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大阪第3学科たより

2000年

2000年12月8日号
2000年11月17日号
2000年11月3日号
2000年10月20日号
2000年10月6日号
2000年9月22日号
2000年9月8日号
2000年7月7日号
2000年6月23日号
2000年6月2日号
2000年5月19日号
2000年5月5日号
2000年4月21日号
2000年4月7日号
2000年3月17日号
2000年3月3日号
2000年2月18日号
2000年2月4日号
2000年1月21日号
2000年1月7日号


大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2000年12月8日号

早いもので、もう12月になりました。年の瀬、20世紀の最後ではなく、21世紀があける時だと思ってこの年末年始を迎えようと、新聞に書いていて、そうだそうだと一人納得しながら読んでいました。
11月22日のゼミはマルクス『資本論』2巻7章「回転時間と回転数」、8章「固定資本と流動資本」を行いました。資本の総流通時間は通流時間+生産時間になり、資本の同じ形態での復帰までの期間である。資本の循環が周期的な過程と規定されるとき資本の回転と呼ばれる。総流通時間が資本の回転時間をなす。不変資本の一部分は特定の使用形態を保持し、絶えず同じ機能を繰り返す。労働諸手段は交換価値を徐々に失うに応じて生産物に価値を引き渡すが、生産部面から去ることはない。その価値の一部分だけが流通させられ、一部分は労働手段に固定されている。これが固定資本であり、それ以外は流動資本とされる。その区別は価値の移転様式の相違から生じている。ここでマルクスは鉄道の例をあげ、固定資本部分の具体的な価値移転、すなわち摩滅とその補填・修理を考察している。
議論では、流通(Zirkulation)と通流(Umlauf)の訳語の問題から入り、通流が貨幣を念頭においているという意見がでた。固定・流動の区別では携帯電話はどうなるのか、コミュニケーション機がサービス部門だけなく、製造業ではどのような位置付けか。修理についてのマルクスの分析は、現在の税法の資本的支出と修繕費の区分の取り扱いと密接にかかわっている。ただ方向は当時と逆に修繕費にしようとするが。また土地について、これをマルクスは価値物ではない、資本ではないといった点で固定資産、無形財産権としてどのように扱うのか。

*次回のゼミの場所は、四天王寺前駅下車北・天王寺区民センターです。
*次のテキストの候補をお持ちより下さい。

****** ゼミ日程 *******

12月13日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
奥村宏『株式会社はどこへ行く』3章4章

1月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
奥村宏『株式会社はどこへ行く』5章

1月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻9章

2月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定

2月28日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻10章

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2000年11月17日号

11月も中旬になると、年末がにわかに目の前に現れ,一年は早いなと実感し、今年は何をやってきのだろうか、と自ら振り返ってしまうこの頃です。

11月8日のゼミは奥村宏『株式会社はどこへ行く』の1章「株式会社は万能か」2章「株主資本主義の潮流」を行いました。
市場経済万能主義が規制緩和とソ連東欧の社会主義体制崩壊ともに大きな波となり、その担い手としての株式会社がクローズアップされてきた。特に90年代に入りアメリカの好景気続行で日本も株主資本主義への転換の声が大きくなった。また、イギリスでは国有企業の株式会社化がすすんでいる。コミュニティー的なライン型の資本主義に対し投機的なアメリカ型資本主義(株主資本主義)が勝利を収めた。日本の株式会社は株式相互持合により、法人資本主義による会社本位主義になっていて、株主資本主義への転換が叫ばれたのだ。そして日本でも、本格的なTBOやナスダック等の株式の新規公開、ストックオプションなどが行われてきた。経営者がものの生産にはげむより紙の上の計算だけにはしる「ペーパー経営者」になり、株の新規公開は起業家より投機家をうみだす。株価重視の経営と言われているが,それは法人資本主義から法人私物化主義への移行であるという。
議論では、会社本位主義が成り立つ基礎は法人資本主義であり、法人資本主義は会社本位主義を原理としている、奥村氏は書かれ、なにやら堂々巡りにおちいっているようだ。株式会社をいうとき、擬制資本としての捉え方をどのようにするのか。55年体制を政官財の三位一体といっているが,自社体制ではないのか。結局は、奥村氏の考える資本主義とはどのような姿なのか、その資本主義観は何かという問題に突き当たる。

****** ゼミ日程 *******
11月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻7章、8章
12月13日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
奥村宏『株式会社はどこへ行く』3章4章
1月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
奥村宏『株式会社はどこへ行く』5章
1月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻9章

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大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2000年11月3日号

