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大阪第三学科たより
2017年
ゼミ参加者用


2017年12月22日号
2017年12月8日号
2017年11月17日号
2017年11月3日号
2017年10月20日号
2017年10月6日号
2017年9月22日号
2017年9月8日号
2017年7月21日号
2017年7月7日号
2017年6月23日号
2017年6月9日号
2017年5月19日号
2017年5月5日号
2017年4月21日号
2017年4月7日号
2017年3月3日号
2017年2月17日号
2017年2月3日号
2017年1月20日号
2017年1月6日号


2017年12月22日号

異臭・異音がしても300キロで走り続けた新幹線、なんと台車に亀裂がはしっていたと。かの国では曲がり切れずに、橋から転落した列車のニュースが。

[第758回ゼミ報告]
12月13日のゼミはアンダーソン『周縁のマルクス』第5章「『要綱』から『資本論』へ―複線的テーマ」の後半(フランス語版、1巻サブテキスト)を高島さんの報告で行いました。資本論1巻、とりわけフランス語版の叙述構造で弁証法的構造と各主体の提示を行い、資本の価値形態としての虚偽の外観、革命主体としての労働者、共同的生産手段での労働する自由な人間のアソシエーションを、発展の単線的モデル対複線的モデルという問題が提起されていた。問題は1871−75年のフラン語版の材料の多くを考慮しなかったというエンゲルスの決定である。マルクスの本源的蓄積は西欧の発展の記述として述べられたものであり、対してフランス語版の言い回しはあらゆる非西洋社会・非産業社会とを結びつけることを可能とした。1巻のサブテキストとして非西洋社会・前資本主義社会が登場する。中国・インド・アイルランド・オランダ・アメリカ南北戦争と人種・奴隷制・労働日などへの考察・言及によって、これらの社会が現代的で進歩的なオルタナティブを練り上げる助けとなる。
討論では、大きな物語とは何か。労働日は元々のプラン・草稿にはなかったと。「貶める」の訳語は適切か。フランス語版への謂われなき批判は誰が誰にか。複線的モデルは日本では当たり前、欧州の価値観・キリスト教世界観の問題意識、現代でもトルコとEU、むしろ中世ではイスラム文化が進んでいた。「時にはラフなマルクスのノート」の意は、エンゲルスによるマルクスのノートからの編集上の問題か。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、大村さん、竹内さん、高田の6名でした。

*12月27日ゼミは資本論3巻13章の前半(新日本版376頁5行目、S.230初めまで)とし、後半は1月24日ゼミで行います。
*1月10日ゼミは、『周縁のマルクス』6章の前半(330頁まで)を行い、2月14日ゼミで、6章後半と結論を行います。
*『周縁のマルクス』は2月14日ゼミで終わりますが、竹内さんからの提案・手配により、3月14日のゼミは、訳者の一人齋藤幸平さん(大阪市立大准教授)をお招きして、ゼミで出た疑問点を含め、この本にについて議論を行う予定です。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
12月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻13章この法則そのもの(前半)報告小野さん

1月10日(水)午後6時半〜9時  南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第6章 非西洋社会・・報告竹内さん

1月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻13章この法則そのもの(後半)報告小野さん

2月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』6章 (後半)・結論 報告者未定

その後 2018/ 2/28, 3/14, 3/28, 4/11, 4/25, 5/9. 5/23 (働き方AN)

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2017年12月8日号

金額のやり取りはあったが価格の提示はしていない、とのたまう国会で忖度した答弁。価値と価格の違いは知っているが、さて金額と価格の違いとは・・

[第757回ゼミ報告]
11月22日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第11章「生産価格にたいする労賃の一般的変動の影響」第12章「補遺」を高橋さんの報告で行いました。11章では、労賃が上下に変動するときに生産価格はどう変動するかを、資本構成が平均・低い・高い場合にわけて考察し、引上げでは不変・上昇・下落となり、引き下げでは不変・下落・上昇となる。労働価値説の立場からのスミス・リカードの分析の批判としてこれを考察した。12章では、まず生産価格に変動を起こす要因を一般的利潤率が変わる場合、変わらない場合を考察し、他の商品での価値変動との関係を指摘する。次に生産価格には別の部門の利潤が含んで費用価格が構成され、さらに労賃の消費に入る商品の生産価格まで問題にする。章の最後には生産部門間の平均利潤への均衡化への競争に言及しそこで示されるものは現象であって本質ではなく、資本家には観念として平均利潤率が意識に上るという。
討論では、労働の正常な価格は労働の標準価格と、労賃の正常な状態が労賃の標準状態と訳される問題が指摘された。11章は古典派に対する問題提起である。12章での保証理由は埋め合わせと訳されている。相殺運動は生産部門での均衡化が問題。資本家は平均利潤を目指しているのではなく最高の利潤を求める結果がそうなる。再び第9章を対象に生産部門、生産部面、部分の3つが同じものなのか、使い分けされているのか、部面が主題であって、そこでは有機的構成の問題のみが対象となる、異なる生産部門間の競争はどうか、個別資本の問題か総資本の問題か、前回に続いて議論が続いた。
出席は、小野さん、高島さん、高橋さん、川口さん、服部さん、斎藤さん、高田の7名でした。

*12月13日ゼミは、『周縁のマルクス』5章の後半(フランス語版、
1巻サブテクスト)を行います。
*恒例秋のハイキングは、11月29日(水)、京都・南丹市「美山かやぶきの里」へ、森岡先生、高島・高橋・斎藤・高田の各氏で、高槻市駅から小さな車に5名乗り込み、霧がかかる山の麓の古家を散策しました。
*12月27日ゼミは資本論3巻13章の前半とし、後半は1月24日ゼミで行います。前半・後半の区切りは報告者にお任せしています。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
12月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』5章 要綱・資本論 (後半) 報告高島さん

12月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻13章この法則そのもの(前半)報告小野さん

1月10日(水)午後6時半〜9時  南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第6章 非西洋社会・・報告者未定

1月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻13章この法則そのもの(後半)報告小野さん

その後 2018/2/14, 2/28, 3/14, 3/28

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2017年11月17日号

頭をビール瓶でなぐり、その後も殴打を続けた乱闘。よくみるプロレスの光景ではなく、ましてや相撲の立会いでもなく、なんと力士の場外乱闘とのこと。

[第756回ゼミ報告]
11月8日のゼミは、アンダーソン『周縁のマルクス』第5章「『要綱』から『資本論』へ―複線的テーマ」の前半(要綱・61−65年草稿)を高島さんの報告で行いました。「要綱」の複線的視座と経緯を、「ドイツイデオロギー」「インド・中国論」「57―8年要綱」「序言」に沿ってたどり、最初は直線モデルだったが、「東洋的専制主義」からアジア的・ギリシャローマ的・ゲルマン的形態として原初的共同体形態を導きだし、歴史的社会的発展に関する複線的な視野をもってきた。「要綱」では、アジア的形態に対しては非常に広く網をはり、インドからルーマニア・メキシコ・ペルーまでの、専制的・民主的な可能性に言及し、ギリシャ・ローマ的形態では、土地での個人と共同体の分離、血縁より地縁が濃厚と複線的フレームを述べ、ゲルマン的形態では、共同体は永続ではなく個人的所有の補完物といい、アジア的形態が近代資本主義から行動的に最も遠いという。これら3つの形態と近代ブルジョアの区別は前者が使用価値の生産である。1860年代前半は南北戦争・ポーランド蜂起・第一インターと重要な課題に取り囲まれつつも、非西洋、とりわけインドを考察した。アジア的遺物が存在したインドでイギリスは近代化として意識的に共同体を粉砕しようとした。
討論では、著者アンダーソンはMEGA第4部門のメンバーで、直接マルクスの草稿を見ての発言だ。ここでは5章までの主張の原典を出してきていて、未刊行のものから発見を元に主張している。1964年ごろ刊行の「先行する諸形態」時の論争との違いはあるのか。所有の問題、文明化作用に対する問題提起。20世紀社会主義の問題。経済学批判体系へどのように入り込んだのか。ジェンダー・家父長制問題は、社会的労働とは。
出席は、小野さん、高島さん、高橋さん、松村さん、初参加の竹内敞夫さん、高田の6名でした。

