2024年10月4日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年9月20日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年9月6日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年7月19日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年7月5日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年6月21日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年6月7日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年5月17日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年5月3日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年4月19日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年4月5日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年3月22日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年3月8日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年2月23日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年2月9日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年1月19日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年1月5日号 ※大阪第三学科たより PDF版へ
2024年10月4日号
正月の地震、復興への道半ば9月下旬に、記録的豪雨で河川の氾濫と土砂崩れ、多くの人々が犠牲に、能登半島。日本周辺海域の温暖化によると・・
[第887回ゼミ報告]
9月25日のゼミは、佐々木隆治『資本論第3巻』の第2章「利潤率の平均利潤への転化」の第3節「一般的利潤率の均等化のための競争。市場価格と市場価値。超過利潤」、第4節「資本家の補償理由」、第5節「労賃の一般的引上げあるいは引き下げ(下落)がさまざまな商品の生産価格に及ぼす影響」を前回に引き続き、小野さんの報告で行いました。困難な問題は、利潤率の均等化・一般的利潤率の形成がどう行われるか。交換比率の有利・不利の判断基準は抽象的人間労働。価値法則の根幹は商品形態での労働配分メカニズム。需要・供給一致:社会的総労働均等配分の物象化の現象:「マルクス均衡」。需給一致せず運動の平均・矛盾の不断の運動で一致。市場価値の価値からの乖離は独自の需給構造に価値の修正。マルクス均衡の観点:市場価値の時点で価値からの乖離が発生。需要弾力性は市場価値に影響を与ず。需給の弾力性で市場価値が価値で制約される。市場価値には最良条件での超過利潤を含む。価値と生産価格は本質と現象であり歴史的関係でないが、マルクスは前近代的状態での価値通りの交換、同一生産部門での競争のみ価値法則が貫徹との矛盾の記述。「統計一致命題」は近似的命題で有効だが、金科玉条は害悪、マルクス均衡で近似的な解釈で価値法則として有益。競争での支配する価値規定。労賃の引き上げと利潤の引下げ、価値・価格は変動せず。
討論では、理論と現実が一致しない、利潤率では部門毎に生産価格と価値。価値・市場価値から市場生産価格・市場価格へ。均等価格と「マルクス均衡」概念、矛盾しないのか、佐々木は宇野派に近づくのか。「物象化」と「形象化」:大谷説。市場生産価格における部門間競争は。総計一致:現実はそうなっていない、理論として。生産価格での本質と現象。
会場参加は川口さん・高田、オンライン参加は小野さん・斎藤さん・竹内さん・後藤さん・田中(與)さん・井貝さんの合計8名の参加でした。
****** ゼミ日程 ******
10月9日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』5章 ユートピア社会主義再来 報告:竹内さん
10月23日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木『資本論第3巻』第3章 一般的利潤率傾向的低下 報告:高田
11月13日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』6章 Marxと脱成長コミュニズム 報告者未定
その後 11/27, 12/11, 12/25 [アイクルの部屋]
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[一番上に]
2024年9月20日号
久しぶりの広島、広島駅前や総合体育館への交差点は広い地下道、まるでシェルターのよう。平和公園へ、原爆ドームはなぜか「キレイ」すぎる・・
[第886回ゼミ報告]
9月11日のゼミは、斎藤幸平『マルクス解体』第2部第4章「一元論と自然の非同一性」の第5節「資本の弾力性と環境危機」第6節「良い人新世?」を後藤さんの報告でおこないました。ムーア・オコナ―:第1の矛盾:過剰生産恐慌と資本主義システムの不安定化・第2の矛盾:自然の最小生産→供給の危機悪化・労働者解雇・賃金停滞・革命へ。資本は素材的世界の様々な弾力的特性を徹底利用、科学技術を用い、新原材料とエネルギーで生産量・生産性を上昇、自然の弾力性を利用し外部を生み出し、負の社会的費用を中核部から周縁部へと時間的・空間的に転嫁する。一定の自然の限界超え→自然力の質低下・生産物量減少へ。資本蓄積制約から資本の自然へのさらなる技術的介入加速。ムーアの予測はエンゲルスの自然の「復讐」・終末論。資本の驚くべき弾力性を考慮すると、資本主義と地球のどちらが先に崩壊するのか。ある種の人間中心主義が不可欠・環境危機存在を否定。方法論的二元論こそ、人新世における自然の批判理論に不可欠。なお、報告者からはこれまでの章や論点についての感想が数ページに認めている。一元論、二元論、多元論、泉鏡花の夜叉が池。アニミズム的一元論と非デカルト的二元論。
討論では、6つの論点が示された。1)オコンナーからムーアへ、その予測は終末論的である、2)資本主義が生きた矛盾を通して発展する、3)ムーアは私的労働・賃労働を乗り越える未来展望ができない、4)一元論が二元論に比べてエコロジカルな世界観を提供できない、5)自然は人間の道具主義的な目的に抵抗する、6)方法論的二元論ことが人新世での自然批判理論に不可欠である。存在論的一元論に対する方法論での二元論。自然は価値を生まない・石油そのものに価値はない。自然の価値、社会的労働で価値。
会場参加は小野さん・川口さん・松村さん・山口さん・高田、オンライン参加は竹内さん・後藤さん・田中(與)さんの合計8名の参加でした。
*9月7・8日に基礎研研究大会が広島で行われた。一日目の特別メッセージでは元広島市長・平岡敬さんが講演、「広島がヒロシマでなくなる」という言葉がとても印象的な言葉として会場に響き渡った。
****** ゼミ日程 ******
9月25日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木『資本論第3巻』第2章3〜5節「平均利潤転化」報告:小野さん
10月9日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』5章 ユートピア社会主義再来 報告:竹内さん
10月23日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木『資本論第3巻』第3章 一般的利潤率傾向的低下 報告者未定
その後 11/13, 11/27, 12/11, 12/25 [アイクルの部屋]
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[一番上に]
2024年9月6日号
大阪の8月最高気温:1950/32.2、1960/33.1、1970/32.6、1980/30.6、1990/34.7、2000/35.1、2010/35.2、2020/35.7、2024/35.4 年々上昇!!