急に秋が深まったようで、山の色の変化を楽しめる季節になりました。

10月25日のゼミはマルクス『資本論』2巻5章「通流時間」6章「流通費」を行いました。5章では資本の循環は生産時間と通流時間との合計と等しく、通流時間は資本の価値増殖過程の制限であり、消極的制限であるという。商品資本はW−Gの流通で使用価値として一定の制限を課せられる。商品は一定の時間に販売されねば朽ちることとも、交換価値の担い手という属性を失う。6章では純粋な流通費は価値を創造しないとして、購買時間と販売時間、簿記、貨幣を上げ、生産の空費としている。それに対し、保管費と輸送費は価値を付け加えるという。保管費には在庫形成一般と本来の商品在庫がある。
議論では、訳語で通流か流通か。価値を生む労働と価値を生まない労働、生産的労働と不生産的労働の問題。商品の保存という点では冷凍された魚がアフリカから持ってくること。淡路島に他地域産のたまねぎが運ばれ売られていること。この世界に広がった流通をどう捉えればいいのか。簿記は資本主義的なのか、歴史貫通的なものか。生産の数量的管理として残るのではないか。日本の複式簿記の歴史は古い。ただ価値形態としての記録はどうなるのか。保管費・輸送費を追加的生産過程として、正に高速道路が工場へつながるベルトコンベア―になっている。

*次回のテキストは奥村宏『株式会社はどこへ行く』(岩波書店2000年1600円になります。

****** ゼミ日程 *******
11月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
奥村宏『株式会社はどこへ行く』1章2章
11月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻7章、8章
12月13日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
奥村宏『株式会社はどこへ行く』3章4章
1月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
奥村宏『株式会社はどこへ行く』5章
1月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻9章

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2000年10月20日号

ようやく雲が高くなり,朝晩がすずしくなってきました。

10月11日のゼミは池上・森岡編『日本の経済システム』の11章「持続可能な発展と世界経済システム」終章「現代世界経済における固有性と国際性」を行いました。
11章では、環境と開発というともすれば相反する問題を、持続可能な発展(開発)と捉えることで環境に対する制御能力の形成を探ることで、二元論の克服を述べている。終章では、センによる「所得貧困」に対する「能力貧困」の視点から世界経済における自立支援ネットワークを構築する課題を提起し、国際分業が「能力貧困」を生み出こと、これを克服するためにはインフラストラクチャーが地域の固有性と潜在能力の発達が重要であることを示し,それぞれの地域固有の「生活の知恵」が相互に活かしあえる国際的なルールの合意が出来れば,世界経済の枠組みは制御可能な姿に変わると説く。
議論では、人間開発に対し人間発達と早くに提唱した基礎研は先見性がある。二元論の克服は言葉の上では出来ても実際は解決できないではないか。市民の共同行動、ネットワークを作る中で制御能力が出来るというが,世界の開発の中心にある多国籍企業をどうするのか、問題はまだ未解決だ。国民経済を世界経済システム論にどう組み入れるかが問題。自立ネットワークというが、国家・政府はどう扱うのか。インフラ論には企業・国家・労働がでてこない。NGOに未来はあるのか。やはり労働運動こそ元祖NPOである。

*新しいテキストは奥村宏『株式会社はどこへ行く』(岩波書店2000年1600円に決まりました。

****** ゼミ日程 *******
10月25日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻5・6章
11月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
奥村宏『株式会社はどこへ行く』1章2章
11月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻7章
12月13日(水)午後6時半〜9時 場所未定です
奥村宏『株式会社はどこへ行く』3章4章

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大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2000年10月6日号

暑い暑いといつまで夏が続くのかと思っていたら、もう10月になっていました。季節がおかしくなったのか、人間がおかしくしたのか。
9月27日のゼミは、マルクス『資本論』2巻4章「循環過程の三つの図式」を行いました。資本の3つ変態の連続が同時的空間的に行われ、社会的総資本として循環が統一される。三つの資本の形態があるのではなく、それぞれの一部がそれぞれの形態をとっている。ここで技術革新による価値革命を取り上げ、資本的生産の実存、資本としての自立を証明している。産業資本の循環は商品市場・商品流通を含み、そこで他の生産様式とも商品として関わりあう。討論では、この循環の商品の絡み合いは他の研究方法が必要といっているが,それは第1・第2部門の再生産表式ではないか。総流通過程の略称Ckの出自は何だろう。ここで初めて社会的総資本という言葉を使ったのではないか、いや3章で使っている。三つの循環をまとめてここで初めて個別資本から社会的総資本の立場で議論をすすめることができたのだ。社会的資本の用語もある。他の生産様式との関わりを述べているが、現代こそ総資本対総労働という図式が成り立ちがたいではないか。

*次回で『日本の経済システム』が終わります。新しいテキストを決めますので、推薦テキストを持ち寄ってください。奥村宏『株式会社はどこへ行く』、森岡孝二『日本経済の選択』があがっています。
*次回の場所も大阪市立住まい情報センター(Tel:06-6242-1160)です。場所は地下鉄天神橋六丁目駅下車3号出口のすぐ上にあります。