*恒例秋のハイキングは、11月29日(水)に京都・南丹市「美山からぶきの里」へ行きます。高槻市駅付近に9時30分集合、車で出発(詳細は次回ゼミで決めます)。参加希望の方は連絡をお願いします。
*前回ゼミで、『周縁のマルクス』5章の報告は2回に分けることになり、前回は前半(要綱と61−65年草稿)を行いました。12月13日ゼミは後半(フランス語版、1巻サブテクスト)を行います。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
11月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻11・12章 労賃・補遺 報告高橋さん

12月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』5章 要綱・資本論 (後半) 報告高島さん

12月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻13章 この法則そのもの 報告小野さん

1月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第6章 非西洋社会・・報告者未定

その後 2018/1/24, 2/14, 2/28, 3/14, 3/28

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2017年11月3日号

車検に出した車を引き取りに。オイルを交換、他に問題になるところはありませんでした、と。さて、新車を買う人は誰が検査したのか、気になるのでは・・

[第755回ゼミ報告]
10月25日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻10章「競争による一般利潤率均衡化。市場価格と市場価値。超過利潤」(後半、S194途中から)を前回に引き続き小野さんの報告で行いました。市場価値の確定は買い手たちの競争によって媒介される。一方の生産の側にたいし他方の側に社会的欲求がたち、その分量の考察が必要となる。欲求を超えて生産されれば社会的労働時間が浪費され少量の社会的労働時間を代表する。この欲求の量的規定性は弾力的で変動しやすく、安くなるか賃金があがれば多くの生活諸手段を労働者たちは買い、大きな社会的欲求が現れる。資本主義的生産の現実の内的法則は需要・供給の相互作用からは説明できず、諸法則が純粋に現実化して現れるのは、両者が一致するときだけだが、実際には一致することはない。需要供給が市場価格を規定するならば他方で市場価格・市場価値が需要供給を規定する。競争は、すなわち需要・供給の割合の変動に照応する市場価格の変動は、商品に費やされた労働の分量を社会的欲求に帰着させようとする。資本は利潤率の低い部面から引上げ、より高い部面へ投下される。この恒常的な資本の流出入で異なる生産諸部面でも平均利潤が同じになり、資本主義的発展が高ければ均衡化に成功する。資本の自由な移動、独占排除、信用制度発達、はやい労働移動によって均衡化がますますはやくなる。すべての事情を前提とすれば、平均利潤率は総資本による総労働の搾取度に依存する。市場価値は最良の条件での生産者では超過利潤を含む。
討論では、報告者から部門内競争では社会的価値の創出と部門間競争での一般的利潤率均衡化・生産価格の形成の説明に対して、部面と部門の法則は同じロジックで、9章の説明にある有機的構成の違いを問題にしている。実際、鉄鋼と自動車の産業部門間の競争は成り立つのか。需給の変動でも労働価値説が貫徹している。社会的欲求と社会的労働の不一致の指摘が重要、バブル期はバタバタと忙しかったが、オイルショックの時の方が大変だった。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、服部さん、斎藤さん、高田の7名でした。

*恒例秋のハイキングは、京都・南丹市「美山からぶきの里」へ行きます。11月29日(水)を予定しています。後日詳細決定、乞ご参加・・
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
11月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第5章 要綱から資本論へ 報告高島さん

11月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻11・12章 労賃・補遺 報告高橋さん

12月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第6章 非西洋社会・・報告者未定

12月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻13章 この法則そのもの 報告小野さん

その後 2018/1/10, 1/24, 2/14, 2/28, 3/14, 3/28

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2017年10月20日号

英国輸入の一号機関車が新橋横浜に初めて走った。鉄道発祥の地英国に、今度は日本製の高速列車が走ったが、アルミ不正に始発列車の水漏れ、と水をさす。

[第754回ゼミ報告]
10月11日のゼミは、アンダーソン『周縁のマルクス』第4章「アイルランド−ナショナリズム、階級および労働運動」を高橋さんの報告で行いました。マルクスは1870年代頃にアイルランドに関して階級・ナショナリズム・人種・エスニシティの問題を論じているが、レーニン以外ほとんど論議されてこなかった。エンゲルスが最初にアイルランド問題に、革命運動・下層プロレタリアート・移民として関心を持ち、それ以後マルクスとともに民族解放闘争への全面的支持を労働運動・社会主義運動に関係させ、イギリスによる民族解放運動者への弾圧、特に1867年蜂起への処罰を非難した。その後マルクス・エンゲルスはアイルランド革命家への救済活動を行い、英国とアイルランドの民族の境界を超えた同盟を表明した。イングランド労働者の階級意識は反アイルランドの偏見によって弱められているとして、両国での階級意識と民族意識の特殊な相互作用が存在するため、アイルランドは革命の梃子が置かれる地点となり、アイルランドの民族闘争がイングランドの労働者階級の闘争心を目覚めさせ、世界資本主義の中心であるイングランドがより広範な革命へと引き寄せられる、と述べた。産業的に発展した社会での労働者革命に先んじて、資本主義の周辺部での闘争が火花となって爆発するという考えへの転換であった。国際的な革命推進でナショナリズムが果たす建設的な役割を評価し、そののち普仏戦争、パリコミューン、インターナショナルの分裂、資本論第1部フランス語版改訂へと進んでいった。
討論では、報告者からレーニンのみという説に対して、マルスクと民族等への問題に対する各種の内外文献が紹介された。ナショナリズムとインターナショナルとの間の問題。アイルランドの独立は1922年、それまでも、その後もアイルランド独立闘争が続く。マルクスの先進国革命から後進国革命への変化は1876年頃のアイルランド独立運動が転機ということか。イギリス労働運動が革命から改良へ、労働貴族、植民地からの収奪が論点。日本では、日本帝国主義・プロレタリア革命と中国での解放闘争・革命との関係、統一戦線の形成と中国の買弁資本家について。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、大村さん、斎藤さん、高田の7名でした。

*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
10月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻10章一般利潤率均衡化(後半)報告小野さん

