間かせぎの資本主義―いつまで危機を先送りできるか』みすず書房2016年2月、に決まりました。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
8月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻  序言・第1章 冒頭文 報告高橋さん

9月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
『この経済政策が民主主義を救う』著者・松尾匡さん懇談の夕べ

9月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 第1章 費用価格と利潤(続き) 報告者未定

10月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』 序章   報告川口さん

その後 10/26, 11/09, 11/30, 12/14, 12/28 (働き方AN)

[一番上に]


2016年8月5日号

働き方改革担当大臣ができた。長時間労働解消・同一賃金の実現だと、すごい! でも高度プロ・限定正社員を先出しされては、台無しなんだけど・・。

[第729回ゼミ報告]
7月27日のゼミは、『資本論』第2巻「再論・ゼミ討論のまとめ」を行いました。
前回報告の小野さんから拡大再生産表式の成立条件の訂正報告の後、高田が綴った第2巻38回のゼミ便りの討論部分をまとめた資料から、毎回の重要な論点を抜き出し報告し、最後に2巻ではまだ理論がまとまっていないこと、3回論じられる単純再生産論の重要性、均衡論との指摘、貨幣流通問題のこだわり、という4つの論点を出しました。
討論では、2巻の中では16章の注32が重要、生産と消費の矛盾・過剰生産・消費欲求の限界が書かれ、将来の仕上げの覚書となっていて、2巻に限られない問題だ。各報告者達の描いた図式は素晴らしかった。レアケースであるが均衡に落ち着くというのがマルクスの考え方。貨幣運動との関連をもっと書きたかったのでは。再生産過程での貨幣運動の理解が難しい。Icの補てんの問題をほとんどやっていない、I部門の増大はレーニンが問題にし、現代では高速道路などインフラが重要。固定・流動資本の不均衡・外国貿易の問題があり植民地の存在もある。マルクスでは均衡論だか、ローザ・レーニン以後独占資本になると均衡論批判で書くべき。植民地問題では今や一国の中に世界の縮図がある。社会的総資本の運動を考える場合、素材と価値の両方を考える必要がある。2部門分割だけでいいのか。
出席は、小野さん、高島さん、高橋さん、川口さん、服部さん、高田の6名でした。

*8月10日のゼミは、高田が研究大会報告「請負労働者の実態調査研究について−伊原亮司氏の自動車産業報告に寄せて」の事前報告を行い、また、9月14日予定の著者懇談会での質問事項の準備作業を行います。
*9月14日ゼミは、『この経済政策が民主主義を救う』の著者・松尾匡さんとの懇談の夕べです。質問・疑問・議論事項などをお考え下さい
*8月24日ゼミから、いよいよ資本論3巻へ入ります。
*10月12日からの次のテキストを募集中で、候補として井村喜代子『大戦後資本主義の変質と展開』が上がっています。
*ゼミたより7月8日号(6月22日727回ゼミ報告)中、出席者名に服部さん追記、出席は7名と訂正します。すいませんでした。
*会場である南森町・働き方ASU-NET事務所は「梅ヶ枝中央ビル」の7階から6階の西側部屋(トイレ向)に移転しました。ご注意ください。

****** ゼミ日程 *******
8月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
請負労働者実態調査:報告高田、および9/14懇談会の質問準備作業

8月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 序言・第1章 費用価格(前半) 報告高橋さん

9月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
『この経済政策が民主主義を救う』著者・松尾匡さん懇談の夕べ

9月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 第1章 費用価格と利潤(後半) 報告者未定

その後 10/12, 10/26, 11/09, 11/30, 12/14 (働き方AN)

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2016年7月22日号

夏の夜空に花火、毎年家の路地から子らと仰ぎ見るが、どこでやっているのか少し得した気分。テレビでは、銃の閃光が走る、テロとクーデター

[第728回ゼミ報告]
7月13日のゼミは、松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第5章「復活ケインズ理論と新しい古典派との闘い」第6章「人々が政治に求めているもの」「むすびにかえて」を高田の報告で行いました。スタグフレーション期に評判を落としたケインズ経済学に代わり新古典派新自由主義政策が主流を占めたが、グルーグマンらを源流とする復活ケインジアンが流動性のわなを抜け出すためにインフレ目標を提案した。新古典派による小泉構造改革は長期不況をもたらし、その後の日銀の金融緩和は弱く民主党政権での財政緊縮で景気停滞させてしまった。欧米左派はアベノミクスの金融緩和・財政政策に賛同するが、アベノミクスの新自由主義政策は景気拡大の足をひっぱり、設備投資が景気拡大の主導ではなくなり、労働配分は介護・医療分野へ行うべき。供給能力があるのに需要が停滞するというデフレの時代にこそ福祉分野への投資が必要だった。大衆は左派ではまた不況にもどるのではと不安になっている。左派・リベラル派の経済政策は需要拡大策への変えるべきである。
討論では、スタグフレーションは双子の赤字とベトナム戦争経済の問題である。ケインズ政策とは成長政策であって何%かが問題となる。第一の矢はケインズ政策ではなくマネタリストの政策、第二の矢がケインズ政策。1970年代に10%から4.5%に落ちたら大不況だった。半値になる、これがデフレ。エネルギーと環境の問題があまり出てこない。労働の質の問題が論じられていない、雇用の流動化・雇用水準・格差の問題との関係。
出席は、小野さん、高橋さん、川口さん、松村さん、高田の5名でした。