****** ゼミ日程 *******
10月11日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
池上・森岡編『日本の経済システム』11・終章
10月25日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻5・6章
11月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定
11月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻7章
後 12/13

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2000年9月22日号

真新しい木目の内張りがあるエレベーターで5階へ。今回から会場が新しくできた大阪市すまいの情報センターになりました。こんな建物がたつなんて、大阪市は苦しいといいながらお金があるんだな、変な感心しました。
9月13日のゼミは池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』「第8章現代日本の資本と土地所有」「第9章世界都市・東京の文化と経済」「10章国際金融システムと金融制御」を行いました。8章では、資本による土地所有とそのリゾート開発を述べ、農民的土地所有から国独資的土地所有へ至る中で共同体からの切り離しと「貧困化」まで説く。9章では、バルフにまみれた世界都市・東京が巨大な文化消費市場を作り出すが、創造の拠点に成りえなかったこと、都心の「産業コミュニティ」再生に夢を託している。10章では、金融のリスクとその制御を整理し、現在の国際金融危機の原因と特徴を述べている。討論では、農民を大企業が駆逐したというが、その大企業も満身創痍ではないか。その後の土地下落を反映していない。バブルの原因を東京のオフィス需要に求めるが,リアリティーがない。産業コミュニティーを解決策とみるのは、見方が甘すぎないか。都市計画論が必要ではないか。金融危機に対してあまりに冷静なる論理ではないか。金融世界の激烈さが現れず、リスクの深刻さが伝わらない。

*次回の場所も大阪市立住まい情報センター(Tel:06-6242-1160)になります。場所は地下鉄天神橋六丁目駅下車3号出口のすぐ上にあります。
*10月で『日本の経済システム』が終わります。新しいテキストを10月11日に決めます。推薦テキストを考えて置いてください。

****** ゼミ日程 *******
9月27日(水)午後6時半〜9時天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻4章
10月11日(水)午後6時半〜9時天六・大阪市立住まい情報センター
池上・森岡編『日本の経済システム』11・終章
10月25日(水)午後6時半〜9時天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻5・6章
11月8日(水)午後6時半〜9時天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定
後 11/22、12/13

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2000年9月8日号

夏がこんなに暑かったのか、と思わせる今年の夏休みでした。恒例の夏家族登山、今年は白馬・唐松岳を目指しました。頂上には達しませんでしたが、北アルプスの景観と空気をいっぱい吸い込んできました。
7月12日のゼミは池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』「第5章 企業社会の再編成と福祉国家の課題」」「第6章 ナショナル・ミニマムと社会保障改革」「第7章 金融の自由化と金融機関行動の変貌」を行いました。5章では、強力な企業社会プラス未熟な福祉国家が学歴社会とジェンダー・バイアスを作り出し、その企業社会が多国籍化の中で地殻変動を起こす中で、新たな福祉国家を模索する。6章ではナショナルミニマムが曖昧化されきた中で,所得保証とその再構築を描いている。7章では高度成長・金融規制段階から低経済成長・金融自由化への移行の中で金融機関にどのような変化が現れたかを概観する。
討論では、「家族の大黒柱」といわれるものを肯定的にとらえるのか否定的にとらえるのか。共働きが基本とするのがいいのかとの疑問が出された。単位は個人か家族か。生活給への取り組みが社会保障要求へ進まなかったのは、労働運動が福祉国家を欺瞞の国家としそれを目指さなかったからなのか。または労働組合運動が右寄りに行ったのは日本の左翼が建設的な方向へ進まなかったからなのか、企業内組合だからなのか、大企業組合での企業内賃金要求だからなのか。それに比べ市民運動は今普通の人が参加している。市民主義なのか「私民主義」なのかそこに市民社会の成熟度がある。その点でまだまだ未熟だとの意見や、戦後民主主義はここまで成長してきたという肯定意見もでました。


*次回から場所が大阪市立住まい情報センター(Tel:06-6242-1160)になります。場所は地下鉄天神橋六丁目駅下車3号出口のすぐ上にあります。

****** ゼミ日程 *******
9月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
池上・森岡編『日本の経済システム』8・9.10章
9月27日(水)午後6時半〜9時天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻4章
10月11日(水)午後6時半〜9時天六・大阪市立住まい情報センター
『日本の経済システム』11・終章
10月25日(水)午後6時半〜9時天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』2巻5・6章
後 11/8、11/22、12/13

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大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2000年7月7日号

