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大阪第三学科たより
2005年


2005年12月23日号
2005年12月9日号
2005年11月25日号
2005年11月4日号
2005年10月21日号
2005年10月7日号
2005年9月23日号
2005年9月9日号
2005年7月22日号
2005年7月6日号
2005年6月22日号
2005年6月8日号
2005年5月4日号
2005年4月20日号
2005年4月6日号
2005年3月18日号
2005年3月4日号
2005年2月4日号
2005年1月21日号
2005年1月7日号


2005年12月23日号

大寒波が年末に日本を襲った。確か今年は暖冬との予報。当たらぬのも長期予報なり。耐震偽装黒幕との疑惑の人、自宅は最新の耐震構造とか。

[第501回ゼミ報告]
12月14日のゼミは出版プロジェクトに向けた個別報告会で、森井さんの「とうもろこしから見る食糧と人間の暮らし 資本化する科学技術U」と大辺さんの「大企業の社会的責任」を行いました。森井さんの報告から。まず節立て:はじめに 1.とうもろこしの歩みと現状 2.遺伝子組み換え作物、認可と栽培、知的所有権と特許権 3.政府の情報通信科学の推進と工業化農業 4.科学技術の足跡とバイオテクノロジー農業 5.『自然の死』と『カニバリスムの秩序』 5.有機的世界観への回帰 終わりに。 私たちの生存を保障する重要な食糧の生産を、農業のとうもろこしを切口に、今私たちが置かれている状況を敷衍しそのもたらしているものを見据え、結局は人類発生以来の知恵の累積である地球との共存にたちかえることにしか展望は見出せないことを主張したい。討論では、有機農法と反技術論をどうとらえるか。的をしぼることが必要。後半ではとうもろこしから問題を広げすぎているようだ。大辺さんの報告から。具体的に書くこととして、税制としてとりあげられたこと、政府税調と自民と税調の力関係、実現した税制の具体的な中身、政治学などで経済連の圧力をどうとらえてきたか、企業の社会的責任と本来の社会的責任の対比、庶民増税、社会保障負担の増加と企業減税の対比、課税最低限のこと、現在の社会状況のなかで企業の責任はどこにあるか、財政赤字の原因とその解決方法、ごまかしの論理、自己責任を強調するが企業としては負担から逃れようとしていることを示す。 討論では、消費税の逆進性、大企業の責任と共同責任をどのように対比するのか。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回12月28日のゼミが出版プロジェクトの第1次草稿提出日です。当日は森岡先生用とゼミ参加者用に10部コピーをお持ちください。
*前号12月9日号のゼミ報告の日付が11月9日となっていました。11月30日の間違いです。お詫びして訂正いたします。
*1月から鶴田満彦/編著『現代経済システム論』の第2部8章からと、『資本論』第3巻33章からを再開いたします。

****** ゼミ日程 *******
12月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:報告・高島さん

1月11日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第2部8・9章  報告者未定

1月25日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻33章「信用制度下の通流手段」 

2月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第3部10,11,12章

後 2/22、3/8(いずれも天六)、3/29


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2005年12月9日号

祝ゼミ第500回。1977年10月20日に始まったゼミは2005年11月30日に500回目となりました。足掛け27年余、くしくも現在の参加者中唯一第1回に参加された小野さんが500回目に報告。目指せ千回へ。

[第500回ゼミ報告]
11月30日のゼミは出版プロジェクトに向けた個別報告会で、小野さんの「繊維産業のグローバル化とユニクロ経営」と高田「アウトソーシングされる労働と生産」を行いました。小野さんの報告から。まず節立て:1.はじめに 2.繊維産業のグローバル化の流れ 3.「ユニクロ」経営成功の秘密 4.「ユニクロ」経営をどう評価するか。 一定の需要・消費があるのに、製造業が衰退している。輸入依存のグローバル化。安い輸入品ならユニクロだけではない。生産システムと消費者のむすびつきがうまくいった。ユニクロはベネトンになれるか。繊維と電機とでは政府の政策に差がある。クリエーション能力が重要である。高田の報告から。まず節立て:1.はじめに 2.「アウトソーシング」される労働 @)現代までの外部委託の歴史概観 A)現在進行している労働の「アウトソーシング」の諸現象 B)製造業での請負から派遣へ 3.「アウトソーシング」される生産 @)化粧品業界と受託製造業、ブランドメーカーと製造 A)EMS、その強大な「下請業」とグローバルな生産の外部委託 4.製造業の変化と「アウトソーシング」の波、これからの製造業の行方。 日本の製造現場が変わっている。同じ労働現場で働く人達が様々な形態で雇用されている。職場がるつぼになっている。その生産のまた外部委託されたものである。不安定な労働と不安定な生産、それが現在の生産現場の姿。生産と労働ではないか、生産過程の変化が労働の変化をもたらす。労働の指揮権の問題と団結権の破壊が主眼。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*12月28日までのゼミは、毎回出版プロジェクトへの個人報告会です。鶴田満彦/編著『現代経済システム論』の第2部8章からと、『資本論』第3巻33章からは、来年のゼミから再開いたします。
*個人報告会では、執筆者の方に2回程度報告していただき、目次構成と参考文献を載せたレジュメを提出していただきます。第1次草稿は12月28日が提出期限です。さあ、ラストスパートしましょう。

****** ゼミ日程 *******
12月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:以下の報告予定
大辺さん「大企業の社会的責任」  森井さん「とうもろこしから見る食糧と人間の暮らし 資本化する科学技術U」

12月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:報告・大辺さん、高島さん

1月11日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第2部8・9章

後 1/25、2/8、2/22(いずれも天六)