*7月27日のゼミは、拡大再生産再論を小野さんが、また資本論第2巻でのこれまでのゼミ討論のまとめを高田が行い、総括する機会とします。
*7月13日のゼミで、松尾本が終わりました。次のテキストを募集中で、候補として井村喜代子『大戦後資本主義の変質と展開』が上がっています。
*『この経済政策が民主主義を救う』の著者・松尾匡さんにゼミに来ていただき懇談する日程は9月14日に決まりました。基礎研内広報します。
*8月10日のゼミは、高田が「請負労働者の実態調査研究について−伊原亮司氏の自動車産業報告に寄せて」の研究大会予備報告を行います。
*会場である南森町・働き方ASU-NET事務所は「梅ヶ枝中央ビル」の7階から6階の西側部屋(トイレ向)に移転しました。ご注意ください。

****** ゼミ日程 *******
7月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻再論・ゼミ討論のまとめ 報告小野さん・高田

8月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
請負労働者実態調査(自動車産業・伊原亮司)について 報告高田

8月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 序言        報告者未定

9月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
『この経済政策が民主主義を救う』著者・松尾匡さん懇談の夕べ

その後 9/28, 10/12, 10/26, 11/09, 11/30, 12/14 (働き方AN)

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2016年7月8日号

星に願いを、と七夕の夜空を見上げても星は見えず。若者が人を傷つけるニュースが次々と飛び込んでくる、国内でも海外でも、同じ空の下で。

[第727回ゼミ報告]
6月22日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第21章「蓄積と拡大再生産」第3節「表式による蓄積の叙述」「1第一例」から2巻の最後までを、小野さんの報告で行いました。第1例の表式ではT部門とU部門ともに追加資本の構成が元のものと同じであるが、Tの方が資本構成は高くしている。Iの蓄積率が設定され、それに見合うUの蓄積率が示される。すなわち追加資本の資本構成が設定されていれば蓄積率ではI、Uのどちらかを設定すれば他方が決まる。ここで、Uの蓄積がTよりも急速に遂行する必要ありと書きながら、Iが急速に増大するとの記述について、単純な勘違いとの川上則道説と、エンゲルスの書き換えという不破哲三説、有機的構成高度化説がある。第2例の表式ではT部門とU部門の資本構成を同じにしている。消費手段の考察で、労働者の賃金制度における現物支給制度が言及されている。単純再生産は資本主義的生産と両立せずとし、最後にUにおける追加のための蓄蔵貨幣の形成が問題とされる。報告者は再生産過程の撹乱について恐慌を本格的に論じるには信用論以降であり、2草稿と8草稿での固定資本と貨幣流通の問題がうまくまとめられなかった、と締めくくった。
討論では、マルクスは文章で説明し、川上氏はマトリックス、小野・齋藤氏は数式で説明する。均衡はレアケースであり、均衡論だけでは説明しきれない。拡大再生産についてマルクスは結局失敗したのか、まとめられなかったのか、それともエンゲルスがなんとかまとめたのか。ここで恐慌を論じようとしたのか。ここではまだ流通運動論である。恐慌論とは現象論か原因論か。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、松村さん、服部さん、大村さんと高田の7名でした。(訂正済:服部さん追加・6名→7名)

*次回7月13日のゼミで、松尾本が終わります。次のテキストを次回に決めますので、候補本を持ち寄りください。なお、8月10日のゼミは本テキスト著者松尾匡氏が来ていただけるか交渉中で、ゼミ内容は未定です。
*6月22日のゼミで、資本論第2巻を終わりました。引き続き3巻の予定ですが、その前に2巻のこれまでのゼミ討論のまとめを行い、2巻全体を総括する機会を次々回ゼミで。第2巻は2013年2月27日にT章で始まり(序言は2012年5月23日)、前回まで39回行いました。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル:7階から6階の西側(トイレ前)に移転します。ご注意ください。

****** ゼミ日程 *******
7月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第5・6章  報告高田

7月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻:ゼミ討論のまとめ      報告高田

8月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定(ゼミ内容未定)           報告者未定

8月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 序言        報告者未定

その後 9/14, 9/28, 10/12, 10/26, 11/09, 11/30, 12/14(働き方AN)

[一番上に]


2016年6月17日号

「sekoi」と米紙が報道とか、世界の流行語になるかも。セコイ知事が遂に辞任。あまりにセコイと追及したご本人は、セコイ知事を推したのでは

[第726回ゼミ報告]
6月8日のゼミは松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』の第3章「どんな経済政策を掲げるべきか」、第4章「躍進する欧米左派の経済政策」を齋藤さんの報告で行いました。今年夏の参院選挙での左派・リベラル派のスローガンは「安倍さんよりもっと好況を実現します」以外にない。「禁じ手」と言われた日銀緩和マネーで政府支出を福祉・医療に増やす。つまり「無からつくったおカネを使う」政府支出の総額が増えなければ総需要は増えない。悪性インフレは第1次大戦後のドイツのように供給能力が需要に追い付かない時に起こり、生産がスムーズに拡大できるならインフレにならない。つまり日本では生産設備が十分あるので、カネが回ってもインフレが悪化しない。1930年代大不況のアメリカでは金本位制を停止しマネタリーベースを5倍にしたが物価上昇は1.5倍であった。日銀の国債はこの世から消えたと同じで暴落は起きない。もっとも大切なのはインフレ目標を掲げることで、70年代日本のインフレ時代は物価以上に賃金が上がった。欧米では金融緩和反対は右派の主張で、左派は金融緩和を主張している。スウェーデンの社会民主党政権は金融緩和を行い、ギリシャ左翼党も反貧困・反緊縮を主張し、欧州労連・スコットランド国民党・イギリス労働党は緊縮財政反対である。つまり中央銀行による財政ファイナンスは左翼の標準なのであり、経済学者からも支持され、サンダース躍進の鍵は反緊縮である。
討論では、日本と欧米の財政赤字は違う。社会保障の緊縮が問題、支出先の問題。インフレが起きないという主張には疑問、狂乱物価時代はパッピーではなかった。インフレ時代は金利が5%以上だったし、賃金上げ以上に物価が上がった。人民にとってはデフレが良い・収奪はインフレの方が大きい。労働の問題が出てこない、正規・非正規では当時と現代は違う。左派と左翼。
出席は、小野さん、高橋さん、川口さん、大村さん、齋藤さんと高田の6名でした。