6月28日のゼミは、マルクス『資本論』2巻3章「商品資本の循環」を行いました。商品資本の循環を図であらわすと、W'−G'−W…P…W'となる。マルクスはこれまで考察してきた2つの循環、貨幣資本および生産資本の循環と違い、商品資本の循環ではすでに価値増殖された資本価値が価値増殖の出発点になっていることを強調している。W'が運動の出発点、通過点、終結点として実存することは,再生産過程の恒常的条件であるとする。最初から資本が前提されている。ここでは価値の大きさ、その現実的転化が問題となり、消費のことが正面から取り上げられる。個人的消費と生産的消費がこの循環の条件として入り込むという。さらに考察はこれが総資本全体としての運動だけでなく、個別の産業資本の運動と他の個別資本の運動との絡み合いが条件付けられるいう。商品資本として売れなければ循環しないが、その価値実現において分割することも可能として、詳細は計算をしている。この循環がケネーの経済表の基礎になっていることを示唆し、この循環が農業のサイクルであることを明らかにする。討論では、商品の社会的有用が問題となっているのか、売れるかどうかは念頭においていないのではないか、ここでいわれている「生産的消費」とは労働者の個人的消費を含む、と述べられいるが、その後の生産的消費論との関係がどうなるか、等々提起された。

*9月から場所が大阪市立住まい情報センターになります。場所は天六です。

*前号のゼミ日程、9月、10月に誤りがありました。訂正は赤字部。

****** ゼミ日程 *******

7月12日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店
第5章 企業社会の再編成と福祉国家の課題
第6章 ナショナル・ミニマムと社会保障改革
第7章 金融の自由化と金融機関行動の変貌

9月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
『日本の経済システム』8・9.10章

9月27日 マルクス『資本論』2巻4章

10月11日『日本の経済システム』11・終章

10月25日 マルクス『資本論』2巻5・6章

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2000年6月23日号

6月14日のゼミは、池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』「第2章 日本的生産システムと労働組織」「第3章 日本の産業・企業システムとパラダイム転換」「第4章 現代社会におけるネットワーク化の進展」を行いました。
まず、第2章ではトヨタ生産方式がフォードシステムの発展型でありけっしてアンチテーゼでないとし、「ムダの排除」から自働化(人偏のついた自動化)へ、ストレスによる管理へと進み、労働者の自律性を促しながら実は彼の権利を欠くシステムを説く。第3章では、かつての農業社会から工業社会へと進む中で日本の産業・企業システムが、海外資源・西欧技術依存加工貿易、中央集権型、フルセット型となり、大企業中心のタテ型ネットワークを作っているが、その内在矛盾によりヨコ型ネットワークへと転換の方向を示しつつあり,産業と文化の融合化、農業と工業の融合化、労働・学び・遊びの融合化を目指している。第4章では、経済的ネットワークと社会的ネットワークを取り上げ,前者は企業間・企業内・企業と消費者のネットワークとして存在しているが、「市場の失敗」により社会的ネットワークの意義が重要となってくる。それは価値観・関心・目標・目的の「共有」での自立的・共同的発展を伴ったネットワークである。しかしこれとていつも企業の官僚・ヒエラルキーと競合している。討論では、特にネットワークの意味について、タテ型ネットワークといいヒエラルキーを問題にしているが、ネットワークとは、網の目のようにタテとヨコが縦横に絡み合っているものをいい、タテとかヨコとかを別々に扱うのはおかしいのではないか。

****** ゼミ日程 *******
6月28日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター マルクス『資本論』2巻3章 商品資本の循環

7月12日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター 池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店 第5章 企業社会の再編成と福祉国家の課題 第6章 ナショナル・ミニマムと社会保障改革 第7章 金融の自由化と金融機関行動の変貌

9月13日 マルクス『資本論』2巻4章

9月27日『日本の経済システム』8・9.10章

10月11日 マルクス『資本論』2巻5・6章

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大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2000年6月2日号

5月24日のゼミはマルクス『資本論』2巻第2章「生産資本の循環」を行いました。
生産資本の循環の一般的定式P…W−W…Pは生産資本が周期的に更新される再生産を表している。流通過程は生産資本との間の中断・媒介としてのみ為している。まず単純再生産が取り上げられ、第一循環後のWがGへとまた循環に入るのに対してwは資本家の個人消費によりgとして資本流通の外部へいく。しかしそのwは資本家にとっては少しも費用のかからなかった商品価値であり、剰余労働の体現である。資本主義の発展による商品の拡大は市場での消費の限界に直面し、恐慌を呼び起こす。次に拡大再生産では、剰余価値が追加資本として機能するが、それには最低限の蓄積量が必要となる。また不変資本と可変資本の価値構成の変化と労働者の消費の関係をも述べている。さらに貨幣蓄蔵と準備金の問題まですすむ。討論では、単純再生産と拡大再生産の問題は後の章で詳しく述べるので、ここでは循環過程のひとつして述べている。貨幣蓄蔵と準備金の問題を取り出したのは、生産資本として投資するための蓄積が必要であり、素材的問題が取り上げられる。生産資本の循環が古典派の出発点というのも、この点にある。また、マルクスは形態、循環のほか、局面、行為、変態、段階、環という用語をつかって説明している。それぞれが同じ事の言いかえではないか。G―Wはその転化はすぐできるが、内容はもっと重要で、Pm/Aの比率が不均衡の問題、設備投資と景気判断と結びつく。