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2005年11月25日号

秋といえばもみじ。太陽のバックライトに映えた紅葉は、本当に秋を感じました。それにしても秋の京都の寺社は人がいっぱい、車がいっぱいでした。

[第499回ゼミ報告]
11月9日のゼミは出版プロジェクトに向けた個別報告会で、大辺さん「大企業の社会的責任」と高橋さん「グローバル時代の企業ルール」を行いました。大辺さんの報告から。まず節立て:はじめに 1.大企業と財政赤字 2.最近の税制の動き 3.大企業の社会的責任。近年富に増してきた生活不安と儲かる大企業、4分の1の世帯が貯蓄なしと。財政は土建国家と産業育成、企業優遇を続けてきた。さらに税制そのものが財界の要望に沿うものとなっている。CSR論が広がっているとしても、それは企業の利益と折り合いがついたものとなっている。投票で政策を選ぶ選択的納税制度を提案にしたい。高橋さんの報告から。まず節立て:まえがき 1.グローバル化の社会的側面 2.ILOの主張する国際的ルール 3.日本政府=企業の労働基準への対応 4.「公正な」企業ルールの必要性。ILOが提起した企業活動と労働の“公正なルール”から日本の企業活動と労働の現状を考察し、国際ルールを基準とした社会の建設こそが平和で自由な国民生活の安定につながることを主張する。日本政府や企業はILOの条約・勧告に賛成しながら、「国によって事情が相違する」として多くを批准していない。国際ルールが重要。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回のゼミで500回目となります。それを記念して、去る11月23日に「大阪第三学科ゼミ500回記念ハイキング」を行いました。洛西の大原野神社から勝持寺、さらに光明時寺まで足をのばしました。紅葉の中、高橋さん、高島さん、仲野さん、森井さん、川口さんと高田、途中から小野さん、中村さんの8名が参加いたしました。
*12月28日までのゼミは、毎回出版プロジェクトへの個人報告会です。鶴田満彦/編著『現代経済システム論』の第2部8章からと、『資本論』第3巻33章からは、来年のゼミから再開いたします。
*個人報告会では、執筆者の方に2回程度報告していただき、目次構成と参考文献を載せたレジュメを提出していただきます。

****** ゼミ日程 *******
11月30日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:以下の報告予定
小野さん「繊維産業のグローバル化とユニクロ経営」
高田「アウトソーシングされる企業と労働」

12月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会(報告者未定)

12月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:報告・大辺さん、高島さん

後 1/12(天六)

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2005年11月4日号

日本シリーズが早く終わってしまった。何故セリーグで優勝できたのかわからないまま、終わってしまった。やっぱりいつもの通りの姿に戻ったのか。

[第498回ゼミ報告]
10月26日のゼミは出版プロジェクトに向けた個別報告会で、仲野さん「アメリカのスタッフィング産業と労働市場改革」と高島さん「日本の家計資産−不安定化と格差化」を行いました。仲野さんの報告から。まず節立て:はじめに 1.労働力流動化の構造と労働市場仲介業の重要性 2.スタッフィング産業の労働市場に与える影響 3.対抗する労働市場改革運動−底辺労働者の底上げ まとめ。アメリカの労働市場が正規から非正規雇用へ流動化し、そこに職業紹介・人材派遣企業が隆盛を極めていて、また弱点をもっている。それにたいする改革運動までみる。労働力流動化が進展する中、労働市場仲介業がその役割を担う。低所得者層ほどそれを利用し、貧困からの脱出を困難にしている。それに対抗する労働市場改革運動が地域から起こりつつある。高島さんの報告から。まず節立て:1.はじめに−視角と構成 2.「国富」に占める各経済主体の位置 3.主な家計資産の動向 4.家計資産をめぐる諸要因 5.若干の総括。グローバル化の波及で日本経済全体が変動し、家計における資産の動向がどのような影響を被ったかを考察する。家持狂騒曲の強制と帰結、バブル崩壊後の土地価格の長期低落と住宅ローンの残高の桎梏、最近の都心開発ブームまでみる。結局、家計水準の変動は大きな不安定化と格差化をもたらす。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*12月28日までのゼミは、毎回出版プロジェクトへの個人報告会です。鶴田満彦/編著『現代経済システム論』の第2部8章からと、『資本論』第3巻33章からは、来年のゼミから再開いたします。
*個人報告会では、執筆者の方に2回程度報告していただき、目次構成と参考文献を載せたレジュメを提出していただきます。
*次々回(11/30)で第500回目のゼミを迎えます。それを記念して秋恒例のハイキングを11月23日に計画しています。場所は次回ゼミで決定。

****** ゼミ日程 *******
11月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:以下の報告予定
大辺さん「日本経済連の21世紀ビジョンと税財政改革」
高橋さん「グローバル時代の企業ルール」

11月30日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:報告・小野さん、高田

12月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会(報告者未定)

12月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会(最終、報告者未定)

後 1/12(天六)

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2005年10月21日号

人の痛みがわかるかどうか、それが人として一番大切なもの。その人とは自分の国だけでなく、踏みにじった国の人も含むということも。参拝を憂う。

[第497回ゼミ報告]
10月12日のゼミは出版プロジェクトに向けた個別報告会で、小野さん「繊維産業のグローバル化とユニクロ経営」と、森井さん「とうもろこしから見る食糧と人間の暮らし 資本化する科学技術U」を行いました。
小野さんの報告から。まず節立て:1.衣料品のマーケットサイズ 2.なぜユニクロは安いのか 3.なぜユニクロは売れるのか 4.ユニクロはどこへ行くのか。衣料品は食料品について消費が多いが、構造的不況にあえいでいる。その中で異常とも言える高収益をあげているユニクロを取り上げる。工程別多段階構造を克服し、海外に生産拠点を求め、ファッション性の高い商品を作り出している。議論では、工程別多段構造という日本的生産体制を破壊したことに注目する。下請けには市場を通す下請けと市場を通さない下請けがある。製品の厳しい検査と返品リスクを商社に持たせたこと。森井さんの報告から。まず節立て:はじめに T.『とうもろこしが魚になる日』 U.とうもろこしの歩み V.GM(遺伝子組換)作物 W.日本農業の変遷概略 X.アグリビジネス(種苗企業)、石油化学企業、製薬企業 Y.科学技術の足跡→21世紀に至るも産業革命後の略奪、支配の改善は進まない おわりに。遺伝子操作による作物の代表としてとうもろこしを取り上げ、それが単なる食糧だけでなく、飼料・工業用素材となり、アグリビジネスを成長させ、科学技術応用栽培にいたる。議論では、あまりに範囲が広い、グローバル化との関係はどうか、アグリビジネスそのものだ。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*12月28日までのゼミは、毎回出版プロジェクトへの個人報告会です。鶴田満彦/編著『現代経済システム論』の第2部8章からと、『資本論』第3巻33章からは、来年のゼミから再開いたします。
*個人報告会では、執筆者の方に2回程度報告していただき、目次構成と参考文献を載せたレジュメを提出していただきます。