11月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第5章 要綱から資本論へ 報告高島さん

11月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻11章 労賃の一般的変動  報告者未定

12月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第6章 非西洋社会・・報告者未定

その後 12/27 (働き方AN) 2018/1/10, 1/24, 2/14, 2/28, 3/14, 3/28

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2017年10月6日号

中学の時コーラス部で唄った「希望のささやき」を想い出す、どんな辛い時にも陽が昇り朝の光が届くと。さて突然出現の「希望の党の甘きささやき」は・・

[第753回ゼミ報告]
9月27日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第10章「競争による一般的利潤率の均衡化 市場価格と市場価値。超過利潤」の前半(S194途中まで)を小野さんの報告で行いました。問題の所在として、利潤率は競争の圧力で均衡化し利潤の総額は剰余価値の総額に等しいが、本来の困難は均衡化がどのように行われるかであり、資本の大きさに比例して分け前を要求することである。諸商品の価値が重心でありそれを巡って運動し価格が均衡化される。市場価値は一つの部面で生産される諸商品の平均価値とみられ、市場価格の変動の中心をなす。市場価値以下の個別的価値の商品は特別剰余価値・利潤を実現するが、市場価値以上の商品はその一部しか実現できない。ここで需要が大きく、収縮しなければ最悪条件の商品が市場価値を規定し、生産された総量が売れる量より大きくなれば最良条件の商品が市場価値を規制し、それより悪条件の商品は剰余価値の一部分か、あるいは実現できない。これは生産価格にもあてはまる。異なる諸部面での競争ではじめて異なる諸部面間の諸利潤率を均衡化する生産価格を生み出し、それは資本主義的生産様式のより高い発展が必要とされる。需要と供給が市場価格を、市場価値から市場価格の背離を規制するとすれば、市場価値が需要と供給との関係を、または需要供給の変動が市場価格を振動させる中心を規制する。
討論では、価値通りに売られるという低い段階というのは手工業者か、それとも共同体間の取引か。ここでの途中までは前章のおさらいであって、その後に均衡化が問題にされている。競争の圧力が均衡化を推進するといい、競争が重要。市場価格という場合には貨幣で表示されるということ。困難は価値通りに売られるという前提であっても市場では価値通りではなくなるが、それでも価値通りということが貫徹している、という事である。競争という事であれば、労働者の移動が前提で、労働強度の大きいところから小さいところへ、労働力市場の均衡化だが、スピーナムランドでは労働者移動はしない。市場価値は個別的価値の均衡化での社会的価値。部門内競争から部門間競争での平均化はどうか、繊維と鉄鋼の間の競争は想像しにくい。部門と部面との言葉を使い分けていて、考慮が必要だ。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、大村さん、斎藤さん、吉成さん、高田の8名でした。

*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
10月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第4章アイルランド・・報告高橋さん

10月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻10章一般利潤率均衡化(後半)報告小野さん

11月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第5章 要綱から資本論へ 報告者未定

11月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻11章 労賃の一般的変動  報告者未定

その後 12/13, 12/27 (働き方AN)

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2017年9月22日号

ドイツ旅風景続編:自然保護のリューネブルガー・ハイデ、行きは2馬力(2頭)の馬車、帰りは徒歩で。ここでは稜線にも風力発電機は見えない、さすが。

[第752回ゼミ報告]
9月13日のゼミは、アンダーソン『周縁のマルクス』の第3章「人種、階級、奴隷制―第二次アメリカ革命としての南北戦争」を川口さんの報告で行いました。報告の最初に現在アメリカで白人至上主義の運動が再び動き始め、差別反対派との衝突が起こっている状況を述べ、今なお人種差別のうねりがあると。アメリカを南北に分断する境界には、奴隷制存続と大陸横断鉄道建設が関連していた。マルクスは奴隷制と資本主義が密接につながっていることを指摘し、イギリス支配階級の南部支持を取り上げている。イングランドの近代工業は、アイルランドのジャガイモと合衆国の奴隷が生産する綿花という2つの軸に依存し、イギリス本国での白人の間接的な奴隷制と海の向こう側の黒人の直接的奴隷制とに依存している。人民戦争という言葉を使用しフランスと比較しマルクス・エンゲルスは南北戦争を第二次アメリカ革命であると強調している。ある時期マルクスとエンゲルスは南北戦争をめぐる政治的相違点があり、エンゲルスは北部が奴隷制にはっきりと反対せず、革命的に遂行しないことを嘆いているが、マルクスは軍事問題に焦点を絞り込み過ぎと批判した。リンカーンが最初の奴隷解放令を出し第1インター誕生後、ついにエンゲルスはマルクスの立場に近づき北部の展望について肯定する見解を出した。リンカーン再選への第1インターの挨拶文では人種と階級の相互作用と南北戦争がヨーロッパの労働者階級の蜂起につながっているとした。
討論では、特にマルクスとエンゲルスの意見の対立を強調しているが、新聞記事でエンゲルスが書きマルクス名で出したものがあり、区分けはできるのか、エンゲルスが軍事面で専門であることからか。アメリカ合衆国を「周縁」するのはどうか、工業国でもあり資本主義の主要場になっていく。南北戦争を第二次アメリカ革命との指摘は重要。イギリス・フランスが奴隷制を廃止したのはいつなのか、18世紀末から19世紀の中葉。
出席は、高島さん、川口さん、松村さん、大村さん、高田の5名でした。

*10月7日(午後2時・立命大茨木C)の現資研は、仲野組子さん達が翻訳された『地域力をつける労働運動』を取り上げ、アメリカの新たな潮流を巡って報告・討論を行います。ぜひご参加ください。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
9月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻10章一般利潤率均衡化(前半)報告小野さん

10月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第4章アイルランド・・報告高橋さん

10月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻10章一般利潤率均衡化(後半)報告小野さん

11月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第5章 要綱から資本論へ 報告者未定

その後 11/22, 12/13, 12/27 (働き方AN)

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2017年9月8日号

ドイツでの旅の風景:北海海岸までの道筋、平原に林の如く風力発電機が次から次へと立ち並び、ライン川沿いに、白い大きな円柱の原発が放棄されていた。

[第751回ゼミ報告]
7月26日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻9章「一般的利潤率(平均利潤率)の形成と商品価値の生産価格への転化」を小野さんの報告で行いました。様々な資本構成における一般的利潤率と生産価格形成の例解が示され、労働の搾取度が同じであっても、利潤率は資本の有機的構成で相違し、利潤率の平均から費用価格を付け加えることで生産価格を取り出す。したがって、生産価格は費用価格+平均利潤に等しい。異なる利潤率は競争によって一つの一般的利潤率に均等化され、社会的総資本での総利潤から個別資本は均等な配分による利潤を受け、利潤総量に依存し、諸商品の生産価格の総計は価値の総計に等しい。一産業部門の利潤は他の産業部門の費用価格に入り込むが、一般的法則が貫徹するのは近似的な仕方でのみであり、一般的利潤率は個々の諸部面の異なる利潤率によって、また社会的総資本の配分によって規定される。剰余価値と利潤は総量としては同一であるが、利潤率は剰余価値率とは異なり、その変動が剰余価値の真の起源を曖昧にし、実際資本家は利潤率のみに関心を持ち、利潤は総資本すべてから発生したように見え、剰余価値は認識されないものになってしまう。利潤がどの程度まで労働の搾取度によって媒介されるかは、資本家にとっては神秘であり、それゆえ生産に必要な労働量の削減が利潤を侵害しないようにみえるだけでなく、むしろ利潤増大のための最も手近な源泉として現れる。どうして生きた労働が利潤の唯一の源泉でありえようか。
討論では、ここでは部門間競争を、部門内競争は10章で問題にされる。部門間競争では利潤が平均化され、部門内競争では価格が平均化される。競争がキー概念だ。この章では均等化が主となっているが、新メガでは競争が主とされている。それは10章で競争が主となっている。平均化を百分率とするのは加重平均ではないのか。この章の例示で、株式会社での投資が出てきて、株主の行動が描かれている。部門と部面との使い分けはどうか。生産価格の総計と価値の総計がイコールというのは近似的でしかありえないのか。「粗雑で没概念」とは本能的で理解不能ということ。「平均構成」は「資本の総額」の書き間違いか。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、服部さん、齋藤さん、高田の7名でした。

