大阪第3学科たより
1998年
1998年12月2日号
1998年11月18日号
1998年11月4日号
1998年10月21日号
1998年10月7日号
1998年9月1日号
1998年7月2日号
1998年6月17日号
1998年6月3日号
1998年5月20日号
1998年5月 1日号
1998年4月15日号
1998年4月1日号
1998年3月4日号
1998年2月18日号
1998年1月21日号
1998年1月7日号
11月25日のゼミは
ヒルファディング『金融資本論』第9章「商品取引所」をおこないました。
前章と同じ取引所を扱うが、ここでは前回の証券や手形ではなく、商品そのものの先物市場を取り上げている。同じように投機と銀行の支配が話題の中心ではあるが、証券との違いは扱うものが「利潤の実現」と「物質代謝」に関わっていることである。先物市場で扱われる商品は価格変動が大きく、流通期間が長いのに生産期間が短く、需要に対してすぐに供給ができないという特性をもっている。農業生産物とアルコールが代表としてあげられている。この取引所のおかげで生産者は価格変動の危険を回避することができ、流通期間の短縮に貢献している。しかし、それが先物市場である限り、投機は避けることができず、そこでの差益の獲得のために「ネコもシャクシも」参加することにより、取引所は栄えるが、結局小物・素人の犠牲のうえで利得が大物にもたらされる。さてその投機に対して多くが担保貸しの形で銀行が参加してくる。このことで取引所ではより少ない自己資本で投機に乗り出すことができるが、もう一方では銀行の市場情報力により、銀行と産業の結びつきが強くなり、銀行によるカルテル化が進み、産業部門を従属させるようになり、結局取引所の廃止へと向かっていく。討論では、そこでの商品が原材料なのか最終消費財なのか明確に区別していない、また、本当に商業の廃止はあるのだろうか、との問題点がだされた。
私事ですが、このドイツ語版があったはずだと探せば、くくった束の中から20年ぶりに取り出すことができた。見れば76年に神田の極東書店で買ったもの。学生時代の神田での本探しの日々の記憶がよみがえってきた。
***** ゼミ日程 *******
12月
9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』新日本出版社
V金融の歴史、Wバブル
1月13日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』新日本出版社 X、Y
1月27日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』第10章 銀行資本と銀行利得
後 2/10、2/24、3/10、3/24
11月11日のゼミは、大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』の
T「金融恐慌」、U 第二次大戦後の日本経済と世界
を行いました。
まず、恐慌はなくなっていない、と規定することからはじめ、しかしそれが古典的なものから変容していて、根本的に金本位制を離脱していて、その出現現象が激烈でなくなっている点にある。そこで現在の日本の平成不況を考える場合、80年代にすでに日本経済は転機を迎えていた点をとらえることが重要であり、そこでは物の経済からサービス化、第3次産業の発達へとすすんでいて、浪費と経済の成熟化が問題になってくる。さて、日本の戦後経済の50年史を見るとき、輸出をその主軸にすえ、輸出先が対アメリカであったこと、つまりアメリカ依存型経済であることを想起せねばならない。
IMFガット体制はアメリカのドル散布として機能してきたが、その後、金とのリンクを止めてはいても、代用世界貨幣として世界で通用していて、アメリカは貿易赤字タレ流しとなっている。それこそ「人類史上空前のわがまま」だと。そのように、アメリカの赤字体制と日本の輸出体制とは表裏の関係にある。さて、銀行の内情に目を転じると、いつも銀行は金が有り余っているのではなく、短期資金を融通しないながら綱渡り的な経営をしており、それはすこぶる不安定なものであることを浮き彫りにしている。現在の金融整理の政策を見るとき、「預金保険機構」にみるようにアメリカの先例にならって政策が立てられていることを明らかにしている。ただし、日本的に都合よく骨抜きになってはいるが。著者は恐慌といいながら金融恐慌に括弧をつけているにはなぜなのか。
***** ゼミ日程 *******
11月25日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第9章 商品取引所
12月
9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』新日本出版社 V、W
1月13日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』新日本出版社 X、Y
後 1/27、2/10、2/24、3/10、3/24
10月28日のゼミは、ヒルファディング『金融資本論』の「第8章
証券取引所」をしました。