****** ゼミ日程 *******
10月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:以下の報告予定
仲野さん「アメリカのスタッフィング産業と労働市場改革」
高島さん「階層化と格差化に揺れる家計資産」

11月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:報告・大辺さん、高橋さん

11月30日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:報告・小野さん、高田

12月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会(報告者未定)

後 12/28(天六)、1/12(天六)

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2005年10月7日号

優勝したというのに2年前と比べてこの静けさは何だろう、大人になったトラファン。どうして「だめトラ」が突然強くなったのか、わからないまま。

[第496ゼミ 報告]
9月28日のゼミは出版プロジェクトに向けた個別報告会で、高橋さん「グローバル時代の企業ルール」と、高田「アウトソーシングする企業と労働」を行いました。高橋さんの報告から。まず節立て:まえがき、1.グローバル化の社会的側面、2.ILOの主張する国際的ルール、3.日本政府=企業の労働基準への対応、4.「公正な」企業ルールの必要性。「現代の企業活動と労働は“公正なルール”に基づいて行われなくてはならない」というILOの国際ルールの提言を中心に、日本の企業活動と労働の現状について考察し、国際ルールを基準とした社会の建設こそが平和で自由な国民生活の安定につながることを主張する。議論では、ILOは絶対的な神か、中立か、労働組合側の分析はどうか、労働者の権利として考えること、国によって事情が違うということで逃げている。高田の報告から。まず節立て:1)「アウトソーシング」とは何か、2)労働の「アウトソーシング」、3)化粧品製造における外部委託の実態、4)EMSを使った企業の製造活動の変化、5)製造業の変化と「アウトソーシング」の波、これからの製造業の行方。現代の企業活動、特に近年製造業で「アウトソーシング」の流れが急速に広がっている。それは単に労働部面が変わっただけでなく、製造業そのものが外部化されていく、その行方を具体的な分析で追う。議論では、資本の指揮権・管理権をどのようにとらえるのか、労働と製造現場では外注化も違うのでは、アウトソーシングする側、される側から立体的な分析へ、事例中心に。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*12月28日までのゼミは、毎回出版プロジェクトへの個人報告会です。鶴田満彦/編著『現代経済システム論』の第2部8章からと、『資本論』第3巻33章からは、来年のゼミから再開いたします。
*個人報告会では、執筆者の方に2回程度報告していただき、目次構成と参考文献を載せたレジュメを提出していただきます。

****** ゼミ日程 *******
10月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:以下の報告予定
小野さん「繊維産業のグローバル化とユニクロ経営」
森井さん「世界の水ビジネスとボトルウォーター産業」

10月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:報告・仲野さん、高島さん

11月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会(報告者未定)

11月30日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会(報告者未定)

後 12/14(天六)、12/28(場所未定)

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2005年9月23日号

北の大地へ行ってきましたと、どこが大地なのか、駅前はいずこも同じ風景。大会後にドライブした直線の道で少しだけ大地を感じました。

[第495回ゼミ 報告]
9月14日のゼミは、鶴田満彦/編著『現代経済システム論』の第2部「日本型経済システムの特質と変容」の第6章「経済構造の変容とその帰結」、第7章「金融のグローバル化と日本版ビッグバン」を行いました。日本経済の特徴は1990年代の異例の長期停滞と経済構造の変容において示される。その構造的な特徴はバブル経済の崩壊、従来産業の競争力低下と市場の成熟化、グローバリゼーションの進展、財政出動と輸出依存、大企業体制と対米従属にあるという。それが過剰資本の投機マネー化をうながし、長期停滞からデフレスパイラルに陥った。それに対する構造改革は有力企業だけを生き残らせ、目先の財政再建と過剰資本の一時的処理を強行し、財政危機の深化と新自由主義路線の進展、上場企業まで破綻することとなった。その中で金融ビジネスはグローバル化に至り、金融ビッグバンが行われ、アングロ・アメリカン型モデル=市場金融モデルでの金融再編成が進められた。議論では、過剰資本の問題で、例えば住専に公的資金を早く導入したほうが良かったのか、政策ミスだけなのか。対米従属と大企業体制を特徴に上げているが、それは90年代に始まったものではない。その「ゆがみ」とは何か。ここでは過剰資本がキーワードである。システムというが日本経済全体としては考察に農業が入っていない。大企業体制として普通名詞を使うが経済学のタームであるのか。その意味付けはこれでいいのか。システムの危機とはどこまでなのか。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*12月28日までのゼミは、毎回出版プロジェクトへの個人報告会に当てることになりました。今取り組んでいる鶴田満彦/編著『現代経済システム論』の第2部8章からと、『資本論』第3巻33章からは、来年のゼミから再開いたします。
*個人報告会では、執筆者の方に2回程度報告していただき、目次構成と参考文献を載せたレジュメを提出していただきます。

****** ゼミ日程 *******
9月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:以下の報告予定
高橋さん「グローバル時代の企業ルールとディーセントワーク」
高田「アウトソーシングする企業と労働」

10月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:報告・小野さん、森井さん

10月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会:報告・仲野さん、高島さん

11月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト 個別報告会(報告者未定)

後 11/30(天六)、12/14(天六)、12/28

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大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2005年9月9日号

高度に発達した資本主義、それを代表する国が実は非常に遅れた社会を持っていた。秩序の乱れと暴行・略奪、貧困と社会不安、そんな姿を見事に抉り出した自然災害、否これは人災だと、ハリケーンに吹き飛ばされた米国。