[第885回ゼミ報告]
7月24日のゼミは、佐々木隆治『資本論第3巻』の第2章「利潤の平均利潤への転嫁」の第1節「異なる生産部門における資本の構成の相違とその結果生じる利潤率の相違」、第2節「一般利潤率(平均利潤)の形成と商品価値の生産価格への転化」を小野さんの報告でおこないました。平均利潤に関し、剰余価値の現象形態として理解し、利潤概念と競争による利潤の平均利潤への転化が発生。資本の有機的構成の相違と資本の回転の相違による利潤率の相違。産業部門では、価値論が現実の運動と矛盾し、現象の奥にあるメカニズムを解明する。平均利潤の形成で商品価値が商品価格へ転化、可変資本の回転が密接に関係している。商品の総価格は総価値に等しく、競争によって様々な利潤率が一つの一般的利潤率へと均衡化・形成される。一般的利潤率での変化は、現実には剰余価値部分、費用価格部分も変化する。現実には様々な利潤率の平均である一つの一般的利潤率へと均衡化される。商品の中には、労働者では消費されず、大部分が資本家により消費される奢侈品が多く含まれている。この奢侈品の生産部門での有機的構成とそれ以外の商品の有機的構成が異なる。資本家の眼前にあるのは商品生産の総労働ではなく、生きた生産手段か死んだ生産手段という形態で支払った総労働の部分である。費用価格に付け加えた利潤は、生産部面での固有な価値形成でなく、全く外的に確定されたものである。
討論では、Cの費用価格と生産価格の問題点、Cを他の資本家から買った場合、費用価格と生産価格が異なるのではないか。単一の資本家として想定していることについて、一般的利潤率と平均利潤率との関係。総計一致の関する問題、競争では一致する。マルクス均衡の問題が佐々木の目的。森嶋道夫によるヨーロッパでの議論も重要。スーパーマーケットは○○%の値引きに対し、コンビニでは価格維持だ。フードバンクに品物が集まらない。
会場参加は小野さん・川口さん・山口さん・高田、オンライン参加は竹内さん・後藤さん・田中(與)さん・井貝さんの合計8名の参加でした。
*9月11日ゼミは、斎藤本4章4〜6節を引き続き後藤さんの報告
****** ゼミ日程 ******
9月11日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』4章5〜6節 一元論・同一性 報告:後藤さん
9月25日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木『資本論第3巻』第2章3〜5節「平均利潤転化」報告:小野さん
10月9日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』5章 ユートピア社会主義の再来 報告者未定
その後 10/23, 11/13, 11/27, 12/11,, 12/25 [アイクルの部屋]
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[一番上に]
2024年7月19日号
脱法的アイデアが優勝!内閣府が全職員から賃上げ実現政策コンペ。なんと、残業は個人事業主でと提言。労働弁護団・新聞各紙から批判が殺到・・
[第884回ゼミ報告]
7月10日のゼミは、斎藤幸平『マルクス解体』第2部「人新世の生産力批判」の第4章「一元論と自然の非同一性」の第1節〜第4節までを後藤さんの報告で行いました。物質代謝の亀裂への批判:生産力主義だけでなく二元論に陥っている。マルクスの「経済学批判」非デカルト主義的二元論。ムーア:人間中心主義を徹底して退ける。現代の環境危機の原因:火の使用に見出す。人新世概念支持者:技術発展と自然支配・資本の論理。自然の認識的側面と存在論的側面の区別:人間から独立した外的自然は存在せず。素材の形態を変えるだけ、自然を労働で構築は否定・唯物論の基本。客観的な自然の限界認識:地球上に無限の空間は存在しない。エンゲルスの自然の復讐批判:自然の限界の物神化。物質代謝の亀裂:資本主義と環境危機の関係を分析できず。マルクスのエコロジー:資本主義下の人間と自然の関係:人新世での矛盾の概念化の適切な方法論争。ウォーラースティン:不均等発展論は自然を見落とす。資本:自然資源収奪だけなく、ジェンダー格差・暴力的植民地支配・自然と人間への技術的支配。自然と人間のネットワークで利潤生産。マルクス:社会的物質代謝と自然的物質代謝を区別対比、資本主義下での両者の乖離・切断形成への警鐘。
討論では、人間は何ができるのか、主体は何か。ムーアのマルクス理解は間違いではないか。論理的一元論と方法的二元論、唯物論では形態と素材。プロメテウス主義・マルサス主義:マルクスへの批判:生産力発展・生産力中心主義。アクタン:行動するもの:エージェンシー。ヨーロッパの赤と緑の対立:日本との違い。
会場参加は川口さん・山口さん・高田、オンライン参加は小野さん・竹内さん・後藤さん・田中(與)さんの合計7名の参加でした。
*9月11日ゼミは、斎藤本4章4〜6節を引き続き後藤さんの報告
*上記、内閣府の脱法的政策コンペ問題の詳細は、下記を参照:
日本労働弁護団 https://roudou-bengodan.org/topics/13276/
朝日新聞: 7/19社説・7/20記事、毎日新聞:7/20記事
****** ゼミ日程 ******
7月24日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木『資本論第3巻』第2章1-2節 平均利潤への転化 報告:小野さん
9月11日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』4章5〜6節 一元論・同一性 報告:後藤さん
9月25日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木『資本論第3巻』第2章3〜5節「平均利潤転化」報告:小野さん