取引所はその機能を歴史の流れの中から、債務証券(手形)と収益請求証券(株)とが取り引きされるが、次第にそれが後者の擬制資本市場として発展する。ここでは貨幣があらかじめ集積されている。ここで収益権取り引きとともに利子率が形成され、資本還元された擬制資本が取り引きされている。ここでは資本の質的相違が量的な相違としてあらわされる。取引所が初めて資本の動員を可能にするとともに、所有それ自体の流通市場となっていく。それはまた、銀行による取引所に対する、さらに株式会社に対する支配を強める要素となってくる。ここでは、その投機と信用とで銀行が重要な役割を果たしていく。結局、取引所で取り引きされるのは生産過程を直接表現しなくなった所有であり、その資本の外見的転化が直接的生産関係を抹殺している。討論では、『金融資本論』のピークが株式会社論と創業者利得であり、それ以後の章はそのつけたしかと、思っていたが、より深く読み込むと、この章では擬制資本の市場の確立とそれによる資本動員が容易に大規模におこなれるようになったことを描いていて、その要になるのが証券取引所である。後、日本の金融市場の複雑化と国債発行の話まで進みました。
次回からのテキストは大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』新日本出版社1998年1900円です。です。
***** ゼミ日程 *******
11月11日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』 T、U 報告
11月25日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第9章 商品取引所
12月
9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』 続き
後 1/13、1/27、2/10、2/24、3/10、3/24
10月14日のゼミは、山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』の「第4章
「平成不況」の性格とその帰結−宮崎「複合不況」論の検討を通して−」を行いました。
バブル不況をその前段のバブル期からみようとしていて、また「複合不況」と呼ばれるものは、これまで資本主義の過剰蓄積論から導き出せるものとしている。議論はまず、バルブ期に現実資本の過剰投資はあったのか、それは現実資本とはいえ生産力としてゆがんだ形である、との問いからはじまった。バブル不況の長期化の原因として国際化をいうとき、冷戦体制の終息とバブル崩壊の関連はどのようにいえるのか。冷戦体制の終息ではなく、一方的な勝利による拡大ではないのか。また、これまでの章と4章とのつながりがいまひとつすっきりしないため、論議がこの章だけ独立していて、著者の得意分野であるため、ここでは論旨がはっきり展開されている。ただ、4章の体制崩壊論と3章までの政策論にギャップがあり、それがどのように土地問題とのつながりむすんでいくのか、問題が残った。
なお、『不良資産大国の崩壊と再生』は今回で終わり、次回からのテキストは大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』新日本出版社1998年1900円となりました。また、来年の3月までのゼミ日程が決まりました。
***** ゼミ日程 *******
10月28日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第8章 証券取引所
11月11日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』 T、U
11月25日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第9章 商品取引所
12月
9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
大槻久志『「金融恐慌」とビックバン』 続き 報告 未定
後 1/13、1/27、2/10、2/24、3/10、3/24
9月9日のゼミは、山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』の「第3章
都市を荒廃させる日本の土地神話」を行いました。
この章では「土地神話」を中心にドイツとの比較で戦後日本の資本蓄積システムがいかに地価を利用したかを考察している。それを著者は「高地価=強制貯蓄の容器仮説」を立てることで明らかになるという。その結果高度成長が持続されるとともに、都市が荒廃させられてくる。土地所有とその利用でドイツと比較することを通じて、最後に著者は緊急課題を提唱する。その中心は、持ち家政策から賃貸住宅の大量供給へ、安定した賃貸借システムの確立である。そして地価を従属変数とし生活空間本位の都市計画の必要性を訴えている。ゼミの議論の中で、まず問題点のひとつとして提起されたのは、土地問題からすべての現代の状況を捉えてしまうことである。また、高度成長論としては、地価に焦点を絞りすぎたため、他の高度成長論との整合性が欠けてしまっている。さらに、地価上昇の局面では政府が税収を上げるためシナリオライターとして振舞ったように描かれいるが、結果がそうなったとはいえ、はたしてシナリオが政府にあったのか疑問。「高地価=強制貯蓄容器仮説」にたいして、地価上昇は高度成長のひとつの要因ではあったとしかいえないのではないか。結局、何が地価上昇の原因なのかあきらかとならない。ミ^・/p>
なお、『不良資産大国の崩壊と再生』は次回の10月14日で終わります。次のテキストを選びますので、希望のテキストを持ちよりください。
***** ゼミ日程 *******
10月14日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』第4章
10月28日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第8章 証券取引所
11月11日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