[第494回ゼミ 報告]
7月27日のゼミは、マルクス『資本論』3巻32章「貨幣資本と現実資本V」を行いました。貨幣資本の蓄積には産業資本の蓄積とは本質的に異なる一契機が入っている。収入がしばらくの間貸付可能な貨幣資本に転化する。貸付可能な貨幣資本の蓄積とは、実際には借りられる貨幣の前貸しとして現れる事実以外のなにものもあらわしていない。資本家が銀行業者に貨幣を貸し、これを資本家に貸し付ける、その仲介者が資本の処分権を握っている。貨幣資本の過多は過剰取引、過剰生産、過剰信用を発展させるが、同時にその反動を呼び起こす。利潤が他人の労働の取得であるばかりなく、それに用いる資本も他人の所有物からなっていて、貨幣資本家が産業資本家の自由な使用にゆだねながら、こんどは貨幣資本家が産業資本家を搾取する。同一の貨幣片が何回もの貸付資本として表れることから、同じ総量の貨幣が非常に異なる総量の貨幣資本を表している。実現された資本を表す貨幣であろうと収入を表す貨幣であろうと、貸し出しという行為で発達した信用制度の下では、それは貸付資本となる。議論では、マルクスは銀行資本と産業資本の関係で、産業資本家を搾取する、と述べている。搾取と収奪ということから、ここで産業資本家に対して使うことはどうか。産業資本から金融資本へ転化していた企業といえば、GEの例がある。再生産の外にある銀行資本が産業資本を支配するというが、GEは産業資本から金融資本に転化を図った。ほのぼのレイクの例あり。商業信用と貨幣信用との区別がまたまた問題になってきた。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*出版プロジェクトの緑陰合宿が8月28日・29日に関西大学彦根荘で行われました。
*出版プロジェクトを成功させるために、合宿中に話し合い、12月28日に予定されている新雪合宿までのゼミを9月第2回目から12月中のゼミまで、毎回個人報告会に当てることを計画しています。他の参加者には申し訳ないですが、議論に参加して下さい。次回のゼミで決定いたします。

****** ゼミ日程 *******
9月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第2部6・7章 

9月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
予定:出版プロジェクト 個別報告会

10月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
予定:出版プロジェクト 個別報告会

後 10/26、11/9、11/23、12/14、12/28

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2005年7月22日号

突然「労災」が「公害」になった石綿。これまでなぜ、これほど大きな問題であることはわかっていながら、大きなニュースとならなかったのか。企業の責任が大きいが、それを放置してきた政策当局、いつも同じ繰り返し。

[第493回ゼミ 報告]
7月11日のゼミは鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第1部第4章「グローバル資本主義」、第5章「21世紀の資本主義」を行いました。グローバル資本主義について、グローバリゼーションとは実態であり、グリーバリズムとは政策、イデオロギーであると概念付けている。現代グローバリゼーションの推進力は70年代以降の情報技術革命と経済における金融の比重の増大つまり経済の金融化、パクス・アメリカーナを再構築しようとするアメリカの死活の努力による。国民経済は危機に瀕していて、それに対し国民国家・経済の自主性・自立性を維持する必要がある。結局グローバリゼーションはアメリカのユニテラリズムへと転化し、投機的金融資本による危機が頻発する。21世紀への課題として、グローバル資本主義の暴走に歯止めをかけ、公平・平等、環境保全の国際秩序を構築することが急務となっている。21世紀資本主義で市場原理主義的グローバリズムが人間の社会生活に破壊的な作用をおよぼす可能性を持っていて、その攻防が重要な課題となる。
議論では、国民国家・国民経済と市場経済・市民社会・人間社会を対立的にとらえるのかどうか、それらの概念規定が問題だ。ソ連社会主義について、一定評価しているが、囚人労働と東ヨーロッパの収奪という事実をみなければならない。途上国の「新工業化」政策について、それを良いこととしてしまっていいのか、開発独裁をどう考えるか、結局誰がするかという面を考え、農業革命と部族社会のゆくえ、資本主義への道を考える必要がある。国家に対して、自由な共同体としての中間団体・コミュニティーを対立させ、そこに経済=市場と資本家・労働者をどのように配置するかが、問題となる。そこで考えるべき視点は、主体形成であり、どのような階級・階層がグローバリゼーションと21世紀資本主義に対する対抗機軸を築けるかどうかにかかっている。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回7月27日から再び水曜日です。お間違えのないように。
*出版プロジェクト・緑陰合宿は8月28日(日)29日(月)に関西大学彦根荘で行います。7月末までにテーマ修正届けをします。

****** ゼミ日程 *******
7月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻32章「貨幣資本と現実資本V」 

9月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第2部6・7章  

9月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻33章「信用制度下の通流手段」 

後 10/12(水)、10/26(水)

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大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2005年7月6日号

今年の梅雨はカラ梅雨で、水不足が深刻になると、ニュースが報じていたと思ったら、突然の大雨。天気予報は当たらない、天気予測、天気予言?