*6月22日のゼミで、資本論第2巻を終わる予定です。話し合いの結果、引き続き7月から資本論の第3巻へ挑戦することとなりました。
*7月13日のゼミで、松尾本が終わります。次のテキストについて、次回ゼミに候補を話し合い、次々回に決めます。乞ご意見
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
6月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻21章:拡大再生産 3節続 報告小野さん

7月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第5・6章  報告高田

7月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 序言        報告者未定

8月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定                 報告者未定

その後 8/24. 9/14, 9/28, 10/12, 10/26, 11/09, 11/30, 12/14(働き方AN)

[一番上に]


2016年6月3日号

小学生の頃学校で約束は守るよう教えられ、家では言い訳はするなと怒られた。自らの失敗を世界経済リスクと言いつくろう税延期表明に思い出す。

[第725回ゼミ報告]
5月25日のゼミは、資本論第2巻第21章「蓄積と拡大再生産」第2節「大部門Uにおける蓄積」を高橋さんが、第3節「表式による蓄積の叙述」の「1.第一例」の前までを小野さんが行いました。第2節では、拡大再生産の場合、mの一部が収入、他の一部が資本に転化する。蓄積は消費を犠牲にしているということを一般してはならず、この一般化は資本主義の目的・動機を蓄積ではなく消費にあるという幻想を示す。Tmの一部が蓄積することで、Ucの対応部分が不変資本に転換できず、Uでは過剰生産が発生し、それがTにも反作用してT労働者がUに支出した部分も一部しかT資本家に帰らず、再生産を妨害する。商品在庫・過剰在庫・追加貨幣資本を過剰再生産に必要な要素との説に対して、在庫は双方で必要であり拡大再生産の考察の問題外であり、一平均年の総生産物を分析対象とし、違った組み合わせこそ問題である。第3節の最初の部分では、TとUのc,v,mの組合せをmの半分を蓄積として数量を変えて考察する。しかしこれまでの3回の組合せ挑戦は失敗し、次の第1例の4回目で成功するが、エンゲルスは失敗の記録を残したというのが不破哲三説である。これに対し川上則道説は、失敗であっても量ではなくTとUの両方で矛盾が出て、賃金切り下げ・ピンハネという試行錯誤の中から拡大再生産の条件を解明した重要な命題があると主張する。
討論では、拡大再生産の記述が単純再生産に比べ短いのは、単純再生産こそ基本であって拡大再生産は資本主義の特有な現象を解明していて、ここがマルクスの最後の執筆になっている。正しい表式が目的ではなく、理論的な意味があるから様々な表式がある。T・Uともに拡大する表式に過剰生産がありそれをここで問題にしている。再生産の攪乱にはもっと意味があるのでは。過剰生産をここで論じ、恐慌そのものは信用論を述べた後に出てくる。
出席は、小野さん、高島さん、高橋さん、服部さん、齋藤さんと高田の6名でした。

*6月22日のゼミで、資本論第2巻を終わる予定です。話し合いの結果、引き続き7月から資本論の第3巻へ挑戦することとなりました。
*例年8月はお休みしていました。参加者から8月中もゼミを開催したいとの意見が出て、話し合いの結果、当ゼミ開講以来!初めて8月も。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
6月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第3・4章 報告齋藤さん

6月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻21章:拡大再生産 3節続 報告小野さん

7月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第5・6章 報告者未定

7月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 序言        報告者未定

その後 8/10, 8/24. 9/14, 9/28, 10/12, 10/26, 11/09, 11/30, 12/14(働き方AN)

[一番上に]