その後 10/9, 10/23, 11/13, 11/27, 12/11 [アイクルの部屋]
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[一番上に]
2024年7月5日号
遅い梅雨入りは、突然の豪雨で始まり、それが短期間に終わったと思ったら、なんと40度に迫る猛暑へ日本列島は突入、そこに熱中症のニュース
[第883回ゼミ報告]
6月25日のゼミは、佐々木隆治『資本論第3巻』の「はじめに」「人と作品」と「第1章 剰余価値の利潤への転化、および剰余価値率の利潤率への転化」を6月12日ゼミに続き竹内さんの報告で行いました。最初に、本書では「形象化」とマルクス独自の「均衡」概念、現象形態の発生、物象化の深化として形象化と説く。剰余価値から利潤へは現象的メカニズムで利潤という形態を受け取る。さらに費用価格は現象形態として現実的基礎である。剰余価値は資本から生じるものとして現象する。労働は雇用契約で強制され、効率的労働として、生産力発展を強化する。剰余価値は販売で発生するという幻想、現象形態とそこから生じる幻想「物神崇拝」が区別される。利潤率の分母は費用価格でなく前貸総資本となる。不変資本の節約は利潤率を高め、労働日の延長、不変資本の節約は資本の固有の力として現象する。不変資本の節約と労働の社会化、共同的労働:直接・間接の協業、最大限の利潤をひきだすのは貨幣資本家たち。第3部で競争をどこまで前提にするか、理論的混乱。機械設備の償却を早めるため、労働時間延長・昼夜交代制・加速度協約へ。流通過程からは最も重要な生産要素は原料。流通時間と利潤率
討論では、現行版と草稿の違いが明確に分かる。佐々木はとても分かり易い文章にしている。第3巻5章「利子生み資本」が重要、エンゲルスによる文章が色々と入り、あまりの困難を感じる。3章の「低下の法則」ではエンゲルスは「低下」のみだが、反対の側面がマルクスによって書かれている。この第3部(第3巻)をエンゲルスは「総過程」としたが、マルクスはそこを「形象化」としている。第1部と第2部で資本主義の本質を解明し、第3部で資本が現象として表に出てくる姿を書いている。
会場参加は小野さん・川口さん・山口さん・高田、オンライン参加は竹内さん・後藤さん・田中(與)さんの合計7名の参加でした。
*6月26日ゼミから、佐々木隆治『資本論第3巻』が始まりました。
*9月7・8日の2日間、研究大会が初めて平和都市・広島で開催されます。世界は今だに戦争が続き、核兵器の脅威が80年以上続く現在に。
****** ゼミ日程 ******
7月10日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』第4章 一元論と自然の非同一性 報告:後藤さん
7月24日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木『資本論第3巻』第2章1-2節 平均利潤への転化 報告:小野さん
9月11日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』第5章 ユートピア社会主義 報告者未定
その後 9/25, 10/9, 10/23, 11/13, 11/27, 12/11 [アイクルの部屋]
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[一番上に]
2024年6月21日号
双子のサクランボで収穫が減、それが可愛いと人気。梅の実も今年は少なかったとか。さて都知事選、50人以上立候補、こちらは多すぎるぞ…
[第882回ゼミ報告]
6月12日のゼミは、斎藤幸平『マルクス解体』第1部「マルクスの環境思想とその忘却」の第3章「ルカーチの物質代謝論と人新世の一元論批判」を竹内さんの報告で行いました。環境問題への対処:何らかの二元論・単純な一元論批判が必要。方法的二元論:自然と人間・相互に影響関係:意志で変革可能。なぜルカーチか:西欧マルクス主義の出発点の代表的人物。マルクスの物質代謝の亀裂論:方法的二元論で環境危機分析の土台。『歴史と階級意識』:ソ連正統派マルクス主義への異議と誤解。弁証法を社会に限定:エンゲルスの自然への拡張避難。マルクス:自然と人間:連続性に関する一元論:物質代謝=自然と社会のもつれ合い。1996年草稿発見『追従主義と弁証法』:存在論的二元論を回避し物質代謝概念の不可欠を主張。社会は自然から発生:自然弁証法をそのまま社会分析に適用できず。社会は自然法則だけでない:方法的二元論採用。資本主義:人と人の関係が物象化:第二の自然。環境危機批判としてのルカーチ恐慌論:社会的形態の物質的担い手:貨幣=金。脱神秘化:商品・貨幣・資本が資本の価値化論理で世界を変容:形態と素材の絡み合い。資本の価値増殖:生産と社会領域の合理化:主客逆転:物象化。斎藤:存在論的一元論と方法的二元論の両立:人間と自然の物質代謝:両者の根本的な一体化=唯物論:過程・外観:社会歴史的媒介。
討論では、自然と人間:自然の有用性を人間が引き出す:石油化学の有用性を引き出す。時計:ゼンマイは鉄製、今では電子。進歩なき変化:宝石は何の役に立つのか、ダイヤモンド:美しいから、「絵」の値段、本の有用性。信号機の赤色の有用性。美的感覚:人間の本質を貫く。資本主義:物的生産で自然観が代わる。一元論・二元論、同一性と非同一性。エンゲルス:弁証法の自然への拡張:社会に限定。進化論:適者生存の幅:知の形成。
会場参加は小野さん・川口さん・山口さん・高田、オンライン参加は斎藤さん・竹内さん・後藤さん・田中(與)さん・井貝さん、合計9名の参加でした。
*いよいよ6月26日ゼミから、佐々木隆治『資本論第3巻』角川選書が始まります。思っていたよりも分厚い本、760頁に!