[第492回ゼミ 報告]
6月27日のゼミはマルクス『資本論』3巻31章「貨幣資本と現実資本U」 をおこないました。この節はエンゲルスによれば脈絡あるものに仕上られている。貨幣資本の貸付資本への転化は貨幣の単なる転化と資本または収入の貸付資本への転化がある。後者が産業資本の蓄積と関係する。まず、単純な転化から。遊休資本が貸付資本になる場合は産業資本が停滞期にあり、商業信用が銀行信用を必要としない時期では両者は独立した運動をする。また銀行の集中により「浮動資本」が出てくる。結局貸付資本の総量は銀行券と硬貨の総量とは異なる。現実資本の蓄積を見ようとするならば、輸出統計が一つの基準となる。後者について。貨幣資本の蓄積は商業信用の停滞でも流通手段の節約でもない。産業資本家の現実の蓄積とかかわり、再生産資本の要素が増加する。貨幣資本の蓄積は直接貨幣形態でおこなられ、現実資本の蓄積が再生産資本の諸要素の増加となる。信用制度と大銀行の発展の結果、貨幣貸付業務が集中するが、現実の蓄積とは異なる。結局産業資本家の蓄積予定部分で当面の使い道がないものが貸付資本に投下される。信用制度の発展は収入の増加でさえも貸付資本の増加として現れる。生産資本に転化するためには一定の最低限度に達していなければならない。
議論では、日本の貸付で、利息が二重の規制になっていて、そのすき間に多くのサラ金が存在している。利息制限法と出資法である。それは個人だけでなく法人への貸付にも同じことが起こっている。都市銀行と商工ローンの間をねらうビジネスローンがあり、新銀行東京の試みをそうである。近年ビジネスコーンの広告が増えている。最低限度の資本の問題は第1巻との関連を考えねばならない。植民地貿易が株式会社を生み、取引所と銀行をつくり、証券市場が形成されてきた。資本主義の発展にとって「複式簿記と株式会社」が決定打である。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*7月11日まで月曜日に変更し、7月27日から再び水曜日です。
*出版プロジェクト・緑陰合宿は8月28日(日)29日(月)に関西大学彦根荘で行います。7月末までにテーマ修正届けを出してください。出欠通告がまだの人は連絡を願います。

****** ゼミ日程 *******
7月11日(月)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第1部4・5章  

7月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻32章「貨幣資本と現実資本V」 

9月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第2部6〜9章  

後 9/28(水)

[一番上に]


2005年6月22日号

国内回帰ともてはやされたシャープ亀山工場を見学した。肝心の液晶製造工程は見れず、最後の検査工程のみ。そこで働くのは派遣社員のようだ。

[第491回ゼミ 報告]
6月13日のゼミは鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第1部「現代経済システムの生成と展開」の第1章「マルクス経済学と経済システム論」、第2章「独占資本主義」、第3章「第2次世界大戦後の資本主義」を行いました。『資本論』のエッセンスは労働価値論と搾取論−剰余価値論にあるが、しかしながら現代の生きた労働がゼロの完全オートメーション等により「価値概念のゆらぎ」がある。資本論を資本主義一般の理論とし、中間理論として独占資本主義論を構築し、それには「ある程度の蓋然性」を含むという。第2次世界大戦後の資本主義は、ソ連型社会主義政界体制の形成と資本主義の危機の進化、植民地独立という歴史的諸条件により、帝国主義対立の交替:パックス・アメリカーナを形成し、資本主義内部での福祉国家化を推進し、国家独占資本主義を確立した。70年代を転機としてグローバル資本主義へと進んでいった。
議論では、まず経済システム論的アプローチについて始まった。生産過程、生産構造を見る場合はどうか、システム論では社会システムとしてすべて解消し、上部構造と下部構造、生産関係という論理展開ができない。システムを動かしているのは諸経済主体の行動であるとした場合、本当はそのベースに行動ではなく、例えば資本の人格化という考え方が必要である。結局社会システムはサブシステムとして、入れ替えたり、出したり、引っ込めたり、便利な乗り物になるが、その基礎に社会を動かしているものが見えてこなくなる。独占資本主義論を中間理論として捉えているが、中間ではなく、一般と特殊、一般と個別ということではないか。その結果が「中間理論にはある蓋然性を含む」といい、理論的な構築から逃げてしまう。中間理論をいうことにより、むしろ宇野理論の段階論に近づいている。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*7月11日まで月曜日に変更し、7月27日から再び水曜日です。
*出版プロジェクト・緑陰合宿は8月28日(日)29日(月)に関西大学彦根荘で行います。7月末までにテーマ修正届けを出してください。

****** ゼミ日程 *******
6月27日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻31章「貨幣資本と現実資本U」 

7月11日(月)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第1部4・5章  

7月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻32章「貨幣資本と現実資本V」 

9月14日(水)午後6時半〜9時  場所未定
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第2部6・7章  

後 9/28(水)

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大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2005年6月8日号

六甲山荘から視る大阪湾は広くもあり狭くもある。なんと神戸空港らしき埋立地の向こうに関西空港が望める。公共工事の見直しはいつ始まるだろうか。

[第490回ゼミ 報告]
5月23日のゼミは、マルクス『資本論』3巻30章「貨幣資本と現実資本T(商業信用。産業循環の異なる諸局面における貨幣資本と現実資本)」を行いました。本来の貨幣資本の蓄積は、どの程度まで資本の現実的蓄積の指標であるのかどうか、貨幣・貸付可能資本・現実資本それぞれの過不足の関係を述べる。ここでの貨幣資本は貸付可能な貨幣資本の蓄積である。まず商業信用を純粋な形態でみると、再生産に従事する資本家達が相互に与え合う信用であり、そのものの中に「資本の過多」を引き起こす要因は存在しない。そこで商業信用に本来の貨幣信用が加わると、再生過程の撹乱の要因となる危険な事態が進行する。恐慌について、その根源は一方での大衆の貧困と、他方での社会の絶対的消費能力がその限界をなしているように発展させる資本主義的生産様式の衝動である。
議論では、商業信用が商売の基本である。恐慌の基礎として、その膨張と書かれているが、手形であるのかどうか。恐慌を引き起こすものとして、手形といかさま手形を対比させている。手形割引が貸付かどうか、議論が続いた。手形割引での前貸しは名目的であり、所業信用に銀行信用が加わる。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*出版プロジェクト・新緑合宿を5月7日(土)8日(日)関西大学六甲山荘で行いました。活発に議論をしました。
*5月9日のゼミは、合宿翌日ということで、お休みにいたしました。
*次回ゼミのテキストは鶴田満彦/編著『現代経済システム論』日本経済評論社2005年3,360円です。
*4月から7月11日まで月曜日に変更いたします。7月27日は水曜日。
*出版プロジェクト・緑陰合宿は8月28日(日)29日(月)に関西大学彦根荘で行います。7月19日まで参加申し込み、7月末までにテーマ修正届けを出してください。