文献・報告者 共
11月25日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第9章 商品取引所
後 12/9
暑い、熱い、いや雨が多い異常だといった夏はどうでしたか。私は恒例の信州登山に行き、常念岳頂上の山小屋で夜中震度四のゆれに起こされました。麓では山男達が手作りして建てたペンションに泊まり、オーナーのすべてにこだわりを持った生き方(ナチュナルに生きる)にふれてきました。
7月2日のゼミは、ヒルファディング『金融資本論』第7章「株式会社」を行いました。
ここでは、株式会社と私的企業との違いがすべての節にわたって説いて行かれる。株主・貨幣資本家は利益請求権のみを持つこととなり、その配当は利子化されて、利子生み資本として株式制度と証券取引所が発展する。その利子生み資本として資本還元した平均利潤と平均利子の差が創業者利得となる。株式会社の発展は所有と経営の分離を押し進め、少額の自己資本で多額の他人資本を支配できるという金融技術が形成される。株式会社と私的企業の違いは、資金の調達、信用の利用、価格競争、人的結合、最新技術の採用という面でででくる。特に資金と信用の面から銀行の介在、支配は確立されていく。その後、現在の不良債権問題におけるブリッジバンクと経済民主主義の観点、自己資本と他人資本での階級論と株主オンブズマンまで擬制資本について議論されました。
***** ゼミ日程 *******
9月 9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』日本経済評論社 1996
第3章 都市を荒廃させる日本の土地神話
10月14日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』第4章
10月28日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第8章 証券取引所
11月11日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
文献 未定
後 11/25、12/9
6月24日のゼミは山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』の第2章「《社会国家》ドイツ:その到達点と90年代の失業・住宅問題」をしました。
著者がドイツで見、聴き、体験し、調べたことをもとに、ドイツにおける都市計画・再開発と失業・ホームレス問題を論じている。ドイツを豊かさでの世界一の到達点と持ち上げ、しかしその裏にオブダッハローゼ(ホームレス)があること。光の面:都市の生活環境・生活者重視が福祉国家として社会住宅制度と都市計画がキチンと組み立てられている。それを支える法制度(建築法典)が機能している。影の面では失業率の悪化とともにオブダッハローゼが生じ、住宅困窮者が増加している。それらは社会国家たる福祉国家批判に結びつき、その「転換」=解体の声が上がってきている。これを日本へのメッセージとして、都市計画の生活者重視、住宅を核とする都市空間の利用、環境ビジネスでの雇用創出へと結ぶ。討論では、日本でははたして都市計画は有効に機能しているのか、建築自由が原則で地区計画は例外とみななされている。日本の都市の違法建築とその雑多な姿を見るとき、地方自治体が担うべき役割は大きい。
重要:7月8日のゼミ予定を報告者の都合で『金融資本論』に振り替えいます。間違えないようにしてください。
***** ゼミ日程 *******
7月 8日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第7章 株式会社
9月 9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』日本経済評論社 1996
第3章 都市を荒廃させる日本の土地神話
10月14日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』第4章
10月28日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第8章 証券取引所
6月10日のゼミは山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』の「第1章
日本再建の要としての土地問題」(前回と同じ所)を行いました。
前回の高島報告の中心点が土地再開発のプログラムにあったのに対して、松村報告では高度成長と土地高騰、その後の崩壊と金融再編とに主眼はあった。特に不良債権に対して、今回国会を通過した法律と山本案、アトキンソン案が同様に特別目的会社を提唱しているが、それぞれどのように共通点があり、相違があるのか問題となった。通過した自民党案やアトキンソン案には土地の再開発案がなく、また山本案には実行力があるのか、例えば土地の交換は計画どおりできるのか。ただ、山本案には土地の公共性をうたっている。土地だけ解決しても、それが日本経済の再建の全部ではない。議論の中で銀行は不良債権の多くの額をすでに間接償却の形で無税で処理してしまっていることが取り上げられた。
重要:6月24日と7月8日のゼミ予定を報告者の都合で振り替えいます。間違えないようにしてください。
***** ゼミ日程 *******
6月24日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』日本経済評論社 1996
第2章《社会国家》ドイツ:その到達点と90年代の失業・住宅問題
7月 8日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』