2016年5月20日号

安全な電車が脱線と東の都から。先日ホームに人があふれて、人身事故で電車が来ないとか、2週続けて。思えば鉄の塊が人の1m横を通り過ぎる。

[第724回ゼミ報告]
5月11日のゼミは松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第1章「安倍政権の景気作成―官邸の思惑は当たるのか?」第2章「人々が政治にもとめているもの」を高田の報告で行いました。安倍さんの目標は改憲であり、単独3分の2の圧勝のため選挙時に景気上昇を狙っている。景気の良し悪しは総需要であって、これまで消費は停滞、設備投資は後退、政府支出も緊縮となり、輸出拡大は世界経済黄信号でブレーキとなっている。消費は総需要の6割あり、わずかの増大で景気に影響するが、その消費は基本点に賃金で決まる。労働市場は引き締まっているが、団塊世代の再・継続雇用で非正規率が上昇している。賃金総額は上昇で勤労世帯収入は伸びているが、消費税増税に追い付かず消費低迷となっている。今後の賃金上昇で消費需要拡大の潜在力はある。世論の関心は安保・原発・領土だが、しかし選挙の争点は景気・雇用・福祉だ。飽食日本は過去の話で失業率と連動し栄養摂取量は減少し、不況になれば現代でも娘は家計のために身を売り、男性失業率と自殺とが、また40代男性失業率と強盗検挙数とが相関関係があり、不況になればブラック企業がはびこる。安保・原発の反対世論を野党は支持に集めきれず、安倍・自民の高い支持率と民主党の支持率下落となるのは景気問題にある。「また不況に戻りたいのか」の殺し文句に対しアベノミクス批判だけではだめで、安心して働け、暮らしが豊かになる対案が野党・左翼には必要だ。
討論では、政策が正しければ選挙に勝つ、選挙に負ければ政策が悪かったとは言えない。安倍を過大評価していないか。日本の政策にアメリカとの関係はどうか。政治家に期待しない日本人、落ちていく日本への不安観が軍事大国願望へいくのでは。左派・左翼・革新という用語はどうか。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、齋藤さんと高田の7名でした。

*5月25日ゼミは引き続き資本論2巻21章2節を高橋さんが、3節を小野さんが第1例の前まで(S.505)を行う予定です。
*ゼミ恒例の春季ハイキング:今回は6月4日(土)天野山金剛寺と檜尾山観心寺へ行きます。集合午前10時半、南海高野線・近鉄長野線河内長野駅改札口です。皆様のご参加をお待ちしています。乞う参加連絡
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
5月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻21章:報告:2節高橋さん、3節小野さん

6月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第3・4章 報告齋藤さん

6月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻21章:拡大再生産 3節続 報告小野さん

7月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所(予定)
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第5・6章 報告者未定

その後 7/27, 9/14, 9/28, 10/12, 10/26, 11/09 (予定:働き方AN)

[一番上に]


2016年5月6日号

「トランプ」は英語で[card]。英語で[a trump] [a trump Card]は日本語で「切り札」とのこと。さて話題のTrump氏、共和党の切り札となるか?

[第723回ゼミ報告]
4月27日のゼミは、マルクス『資本論』2巻21章「蓄積と拡大再生産」の1節「大部門Tにおける蓄積」を高橋さんの報告で行いました。1巻22章で行った個別資本の蓄積に対し、社会的総資本の蓄積でも固定部分の積立金沈殿は同様であり、剰余価値の貨幣への転化と貨幣の積立が拡大再生産の前提となる。貨幣蓄蔵を資本主義的生産過程に内在する一契機として考察し、潜勢的貨幣資本が蓄積基金・貸付可能な資本に成長する。単純再生産では均衡が前提であったが、拡大再生産でも売りと買いが均衡していることが前提とされる。均衡は売り買いが一致する仮定で保たれるが、正常でない進行が、また総資本家と労働者階級との複雑な関係が恐慌の誘因となる。剰余労働は潜勢的追加貨幣資を形成するが、この剰余労働がUcのためだけでなくTcの生産手段に支出される点が単純再生産と異なる。急速な生産技術の発展で剰余生産物も大きくなり、可能的追加貨幣資本の量も大きくなる。その蓄蔵貨幣は絶対的に不生産的で資本主義的生産には致命的な負担・死重である。拡大再生産でも商品流通も拡大するが、そのために必要な貨幣は、また流通から引き揚げ積み立てる貨幣はどこから来るのか。資本家群が貨幣をかわるがわる供給しあうが、蓄蔵貨幣の機能は違っていて、現存する貨幣量も大きく、貴金属生産・信用機関の発展が対応する。可変資本への転化部分はいつでも相対的過剰人口としての労働力を見いだし問題はない。
討論では、蓄蔵貨幣の実際の姿は?金・貨幣・銀行に預ける。貨幣の問題へのこだわりは総資本・国民経済にある。実際はT部門が大きくなっていく。社会的富とは?仮想追加資本に対して貨幣は現実。単純再生産の中に拡大再生産の問題がある。反省とは反射・媒介。軍事部門は。恐慌論はプランの競争で。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、服部さんと高田の6名でした。

*次回5月11日ゼミからのテキストは、松尾匡『この経済政策が民主主義を救う―安倍政権に勝てる対案』大月書店,2016年, 1600円 です。
*4月27日ゼミでは資本論2巻21章1節のみで、2節は次回に繰り越しました。5月25日ゼミでは引き続き2節を高橋さんが、3節報告担当予定の小野さんが第1例の前まで(S.505)を行う予定です。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
5月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第1・2章 報告高田

5月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻21章:報告:2節高橋さん、3節小野さん

6月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第3・4章 報告者未定

6月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻21章:拡大再生産 3節続 報告小野さん

その後 7/13, 7/27, 9/14, 9/28, 10/12, 10/26, 11/09 (予定:働き方AN)

[一番上に]