****** ゼミ日程 *******
6月13日(月)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第1部1〜3章 

6月27日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻31章「貨幣資本と現実資本U」 

7月11日(月)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第1部4・5章  

7月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻32章「貨幣資本と現実資本V」 
後 夏休み後、9/14(水)

[一番上に]


予定していた2005年5月9日のゼミは、お休みいたしました。報告は次々回6月13日に順延といたしました。


大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2005年5月4日号

車にハンドルはあるが電車にない、アクセルとブレーキだけ。ハンドル操作を誤ればカーブを飛び出すが、ないから飛び出さないとは限らない、レール通り走らない電車。若い運転士に過密ダイヤと遅延プレッシャー、管理。

[第489回ゼミ 報告]
4月25日のゼミはマルクス『資本論』3巻29章「銀行資本の構成諸部分」を行いました。銀行資本が何から構成されているか立ち入ってみる。貨幣は資本ではないが、銀行業者経済学では貨幣は真の意味で資本である。貨幣資本は商品資本、生産資本と区別される通過形態のひとつ。銀行資本は、金・銀行券と有価証券である手形、公的有価証券、株式、投下資本、預金、銀行券から成っている。あらゆる価値額は可能性としての利子に対立して元本として現れる。資本還元されて架空資本が形成され、現実的価値増殖過程との一切の関連は最後の痕跡まで消えうせる。資本とは自己自身で増殖する自動装置であるという観念が固定する。株式は実現すべき剰余価値にたいする"比例的な"所有有価証券であり、価値はつねに資本還元された収益にすぎない。利子生み証券の最大の部分は手形の割引である。結局、銀行業者の資本の最大部分は純粋に架空なものであり、その大部分は預託されている公衆の資本を表している。預金とは公衆が銀行業者に貸し付ける特殊な名称である。
議論では、銀行資本そのものとは何か、銀行資本と銀行業資本とは別か。手形を最初は利子生み証券と区別しているが、後半で手形割引を論じて利子生み資本としている。既に「シャボン玉の破裂」でバブル崩壊を明言している。それでも国民は貧しくならなかった。手形割引は貸付金となるが、日本での土地担保は古い。架空性の特徴づけは元本と利息が転倒していること。現代の銀行業の最大部分である貸付金については論じていない、外国為替が出てこない。ライブドアの資金がリップルの子会社から出ているが、それは日銀資金であるという。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*4月から7月まで月曜日に変更いたします。よろしくお願いいたします。
*次回ゼミのテキストは鶴田満彦/編著『現代経済システム論』日本経済評論社2005年3,360円です。
*5月7日(土)8日(日)は出版プロジェクト向合宿を行います。場所は関西大学六甲山荘です。7日午後1時阪急神戸線六甲駅山側改札集合。

****** ゼミ日程 *******
5月9日(月)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第1部1〜3章 

5月23日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻30章「貨幣資本と現実資本T」 

6月13日(月)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第1部4・5章  

6月27日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻31章「貨幣資本と現実資本U」 

後 7/11(天六)、7/25(又は7/27)、9/14(水)
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2005年4月20日号

4月16日は大阪第三学科構成の春の花見ハイキングを行いました。北山駅から府立植物園に立ち寄り、鴨川を下り、下賀茂神社から相国時へと歩きました。快晴で、桜はまた花を咲かしていました。

[第488回ゼミ 報告]
4月11日のゼミは齊藤正『戦後日本の中小企業金融』第8章「金融のグローバル化と共同組織金融」、終章「望ましい金融システムの構築に向けて」を行いました。協同組合を世界的な状況から、市場経済と協同組合の関係を検討し、ドイツの例から「社会的市場経済」と協同組合の理念が一致することを示唆し、協同組合ガバナンスの確立が必要という。それが中小企業金融専門機関の「協同組合スタンダード」の確立となる。中小企業向け金融を大手銀行に委ねるのではなく、地域密着で地域経済ネットワークによる金融機関を確立し、「グローバルスタンダード」=「地域スタンダード」の確立を目指す。将来方向としては「アメリカン・スタンダード」か、それとも「地域スタンダード」かの選択となる。地域経済再建は、地域密着・顧客密着の専門機関による融資の重要性が増す。ここでリレーショナルバンキングが検討として上がってくる。
議論では、協同組合スタンダードと地域スタンダードの関係はどうなのか。どのような相互関係になっているのか。銀行の「情報生産機能」とは何なのか。銀行だけが情報を精算しているのではない。信用組合は協同組合金融といえるのか。協同組合のボス支配をみると、そこから共生、共同体意識はまだあるのか。協同組合スタンダードは全ての協同組合に通用するのか。ここでは現在ホットな郵政民営化とペイオフが触れられていない。株式会社の対抗軸として、協同組合があるとしたが、マルクスが思っていた程発展しなかった。ペイオフとオーバーバンキングが地方銀行の合併を促し、1県1銀行を勧めている。グローバルスタンダードと地域スタンダードを結ぶものは、公共性と民主主義だ。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*4月から7月まで月曜日に変更いたします。よろしくお願いいたします。
*次回で斎藤本が終わりした。次期テキストは鶴田満彦/編著『現代経済システム論』日本経済評論社2005年3,360円に決まりました。
*5月7日(土)8日(日)は出版プロジェクト向合宿を行います。場所は関西大学六甲山荘です。

****** ゼミ日程 *******
4月25日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻29章「銀行資本の構成諸部分」

5月9日(月)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第1部1〜5章 

5月23日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻30章「貨幣資本と現実資本T」 

6月13日(月)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
鶴田満彦/編著『現代経済システム論』第2部6・7章  

後 6/27(天六)、7/11(天六)、7/25
[一番上に]