****** ゼミ日程 *******
6月14日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店
第2章 日本的生産システムと労働組織
第3章 日本の産業・企業システムとパラダイム転換
第4章 現代社会におけるネットワーク化の進展

6月28日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻3章 商品資本の循環

7月12日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店
第5章 企業社会の再編成と福祉国家の課題
第6章 ナショナル・ミニマムと社会保障改革

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2000年5月19日号

5月10日のゼミは谷九の大阪府中小企業文化会館にて、池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』青木書店の「序章 現代日本社会の政治経済学による分析をめぐって」「第1章 今日の日本社会と企業システム」を行いました。
序章では政治経済学とは何かと問い、スミスとマカロックの定義を対比しラスキンを取り上げ、経済分析の基礎とは人類や市民の生活の共通性を見出し、合意しうる倫理やルールを探求し、諸個人の判断力の発達や人格的成長と政治制度、行政組織のあり方を提起することにあるという。産業の進化にartと「生活の知恵」をみ、労働と生活での「疎外された形態」を批判し、「地域おこし」と「自立支援ネットワーク」を展望している。第1章では日本の社会での企業システムを取り上げ、過労死とサービス残業を生み出す労働時間の構造から日本企業の労働システムの特質を、女性労働者とのかかわりで生活時間の視点からの雇用システムの性差別を、所有と経営からの企業システムを、市民社会における企業社会の制御の可能性を検討している。議論では主に序章にあつまり、発達に注目したことと心理学との関係、これを経済学というには違和感があるとの意見、経済学と政治経済学の関係、経済学と市場の法則の関係、生産と消費における個性と創造、また企業が環境と個性重視を打ち出している背景などが、話し合われた。

*注意!!次回の会場は、四天王寺前・天王寺区民センターです。お間違えのないようにしてください。

****** ゼミ日程 *******
5月24日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻2章 生産資本の循環

6月14日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店
第2章 日本的生産システムと労働組織
第3章 日本の産業・企業システムとパラダイム転換
第4章 現代社会におけるネットワーク化の進展

6月28日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻3章 商品資本の循環

後 7/12

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大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2000年5月5日号

4月26日のゼミはマルクス『資本論』2巻第1章「貨幣資本の循環」の第3節「第三段階、W'−G'」第4節「総循環」を行いました。まず、第3節でこの段階の出発点は資本主義的に生産された商品であるとされ、増殖された資本価値の機能的定在形態として商品資本となる。ここで商品は貨幣に転化され、前貸資本価値も剰余価値も実現される。はじめと終わりがGとして貨幣資本の循環であり、Gとgは独立の貨幣形態をとる。第4節では、産業資本は循環過程で3つの資本の機能形態を次々ととり、その各段階で資本の固着化が生じる。G−G'は一般的商品流通と資本価値の自立的運動との統一であり、よって貨幣資本の循環は産業資本の特殊的な現象形態であり、そこで重金主義、重商主義という幻惑的性格をもつ。結局、産業資本の循環の一般的形態は貨幣資本の循環であり、ここには先行条件として賃金労働者階級の存在が前提されている。討論では、素材と価値の関係、一般商品流通と資本流通との違い、商品の性格で資本になるのではなく機能が資本になること、貨幣における概念的と没概念的との関係、運送業での価値増殖・生産的労働の問題、高速道路が生産ラインになり、新幹線の車内が事務所になること、などが取り上げられた。

*次回からのテキストは池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店、4000円です。

*注意!!次回の会場は、谷九・大阪府中小企業文化会館です。お間違えのないようにしてください。

****** ゼミ日程 *******
5月10日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店
序章 現代日本社会の政治経済学による分析をめぐって
第1章 今日の日本社会と企業システム

5月24日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻2章 生産資本の循環

6月14日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店
第2章 日本的生産システムと労働組織
第3章 日本の産業・企業システムとパラダイム転換