2016年4月22日号

「備えあれば憂いなし」を嘲笑うように大地を揺るがす。五年後の日本、今度は南の地で。それでも何らかの備えあれば救えた命もあったのではと。

[第722回ゼミ報告]
4月13日のゼミは、高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』の最終回、第10章「マルクス経済学と「経済の金融化」論」を高島さんの報告で行いました。金融化論は現代資本主義の歴史的特徴を解明するマルクス経済学の新たな発展の契機であり、スウィージーを初め多くの論者の見解を紹介した。理論問題は恐慌の原因として利潤率低下と金融化の関係であるが、マルクス経済学陣営では恐慌論の理論的枠組の中心を利潤率の傾向的低下法則に求めるものが依然として多い。金融化のもとでの金融的利益の源泉をめぐる問題では金融所得・正味資産・国民所得・非金融部門から金融部門への資本移動等があり、重要課題は金融化論者の所説と労働価値説との曖昧な関係にある。富の一般的な形態として架空資本とその価値規定について試験的な見解を提示する。社会的富は膨大な架空資本の集合・貨幣資本の蓄積として現れ、資本還元を「商品としての資本」の運動とし、資本にとって新たな価値増殖の手段となり、架空資本に価値法則と矛盾しない「商品としての資本」の価値を規定する価値法則を明らかにしようとする。報告の最後に本全体について、検討対象が海外文献・研究者にあり国内研究者の所論・論争史を飛び越えていること、現代資本主義の歴史的規定が明確でないこと、一種の「金融化論モンロー主義」であること、国家権力の留意が必要なこと等感想を報告者は述べた。
討論では、架空資本の用語に対し擬制資本・利子生み資本の用語の方がいいのでは。サービスが価値を生みのかどうかと同様に金融ではどうなのか。金融論オンリーで現代資本主義は解けるのか。情報・グローバル等の問題提起と歴史的な考察が行われていない。金融では国家権力が問題。資本還元についてはヒルファディングへの検討がいるのでは。実体経済よりも架空経済が力を持っているという問題提起をしている。架空資本と言う場合には富・価値・有用性・資本の人格化など資本論3巻ではなく1巻レベルの問題がある。この10章5節だけで1冊の本になる。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、斎藤さんと高田の6名でした。

*次々回5月11日からのテキストは、松尾匡『この経済政策が民主主義を救う―安倍政権に勝てる対案』大月書店,2016年, 1600円に決まりました
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
4月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻21章:拡大再生産 1・2節 報告高橋さん

5月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第1・2章 報告高田

5月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻21章:拡大再生産 3節 報告者未定

6月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』第3・4章 報告者未定

その後 6/22 (働き方AN) 7/13, 7/27, 9/14, 9/28, 10/12, 10/26

[一番上に]


2016年4月8日号

桜が満開の大川の堤を夕刻皆と歩く、近隣に勤務していた頃は一度も訪れなかったが。新入社員らしい若者がシートの番、春嵐前の一時の風景。

[第721回ゼミ報告]
3月23日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第20章「単純再生産」の第13節「デスチュト・ド・トラシの再生産論」を小野さんの報告で行いました。トラシは生産が費やしたよりも高く売ることで産業資本家は利潤を得るという。互いに売りあい、剰余価値をだましあい、労働者に売ることで全賃金を回収し、不労資本家に売り、彼らに支払った地代・利子の大部分が還流し、残りは召使階級を通して還流する。労働は一切の富の源泉であり、産業資本家は利潤とともに資本を再生産する労働に支払うために資本を使用し、他のすべての人間を養い公の財産を増加させ、すべての享受の手段を作り出す。労働者たちは受け取り返すだけで、彼らの消費は雇う人びとによってのみ生み出される。これこそ富の永久運動を完成するものであり流通と呼ばれ、この運動は循環であって常に出発点に帰り、出発点は生産が遂行される場所である。我々は真理を発見し、それは鏡の作用を思い出される、と述べた。これこそ至福の境地にあるブルジョア的痴呆症だ・・。報告の最後に「再生産の撹乱」について冨塚良三・大谷禎之介・不破哲三と私見が紹介された。第2部初稿で「再生産の撹乱」を「第3部第7章で考察すべきである」と訳するのか、あるいは「第3部第7章を考慮すべきこと」と訳するのか、意味が正反対になるとの議論が出ている。いずれにしろ現行の第3巻では論じされていない。
討論では、何故単純再生産の最後にトラシを取り上げたのか、リカードが崇めたトラシをたたくことで俗流経済学批判をしたのでは。前の第10節でトラシを取り上げているのが草稿8稿で、第13節は草稿2稿であり、エンゲルスの編集による。リカードは何故トラシを評価したのか、一般均衡論にあり、それがアダム・スミスへの批判にもなる。利潤が流通から生れると、それでもトラシは労働が一切の富の源泉であるとそこでは正しく指摘していた。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、服部さん、大村さん、斎藤さんと高田の7名でした。

*次回4月13日のゼミで高田太久吉本が終わります。次回ゼミで新しいテキストを決めます。次のテキストの候補本を持込下さい。なお前回ゼミでは鶴田・長嶋編『マルクス主義と現代資本主義』が出ています。乞募集
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
4月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第10章  報告高島さん

4月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻21章:拡大再生産 1・2節 報告高橋さん

5月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定     報告者未定

5月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』2巻21章:拡大再生産 3節 報告者未定

その後 6/8, 6/22 (働き方AN) 7/13, 7/27, 9/14, 9/28

[一番上に]