*夏の休みを終え、ゼミは9月13日から再開します。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
9月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第3章人種、階級・・ 報告川口さん

9月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻10章一般利潤率均衡化(前半)報告小野さん

10月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第4章アイルランド・・ 報告者未定

10月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻10章一般利潤率均衡化(後半)報告小野さん

その後 11/8, 11/22, 12/13, 12/27 (働き方AN)

[一番上に]


2017年7月21日号

今年の梅雨は南も北も突然の豪雨に川氾濫、東で大粒ヒョウ、気温36度越え。クーラー無しの子供の頃、そんな高い気温は無かったと同世代、頷く。

[第750回ゼミ報告]
7月12日のゼミはアンダーソン『周縁のマルクス』第2章「ロシアとポーランド―民族解放と革命の関係」を高橋さんの報告で行いました。最初に著者が大きな影響を受けたというラーヤ・ドゥナエフスカヤについてのわずかな情報を紹介した。1850年代のマルクスはロシアを欧州で最も保守的勢力とみて革命運動不在に焦点を当て、『18世紀の秘密外交史の暴露』はマルクスの最も反ロシア的作品であり、またユダヤ人に対する反セム主義的記述が存在する。1858年にはロシアに対する態度を変え始め、革命の可能性を認め始め、ミール等の共同体を革命的抵抗の可能性の拠点と言及した。ポーランドの独立は民主主義的・革命的大義のリトマス試験紙だとし、『共産党宣言』では民族問題に対する労働者の認識に言及し、クラカウ革命へは輝かしい模範とマルクスは評価し、1863年のポーランド蜂起には、革命の時代が欧州に再び始まった、とした。1864年の国際労働者協会(第1インター)の設立の演説では、アイルランド問題・南北戦争とともにポーランド・ロシア・カフカス問題にも言及している。この第1インター内部での論争を経て、民族闘争と民主主義・階級闘争とは提携しなれば十分な目的実現は得られぬと述べた。そこではポーランド独立問題は政治問題であり、第1インターは経済的社会的問題に専念すべきという、プルードン主義者との論争があった。
討論では、ロシアの問題とポーランドの問題は一緒というのか、どちらも土地問題と革命問題との関係、民族問題・農奴解放の問題が絡んでくる。ロシアは独立国だが、ポーランドは従属国、という違いがある。1870年代にポーランドでは工業化による発展があり、それはロシアより進んでいた。両国ともに農業国としていたのでは。ここでの論説には新しい視点はなく、日本の研究の方が進んでいる。著者は新MEGAに関わっていて、『秘密外交史の暴露』が新しい視点と言う事ができる。今注目のシリアのアレッポが出てくる。スラブ人・セム人の用語について。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、高田の6名でした。

*昨年は夏8月中もゼミを行いましたが、今年は8月中を休ゼミとし、
7月26日ゼミ後は9月13日から再開します。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
7月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻9章 一般的利潤率・生産価格 報告小野さん

9月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第3章人種、階級・・ 報告川口さん

9月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻10章 一般利潤率均衡化 報告小野さん

10月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第4章アイルランド・・ 報告者未定

その後 10/25, 11/8, 11/22, 12/13, 12/27 (働き方AN)

[一番上に]


2017年7月7日号

ダーレのせいだろうか、選挙結果。誰も責任取ろうとしないし、総括なんてしないで、「丁寧に説明」することもなく、波が静かになるのを待つのだろうね。

[第749回ゼミ報告]
6月28日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻、第2編「利潤率の平均利潤への転化」に入り、第8章「異なる生産諸部門における資本の構成の相違とその結果生じる利潤率の相違」を高田(緊急代打)で報告しました。労賃・労働日・剰余価値率の均衡化は資本主義の進歩に伴う。諸資本の有機的構成の相違と諸資本の回転時間の相違がここで研究される。利潤率は資本構成・回転で異なるが、利潤の総量は剰余価値の総量と同じ。可変資本と不変資本の比率は素材の比率である資本の技術的構成であり、これに規定され反映される限りの価値構成を資本の有機的構成と名付ける。同じ剰余価値率で生きた労働の総量の相違で剰余価値総量が相違し利潤も相違するが、可変・不変資本の割合が問題となる。欧州とアジアでは剰余価値率が前者が高いが、利潤率では後者が高い。利潤率を不当にさせるもう一つの源泉が資本の回転の長さの相違である。固定・流動資本の構成比は利潤率に関係しないが、可変・不変資本の構成、固定・流動資本の回転時間が相違する場合である。同じ剰余価値率・有機的構成でのみ利潤は資本の大きさに比例し、同じ大きさ・時間内に同じ大きさの利潤を生むという法則が妥当となる。異なる産業部門の平均利潤率の相違は実存せず、資本主義的生産の破棄なしに実存せず、価値理論はここでは現実の運動とは一致しえないように見える。資本家にとって費用価格の同一性が投資の競争の基盤をなし、そこで平均利潤率が形成される。
討論では、「均等化」は「平均化」と全集版で訳されている。部門・部面と訳語が出て、どう違うのか。平均利潤率は現実には実存せず、資本主義体制を破棄すれば相違があるということか。価値法則からの離脱を言い、費用価格から生産価格形成を説いている。そこでの労働価値説はどうなる。産業部門間では、はたして自由に資本移動できるのか。現代の方か、金融資本などで自由に産業部門を超えることができる。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、松村さん、服部さん、斎藤さん、吉成さん、高田の9名でした。

*昨年は夏8月中もゼミを行いましたが、今年は8月中を休ゼミとし、7月後半ゼミ後は9月13日から再開します。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
7月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
ンダーソン『周縁のマルクス』第2章ロシアとポ・・ 報告高橋さん

7月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻9章 一般的利潤率・生産価格 報告小野さん

9月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第3章人種、階級・・ 報告者未定

9月27日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻10章 一般利潤率均衡化 報告小野さん

その後 10/11, 10/25, 11/8, 11/22, 12/13, 12/27 (働き方AN)

[一番上に]


2017年6月23日号

かの共謀罪法案を「テロ準備罪」と標榜し、国会の議論を「共謀」してすっ飛ばし、国民の疑問に「共謀」して答えず、「テロ」的手段で成立させたのは誰だ

[第748回ゼミ報告]
6月14日のゼミは、アンダーソン『周縁のマルクス−ナショナリズム、エスニシティおよび非西洋社会について』の「日本語版への序文」「序文」第1章「1850年代における植民地との出会い−インド、インドネシアおよび中国に対するヨーロッパの衝撃」を小野さんの報告で行いました。マルクスは1849年ロンドン移住を契機に、近代西洋資本主義社会を理論化する際、非西洋・前資本主義社会を副次的でなく研究した。1848年の共産党宣言では資本主義的世界市場があらゆる民族を文明に引き込むと、暗黙のうちに単線的発展モデルに固執したが、1853年以降、非西洋社会・インド、インドネシア、中国の研究を行ない、特にニューヨーク・トリビューンへの寄稿、1879−82年ノートで、資本主義の進歩性に関する見方が変化し、資本の本源的蓄積の描写はすべての社会にあてはまる一般モデルではなく、イギリスと資本主義的産業化の道をすでに歩んでいた国々に限定されたものであった、という。インド研究では産業階級の支配力がイギリスの直接的なインド支配を推進し、インド人民の貧困化がイギリス工業製品と関連している。インドネシア研究ではバリ島を取り上げ、女性は男性と完全に平等で村落共同体はより自由な側面があったが、オランダにより共同体的所有が掘り崩された。中国論では欧州の安価な工業製品輸入で古い中国社会秩序が危機となり、太平天国の乱の平等思想を指摘するが、なんら新しい建設の萌芽をもたず破滅した。1857年のセポイの乱に対して「同盟者」として反植民地主義的な立場に移行したとしている。1927年テーゼも指摘。
討論では、従来マルクスの非西洋研究に注意を払わず、マルクスの研究ノートにより新たな見解が出てきた。恩師ドゥナエスカヤは有名でないが。暗黙の単線モデルというが「宣言」は労働者同盟向けに書かれたもの。不破氏の資本主義の文明化作用についてはどうか、商品経済の発展、個性・平等・権利。ロシア・中国は革命したが、後進国革命論は。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、大村さん、斎藤さん、吉成さん、高田の8名でした。