第7章 株式会社
9月 9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』第3章
10月14日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』第4章
後 10/28、11/11、11/25、12/9
5月27日のゼミはヒルファディング『金融資本論』第6章「利子率」をしました。
当時は金と貨幣が結びついていて、その上で利子率が決まってきたが、現在は為替相場と利子率がリンクされている点で大きく違っている。マルクスの利子率低下の見解に対するヒルファディングの批判には、資本信用と流通信用との区別をして、流通信用が利子率に影響を及ぼさないという通説に従ったマルクスに対して、流通信用も利子率に影響を及ぼすとの見解を取っている。問題は資本信用と流通信用との統合であって、そこから利子生み資本が生まれてくる道筋と、その一現象しての利子率の変動を見ていく必要がある。ヒルファディングは利子率が下がったとしても、利潤率の低下の中での比率では利子部分の比重が大きくなり、利子生み資本への依存が大きくなるとしている。銀行の不良債権が21兆円あるとの報道で、大きい借金ほど滞納し、庶民の小さい借金はキッチリとられている今という時代に議論が進みました。
重要:6月24日と7月8日のゼミ予定を報告者の都合で振り替えいたします。間違えないようにしてください。
9月以降の予定が決まりました。場所は当分同じところとします。
***** ゼミ日程 *******
6月10日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』日本経済評論社 1996
第1章 日本再建の要としての土地問題
6月24日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』第2章
7月 8日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第7章 株式会社
9月 9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』第3章
後 10/14、10/28、11/11、11/25、12/9
5月13日のゼミは山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』の「第1章
日本再建の要としての土地問題」をしました。
執筆が95年であるが、現在からみて事態の把握と展開が概ね正確であること、土地問題に踏み込んだ日本経済論として異色の力作であること、金融問題の解決と都市再開発の両面で具体的政策提起をしていることに特徴がある。日本の「輸出主導型強蓄積システム」と「GNP極大化型の土地利用原則」を結ぶことにより、「土地問題基底還元主義」があるのではないか。第3次土地革命は「環境大国」をグランドデザインとすべきという。問題点として土地再開発での善良な賃借人の権利をどう守るのか、土地交換をするにはもっと長期間必要で当面の実行可能性は低いのではないか、都市の再開発がそこの住民の入れ替えになり長く住むところではなくなってしまわないのか、土地価格論が出てこない、等々。いずれにせよマル経といわれる経済学者がこれだけ具体的かつ実際的に政策を提言した勇気と英断を称えたい。とかく学者先生は当たり障りのないところで安住しがちであるとの評が多いが。1章が重要部分なのでもう1回やります。
***** ゼミ日程 *******
5月27日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第6章 利子率
6月10日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』日本経済評論社 1996
第1章 日本再建の要としての土地問題
6月24日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第7章 株式会社
7月
8日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』第2章
4月22日のゼミはヒルファディング『金融資本論』の「第5章 銀行と産業信用」ででした。
信用の様々な言葉が交差する中、支払信用から資本信用へと視点を移し、支払信用が貨幣の節約にはたす役割から、資本信用では休息貨幣から機能貨幣資本へと転化させる。ここで銀行が取り引きの仲介者だけでなく、休息貨幣資本から機能貨幣資本への転化の役割と、さらに他のすべての階級から貨幣資本を集め回る。特にこれまでの流動資本への信用から、固定資本への信用へと役割を拡大することにより、銀行の産業に対する影響が増していく。ここに産業の集積とともに銀行の集積も進行する。議論の中では現代を視野に入れるなら、消費者信用の問題が、サラ金や住宅ローンとの関連で取り上げられました。
なお、5月13日からのテキストは、山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生−大地からの日本再建プロジェクト−』日本経済評論社
1996年(2,940円)に決りました。本屋さんで見つからない場合は、直接出版社から郵送してもらうのが一番早いです。私は電話をして3日で着きました。後で本代と送料(340円)を振り込みます。買いに出かけるより安くつきます(電話番号03-3230-1661)。
***** ゼミ日程 *******
5月13日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』日本経済評論社 1996