****** ゼミ日程 ******
6月26日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木『資本論第3巻』第1章 利潤・利潤率への転化 報告:竹内さん
7月10日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』第4章 一元論と自然の非同一性 報告:後藤さん
7月24日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木『資本論第3巻』第2章 利潤の平均利潤への転化 報告者未定
その後 9/11, 9/25, 10/9, 10/23, 11/13, 11/27, 12/11
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[一番上に]
2024年6月7日号
「ある日森の中、熊さんに出会った」、「お嬢さんお逃げなさい」と熊さんは言わなかった。襲ってきたのだ! 熊と人間の距離、近年のあまりの近さ
[第881回ゼミ報告]
5月22日のゼミは、レーニン『帝国主義論』の「10.帝国主義の歴史的地位」と「バーゼルにおける臨時社会主義者大会の宣言」を中村さんの報告で行いました。独占資本主義の歴史的位置は帝国主義、高度の社会経済体制への過渡。生産の集積からカルテル・高率関税、原料資源の奪取へ、大資本の増大へ。銀行は仲介者から独占者へ。産業と銀行資本の人的結合が金融寡頭制へ。独占の植民政策:原料資源と資本輸出。経済的領土拡張の闘争:世界の分割。寄生的・腐朽する資本主義:金利生活者・高利貸し国家。ドイツの金融資本の発展、アメリカの経済発展はドイツ以上。独占的高利潤から労働者の一部を買収へ。世界分割:帝国主義的国民での敵対の激化、日和見主義と帝国主義の結びつき。私経済的関係と私的所有の関係:不可避に腐敗、不可避的除去へ。バーゼル宣言の収録:1914年の戦争と第二インターの不名誉な破産・裏切りの記念碑。バーゼル大会では万国の社会主義政党と労働組合が反戦闘争へ、万国のプロレタリアート:戦争反対・世界平和へ。
討論では、イギリスは自由主義の帝国主義、帝国主義と独占資本主義の関係は重化学工業の発展。国家間の帝国主義戦争:ポルトガルとスペイン。現代では米国の力の弱体化に対し、中国の台頭とロシア支援。アメリカは重化学工業ではなくITCへ、独占資本としてGAFAM、今はAIへ。工業産業:フォード・トヨタの金融化。銀行中心からの変化。競争と協調で独占利潤へ。バーゼル宣言をなぜ帝国主義論の付録につけたのか、カウツキー批判から。労働者階級の状態については書かれていない。当時、反戦戦力は一定数あった。バルカンの当時の状況:トルコの支配へのオーストリア・ドイツ・イギリス・フランス・ロシアの干渉、スラブ系の諸民族の独立。ドイツ・ロシア・オスマンは帝国でなくなる(王様がいなくなる)。
会場参加は小野さん・川口さん・山口さん・高田、オンライン参加は竹内さん・後藤さん・中村(美)さん・田中(與)さん、合計8名の参加でした。
*5月22日で『帝国主義論』が終わり、6月26日ゼミからのテキストは、佐々木隆治『資本論第3巻』角川選書 (2024/01) に決まりました。
****** ゼミ日程 ******
6月12日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』第3章 ルカーチ・一元論批判 報告:竹内さん
6月26日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木『資本論第3巻』第1章 利潤・利潤率への転化 報告:竹内さん
7月10日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』第4章 一元論と自然の非同一性 報告者未定
その後 7/24 [アイクルの部屋] 9/11, 9/25, 10/9, 10/23, 11/13, 11/27, 12/11
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[一番上に]
2024年5月17日号
東芝が4千人を早期退職で募ると、10年で従業員20万人が10万人に、彼等はどこへ? 子供の頃、初めての「電気」炊飯器は Toshiba だった
[第880回ゼミ報告]
5月8日のゼミは、斎藤幸平『マルクス解体』第2章「マルクスとエンゲルスと環境思想」を小野さんの報告で行いました。今や環境分野は資本論の理論的遺産として継承していく主戦場となっている。マルクスはアソシエートした人たちが人間と自然との物質代謝を合理的に制御することを要求したのに対し、エンゲルスは都市と農村の対立を問題にしていて、そこでは物質代謝を使わなかった。このような事から、マルクスは社会的物質代謝と自然的物質代謝の連環を論じるが、エンゲルスは「自然の復讐」以上の理論的枠組みを見出せなかった。資本論の著者であるマルクスと編集者であるエンゲルスとの間には理解のずれが生じていた。第3巻5章に対して、エンゲルはこの章を銀行・信用と考えたが、しかしそのテーマは利子生み資本であった。エンゲルスは自然法則の理解と実践的摘要で人間は自由に自然と関わり、自由の国への飛躍としたが、マルクスは個人の能力の全面発達を論じた。
討論では、日本と異なり、西欧のマルクス主義は公害問題に取り組まず、「緑の党」がそれを担っている。自然の物質代謝に対して、社会的物質代謝が問題となっている。農業でいえば、焼き畑には自然が埋め込まれている。共同体の問題では、例えばメソポタミアでは輪作が行われていた。マルクスとエンゲルスの違い:エンゲルスは自然が支配する物質代謝を人間の工夫で物質代謝が広がるが、マルクスは社会的物質代謝から自然的物質代謝をより良く利用する。ここで自然の復讐・自然の主体性を問題として、マルクスとエンゲルスに共通するのは人間の労働を前提とすることである。
会場参加は小野さん・川口さん・松村さん・山口さん・高田、オンライン参加は斎藤さん、竹内さん・後藤さん・井貝さん・田中與念子さん・初参加の原田佳子さんと吉田満さん、合計12名の参加でした。
*今月の第4週ゼミ、5月22日で『帝国主義論』が終わる予定で、次のテキストを決めます。テキスト候補に、佐々木隆治『資本論第3巻』、隅田聡一郎『国家に抗するマルクス「政治の他律性」について』が上がっています。それ以外に候補本があれば、推薦願います。
****** ゼミ日程 ******
5月22日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』10.帝国主義の歴史的地位 報告中村さん
6月12日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』第3章 ルカーチ・一元論批判 報告竹内さん
6月26日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
テキスト未定 報告者未定
その後 7/10, 7/24 [アイクルの部屋]