*昨年は夏8月中もゼミを行いましたが、都合により参加者の賛同を得て、今年は休ゼミとします。7月後半ゼミ後は9月13日から再開です。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
6月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻8章 異なる生産部門利潤率 報告大村さん

7月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第2章ロシアとポ・・ 報告高橋さん

7月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻9章 一般的利潤率・生産価格 報告者未定

9月13日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第3章人種、階級・・ 報告者未定

その後 9/27, 10/11, 10/25, 11/8, 11/22, 12/13, 12/27 (働き方AN)

[一番上に]


2017年6月9日号

カゴイケからカケへ、森友からお友達へ、小学校から大学へ、財務省から文科省へ、妻から夫へ、忖度から特区へ、海の向こうの大統領に劣らず醜聞ニュース

[第747回ゼミ報告]
5月24日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻6章「価格変動の影響」第3節「一般的例証―1861−1865年の綿花恐慌」、第7章「補遺」を高橋さんの報告で行いました。6章3節では、まず、1845年からの前史では、45年の最盛期、46年の製品供給過剰、47年の貨幣恐慌、48年後半に回復し、49〜53年には好況・繁栄であったが、54年クリミア戦争で原料供給不足が続いた、というように不況が交互に続いた。60年には絶頂期に入るが、61年にはアメリカ南北戦争と綿花飢饉が起こり、操短・賃下げで織物工ストが起き、さらに62年は失業者が激増し、63年にはインド綿を使用したため生産性が落ちた。綿花が高い時には多量の糊をつけて綿布の重量を増やすが、労働者の作業は難渋し出来高賃金を減少させる。南北戦争中はインドからの綿花輸入が増大したが、インド綿は繊維が短く汚いので、綿屑を混ぜるが、紡績工の労働が困難となる。結局、工場主は綿花と綿屑の割合を変えて試みていて、それは無価値体実験である。7章では、利潤の源泉について、フルジョアは利潤とは不払剰余労働とは考えず、その大小は資本家・支配人の事業手腕によって左右されると認識する。
討論では、1巻13章「機械と大工業」第7節にここと同様の綿工業の活況から不況への変動と無価値体実験の記述が出てくる。ここの例証には工場監督官が出てくるが、経済的にも人道的にも内容が詳細であり、個々に聡明な意見を述べて、非常に記述が優れている。日本の現在では労働基準監督官ということになる。綿布が麻を駆逐していき、兵隊の制服は綿花が作られた。1860年代のインドにおける鉄道網の完成が、イギリス綿工場の発展に関係していて、インドの鉄道はイギリスの鉄道よりも早く敷設され、1858年にイギリスの直轄地となったことも関係している。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、服部さん、大村さん、斎藤さん、吉成さん、高田の9名でした。

*次回ゼミからアンダーソン『周縁のマルクス』が始まります。6月14日のゼミは、第1章「1850年代における植民地との出会い」から始めますが、その前のある「序文」を予め読んでおいてください。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
6月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第1章1850年代 報告小野さん

6月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻8章 異なる生産部門利潤率 報告大村さん

7月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第2章ロシアと・・ 報告者未定

7月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻9章 一般的利潤率・生産価格 報告者未定

その後 9/13, 9/27, 10/11, 10/25, 11/8, 11/22, 12/13, 12/27 (働き方AN予定)

[一番上に]


2017年5月19日号

スキャンダルがどうなるのか、トランプはババ抜きで終わるのか、それとも総入れ替えか、はたまた次の席を狙う副大統領の陰謀まで出てきて騒がしい。

[第746回ゼミ報告]
5月10日のゼミは、新テキスト未決定のため、個人報告:高田好章「派遣労働者の過重労働・労働時間についての一考察」(過労死防止学会第3回大会分科会の事前報告)と小野満「天皇陛下萬歳からスターリン萬歳へ−激動の時代に生きた若き魂の遍歴―」の2本報告を行いまました。
まず、高田報告は、5月20・21日に行われる「過労死防止学会第3回大会」の分科会報告を、このゼミで事前報告したものです。長時間労働・過重労働および過労死の問題を派遣労働者に限定して、その働き方にどのような問題があるのかを考察した。2016年の過労死白書では派遣労働者の過労死は少ないものの、新聞記事に幾つかの派遣労働者の過労死事件が報じられている。特に問題なのは、36協定であり、派遣元企業が労働者代表と協定を結ぶ必要があるか、本当に実行性があるのか疑問、労働現場の安全性の問題、深夜労働や派遣としての精神的・肉体的な疲れの特徴、短時間就業・細切れ雇用・低賃金が長時間労働を引き起こしている。真っ当な雇用でない派遣に雇用責任がないがしろにされる危険を指摘した。
小野報告は、自らの少年時代から青年時代に至る戦中・戦後の自らの生き方をまとめられた自伝を巡って、当時の生活・学校教育状況・政治的雰囲気などを、皆さんと語り合いました。特に、憲法をめぐる問題を取り上げられ、施行後すぐに憲法の条項が蹂躙され続けたが、それを日本国民が一歩一歩その蹂躙から守り基本的人権をはじめ憲法の条文を実態化してきた。ゼミの皆さんからは戦後の食糧不足や進駐軍たる米兵への戦時中の思いがよみがえったこと、さらに戦時中のグラマン機の機銃掃射、高射砲は落ちてくる派遣が怖い、教育勅語の真髄は家父長制の下にある言葉である、など話がとても弾みました。
出席は、小野さん、川口さん、高橋さん、大村さん、高田の5名でした。

*5月24日のゼミは、資本論3巻6章3節・2節と第7章を行います。
*次々回からのテキストは、以下の本に決まりました。
・アンダーソン『周縁のマルクス』社会評論社 4,200
6月14日のゼミは、第1章「1850年代における植民地との出会い」から始めますが、その前のある「序文」を予め読んでおいてください。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
5月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻6章価格変動・3節、7章補遺 報告高橋さん

6月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第1章1850年代 報告小野さん

6月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻8章 異なる生産部門利潤率 報告者未定

7月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
アンダーソン『周縁のマルクス』第2章ロシアと・・ 報告者未定

その後 7/26 (働き方AN)

[一番上に]