第1章 日本再建の要としての土地問題
5月27日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』1909年
第6章 利子率
6月10日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』第2章
後 6/24(交渉中)、7/8
4月8日のゼミはこれまで読んできた北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』の最後を飾るものとして、久しぶりに森岡孝二先生に来ていただいて、最近書かれた論文「現代資本主義をどう視るか−北原・伊藤・山田論争によせて−」(関西大学『経済論集』第47巻第5号1997年12月)を中心に報告していただきました。
3氏の共通点に注目し、何をもって「現代」とするのか、70年代以降を問題にしている。しかし、そのように限定することによって、それまでの資本主義の様々な歴史的トレンドがみえにくくしているのではないか、と指摘。「世界」か「一国」かが明確でなく、一国を平均的に描き、ある国に即して説明しながら「日本」という意識が希薄である。一般理論とは何か、どう理論化するか。事実の認識・分析に即しながら、その役割は動かしがたい概念ではなく、ゆるく全体像を浮かびあがらせるものである、と。
ゼミ後は餃子を食べながら森岡先生と歓談の時を持ちました。
なお、次回5月13日からのテキストがまだ決まっていません。次回ゼミで決定しますので、必ず希望のテキストを持ちよりください。現在でているのは、一連の社会主義論、シューマッハー『スモール・イズ・ビューティフル』(講談社学術文庫1973年971円)、中村雅秀『アジアの新工業化と日本』(青木書店1997年2600円)、湯浅良雄『現代の労働過程』(柏書房1997年2600円)等です。
***** ゼミ日程 *******
4月22日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』1909年
第5章 銀行と産業信用
5月13日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
テキスト未定
後 5/27、6/10、7/8
3月11日のゼミは北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』の「討論 T理論と方法 U高度成長期の蓄積体制」をしました。
体制崩壊、資本論は19世紀資本主義のみか、資本主義の逆流とは、帝国主義論の位置づけ、停滞基調論とは、国独資概念とは、フォーディズムについて、三段階論、冷戦下国独資、旧ソ連は社会主義ではなかったのか、等々様々な議論が立ち上がっていました。が、討論になるとおもしろくなくなるのは何故なのだろうか。ゼミの中からは「社会主義の問題をぬきで現代資本主義が語れるのだろうか」という疑問も出された。国独資論は50年代、宇野派も50年代、レギュラシオンはそれよりは新しいけれど70年代まで。いずれも80年代、90年代と現代資本主義を語るにはその論理構成が古すぎるのではないか、との意見も。
4月8日のゼミはこの『現代資本主義をどう視るか』について最近論文を書かれた森岡先生に報告していただきます。多数の参加を待っています。
なお、『現代資本主義をどう視るか』は4月8日を最後とします。次回からのテキストを選びますので、希望のテキストを持ちよりください。また、会場について7月まで確保していますが、9月から大阪の北の方で安くて便利で良い所があれば教えてください。
***** ゼミ日程 *******
4月8日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』青木書店1997年
4月22日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』1909年
第5章 銀行と産業信用
5月13日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
テキスト・報告者未定
後 5/27、6/10、7/8
2月25日のゼミはヒルファディング『金融資本論』「第4章 産業資本の流通における貨幣」でした。
貨幣が産業資本の流通の中で演じる役割から、どのように信用が必然的に生み出すか、貨幣資本の遊離と休息をとおして演じている。ただ、彼の貨幣不用説には疑問があり、それが労働貨幣へとすすみでている。価値どおりの交換が貨幣を不用とするのか、また生産の意識的調整でも貨幣が不用なのか、流通主義との関わりで社会主義に対する見方が問題となる。もう一つ。価値の形態を商品形態と貨幣形態のふたつ分け、生産過程では商品形態として変化はない、と断言する。それに対し、産業資本の機能形態として、貨幣資本・商品資本・生産資本の3つにも分けている。両方とも資本・価値を形態からのみ定義づけている。あと、ゼミではプリペイカードと労働貨幣はどのような関係になるのか、議論が様々と展開された。なお、2月18日号で「ゼミ日程」中、3月11日がダブっていました。後の方は4月8日です。訂正いたします。
あと2回で『現代資本主義をどう視るか』が終わりますので、3月11日には次回のテキストを選びます。希望の本を持ってきてください。
***** ゼミ日程 *******
3月11日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』青木書店1997年
討論 T理論と方法 U高度成長期の蓄積体制