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[一番上に]
2024年5月3日号
円安へ急落で1ドル160円に到達。直後の日銀介入で153円まで急騰。1971年まで360円の固定相場から変動相場へ。戦前1ドル1円〜3円だとか…
[第879回ゼミ報告]
4月24日のゼミは、レーニン『帝国主義論』の8「資本主義の寄生性と腐朽」、9「帝国主義批判」を後藤さんの報告で行いました。帝国主義の経済的基盤は独占であり、その停滞と腐敗の傾向は免れない。植民地領有はその寄生性と腐朽により、金利生活者と高利貸国家が形成される。さらに労働運動の内部では、日和見主義から特権的労働者を生み出し、労働運動を腐敗させていく。帝国主義批判とは社会の階級全体のイデオロギーに基づく帝国主義の政策に対する姿勢と捉える。帝国主義が生み出す矛盾は深刻化を助長するが、その矛盾の緩和に後退するのかは、帝国主義批判の根本的問題である。ホブソンは帝国主義は不可避であるという議論に反対し、さらにカウツキーはマルクス主義を放棄しブルジョア改良主義に鞍替えし、資本主義のもとでの恒久平和は可能だとした。レーニンはホブソンの「国際帝国主義論」とカウツキーの「超帝国主義」を批判し、それらの同盟は帝国主義同盟として現れた。報告者は長文のレジュメと資料で現代の問題まで考察・報告した。
討論では、レーニンの時代と今とは帝国主義はどこが違うのか、ヘゲモニーが英国から米国へ、そして米国の衰退が始まっている。金融資本の支配では銀行がその役割をしていたが、フォーディズムで産業資本が金融、さらに投資・保険へと、最近は新しい金融・デジタルICと、独占の形が変わってきた。組立産業である重工業・自動車からGAFAMの情報独占へ。そしてAIでどうなるのか。アメリカ帝国主義は衰退したのか、中国は資本主義国であり政府のみが社会主義・共産主義だ。米国の債務膨張は、寄生性と腐朽の象徴である。米国の強さはデジタル技術・シリコンバレーの存在だ。
会場参加は小野さん・川口さん、山口さん・高田、オンライン参加は斎藤さん、竹内さん・後藤さん・中村さん・初参加の田中與念子さんの9名でした。
*今月の第4週ゼミ、5月22日で『帝国主義論』が終わる予定で、次のテキストを決めす。テキスト候補に、佐々木隆治『資本論第3巻』、隅田聡一郎『国家に抗するマルクス「政治の他律性」について』が上がっています。それ以外に候補本があれば、推薦願います。
****** ゼミ日程 *******
5月8日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』第2章 M/Eの環境思想 報告小野さん
5月22日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』10.帝国主義の歴史的地位 報告中村さん
6月12日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』第3章 ルカーチ・一元論批判 報告者未定
その後 6/26, 7/10, 7/24 [アイクルの部屋]
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2024年4月19日号
春の初め、ゼミ恒例の遠足、今年は最小の3名の参加者。桜が満開となった大川(旧淀川)の堤を、桜ノ宮から淀屋橋まで語り合いながらの散策。
[第878回ゼミ報告]
4月10日のゼミは、斎藤幸平『マルクス解体』の「はじめに」と第1章「物質代謝論と環境破壊」を小野さんの報告で行いました。人類は制御できない科学技術を発展させ人類史を終わりに迎えようとしている。マルクス主義の再生には史的唯物論という生産力・生産関係の矛盾の歴史観に依拠するマルクス像を解体することだ。環境の領域こそ人新世でのマルクスの知的遺産を再生させる中心領域となり「物質代謝の亀裂」に現代資本主義での環境問題への批判に不可欠の概念となる。マルクスの環境思想が無視されたのは彼の経済学批判が未完であったことによる。ローザ・ルクセンブルクが問題にした資本の限界・物質概念でグローバルな不等価交換を分析し、さらに環境問題に大きく貢献したのは1970年代初頭のメサーロシュである。物質代謝の第1階層が自然的・生態学的過程で根源的な関係性、第2階層が社会的・歴史過程で資本主義の拡張へ。物質代謝の第1の亀裂は自然の循環過程の攪乱、第2の亀裂は空間的・都市と農村の対立、第3の亀裂は時間的亀裂で、物質代謝の転嫁も技術・空間・時間的であり気候危機は可変的でもある。
討論では、この本の原題は、「Marx in Anthropocene: Toward the Idea of Degrowth Communism」、訳せば、「人新世におけるマルクス―脱成長コミュニズムの考察に向けて」となるでしょうか、別の本で「人新世」を使っているので、日本語版では避けた本題となったのか。それでも「マルクス解体」とは、いわゆる生産力主義・史的唯物論・スターリン主義、これの解体ではないか、仏・伊の党はソ連追随、マルクス主義者は自然・環境を論じないと。日本では1960年代から四日市での公害を取り上げ問題にし、環境問題として経済学で早くから論じてきた歴史がある。
会場参加は小野さん・川口さん・高田、オンライン参加は斎藤さん、竹内さん・後藤さん・井貝さんの7名でした。
*第4週ゼミでの『帝国主義論』の次の候補に、佐々木隆治『資本論第3巻』、隅田聡一郎『国家に抗するマルクス「政治の他律性」について』が上がっています。それ以外に候補本があれば、推薦願います。
****** ゼミ日程 *******
4月24日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』8.寄生性・腐朽・ 9.批判・ 報告後藤さん
5月8日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』第2章 M/Eの環境思想 報告小野さん
5月22日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』10.帝国主義の歴史的地位 報告者未定
その後 6/12, 6/26, 7/10, 7/24 [アイクルの部屋]
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2024年4月5日号
自民組の組長は自らお咎め無し、影の組長は来る選挙は息子に譲り、元組長には電話のみ。組員の一部のみを処分。結局ウラキン問題は疑惑のまま
[第877回ゼミ報告]