2017年5月5日号

誰を守るというのか、空母型「自衛」艦が米艦護衛へ、5月3日を前に。その日にICBM発射実験、改憲ビデオが放映されるという今、この時。

[第745回ゼミ報告]
4月26日のゼミはマルクス『資本論』第3巻第6章「価格変動の影響」の第1節「原料の価格変動、利潤率にたいするその直接の諸影響」第2節「資本の価値増加および価値減少、資本の遊離および拘束」を高橋さんの報告で行いました。不変資本の節約・原料価格変動は利潤率に影響し、工業国では生産力の増大ともに原料価格・対外貿易が重要となる。資本の増加と減価は不変資本か可変資本かまた両方におこり、不変資本の固定・流動部分に関係がある。原料価格変動・機械の磨滅・社会基礎上の磨滅は、資本の減価に影響し、労働力商品の価値低下・増大による可変資本の遊離・拘束が起こる。生産力の発展・減退で資本の遊離・拘束が起こり、産業循環での影響、再生産過程の攪乱は綿花飢饉のように国外の原料生産地を巻き込む。
討論では、まず江戸は循環型ではなかったとの説の照会。世界市場は後半体系に関わる。小麦は機械の潤滑油。原料問題は現代ではエネルギー問題である。「労働の生産力」とは何か。原料の品質は屑で決まる。1857年恐慌は初めての産業循環として重要。オイルショックは固定資本より原料の価格変動が重要と示した。Lebensmittelの直訳は食料、「生活手段」と訳語にするのは。
出席は、小野さん、川口さん、高橋さん、松村さん、大村さん、服部さん、斎藤さん、初参加の吉成孝夫さん、高田の9名でした。

*次回5月10日ゼミは、新テキスト未決定のため、個人報告:高田好章「派遣労働者の過重労働・労働時間についての一考察」(過労死防止学会第3回大会分科会の事前報告)と小野満「天皇陛下萬歳からスターリン萬歳へ−激動の時代に生きた若き魂の遍歴―」の2本報告を行います。
*前回ゼミで次のテキストは決まらず、候補本以下の通り:
・アンダーソン『周縁のマルクス』社会評論社 4,200
・萩原伸次郎『新自由主義と金融覇権』大月書店 2,900
・ライシュ『最後の資本主義』東洋経済 2,200
・鶴田・長島(独占研)『マルクス経済学と現代資本主義』桜井書店5,000
(得票順)の4つに絞られ、次回5月10日ゼミで決定します。
*5月24日のゼミは、資本論3巻6章3節・2節と第7章を行います。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
5月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
個人報告:高田「派遣労働者と過重労働…」、小野「天皇…スターリン」

5月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻6章価格変動・3節、7章補遺 報告高橋さん

6月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定  報告者未定

6月28日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻8章 異なる生産部門利潤率 報告者未定

その後 7/12, 7/26 (働き方AN)

[一番上に]


2017年4月21日号

東芝が適正意見なく決算発表、買収したアメリカ企業の巨額損失、儲け頭の事業を身売りへ。と思ったら、我が郵政が豪州子会社不振で巨額損失と報道有。

[第744回ゼミ報告]
4月12日のゼミはシュトレーク『時間かせぎの資本主義』結語「次に来るものは何か?」を高田の報告で行いました。時間かせぎはなお継続できるのか、その基盤は失われ、ハイエク的段階に突入し、欧州中央銀行は国債を無制限に購入し札束を刷り、事実上の政府と化す。資本主義と民主主義は袂を分かつが、民主主義のためには市場をもう一度社会的管理下に置く必要がある。ユーロ導入は軽率な実験であり、自国通貨切り下げという自己防衛の道具はなくなり、ポピュリズム・ナショナリズムの抵抗の出現可能性があるがその対案としての通貨切り下げができない。ユーロの廃止は1920年代の金本位制廃止に通じ、柔軟な通貨体制でヨーロッパ版ブレトンウッズ体制として一定の変動幅を認めた固定為替制度が望まれる。ユーロという通貨同盟はテクノクラートによる近代化プロジェクトであり、新自由主義的財政再建・合理化政策は正当性の危機にあり、ナショナリズムが重大な危険ではなく、危険なのはハイエク的市場自由主義である。訳者解説では、各国主権・通貨回復は時代錯誤だとのハーバマスの批判がある。
討論では、英のEU離脱をどこまで読み取っていたのか、金本位制とユーロを同質化するのは違和感がある。EUを宗教に見立てユーロ信者と呼ぶ。ここには今一番問題の移民問題が出てこない。東南アジアはどうか、ゆるやかな共同体となるが、それは対中国か、対アメリカか。ラテンアメリカは貧困でまとまっている。仏大統領選挙は。社民党はガタガタ。テクノクラートは汎ヨーロッパ的行動をする。
出席は、小野さん、川口さん、高橋さん、松村さん、斎藤さん、高田の6名でした。

*次回4月12日ゼミで、シュトレーク本を終わりました。次のテキストの推薦本として、八木紀一郎『国境を越える市民社会 地域に根ざす市民社会』、アンダーソン 『周縁のマルクス』、萩原伸次郎『新自由主義と金融覇権』、ライシュ『最後の資本主義』、植村邦彦『ローザの子供たち』が出ました。結論が出ず、次回4月26日ゼミで決まることになりました。
*4月26日のゼミは、資本論3巻6章1節・2節を行い、5月24日の
ゼミで、続いて6章3節と7章を続けて行います。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
4月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻6章 価格変動の影響(前半) 報告高橋さん

5月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定  報告者未定

5月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻6章価格変動(後半)・7章 報告者未定

6月14日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定  報告者未定

その後 6/28, 7/12, 7/26 (働き方AN)

[一番上に]


2017年4月7日号

こちらアジア大陸東端のミサイルはテスト中で海に落下し時々失敗、あちらアジア大陸の西端では巡航ミサイルが空軍基地を攻撃したと、実戦なのだ。

[第743回ゼミ報告]
3月8日のゼミは、シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章「財政再建国家の政策―ヨーロッパの新自由主義」の後半、「補論 地域振興政策について」からこの章の最後までを小野さんの報告で行いました。なぜ地域への資金が経済発展を起動させないのか、イタリア南部・ドイツ東部にみるように経済成長には社会構造的・文化的諸条件がある。それぞれに国民国家でありEUが直接監督することは難しい。ユーロが導入された以上は如何なることでもそれを守らねばならないし、単一市場の完成は新自由主義的転換にかなうことであるが、北の諸国と南の諸国の対立に対して、支払い不能の国家救済は公的会計に押し付けられ、国家がデフォルト宣言しないように支援金を注入し、銀行同盟により南欧諸国の不良債権を処理するように、政治世界を動かす集団は欧州を包括的に統治する。国際的財政再建国家は民主主義的国民国家の市民に対し政治的資源を掘り崩し、グローバルな金融市場と金融外交に席を譲っている。これに対抗する対案が必要である。すなわち金融機関自らが作った債務に対し一般民衆の生活を根こそぎにする金融機関に正当性がないこと、国家には繰り延べ請求・返済の完全停止が可能であること、民主主義国家は何よりもまず市民に対して義務を負っていること、などである。政府には選挙民に十分な声明を行ったか疑問であり、「我々は99%だ」のスローガンの下、市場は人間に合わせるべきで、逆ではない。
討論では、地域格差はアメリカでも見られるが、日本の大企業の6割は東京にあるという事実がある。ユーロ圏の中央銀行はバラバラで、財政政策は欧州中央銀行ではできず、また各国では金利政策が出来ない。国民国家の発展は各国で違い、イタリアとドイツの違いが大きい。欧州のグローバル化は2000年頃から東欧にユーロ圏が拡がったころ。問題は欧州での右翼政党台頭か。
出席は、小野さん、川口さん、高橋さん、斎藤さん、高田の5名でした。