後 6/28、7/12

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2000年4月21日号

4月12日のゼミは、会場が四天王寺前の天王寺区民センターに変わり、スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』の「第9章 国際的守護神」「第10章 だから、どうなのか?」を行いました。国際的組織BIS、IMFなどを取り上げ、その主旨にかかわらず問題点があること、専門家の構想も見掛け倒しとする。その中で日本の規制を評価している。国家から市場へとパワーがシフトし、実行可能な国際的金融政策を探っていく。それは富の増大より公正性と安定性の増大を目指し、経済成長の量より質を重視せよと言う。討論では、著者のもくろみは成功したのかに対して、論旨が不明確である、いや国際的金融体制をよく描いていると、意見が分かれた。実物経済の上に金融が乗りそれが肥大化した。世界が市場を通してリンクされ国民経済のたそがれのなかで、果たして規制はできるのか。ドル体制の追求が甘い点に不満が残る。BISの役割は低いという。それに日本の銀行が踊らされいるとは。

*今回で『マッド・マネー』が終わりました。5月からのテキストは池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店、4000円です。

*次回も会場は、天王寺区民センターです。地下鉄谷町線四天王寺前夕陽丘駅下車、2号出口から谷町筋を北へ100m。

***** ゼミ日程 *******
4月26日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻1章 貨幣資本の循環 3・4節

5月10日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店
序章 現代日本社会の政治経済学による分析をめぐって 第1章 今日の日本社会と企業システム

5月24日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻2章 生産資本の循環 1・2節

後 6/14、6/28、7/12

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大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2000年4月7日号

3月22日のゼミはマルクス『資本論』2巻第1章「貨幣資本の循環」 第1節「第一段階、G-W」第2節「第二段階、生産資本の機能」を行いました。
まず、G−Wへの流通はその素材的内容が問われ、AとPmに分かれること、この分離は質的分割だけでなく量的な関係もしめす。その中のG−A労働力の購入することが特別の意味を持つ。つまり、貨幣資本が生産資本への転化を特徴付ける契機であり、価値および剰余価値を創造する能力を持つ生産資本という形態にある。労働力の売買に他とは違いがないが、それが商品として現れることに特徴がある。この労働力の売買関係の中に階級関係を含み前提としている。賃労働者階級の定在ということが、一切の商品生産が資本主義的商品生産へとの移行が促進されることになる。そして商品生産の経営は同時に労働力搾取の経営となる。生産手段は生産過程以外でも資本であるが、労働力は生産過程でのみ資本であり、さらに生産手段は労働力と合体したときのみ生産資本となる。

*次回で『マッド・マネー』が終わります。5月からのテキストは池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店、4000円に決まりました。

*次回から会場は、天王寺区民センターです。地下鉄谷町線四天王寺前夕陽丘駅下車、2号出口から谷町筋を北へ100m。

***** ゼミ日程 *******
4月12日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』第9章国際的守護神 第10章だから、どうなのか?

4月26日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻1章 貨幣資本の循環 3・4節

5月10日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店
序章 現代日本社会の政治経済学による分析をめぐって

後 5/24、6/14、6/28

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2000年3月17日号

3月8日のゼミは、スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』の第7章「金融と犯罪」と 第8章「マッド・マネーの管理」を行いました。
まず、第7章では麻薬マネーにとってグローバルな銀行制度が好都合であり、それにスポットがあたるが、国際的な金融システムでの違法行為は、それよりももっと重要な事、すなわち所得税の回避、私的な詐欺行為、公金横領があるという。このような事態に政府は無力であり、発展途上国での麻薬取引は、その国が一次産品に特化されそれが低価格に置かれていることから発するという。聖職者に比する専門職として銀行が秘密保持をすることから、銀行が汚れた金の隠れ蓑になり、インサイダー取引とタックス・へイヴンとなっている。第8章は各国の金融制度をとりあげ、まずアメリカで中央銀行制度の設立が遅かったこと、本質的に国内指向型であり、そのシステムがグローバルなもののモデルとならないという。また、日本の国家規制と閉鎖性、フランスのナショナリズムと取引所の国際化、ドイツの「社会市場経済」と中央銀行、海外展開とフランクフルトでの国際化、イギリスでの紳士の非公式な管理制度、それが国際化を迎えジャングルの掟へと進むこと等を取り上げ、それぞれの制度の比較をしている。討論では、この間の金融の国際化で外国への送金が自由化され、低金利によるアメリカへの資金の流れができたこと、仮想経済と実物経済との関係、モバイル金融とデビッドカードのこと、さらに孫正義の株で得た何兆円にもふくれあがった金は、仮想か実物か、議論が続きました。

*4月で『マッド・マネー』が終わります。次のテキストを決めます。考えておいてください。今候補に上がっているのは池上惇・森岡孝二編『日本の経済システム』1999年、青木書店です。

***** ゼミ日程 *******
3月22日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
マルクス『資本論』2巻 1章 貨幣資本の循環 1・2節

4月12日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』
第9章国際的守護神 第10章だから、どうなのか?