2016年3月18日号

いつの時代も、いまの若い者は、という言葉があるそうです。でも嘆きの言葉ではなく、賞賛の言葉として発しよう、働き方ネット集いで思う・・

[第720回ゼミ報告]
3月9日のゼミは、高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第9章「国際金融危機とToo Big To Fail問題」を川口さんの報告で行いました。2008年金融危機はToo Big To Fail問題(政府機関は大規模な金融機関を破綻させられない:以下TBTF問題)を重要な金融制度改革の焦点にした。2010年のオバマ金融制度改革でも効果的・永続的改革につながらない。社会的コスト回避というTBTF問題正当化があるが、結局破綻銀行の受け皿がますます大規模銀行になるという深刻なジレンマに陥る。このジレンマの改善の対策として量的制限と合併禁止のヴォルカールールは、自己取引・ヘッジファンド等への制限であり、金融界からもっとも厳しい抵抗で完全実施に至らず、それぞれの取引を明確に仕分けすることも困難である。バーゼルU規制でも自己基本基準と銀行業の健全性にはほとんど関係なく外部格付会社へ規制をゆだねる民営化に問題がある。破綻処理に備えて「生前遺言」という清算計画を作成する事でさえ、大規模金融機関が正確で実行可能な清算計画を作成する保証がなく、規制当局もそれが適切か判定することができない。TBTF問題は主流派経済学の限界を示していて、公共財として金融システムへの新しい政治経済学を発展させる必要がある。
討論では、ブラックボックス化は金融だけに特化したものか。TBTF問題はボーイング・東芝・シャープ問題のようにどの産業でも起きるのでは。金融機関の取締りは金融当局に銀行出身者がいて金融機関寄りになるのでは。TPP問題は総資本の意志ではあるが、個別資本では対応が違うように、TBTF問題も政治経済学である。ドル体制は世界の取引基準となっているが、信用問題ではビットコインにみるようにドルはいらなくなるのでは。
出席は、小野さん、川口さん、大村さん、斎藤さん、久しぶりの増田さんと高田の6名でした。

*4月13日のゼミで高田太久吉本が終わります。次のテキストの候補本をお寄せ下さい。次回ゼミで候補を話し合い、4月13日ゼミで決めます。
*3月12日の基礎研春集会の共通セッションで高田がこのゼミの活動報告を行いました。報告予稿と当日の報告を後日HPに掲載予定です。
*次回3月23日のゼミ会場は、働き方事務所が使用できなくなり、かつての会場:天六・住まい情報センターに変更です。ご注意下さい。

****** ゼミ日程 *******
3月23日(水)午後6時半〜9時 ※天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 13節 報告小野さん

4月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第10章  報告高島さん

4月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻21章:拡大再生産 1節 報告者未定

5月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定     報告者未定

その後 5/25, 6/8, 6/22 (働き方AN) 7/13, 7/27, 9/14, 9/28

[一番上に]


2016年3月4日号

ボルトの緩みでつまずき、スイッチを入れた途端に警報が鳴ってしまい、とうとう再稼働は延期に。他に緩んでいませんか、と原発への警報。

[第719回ゼミ報告]
2月24日のゼミはマルクス『資本論』第2巻20章「単純再生産」第12節「貨幣材料の再生産」を高田の報告で行いました。金生産は金属一般と同様に生産手段生産部門Tgとして考察する。ただし、Uとの交換でUがTgから少なく買うとすればI gは還流不足分を生産物「金」でUから買い、増加した貨幣量分だけUでは剰余価値部分に新たな蓄蔵貨幣としてとどまる。再生産2年目以降も同様に蓄蔵貨幣が積立てられるとすれば、単純再生産であっても蓄蔵貨幣形成が必然的に含まれている。これで再生産開始の貨幣手段が資本家にあるという説明が可能になり、自分が投げ入れるよりも大きな貨幣を引き出すことが可能かという、トゥックへの反論となる。資本家の収入部分の貨幣は資本家の貨幣総量の一部から出て、固定部分では貨幣を一度に投じるが流通からの引出は漸時的であり、生産期間の長い物は貨幣を取り出しながら商品をすぐには投げ入れないし、金銀資本家は全剰余価値を貨幣として流通に投げ入れ、1年以上の生産期間のものでもワインのように潜在的に機能できる状態にあり、家屋の賃貸料は漸次的に流通する。農村労働者への現物給付のように貨幣流通から除外されるものがある。発達した資本主義では貨幣資本が主要な役割を行い、貨幣流通の最大部分は労賃であり、また貨幣の流出と還流が、固定資本・販売時間・生産在庫・信用制度・貸付制度・規制要因等で自然発生的に行われる。
討論では、蓄蔵貨幣をUの資本家のみしているが、Tの資本家はどうなのか。貨幣材料を生産手段・消費手段どちらにも入らない、貨幣材料をTではなくUの変形とする、貨幣は資本家全体の剰余価値部分で負担する、などローザ・ルクセンブルク、山田盛太郎、富塚良三、井村喜代子などの論争がある。金貨は刻印をしているが金をすぐに貨幣として良いのか、もし鉄ならば一度売る必要があるが、理論的に金が貨幣として無条件で交換出来るから。
出席は、小野さん、川口さん、松村さん、服部さん、斎藤さんと高田の6名でした。

*3月23日のゼミ会場で、働き方事務所が使用できなくなり、かつての会場:天六・住まい情報センターに変更します。ご注意下さい。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
3月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第9章 報告 川口さん

3月23日(水)午後6時半〜9時 ※天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 13節 報告小野さん

4月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第10章 報告者未定

4月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻21章:拡大再生産 1節 報告者未定

その後 5/11, 5/25, 6/8, 6/22 (働き方AN) 7/13, 7/23, 9/14, 9/28

[一番上に]