*次回4月12日ゼミで、シュトレーク本を終わる予定です。次のテキストとして取り上げたい推薦本を次回ゼミにお持ちより下さい。
*4月26日のゼミは、資本論3巻6章1節・2節を行い、5月24日の
ゼミで、続いて6章3節と7章を続けて行います。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
4月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』結語 次に・何か 報告高田

4月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻6章 価格変動の影響(前半) 報告高橋さん

5月10日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
テキスト未定  報告者未定

5月24日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻6章価格変動(後半)・7章 報告者未定

その後 6/14, 6/28, 7/12, 7/26 (働き方AN)

[一番上に]


2017年3月3日号

正直爺さんが掘れば、大判小判がザクザク出てくるが、不正直爺さんが掘れば、運動場から廃棄物がザクザクと出てくる、それに加えて怪しいお金も〜

[第742回ゼミ報告]
2月22日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第5章「不変資本の使用における節約」の後半を予定報告者に代わり高田が報告しました。2節「労働者を犠牲としての労働諸条件の節約」では、必要な出費を怠り、炭鉱での有毒・排水・換気・設備不良で毎週15人も殺され、工場では予防策への工場主の反対、屋内労働では空間が節約され縫製業・植字工で長時間労働と不衛生がはびこり、法的保護が説かれる。3節「動力生産、動力伝達、および建物における節約」では、蒸気機関の改良で生産費用を減少させ、伝動機・作業機の改良と集中で労働者を減らす。4節「生産の廃棄物の利用」では、工業・農業からでる廃物、化学産業の副産物・機械製造の屑を利用するが、農業に比べ自然的排泄物では資本主義経済では膨大な浪費がある。廃物再利用・節約で生産の排泄物を最小限になる。5節「諸発明による節約」では、固定資本使用の節約は労働条件が社会化の結果であり、ある理論の生産過程への応用と結合労働者の経験・発見が活かされる。新たな機械の大きな製造費に比べ再生産費は大きく減少し、新たな発見と結合労働の発展で社会的応用から最大の利潤を引き出すのは、最も無価値な卑しむべき貨幣資本である。
討論では、2節以下は1節の理論的論証の具体的事例であり1巻8章・13章と同様に工場監督官報告書から不変資本の事例を取り上る。日本の小規模農業では抜粋ノートがある。江戸をリサイクル都市と世界で有名だが、違うという意見もある。農業の生産性の低さが問題だが、自然変革では農業よりも工業の方が大きく、また大規模農業も考えている。不変資本の節約による労働者への影響は使用価値の問題であって、労働者にとっては価値の問題は知ったことか、となるが、資本家には一番大切な問題である。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、高橋さん、斎藤さん、高田の6名でした。

*3月8日ゼミは、シュトレーク本2章「財政再建国家・・」の後半、
「補論 地域振興政策について」(p194)から行います。
*3月22日は、会場をお借りしている働き方ASU-NETのつどい、
「働き方改革の真偽を問う」(エルおおさか)の為、ゼミは休講としました。
*4月26日のゼミは、資本論3巻6章1節・2節を行い、5月24日の
ゼミで、続いて6章3節と7章を続けて行います。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
3月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章財政再建(続) 報告小野さん

※3月22日は、他の行事により休講とし、4月26日に順延します

4月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』結語 次に・何か 報告者未定

4月26日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻6章 価格変動の影響(前半) 報告高橋さん

その後 5/10, 5/24, 6/14, 6/28, 7/12, 7/26 (働き方AN)

[一番上に]


2017年2月17日号

なおも続くトランプ物語:今度は側近の辞任(尻尾切りとも)・重要閣僚の辞退、威勢のいい政策の取り下げなど。おいおい、その間に毒殺のニュースが・・

[第741回ゼミ報告]
2月8日のゼミは、シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章「財政再建国家の政策―ヨーロッパの新自由主義」の前半(補論まで)を小野さんの報告で行いました。租税国家は課税を原資とするのに対し、債務国家は増大する歳出を国債発行で穴埋めする国家をさす。金融危機と財政危機の下、今や財政債権国家への転換過程にあり、その特徴は脱国家化、新自由主義にある。ハイエクは1939年論文で安定的な国際平和秩序は長期的な国家連合で保障され、そこでは市場への不介入・厳格な自由主義を求めたが、それは今日のEU設立構想とも読める。70年代末から始まった新自由主義的転換と財政再建国家の制度化は社会的公平性に対し市場的公平性が支配するという欧州資本主義のハイエク化である。欧州単一市場は人・物・サービス・資本の移動自由をもたらしたが、その主役は欧州裁判所・欧州委員会であり、封じ込められた民主主義として多国籍組織の金融市場と監督組織での多層的統治体制となった。第二の選挙民である金融市場の要求を優先的に聴き入れる財政再建国家は、国民国家ではなく国際的組織体としての超国家的体制をなし、各国の内政の陪臣化をもたらす。金融市場の要請により財政再建として社会保障費削減・公的セクター雇用減・民営化・規制緩和が押しすすめられ、政治決定への余地が狭まり、政治参加への意欲は衰退する。財政危機に陥った加盟国の借金を豊かな加盟国が肩代わりすることは、欧州・米国の金融機関の損失をカバーすることである。
討論では、本文で「利子生活者」という表現があるがこれでいいのか。グローバルな文化作業とは、映画・メディアのこと。EU行政機関・欧州委員会・銀行委員会は選挙されず、帝国的と。ユーロはドル対抗では。国民主権への批判・赤いウィーンも。
出席は、小野さん、川口さん、高橋さん、大村さん、高田の5名でした。

*2月22日ゼミは、5章の2節以下最後まで同じ報告者で行います。
1月25日ゼミは資本論3巻5章1節を行いました。
*3月8日ゼミは、シュトレーク本2章「財政再建国家・・」の後半、
「補論 地域振興政策について」(p194)から行います。
*3月22日は、会場をお借りしている働き方ASU-NETのつどい、
「働き方改革の真偽を問う」(エルおおさか)の為、ゼミは休講としました。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
2月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻5章 不変資本の節約(後半) 報告大村さん

3月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章財政再建(続) 報告小野さん

※3月22日は、他の行事により休講とし、4月26日に順延します

4月12日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』結語 次に・何か 報告者未定

その後 4/26, 5/10, 5/24, 6/14, 7/12, 7/26 (働き方AN)

[一番上に]


2017年2月3日号

昨年は世界中が動画の中でPPAPを踊りだしたが、さて今年はTPP離脱の

[第740回ゼミ報告]
暴言大統領が発するビックリ玉手箱で、世界の空港に困惑の人達が佇む。
1月25日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第5章「不変資本の使用における節約」の第1節「概説」を大村さんの報告で行いました。5章と次の6章では利潤率の変動の具体的問題として、不変資本使用上の節約と原料価格の変動の問題を扱い、その前提として剰余価値の量・率は与えられている。ここで不変資本の問題点として利潤率引き上げのため労働者の健康と生命を損なう職場環境悪化の問題から、不変資本節約とその事実を述べている。節約の基本タイプに、労働日の延長・大規模生産での共同使用・廃棄物のリサイクル・機械の改良・固定資本摩耗の減少・安価となる生産手段、さらに生産性向上と他部門への波及をあげている。社会的生産力の発展よる不変資本の節約は、生産の大規模化で生産手段が集積され、分散生産体制に比べ不変資本の大きな節約で、利潤率が増大する。これには直接生産過程での労働者たちの結合が必要で、労働者の社会的生産力の増大が資本に内在した力として現れるが、この社会的労働の一般的連関は労働者達とは全く無縁なものである。一方では利潤欲が、他方で安価競争が不変資本の節約を資本主義的生産の特有なものとする。この節約の熱狂は非人間的・野蛮的搾取へと突き進み、合理的な範囲を超えて職場環境を悪化させて労働者を犠牲にするまで節約する。資本主義的生産様式は人間材料については浪費的であるように、また物的諸手段で商業と競争で浪費的である。
討論では、ここでは1巻8章労働日と同じように工場監督官報告書から具体的な報告から、労働日延長の問題を取り上げている。1巻8章と関連して固定資本の増加による利潤追求が労働日を延長させること、固定資本の経常的空費を問題としている。廃棄物に焦点を当てているのは現代的な問題だ。資本主義的生産との対比でロッチデイルの消費組合を取りあげている。
出席は、小野さん、高島さん、川口さん、服部さん、大村さん、斎藤さん、高田の7名でした。