4月8日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』青木書店1997年
討論 V経済危機の発生と長期化 W再編の方向と展望
4月22日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』1909年
第5章 銀行と産業信用
後 5/13・27、6/10、7/8
1月28日のゼミはヒルファディング『金融資本論』「第3章 支払い手段としての貨幣。信用貨幣」でした。
流通手段としての貨幣、支払手段としての貨幣、さらに国家紙幣、信用貨幣と解いていき、それでは中央銀行券を国家紙幣と信用貨幣の中間といっているが、現代ではどうなのか。小切手は信用貨幣なのか、現代では現金としての流通手段・支払手段の代用物となっている。また電子マネーは小切手と同じなのか。国家紙幣・中央銀行券の強制通用力をどう考えるか、ロシア・インドネシアの場合は信用貨幣に近くなっている。「組織された資本主義」からそのコントロール力・「意識された」組織力を強調して、国家紙幣の強制通用力を導き出している。それではドルはどうして世界で通用しているのか。国家の強制力ではなくその信用力なのか。ドル経済が赤字でも通用するのは、その情報力、また軍事力なのか。さらに、アジア経済の混迷ぶりとその通貨の対ドル価値の下落まで、議論はつづきました。
****** ゼミ日程 *******
2月25日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』1909年
第4章 産業資本の流通における貨幣
3月11日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』青木書店1997年
討論 T理論と方法 U高度成長期の蓄積体制
3月11日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』青木書店1997年
討論 V経済危機の発生と長期化 W再編の方向と展望
後 4/22、5/13・27、6/10、7/8
新年1月14日のゼミは北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』の「提起3山田鋭夫」でした。
最後の提起者はレギュラシオンから現代資本主義をどのように観るか。それまでの経済学特にマルクス経済学の流れを整理・批判し、新たにフォーディズムを中心に分析を行っている。疑問点としては、高度成長の後は長期不況ということでいいのか、類型化することの危険性がこれまでの経済学と同じにあるのではないか、分岐しているのではなく同一化しているのではないか、トヨティズムはフォーディズムの再現ではないのか、山田説は70年代までは通用するが90年代はこれで説明できるのか、等々。また、もともとのレギュラシオンはマルクス主義であったが山田レギュラシオンはマルクスの対岸にいってしまった、経済の国際化にともない国民経済レベルで現代資本主義が語れるのかどうか。理論整理ということでは一番わかりやすく、また論理の流れも一番もっともで、経済事象では一番納得できるようではあるが、歴史認識では資本主義永続論に陥る危険性を感じずにはいられない。
****** ゼミ日程 *******
1月28日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』1909年
第3章 支払い手段としての貨幣。信用貨幣
2月25日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』1909年
第4章 産業資本の流通における貨幣
3月11日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』青木書店1997年
討論 T理論と方法 U高度成長期の蓄積体制
後 4/8・22、5/13・27、6/10、7/8
あけましておめでとうございます。新年にあたり、巷では今年も不況が長引くとの暗い予想が出ています。この期にあたり経済学を志した者は何をやればいいのか、何を打ち出していかねばならないのか、何を人々に示すことができるのか、心深く思いやる年明けでした。
12月10日のゼミは北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』の「提起2伊藤誠」でした。
宇野理論による現代資本主義への接近がどのようなものか、ひとつの形を示したものです。ただ、宇野理論とはいうものの、各論者によって様々な方向へ向かい一つの理論集団だとはもう言えないのではないか。また段階論が崩れ中間理論がいわれ、現状分析と原理論との関係も問い直されねばならない状況では、宇野理論の構成そのものの崩壊を言わなければならないのではないでしょうか。伊藤氏については、「逆流」そのものの認識が議論の中心となりました。なぜ逆流といわねばならないのか、何が逆流なのか、資本主義はやはり資本主義そのものの論理で動いているのではないか。
また、12月23日には「新プロジェクト」の報告会が行われました。詳しい報告は別にお送りいたします。
****** ゼミ日程 *******
1月14日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
北原・伊藤・山田『現代資本主義をどう視るか』青木書店1997年
提起3 山田鋭夫
1月28日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』1909年
第3章 支払い手段としての貨幣。信用貨幣
後2/25、3/11、4/8・22、5/13・27、6/10、7/8