3月27日のゼミは、『帝国主義論』の6「列強のあいだでの世界の分割」7「資本主義の特殊の段階としての帝国主義」を小野さんの報告で行いました。世界的植民政策は金融資本と密接に結びつき、世界が分割され、資本主義が最高の発展を遂げている。3つの世界の分割:アメリカ・ドイツ・日本、イギリス・フランス、ロシア。最新の資本主義の根本的特徴は最大級の資本家独占体が支配し、原料資源を一手に握り、金融資本の国際政策は国家的従属の過渡的形態を作り出す。資本主義的帝国主義は高度な発展段階で、資本主義的自由競争から資本主義独占にとって代わり、独占が自由競争の直接的対立物となった。同時に自由競争を排除せず矛盾・軋轢・紛争を生み出し、独占は資本主義からより高度な制度への過渡である。帝国主義は独占体と金融資本の支配、国際トラストでの世界分割である。報告者から、帝国主義を超える新たな段階の問題点、アメリカ主導が再び崩れる段階か、と提起。
討論では、現代のアメリカの支配は2010年代に崩れている。ロシアの帝政の弱いところへ革命が進行した。日露戦争での勝った日本を過大評価していて、情報の問題でもある。中東での以前のイギリスの支配に対し、アメリカは経済力での新しいタイプと言える。合衆国として先住民・南部の黒人奴隷など植民地であり帝国主義の特殊性がある。最高と最新:前者はその次はないが後者は段階と表現できる。レーニン時代は銀行資本が産業資本を支配して金融資本となったが、現代は産業資本がICTで金融資本となっている。ICTはウクライナのドローンにみるように戦争で不可欠。ロシアは覇権主義だが、かつて植民地だった中国が今や米中対立構造、勢力圏争いへ。
会場参加は小野さん・川口さん・山口さん・井貝さん・高田、オンライン参加は竹内さん・後藤さん・中村さんの8名でした。
*4月10日からはテキストは、斎藤幸平『マルクス解体―プロメテウスの夢とその先』です
*第4週ゼミでの『帝国主義論』の次の候補に、佐々木隆治『資本論第3巻』、隅田聡一郎『国家に抗するマルクス「政治の他律性」について』が上がっています。それ以外に候補本があれば、推薦願います。
****** ゼミ日程 *******
4月10日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』はじめに 第1章 物質代謝 報告小野さん
4月24日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』8.寄生性・腐朽・ 9.批判・ 報告後藤さん
5月8日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』第2章 M/Eの環境思想 報告者未定
その後 5/22, 6/12, 6/26, 7/10, 7/24 [アイクルの部屋]
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2024年3月22日号
マイナス金利・低金利から「普通の金融政策」へ、ゆっくりと利上げすると。しかし大量の国債残高、「異次元の金融緩和」遺産! 正常化は遠い―
[第876回ゼミ報告]
3月13日のゼミは、柄谷行人『力と交換様式』第4部「社会主義の科学」の2章「社会主義の科学2」、3章「社会主義の科学3」を後藤さんの報告で行いました。エンゲルスはイギリスで産業資本の実態、賃労働・チャーチスト運動からプロレタリアの社会主義運動に注目、またドイツ農民戦争にも、さらに原始キリスト教の研究に。オーウェンの生産協同体は交換様式Aの回復ともいえる。ルカーチはマルクスの物神化を無視し、物象化に言い換えた。しかし、マルクスが強調したのは物神化であり、交換様式Cからの“力”だ。マルクスは『資本論』を交換様式Cまで論じたが途中でやめ、本来の課題を曖昧にした。交換様式A・B・Cは経験的・実在的に見えるが、交換様式Dは観念的・想像的で、宗教的・神学的問題と扱われた。今日の“科学者”は国家・資本・ネーションに“力”あるのに斥ける。BもCも揚棄することはできないのか。それが可能なのは高次元でのAの回復、Dの力によってである。マルクスは神を持ち出さず考えたが、カントは考えていた。今や戦争・恐慌の危機が幾度もあるが、Aの高次元の回復、Dが必ず到来する。
討論では、「ドイツイデオロギー」のフォイエルバッハ論をエンゲルスが書いたというが疑問、マルクスの口述を筆記したのでは。「ユートピアから科学へ」と訳しているが、従来の「空想から科学へ」とは異なる訳でいいのか。「サイエンス」を科学ではなく、宗教的な概念と捉え、「社会主義」に対しては交換からくる「力」で捉えている。ドイツ農民戦争を論じるエンゲルスは自らの時代、1848年の敗北は農民とどう同盟するのかに論点あり。柄谷と大澤真幸の関係は賛同者。さらに、久留間鮫造と宇野弘蔵の価値形態論争、物神崇拝、廣松渉の物象化、宇野理論、井村・北原論まで議論が進んだ。
会場参加は小野さん・川口さん・山口さん・初参加の井貝浩さん・高田、オンライン参加は竹内さん・後藤さんの7名でした。
*次回4月10日からの第2週ゼミのテキストは、斎藤幸平『マルクス解体―プロメテウスの夢とその先』に決まりました。また、第4週ゼミでの『帝国主義論』の次の候補に、佐々木隆治『資本論第3巻』KADOKAWA。
****** ゼミ日程 *******
3月27日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』6.列強・・ 7.特殊な段階・・ 報告小野さん
4月10日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『マルクス解体』はじめに 第1章 物質代謝 報告小野さん
4月24日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』8.寄生性・腐朽・ 9.批判・ 報告者未定
その後 5/8, 5/22, 6/12, 6/26, 7/10, 7/24 [アイクルの部屋]
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2024年3月8日号
大手企業では満額回答・一発回答、10%の回答も、政府も賃上げを言う。が、実質賃金は22カ月マイナス、中小零細企業の賃金は上がるのか
[第875回ゼミ報告]
2月28日のゼミは、レーニン『帝国主義論』の「4.資本の輸出」と「5.資本家団体のあいだでの世界の分割」を竹内さんの報告で行いました。これまでの資本主義の自由競争・商品輸出から、独占体による資本輸出へ。独占体同士の同盟で独占を成立、さらに過剰資本発生から後進国へ、20世紀初頭から資本輸出が飛躍的に発展し、世界を分割していった。これに関しヒルファディングは金融資本・信用組織の動きで資本輸出と保護関税を論じ、ホブソンは帝国主義がイギリスをはじめフランス・ドイツ・合衆国も同じ道を進んだと説く。次にバラン・スウィージーの独占体と新たな海外投資を論じ、さらに北原勇は「資本輸出」ではなく「対外膨張」を論じ、独占体同士の闘争とその形態変化と歴史的意味、資本主義の最新の段階での経済勢力圏から政治同盟・国家間関係まで論じる。さらに現資研(2/15):松尾匡『コロナショックドクトリンと帝国主義への道』を取り上げ、最新の研究に触れた。