2016年2月19日号

正月8日に起きた加熱炉の爆発事故。けが人は出なかったが、この事故の1か月後、世界のトヨタ国内全工場が休止、大震災以来。カンバン倒れ・・

[第718回ゼミ報告]
2月10日のゼミは高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』の第8章「現代資本主義の蓄積様式とデリバティブ市場」を小野さんの報告で行いました。1970年以前ほとんど存在しなかったデリバティブ取引は2007年に520兆ドルになり、現代資本主義の運動に重要な作用を及ぼしている。デリバティブ市場は金融市場の不確実性を制御し資本蓄積を促進する可能性を拡張する新しいリスク管理の仕組みに発展した。主流派経済学は「金融保険」機能として説明したが、金融リスクは不確実で投機的リスクであり、保険のリスクでの大数法則は適用できない。また積み立て基金も制度的に存在せず、交通事故・死亡のような「独立の定理」は成立せず、監督機関もない。貨幣資本が現実資本とは別に新たな自立した資本形態を架空資本と呼び、「資本還元」の手法で独自の価値を獲得し自立的な価格変動を展開するが、価値増殖する資本自体が2倍に、生産される剰余価値が2倍になるのではなく、同一資本のうちの一部が貨幣資本として循環し、架空資本市場として銀行制度にかわる新たな資本制度=資本市場として発展する。その限界は、リスク・利回りを自ら弾力的に調整できない、思い通りのポートフォリオ作成可能とはかぎらない、自由に売買・保有可能ではない、大きな評価損の可能性がある、という限界である。投資家の架空な金融資産を作りだし、ポートフォリオ組み換え可能で、架空な資産を約定でき、当事者合意で契約できるという役割がある。デリバティブ市場は過剰な貨幣資本に価値増殖の機会と手段を提供し、波及と連鎖に理論的な限界が存在しないが、それを資本主義の腐朽性を示す「あだ花」とみるだけでは説明できない。システミックな危機を引き起こし、資本主義自体に甚大な影響を及ぼす。
討論では、実物経済とは別に金融取引が発展するが実物とは切り離されているのか。原油価格変動はたった1%の消費生産変動で動いている。株式はゼロサムだがデリバティブは? 70年代の直接金融始まりと新自由政策が大きい。信用制度があるから恐慌が起こる。
出席は、小野さん、川口さん、高橋さん、松村さん、斎藤さんと高田の6名でした。

*3月23日のゼミ会場で、働き方事務所が使用できなくなり、かつての会場:天六・住まい情報センターに変更します。ご注意下さい。
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
2月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 12節 報告高田

3月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第9章 報告 川口さん

3月23日(水)午後6時半〜9時 ※天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 13節 報告者未定

4月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第10章 報告者未定

その後 4/27, 5/11, 5/25, 6/8, 6/22 (働き方AN)

[一番上に]


2016年2月5日号

ロッカーに預けるときにはコインを入れて下さい、お金を預けるときには、預かり賃をいただきます―と、日銀マイナス金利。どう動く日本経済…

[第717回ゼミ報告]
1月27日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻第20章「単純再生産」第 11節「固定資本の補填」を高橋さんの報告で行いました。固定資本の磨滅部分は何年間か蓄蔵貨幣形態のままである。この磨滅部分の蓄蔵貨幣がすぐに現物で補填されず固定資本更新までの積み立てされることによって、社会的再生産過程ではTとUの部門間での転換が問題になる。Ucの磨滅分だけImが消費手段に転換できない。しかしUの固定資本はそれぞれの再生産期限が様々であり、例えば現物補填される時期にある所、まだ貨幣で積み立てている所、貨幣資本を前貸ししている所がある。貨幣がその還流で様々な部門内に分配され、また別の部門へ移動していく。固定資本の補填でUの現物補填部分と貨幣補填部分が等しくない場合には、混乱がおこり、生産恐慌が生じる。貨幣形態のTの商品を消費手段に転換するために輸入が、また逆にUの商品を売りさばく助け船に輸出が、つまりどちらの場合にも外国貿易が必要となる。ただし、外国貿易は矛盾を広めるだけである。継続的な相対的過剰生産は資本主義社会では無政府的な要素であるが、資本主義的形態が廃止されれば、予防することは可能である。なお報告者から、マルクスが学説上はじめて難問を解決したが、ここでU部門の固定資本のみ説明しているが、T部門でも貨幣と商品の均衡が単純再生産の基本条件である、と井村喜代子氏の説を紹介された。
討論では、不均衡から恐慌をいうが固定・流動資本の比率の不均衡はどうか、磨滅分と貨幣積み立て分の不均衡は市場メカニズムで均衡させるといえないか。市場メカニズムで調整できるとは資本主義バンザイとなる。平面的には外国貿易であるが、垂直的には投資の有無の選択がある。企業会計で固定部分の償却と流動部分とではどちらが大きいか。現実の資本主義・企業は資金や在庫で余裕をもっている。1巻は可変資本の問題、2巻は不変資本の問題といえる。収入資本の用語。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、服部さんと高田の7名でした。

*3月23日のゼミ会場で、働き方事務所が使用できなくなり、かつての会場:天六・住まい情報センターに変更します。ご注意下さい。
*春季研究交流集会(3月12日)共通C大阪第三学科報告、乞うご意見を
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
2月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第8章 報告小野さん

2月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 12節 報告高田

3月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第9章 報告者未定

3月23日(水)午後6時半〜9時 ※天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 13節 報告者未定

その後 4/13, 4/27, 5/11, 5/25, 6/8, 6/22 (働き方AN)

[一番上に]