大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2005年4月6日号
3月26日の出版プロジェクト第2回テーマ報告会は8時間以上に及ぶ長丁場の議論をいたしました。いずれも現代の問題点を的確に捉えた論点を備えています。これからの議論の深まりと論考の進捗に期待いたします。
[第487回ゼミ 報告]
3月23日のゼミはマルクス『資本論』3巻28章「通流手段と資本。ツゥックとフラートンとの見解」を行いました。26章が通貨学派への批判であったのに対し、この章では貨幣と資本に対する銀行学派の見解が批判され、マルクスの見解が述べられている。つまり通貨と資本の区別の混同、貨幣・貨幣資本一般としての流通手段と利子生み資本としての流通手段の混同がある。スミスの見解に対応し、商人間の取引では貨幣は支払手段であり資本と同一視し、商人と消費者の取引では貨幣は流通手段であり、収入・所得と同一視される。トゥックのいう通貨と資本の区別は「収入の流通としての流通」と「資本の流通としての流通」の区別、貨幣の「収入の貨幣形態としての機能」と「資本の貨幣形態としての機能」の区別でしかない。貨幣の流通量は収入の貨幣形態として機能するにせよ、資本の貨幣形態として機能するにせよ、同様に妥当する。結局流通する貨幣の量は、簡単に購買・支払手段としての機能によって規定される。繁栄期には貨幣流通が充実し、信用の増進により流通貨幣量を節約する。フラートンはイングランド銀行の銀行券流通量を問題にして、国内流通だけでなく国際流通への影響も考察される。恐慌期には貨幣の不足から銀行資本の欠乏ではなく、現実資本や生産物の過剰が存在していて、不足しているのは資本ではない。
議論では、ピール条例との関連が重要で、イングランド銀行に銀行券発行を集中させたこととの関連。金準備と銀行券発行を連動させ、恐慌を防ごうとし、第1次大戦後まで残った。それは総資本の総意であり、中小資本を淘汰した。手形割引は貸付なのか。土地の抵当証券が出てきてこの時代にも信託トラストとしてあったのだ。通貨学派は現代の日銀政策者の中にも生き続いている。通貨学派への批判としてマルクスは銀行学派を評価している。

*次回の会場は関目・大阪市立城北市民学習センターです。場所をおまちがえないように。
*4月から7月まで月曜日に変更いたします。よろしくお願いいたします。
*次回で斎藤本が終わります。次期テキストの候補をお持ちください。
*5月7日(土)8日(日)は出版プロジェクト向合宿を行います。

****** ゼミ日程 *******
4月11日(月)午後6時半〜9時 関目・大阪市立城北市民学習センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』8章、終章     

4月25日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻29章「銀行資本の構成諸部分」 
5月9日(月)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定

5月23日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻30章「貨幣資本と現実資本T」 
後 6/13、6/27、7/11
[一番上に]


2005年3月18日号

労働者の賃金が3年連続減少と新聞。パートを除いた者という、実体はもっとひどいのか。我社の短期パート募集に意外や男性が多数応募してきた。

[第486回ゼミ 報告]
3月9日のゼミは齊藤正『戦後日本の中小企業金融』第6章「バブル経済の崩壊と中小企業金融」、第7章「金融ビックバンと中小企業金融」を行いました。「複合不況」の中で特に都市部の中小企業金融機関から破綻していった。「銀行不倒神話」が崩壊するなかで預金保険制度が変質されて、預金者保護ではなく、金融機関の整理・統合の中心的機構へと組み替えられた。その中で大手行はリテール戦略として中小企業へ繰り出すが、その中小企業では回復が遅れ、資金調達力の低下と借入多過・自己資本の過小性により、金融の階層性が強まった。日本版ビックバンは規制的な金融制度からの脱却を目指し、「フリー・フェア・グローバルな」市場整備を行う中で弱小金融機関が淘汰されていく。その結果、カジノ資本主義ともいうべき投機的行動、外資系金融機関の参入とともに、国内金融グループの再編成がなされた。産業構造の変革とともに企業集団関係の変化はその下請け・系列の解体と再編を伴う。金融ビックバンは80年代初頭以来の「金融自由化」の総仕上げであり、日本的経営の見直しがアメリカンスタンダードへの追随、経済のカジノ化、金融システムの不安定化をもたらし、持続的成長は保証されない。
議論では、学術書に小泉首相の固有名詞が出ているのはめずらしい。橋本内閣で始まった6大改革のうちの金融改革であり、世界恐慌の引き金にはしないというアメリカへの約束を守り、それが現在の郵政改革まで続いている。金融改革とはいうもののそれは我々の犠牲の上でなりたっている。「欧米」とひとくくりに論じられているが、欧州は米国とは違うのはないか。大銀行は再編が盛んだが、中小銀行は思うほどつぶれていないのではないか。日本はグローバル化の中でひとひねりではやられていない。日本の独占が全てアメリカのいいなりではない。結局国民がやられているのだ。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*4月から7月まで月曜日に変更いたします。よろしくお願いいたします。
*3月26日(土)に出版プロジェクトの第2回報告会を開きます。
*5月7日(土)8日(日)は出版プロジェクト向合宿を行います。

****** ゼミ日程 *******
3月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻28章「通流手段と資本、・・」

3月26日(土)午前10時〜夜9時 関目大阪市立城北市民学習センター
出版プロジェクト第2回報告会

4月11日(月)午後6時半〜9時 関目・大阪市立城北市民学習センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』8章、終章   

4月25日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻29章「銀行資本の構成諸部分」 

5月9日(月)午後6時半〜9時  天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定

後 5/23、6/13、6/27
[一番上に]


大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2005年3月4日号

経済評論家と称する人がテレビのワイドショーに出るほどの、ライブドア対フジのタイトルマッチ、芸能人から政治家まで喧々諤々。許されるか、許されないか、非難はされたとしても、それがDAS KAPITALの一つの姿なり。