討論では、日本でも国内で投資する場がなく海外進出・投資する。否、資本は、国内にも海外にも投資の手を伸ばしている。バブル崩壊前は、銀行に頼り、その力が強かったが、バブル崩壊後は産業資本のほうが強くなった。現在は企業が金融利益を出している。かつては銀行による中小企業主への個人保証や根抵当などの問題があったが・・。20世紀初頭は独占体形成でカルテル・トラストが広がったが、反トラスト・独禁法の時代になり、闇カルテルによる資本競争排除へ向かった。第2次大戦まではレーニンのいう「列強の争い」であったが、その後はアメリカの力が強くなっていった。しかし、中国の台頭でパックスアメリーナが崩れ、さらにヨーロッパ諸国の力も強くなった。ただ、中国は国内の矛盾・格差・貧困が広がり、これはアメリカも同じだ。中国の政治は保守化を強めているのでは、との意見も出た。
会場参加は小野さん、川口さん、山口さん・高田、オンライン参加は斎藤さん・竹内さん・後藤さん・中村さんの8名でした。
*次回3月13日ゼミで、柄谷本を終わります。次のテキスト、推薦・提案をお願いします。できれば、候補本をお持ちより下さい。
****** ゼミ日程 *******
3月13日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
柄谷行人『力と交換様式』第4部2章、3章 報告後藤さん
3月27日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』6.列強・・ 7.特殊な段階・・ 報告小野さん
4月10日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
**テキスト未定**(次回で決定) 報告者未定
その後 4/24, 5/8, 5/22, 6/12, 6/26, 7/10, 7/24 [アイクルの部屋]
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2024年2月23日号
日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新したと、2月23日朝刊の一面に3万9098円の数字、実体経済と隔たりとも。庶民の生活はどうか・・
[第874回ゼミ報告]
2月14日のゼミは、柄谷行人『力と交換様式』第3部3章「資本主義の終わり」・第4部1章「社会主義の科学1」を竹内さんの報告で行いました。第3部3章では、交換様式Cが支配的であり、「資本=ネイション=国家」の三位一体になっている体系を「終わらせよう」としてきた霊的・観念的な「力」を考察する。十月革命の帰結から20世紀の世界資本主義を概観し、資本主義が何故存続するのかを解明し、カギは「交換から生じる観念的な力」であると主張する。晩年のマルクス・エンゲルスの仕事から、資本主義に対抗する力の下で、交換様式Dを提示し、資本主義では人間と自然の「交通」がなく、交換様式Cが人間と自然の関係を歪め、戦争の危機をもたらすと予告する。第4部1章では、資本主義の後に来るであろう、交換様式からの観念的な力を考える。交換様式Aの高次元での回復とDの出現に際し、Dは人間の意志や企画により到来するのでなく、向こうから“共産主義”という幽霊の存在、それの存在を明らかにすることが社会主義の科学と結論づける。すなわち個人的所有Aの高次元の回復は様式Dの出現だと、説く。
討論では、第3部第3章では、柄谷独自の世界を展開している。なぜかここには労働者が出てこないし、労働組合も出てこない。労働の軽視は生産の軽視へとつながって、生産様式・生産方法の進歩によって資本主義を生み出した重要な経緯が置き去りにされている。第4号第1章では、交換を中心に論じてはいるが、まるっきり上から見下ろしていて、製造ラインで働いたことはあるのだろうか、と思ってしまう。階級とは何か、明確にせず、労働者は無産者であり、搾取概念も出てこない。生産がないと交換もできない。
今回は担当者の事情により完全オンラインで開催し、オンライン出席は小野さん・竹内さん・後藤さん・高田の4名でした。
*3月13日ゼミで、柄谷本が終了予定です。次のテキスト案を募集中
*2月14日ゼミは、オンライン配信担当の私・高田が急用で会場に行けず、自宅からオンライン配信となり、会場参加予定の方々には参加不可となり、オンライン参加者のみのゼミとなり、大変ご迷惑をお掛けしました。
****** ゼミ日程 *******
2月28日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』4.資本の輸出 5.世界の分割 報告竹内さん
3月13日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
柄谷行人『力と交換様式』第4部2章、3章 報告後藤さん
3月27日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』6.列強・・ 7.特殊な段階・・ 報告者未定
その後 4/10, 4/24, 5/8, 5/22, 6/12, 6/26, 7/10, 7/24
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2024年2月9日号
志賀原発避難計画は屋内退避から圏外避難:能登地震で建物崩壊・道路寸断。全くの机上の空論。50年間足らずの核ゴミ処理が10万年かかるとも。
[第873回ゼミ報告]
1月24日のゼミは、レーニン『帝国主義論』の「3.金融資本と金融寡頭制」を高田の報告で行いました。ヒルファディングが名付けた金融資本は不完全であり、生産と資本の集積が独占へ進展、銀行と産業の融合・癒着で金融資本が成立、金融寡頭制が支配する。重要なのは持株制度、株式所有の民主化が金融寡頭制の力を増大。ロシアの銀行はドイツ・イギリス・フランスから投資され、会社の創設・有価証券発行・国債等々から巨額の利潤をもたらす。そこでは子会社制度が有利にはたらく。不況期には安値で買収し、交通機関の独占と融合して土地投機を促し、土地売買益に鉄道会社が関与する。フランスのパナマ事件に見るように政治へも関与する。帝国主義・金融資本の支配は、資本主義の最高の段階へ。金利生活者と金融寡頭制による支配。少数の国家での独占体の成長し、英・仏・米・独が全世界の金融資本の80%を占める。新聞には、今年1月21日がレーニン没後100年と報じている。
討論では、ロシア革命前には外国、特にフランスでは産業資本は弱体で民間銀行がロシアに金貸しするが、ドイツでは産業資本家が工業化を行い、鉄道敷設が盛んで、オリエント急行が有名。そのバルカン半島の事件で第一次大戦が勃発。今も独占資本主義・帝国主義段階か、レーニンの帝国主義とは異なっている。当時の列強国から1945年以降はアメリカ帝国主義へ。植民地が無くなり帝国主義が大きく変化した。日本にはアメリカ帝国主義がかぶさっている。当時のカルテルとは異なり、情報化・GAFAMと金融資本との違い、今はグループ独占へ。インターネットのプラットホーム企業の支配力が重要な位置づけ、アマゾンによる独占力は強く、個々人の情報を容易に掴む事ができ、さらに支配力が強まる。ギグワーカーも。労働者はどう戦うのか。
会場参加は川口さん・松村さん・高田、オンライン参加は小野さん・斎藤さん・竹内さん・後藤さん・久しぶりの中村美樹子さんの8名でした。