4月26日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
マルクス『資本論』2巻 1章 貨幣資本の循環 3・4節
後 5/10、5/24、6/14、6/28

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大阪第3学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2000年3月3日号

2月23日のゼミは、京都の資本論ゼミとの合同ゼミの初回となりました。これから『資本論』第2巻を一緒に学んで行くことになります。
「序言」を行いました。まず、2巻の編集方針としてエンゲルスはできるだけ完結した著作とするが、編集者の著作ではなく著者の著作とすることに腐心した。そこでのエンゲルスの大きな役割は、考証学的に遺稿を読者に提供するのではなく、まとまりがあり理解しやすい形で解放運動の理論的武器を提供したことであり、『資本論』が未完成というのは理論的にではなくその叙述と整理にある。ロードベルトゥスがマルクスの剰余価値の発見を剽窃と非難することに対して、アダム・スミスやリカードと同様にその発見のすぐ側まできていながら真の発見者となり得なかったと、酸素の例を出しながら反駁する。マルクスは剰余価値の発見により資本主義的生産の秘密を暴露したのであり、その歴史的傾向をもさし示した。
討論では、資本家と労働者の間の労働力の売買という商品法則には不法性があるのかどうか、それが剰余価値の取得の不法性につながらないか、取得の権利があるのか。ロックの所有論の関連もある。労働と労働力、価値を生むものと価値尺度、労働力商品の価値、価値増殖と価値保存等の問題が出た。さて、資本論がすべての人にわかれば世の中が変わる、とは。

*4月から地下鉄四天王寺前駅を北へ徒歩3分の大阪市立天王寺区民センターを利用します。今までの大阪府中小企業文化会館も利用するときがあります。会場に注意してください。

***** ゼミ日程 *******
3月8日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』
第7章金融と犯罪 第8章マッド・マネーの管理

3月22日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
マルクス『資本論』2巻 1章 貨幣資本の循環 1・2節

4月12日(水)午後6時半〜9時 四天王寺前・天王寺区民センター
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』
第9章国際的守護神 第10章だから、どうなのか?

後 4/26、5/10、5/24、6/14、6/28

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2000年2月18日号

2月9日(水)のゼミはスーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』の「第5章ウォール街およびその他のカジノ 第6章債務国」を行いました。まず、世界経済の動向に対しての、アジア経済の強さから楽観主義と、長期的には危機があるとみる悲観主義とを対比させ、1930年代と異なり90年代はそれについての深い理解があるが、今や一国政府の範囲を超えグローバルに事態は推移している。金融と信用の過剰がその鍵になり、不確実性が増している。国際金融システムと債務国への対処には政府と市場は最終的解決策を見出していない。債務国問題が国際的金融システムの弱点と見て、超国家的な債務が金融システムへの脅威となり、その破綻が伝染して国際金融システムを揺るがしている。さらに超国家機構としてのIMFの債務国への政策がその国を救済することにはならず、ますます貧困化させている。議論では、国際金融資本の資本移動を規制する方向へどうしていかないのか、国際的規制機関が必要。著者は危機の連鎖は政策さえ良ければ避け得たと考えている。アフリカの最貧国ではすべての人まで資本のルールに乗せる必要はなく、経済発展が資本主義への道ではなく、第3の道はないのか。それとも理性と資本主義は両立するのか、理性ある資本主義としてスウェーデンをどうみるか。企業論理ですべてを貫徹させない、国際的は組織(機関)が必要であり、国連がそれに値するのか。

* 次回から『資本論』第2巻が始まります。

***** ゼミ日程 *******
2月23日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
マルクス『資本論』第2巻 序言(新日本新書版)

3月8日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』第7章金融と犯罪 第8章マッド・マネーの管理

3月22日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
マルクス『資本論』第2巻 第1章 貨幣資本の循環

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2000年2月4日号

1月26日のゼミはスーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』の「第3章政治的支柱−日米枢軸」「第4章 政治的支柱−分裂する欧州」を行いました。第3章ではまず米国が安全保障を提供する変わりに日本は費用を支払うという関係が日本の黒字増加で対ドル資産投資へ、摩擦と協調へと進み、米国の財政赤字がファイナンスされ日本がそれを買うという関係になった。1930年代の教訓を覇権安定論に求めている。もしその時アメリカが覇権を行使したならあのような大恐慌にならなかったという。第4章では欧州のEUまでの結集の動きを、逆にユーロの不確実性から分裂面を描いている。ユーロが強い場合も弱い場合も不安定であると説く。討論では日米関係の協調はむしろ一方的な協調つまり従属ではないか。欧州からみた日米関係はそのように見えるのか。覇権安定論には著者がケイジアンとしてコントロールする面を強調している。また1929年恐慌という点ではなくその後の30年代の面を捕らえていることに興味が湧く。分裂する欧州では、むしろうまくいっている印象がある。欧州の統合は資本の欧州内の国境を越える動きと関係ある。ただ直接欧州のだた中にいる著者にはEUの不安定と分裂の面がみえるのか。