*2月8日ゼミは、のシュトレーク本2章「財政再建国家・・」の前半、
「補論」の前までで、続きは3月8日ゼミに行います。
*1月25日ゼミは資本論3巻5章1節を行いました。2月22日ゼミは
5章の2節以下最後まで同じ報告者で行います
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
2月 8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章 財政再建(前半) 小野さん

2月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 5章 不変資本の節約(後半)  報告大村さん

3月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章財政再建(続) 報告者未定

3月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 6章 価格変動の影響(前半)  報告者未定

その後 4/12, 4/26, 5/10, 5/24, 6/14, 7/12, 7/26 (働き方AN)

[一番上に]


2017年1月20日号

いよいよ米次期政権が始動する。白人工場労働者の支持に雇用を守るというが、選ばれた閣僚に金融マン・経営者がずらりと並び、政策の行方が透けて見える。

[第739回ゼミ報告]
1月11日のゼミは、シュトレーク『時間かせぎの資本主義』の第2章「新自由主義的改革―租税国家から債務国家へ」を高田の報告で行いました。財政危機は民主主義の機能不全から生じ、国家債務の増加は新自由主義に結びついている。社会的公平性より市場的公平性を押し通し、不平等を無視した市場の決定を自然状態とする。公的債務の増加は必要な財政手段を十分に徴収できていないという歳入の過小にある。1970年代に国家歳入が歳出増加に追い付かず、90年代の経済の国際化で税率引き下げ競争となった。租税国家危機に対して、国債発行で穴埋めする債務国家への転換と、国家機能を民営化・市場化へという新自由主義的転換という2つの発展があった。債務国家への転換は国家が自らの信用度に依存してしまう。債務国家では債権者が「第2の選挙民」となり、請求権・利子率・利払いが投票の選択肢となり、国境を超えて統合し、金融市場によって国家主権は縮小される。国家間の金融外交には民主主義的コントロールが及ばす、財政監視・財政規制が国際的ガヴァナンスに委ねられる。財政危機と債務政策の国際化は各国家が集団のなかで連帯責任を担い、各国内部は無視され、金融セクター保護は債権者を救う。国家主権が正当性を失い超国家的指令組織に有利となる主権放棄が進む。
討論では、なぜ高額所得者に累進課税を課すのかの論理がここで示されている。EUあるいは国際的な金融支援が結局債権者への利益なり、非民主主義的資本主義・超国家的資本主義が進行するとの指摘は重い。資本にとっては国家が国債を出し続けることが安全な投資先を作り出している。国債の中央銀行買い入れは債務がないことになる。EU統合賛成・反対両方に新自由主義派と社会民主主義派の論者がいる。EUは結局キリスト教世界ということか。政治離れの指摘は重い。富裕層から税金を取り逃したが、累進課税ではなく、トービン税のような、金融取引自体に税金をかけることが必要。
出席は、小野さん、川口さん、高橋さん、松村さん、高田の5名でした。

*1月25日と2月22日と2回に分けて資本論3巻15章を行います。
前半の報告範囲については報告者に委ねています。
*2月8日ゼミは、のシュトレーク本2章「財政再建国家・・」の前半、
「補論」の前までで、続きは3月8日ゼミに行います。
*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
1月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 5章 不変資本の節約(前半) 報告大村さん

2月 8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章 財政再建(前半) 小野さん

2月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 5章 不変資本の節約(後半)   報告者未定

3月8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章財政再建(続) 報告者未定

その後 3/22, 4/12, 4/26, 5/10, 5/24, 6/14, 7/12, 7/26 (働き方AN)

[一番上に]


2017年1月6日号

あけましておめでとうございます。働く人々に良い年になりますように・・

[第738回ゼミ報告]
12月28日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第3章「利潤率の剰余価値率にたいする関係」の後半(m'が可変な場合から)と第4章「利潤率に対する回転の影響」を高橋さんの報告で行いました。第3章後半では、剰余価値率・可変資本・総資本それぞれが変動する・しない場合について考察される。同じ構成を持つ資本の利潤率の比は剰余価値率の比に等しいが、資本構成が同じでも剰余価値率が異なるのは、労賃・労働時間・労働強度の違いであり、労働量の大きさの差異で価値生産物は異なる。利潤率は剰余価値率と資本の価値構成という主要要因により規定されている。マルクスの草稿では第4章のタイトルのみでエンゲルスが2巻2篇を参考に執筆し、回転が剰余価値・利潤の生産に及ぼす影響を要約している。全資本が同時に使用されず一部は遊休し、その分剰余価値が減少するため、回転期間・生産期間と流通期間の短縮による剰余価値の増大が試みられ、利潤と利潤率が増大する。生産期間短縮の手段は労働生産性の高度化・産業革命であり、産業の進歩は製造工程短縮を可能にする。流通期間の短縮は交通手段の改良、鉄道・海運・電信の発展であり、スエズ運河の開通をインドとの流通機関の大幅な短縮という観点からみるだけでなく、大英帝国の帝国主義的覇権主義の国策であったとみた。総資本の回転が利潤率に影響を及ぼすのは可変資本の回転を介してである。ここで様々な資本比と回転を設定して考察し、1年間に取得される剰余価値の量は可変資本の1回転期間に取得される剰余価値の量に可変資本の年間回転数を掛けたものに等しい、という。資本家にとっては可変資本がどれだけかはわからず、固定資本と流動資本の区別だけであり、社会的総資本の不変部門と可変部門の割合についての総計はほとんどない。
討論では、3章後半は労働の強度・長さを問題としなかったリカード批判。利潤率は現象形態・剰余価値率は本質で、現象の変化は本質の変化と一致しないし、量の変換でも違いがある。4章の交通の改善のところで流通時間の短縮が草稿後の1869年のスエズ運河完成を例として恐慌の回避要因としてあげられている。資本家は可変資本の大きさを知らないとは、全体の賃金支払いはわかるが1回転期間の労務費が分からないということで、今は会計が進歩し、社会統計も明らかになっている。
出席は、小野さん、川口さん、高橋さん、松村さん、服部さん、大村さん、高田の7名でした。

*会場はいつもの南森町・働き方ASU-NET事務所です。

****** ゼミ日程 *******
1月11日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第2章 新自由主義 報告:高田

1月25日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 5章 不変資本の節約(前半) 報告大村さん

2月 8日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
シュトレーク『時間かせぎの資本主義』第3章 財政再建国家 報告者未定

2月22日(水)午後6時半〜9時 南森町・働き方ASU-NET事務所
マルクス『資本論』第3巻 5章 不変資本の節約(後半)   報告者未定

その後 3/8, 3/22, 4/12, 4/26, 5/10, 5/24, 6/14 (働き方AN)

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