2016年1月22日号

走り出して止まる、そんな何気ない事に異常が起こる、バスに。道を逸れて転落、滑って横転、曲がれず衝突、意識を失って運転。命と働き方が・・

[第716回ゼミ報告]
1月13日のゼミは高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』の第7章「シャドーバンキングとレポ市場−現代金融恐慌のメカニズム―」を大村さんの報告(初めての報告では!)で行いました。複合的バブル崩壊の解明にはシャドーバンキングの急拡大とレポ市場の役割を明らかにする必要である。シャドーバンキングとは、銀行規制の枠外で金融仲介機関が金融イノヴェーションで広がり、大手金融機関の証券化業務展開の組織上の総称である。証券関連ビジネスを支えるものとしてレポ市場があり急激に膨張したが、市場規模は不明である。膨張した要因は安全で流動性の高い資金需要の高まりであり、担保証券再利用が盛んにおこわなれ、急速に営業規模を拡張した。金融恐慌の直接の引き金はサブプライム問題だが、グローバルな金融システムの信用連鎖が機能不全となり、システミックなレポ市場と証券貸付市場での大規模なパニック(取付)が決定的要因である。大手金融機関が利用した金融仲介機構の膨張と金融システム全体の不安定性と不透明性が極度に高まり、機関投資家が仕組み証券に関する情報を十分に持たず、ヘアカット引き上げ圧力などの逆転が連鎖的に起こり、担保的確証券需要を激増させ、需給関係を一挙に窮迫させた。そもそも恐慌の真の原因は資本の過剰蓄積であり、その解明にはシャドーバンキングとレポ市場の膨張を引き起こした問題を明らかにする必要がある。
討論では、パラレルバンキングとは何か。恐慌を予測出来なかったのはまずかったのか、予測不可能でいいのでは、原因がシャドーバンキングであることが理解できればいい、恐慌発生の直接の犯人探しは必要ない。1929年恐慌ではヴァルガの予想があたったが、1907年恐慌は。システミックリスクの用語の使い方は、銀行倒産。300兆円近い企業の内部留保があるが、それが過剰資本か。過剰資本がなぜ解消しなければならないのか。担保が問題。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、大村さん、齋藤さんと高田の6名でした。

*3月23日のゼミ会場で、働き方事務所が使用できなくなり、他の会場への変更可能か調べていますが、対応を次回のゼミで話し合います。
*春季研究交流集会(3月12日)共通C大阪第三学科報告、乞うご意見を
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
1月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 11節 報告高橋さん

2月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第8章 報告小野さん

2月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 12節 報告者未定

3月9日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第9章 報告者未定

その後 3/23(会場未定), 4/13, 4/27, 5/11, 5/25, 6/8, 6/22 (働き方AN)

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2016年1月8日号

正月早々から様々なニュースが:サウジとイラン、そしてリビア・シリア、突然の水爆実験、株価下落、国内では硝酸爆発事故で派遣2名犠牲。

[第715回ゼミ報告]
12月23日のゼミは、マルクス『資本論』第2巻20章「単純再生産」の 10節「資本と収入―可変資本と労賃」を高橋さんの報告で行いました。価値生産物(v+m)は生産物価値(c+v+m)より小さい。一年間に生産された商品量と作られた価値との差は、新たな存在形態で再現しただけの価値・生産物に移された価値である。一方にとっての資本が他方では収入であるという見解は部分的には正しくとも一般的には間違いである。可変資本が資本家にとっては資本として、労働者にとっては収入として二重に機能するのでなく、同じ貨幣が資本家から労働者へ移動、売り手と買い手という異なる用途をするにすぎない。Tv+m=Ucの交換については、Iの労働者とUの資本家との立場を考察し、資本運動は流通運動であり、資本家は買い手・売り手・両方として現れるが、労働者は商品の買い手として現れるだけである。Uのvの転換では部門内資本家と労働者との無媒介的形態による流通であって、Tvとは異なる。可変資本は資本家の手中にある限り他の人の収入に転換することはない。収入に分解されるのは、貨幣に転化された労賃に過ぎない。労賃は可変資本の転換ではなく労働力の価値の転換である。なお報告に先立ち以下の説明があった。7〜10節ではAスミス達の誤った見解への批判等にかなりの重複があり叙述が整理されていない、との議論が紹介され、また「収入」はすでに19章でその語源が述べられ、厳密な定義は3巻48章で行っていて、「収入」はRevenueとEinkommenがあり「所得」との訳語もある。
討論では、税法では収入と所得は違うが。3巻から2巻を読むといいのでは、三位一体から読むべきとの説も。価値構成説と価値分解説は結局両方とも否定されていて、収入がカギである。貨幣を含めての再生産・回転の問題。収入の意味が資本家と労働者とは違う。労働者は奢侈品は購入せずと設定、その日暮らし。潜勢的とは可能性よりもっと必然的。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、服部さん、齋藤さんと高田の7名でした。

*春季研究交流集会1日目(3月12日)の「「働・学・研」融合の理念と実践」共通セッションにおいて、大阪第三学科の48年・700回以上の活動の経験と課題を高田が報告する予定です。乞う、ご意見を
*次回の会場は南森町・働き方ASU-NET事務所:梅ヶ枝中央ビル7階

****** ゼミ日程 *******
1月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第7章 報告大村さん

1月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻第20章:単純再生産 11節 報告高橋さん

2月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
高田太久吉『マルクス経済学と金融化論』第8・9章 報告者未定

2月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第2巻20章:単純再生産 11節:続 報告者未定

その後 3/9, 3/23, 4/13, 4/27, 5/11, 5/25, 6/8 (働き方AN)

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