*2月23日からの『資本論』第2巻は、新日本出版新書版を使用することになりました。1回目は「序言」のみです。
*ホームページ引っ越しました。
http: http://ysweb.g.dgdg.jp/ytakada/kisoken/

***** ゼミ日程 *******
2月9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』第5章ウォール街およびその他のカジノ 第6章債務国
2月23日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
マルクス『資本論』第2巻序言 (新日本新書版)
3月8日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』第7章金融と犯罪 第8章マッド・マネーの管理

今後の予定:3/22


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2000年1月21日号

1月12日2000年最初のゼミは、ヒルファディング『金融資本論』の最後となる、第23章 金融資本と諸階級、第24章 労働協約をめぐる闘争、第25章 プロレタリアートと帝国主義を行いました。金融資本の発展は社会経済的・政治的構造を根底から変える。中間層の従属化、それに伴う労働者との連帯から社会主義へ。対して「新中間層」というサラリーマンが労働者と対立する。労働組合が労働収益をめぐり企業者組織と対立する。また金融資本が帝国主義的政策を取るには国家の権力を必要とする。結局金融資本は社会化を促進して社会主義の準備をする。ヒルファディングは時代の変化に敏感であり、それを理論化して行った。経済と政治との関連性に確固たる視点をもっていた。そして変革への方向・プログラムを明確に述べていた。ヒルファディングをレーニンの眼から見るのではなく、その時代との関係で評価しなければならない。社会化の意味を問いなおす必要が出てきた。一つの指揮下に統合されるのではなく、ネットワーク的な関係が緊密化して行くことではないか。システムをネットワークへと議論が進んだ。

『金融資本論』は、1997年9月24日に始まり、計19回のゼミで読了し、足掛2年半かかりました。最初は流通・金融論、株式会社論として、また恐慌論としてよく取り上げられるが、最後の編は政策論として、中間層論、「新中間層論」として、興味深いものでした。

* 1月の2週と4週を入れ替えました。次回は『マッド・マネー』になります。
* 2月23日からの『資本論』第2巻は、新日本出版新書版を使用することになりました。序文のみとなる場合があります。京都の「資本論ゼミ」との合同する話は、現在詰めの交渉をしています。ご意見をお寄せください。

***** ゼミ日程 *******
1月26日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』岩波書店 第3章政治的支柱−日米枢軸 第4章 政治的支柱−分裂する欧州
2月9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』第5章ウォール街およびその他のカジノ 第6章債務国
2月23日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
マルクス『資本論第』第2巻 序文、(第1章 貨幣資本の循環:未定)

今後の予定:3/8、3/22


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2000年1月7日号

あけましておめでとうございます。Y2K問題であけた新年、少し緊張したような年明けでしたが、大きな事故もなく無事2000年となりました。私も2日に会社に出勤し、パソコン、ファックスなどのチェック、工場での点検の確認と正月休みが中断しましたが、何もないとなると、なにやら空騒ぎをしたような気分がしました。
12月8日のゼミはスーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』「 第1章凶器にいたったカジノのイメージ」と「第2章 技術革新」を行いました。現在2つの脅威、環境問題と金融システムの崩壊が起こっている。その金融システムの崩壊に際し、カジノ資本主義と呼ばれるものは、人々を非自発的ギャンブラーにしてしまった。そして超国家的に統合されて市場化されたものとなった。80−90年代には技術革新の速度が増し、製造業だけでなく金融業でも取引や記録のコンピュータ利用、新しい信用手段の導入が進んだ。ディリバティブは本来リスク回避のためであったがそれ自身が証券化され増加していった。銀行業は安全な仲介者から巨額の利益が転がり込む投資へと進んで行った。

* 1月の2週と4週を都合により入れ替えます。『金融資本論』は1月12日、『マッド・マネー』は1月26日となります。注意してください。
* 『資本論』第2巻について京都の「資本論ゼミ」から合同する話がきています。基本的にはいい話なのですが、会場と曜日ついて合意できるかどうか検討が必要です。ご意見をお寄せください。

***** ゼミ日程 *******
1月12日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
ヒルファディング『金融資本論』 第23章 金融資本と諸階級 第24章 労働協約をめぐる闘争 第25章 プロレタリアートと帝国主義
1月26日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』岩波書店 第3章政治的支柱−日米枢軸 第4章 政治的支柱−分裂する欧州
2月9日(水)午後6時半〜9時 谷九・大阪府中小企業文化会館
スーザン・ストレンジ『マッド・マネー ―世紀末のカジノ資本主義―』第5章ウォール街およびその他のカジノ 第6章債務国
今後の予定:2/23、3/8、3/22

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