*2月14日ゼミは、1月10日予定だった、柄谷行人『力と交換様式』第3部3章「資本主義の終わり」および、第4部1章「社会主義の科学1」を竹内さんの報告で行います。なお、当日レジュメは配信済みです。
****** ゼミ日程 *******
2月14日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
柄谷行人『力と交換様式』第3部3章、第4部1章 報告竹内さん
2月28日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』4.資本の輸出 5.世界の分割 報告竹内さん
3月13日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
柄谷行人『力と交換様式』第4部2章、3章 報告者未定
その後 3/27 [アイクルの部屋] 4/10,4/24,5/8,5/22,6/12,6/26,7/10,7/24
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[一番上に]
2024年1月19日号
総理派閥・岸田派の会計責任者が起訴され、派閥解散と宣言し、最大派閥の
安部派も解散へ、幹部5名は処分されず、やっぱり「しっぽ切り」か・・
[第872回ゼミ報告]
1月10日のゼミは、柄谷行人『力と交換様式』第3部「資本主義の科学」の第3章「資本主義の終わり」および第4部「社会主義の科学」の第1章「社会主義の科学T」の予定でしたが、報告者が欠席のため、報告は次回・2月14日に延期し、参加者全員で、柄谷のこの本についての論点・感想等、また柄谷を巡るいろいろな問題点を話し合いました。
当日、参加者から出てきた論点・疑問点等を箇条書きでここに記載します。これらの論点等は「たより」担当者のメモから思い出して記載しましたので、記述が的確でない、あるいは不明確・思い違いもあることをご容赦ください。
・柄谷がなぜ、アメリカで高く評価されるのか、アメリカで講義した経験
イエール大学で客員教授をしていたから・・・
・アメリカだけでなく、トルコでも現代思想として話題に
・交換様式A・互酬:それがメインの時代:地縁と血縁、地の者とよそ者
・歴史の法則を認めるかどうか、進歩史観 等々:
・古代社会:階級闘争がなかった時代・・・
・加藤周一は評論家で(医師でも)あるが、柄谷は評論家ではない・・と
・「物神化」に対して「物象化」、あるいは「物化」
・物神:得も言われぬ、神、人間の理解を超えたもの: 貨幣物神
・物神 → 力 : 現実を動かす : 柄谷
・宗教の起源:アミニズム:生きている:万物の神:岩・生きていない
会場参加は小野さん・川口さん・山口さん・松村さん・高田、オンライン参加は斎藤さん・後藤さんの7名でした。
*上記の通り、2月24日ゼミは、柄谷行人『力と交換様式』第3部3章「資本主義の終わり」および、第4部1章「社会主義の科学1」を竹内さんの報告で行います。なお、当日レジュメは配信済みです。
****** ゼミ日程 *******
1月24日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』3.金融資本と金融寡頭制 報告高田
2月14日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
柄谷行人『力と交換様式』第3部3章、第4部1章 報告竹内さん
2月28日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』4.資本の輸出 5.世界の分割 報告者未定
その後 2024/3/13, 3/27 [アイクルの部屋]
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2024年1月5日号
天災は忘れた頃にやってくる、とは寺田寅彦が言ったとか。否!阪神大震災や東日本大震災が記憶に強く残るところに、年明けの能登半島地震!!
[第871回ゼミ報告]
12月27日のゼミは、レーニン『帝国主義論』2「銀行とその新しい役割」を高田の報告で行いました。銀行の発展は集積され、銀行間の協定で仲介者から独占者に転化した。一握りの独占者が全資本主義社会の商工業を自己に従属させる。ドイツではトラストよりカルテルが支配し、資本の集積・独占体形成を進める。自由競争による資本主義から独占の支配による過渡的な新しい資本主義が到来する。銀行は顧客の経済状態を把握し、産業資本は銀行に完全に従属する。銀行と産業との人的結合の進み、それに政府との人的結合が補足する。巨大資本主義的独占体は数百人の金融王を生み出した。銀行資本と産業資本の癒着によりさらに緊密化が進み、古い資本主義の寿命が尽き、新しい資本主義へ、「組織された」資本主義への進み、資本一般の支配から金融資本の支配への転換点となる。日本での銀行合併図も示した。
討論では、銀行の支配はイギリスなどでみられるが、アメリカではむしろバラン・スウィージーの『独占資本』に見られるように、GMやフォードなどの企業での独占化により銀行に従属しないという傾向がみられる。日本でもトヨタ銀行などと称されるように同様なこともある。アメリカでは預金による商業銀行より投資銀行のほうが進んでいる。そこでは貸出先が問題となってくる。現在は銀行のグローバル化が問題となり、インターネットの普及でどれだけ利ザヤを得ることができるか問題だ。日本での銀行の合併は、むしろ銀行が高度成長の鈍化と共に力を失ってきたと言える。特に政府系の政策的な金融機関が問題となってきた。日本での財閥は戦後解体したが、戦前は大きな影響力を持ち、中小財閥でも軍部と共に朝鮮などで時流にのり儲けていた。財閥は後進国でも見られ、ロシアのオルガルヒもその一つだ。
会場参加は川口さん・山口さん・高田、オンライン参加は小野さん・斎藤さん・竹内さん・後藤さんの7名でした。
*訂正:1月10日ゼミは、柄谷行人『力と交換様式』第3部3章「資本主義の終わり」および、第4部1章「社会主義の科学1」を竹内さんの報告で行います(※前号での予告「第3部3章」のみは間違いでした)。
****** ゼミ日程 *******
1月10日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
柄谷行人『力と交換様式』第3部3章、第4部1章 報告竹内さん
1月24日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
レーニン『帝国主義論』3.金融資本と金融寡頭制 報告高田
2月14日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
柄谷行人『力と交換様式』第4部2章 社会主義の科学2 報告者未定
その後 2024/2/28, 3/13, 3/27 [アイクルの部屋]
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