[第485回ゼミ 報告]
2月23日のゼミはマルクス『資本論』3巻27章「資本主義的生産における信用の役割」を行いました。信用制度の形成が利潤率の均衡化を媒介する。まず信用は貨幣の節約と流通速度の加速と紙幣による代用で流通費を節減し、流通過程そのものを短縮する。さらに信用制度は株式会社を形成させる。生産規模の拡張と資本の所有と機能の分離する。それは資本主義そのものの中での自己の廃止であり、新たな生産形態の過渡点として現れる。株式制度では信用は他人の資本・所有・労働に対する絶対的支配力を与える。株式制度の中に社会的生産手段が個人所有との対立があらわれるが、まだ資本主義の枠組みのなかでである。協同組合工場は古い形態の最初の突破であると同時に既存の制度の欠陥を再生産している。株式企業も協同組合工場も結合生産様式への過渡形態ではあるが、前者が対立に消極的なのに対し、後者は積極的に止揚される。
議論では、株式制度を信用制度とは区別して論じているという工藤晃氏の見解はどうか、株式と信用との関係をどう捉えるか。この章がこれまでとは違い一番まとまっている。複式簿記は株式会社制度をよくあらわしている、資産と負債・資本(株式)。国・地方自治体・大学では年度収支だけで運営してきた、資産をどう評価するか。協同組合と株式会社は社会主義の基盤となりうるのか。直接的な道ではない。株式会社は残していい制度なのだろうか、信用を基礎としている、資本主義の中の制度か。株式会社は未来社会の基礎となりうるのか。市場がある限り、外部からの規制が必要ではないか。我々は市場メカニズム以上のものを知らない。山師・金の支配と出てくるが、正にライブドアとリーマンブラザーズがその実例ではないか。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*4月から7月まで月曜日に変更いたします。よろしくお願いいたします。
*3月26日(土)に出版プロジェクトの第2回報告会を開きます。
*5月7日(土)8日(日)は出版プロジェクト向合宿を行います。

****** ゼミ日程 *******
3月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』6章、7章     

3月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻28章「通流手段と資本、・・」 

3月26日(土)午前10時〜夜9時 関目大阪市立城北市民学習センター
出版プロジェクト第2回報告会

4月11日(水)午後6時半〜9時 関目・大阪市立城北市民学習センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』8章、終章    

4月25日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻29章「銀行資本の構成諸部分」

後 5/9(天六)
[一番上に]


2005年2月18日号

久しぶりに近所の法隆寺へ。五重の搭、ガイドさんが修学旅行の中学生にする説明をそばで聴いて私達が納得。玉虫厨子、百済観音はガラスケースの中。

[第484回ゼミ 報告]
9日のゼミは齊藤正『戦後日本の中小企業金融』第3章「低成長への移行と中小企業金融」、第4章「金融自由化の展開と中小企業金融」、第5章「バブル経済と中小企業」を行いました。低成長経済への移行は大企業の銀行離れをおこし、商業銀行資本の過剰をもたらし、都銀の中小企業分野への進出により、中小企業金融はハイリスク・ハイリターン型資金運用に追いやられた。金融自由化は巨大金融機関の利害と直結していた。新金融政策は「効率性」と「公共性」の調和を謳ったと積極性を認めながら、「公共性」の変質により、効率性の発揮が公共性につながると逆転された。非効率な金融機関の淘汰は当然のこととされた。やがて株価・土地の急激な上昇により、金融機関は不動産・建設等への貸し出し攻勢をかけていった。その中で中小金融機関は本来の理念から逸脱した行動をおこない、結局は破綻を招いた。その経営責任は否定できないが、都銀がそれを助長していたという問題は看過できない。ただ、バブルではあっても実体経済が活性化したことは事実である。
議論では、レポーターからこの人の見解は好き、百%支持できると表明がまずあり、生保も同じようにこの時期中小、リテールへと行った。銀行の収益構造はどちらの立場も同じではないか。中小企業と大企業の違いは、不特定多数からカネを集められるかにあり、中小は銀行からしか借りられない。大企業は返済する必要は無いのに、中小は元金まで返さないとだめ。収益がないと返せない。おまけにそのもうけも税金に持っていかれる。製造業にとって中小企業は必要なもので、その比率は一定を保っていたが、この頃はちがってきて、大企業の海外進出についていけるか、年間コンスタンなものは中国へ行く。繊維が先駆け。都銀の利益本位とは超過利潤をそのまま守ることで、それだけで協同組合金融として中小企業金融は対抗できるのであろうか。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*4月から7月まで月曜日に変更いたします。よろしくお願いいたします。
*3月26日(土)に出版プロジェクトの第2回報告会を開きます。
*5月7日(土)8日(日)は出版プロジェクト向合宿を行います。

****** ゼミ日程 *******

2月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻27章「資本主義的生産・信用・」

3月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』6章、7章 

3月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻28章「通流手段と資本、・・」 

3月26日(土)午前10時〜夜9時 関目大阪市立城北市民学習センター
出版プロジェクト第2回報告会

4月11日(水)午後6時半〜9時 関目・大阪市立城北市民学習センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』8章、終章     

後 4/25(天六)、5/9(天六)

[一番上に]


大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより

2005年2月4日号

久しぶりの寒い朝、道路が雪で凍った影響で大渋滞。凍った陸橋、いまにも滑りそうな路面を注意深くゆっくり降りて、ほっと一息。通常1時間20分かかるところが会社に着いたら10時過ぎ、3時間以上かけて出勤でした。

[第483回ゼミ 報告]
1月26日のゼミはマルクス『資本論』3巻26章「貨幣資本の蓄積。それが利子率におよぼす影響」を行いました。議会議事録からの引用がほとんどの章である。貨幣が利子を生み出す、ということこから遊休過剰資本の存在でより国債がその過剰な富を吸収する。通貨主義者は、利子率は銀行券の分量ではなく、資本の需要供給で決まるという。信用で買えば貨幣が存在しなくても利子は実存するという。しかし、貨幣がまったく存在しなければ一般的利子率も存在しない。銀行家は、利子率の変動の原因は資本の価値の変動にあるという。それは利子率の変化は利子率の変化からというに等しい。資本の価値を高騰させたのは、貨幣資本にたいする需要である。手形の割引を事業を拡張するためというが、自分の資本の貨幣形態を先取りし、再生産過程の連続性を保つためである。自分が与える信用を、自分が受け取る信用によって相殺するのである。手形の振出しとは、信用貨幣の一形態への商品の転化であり、また手形の割引とは、この信用貨幣の、他の信用貨幣すなわち銀行券への転化であり、資本借り入れと割引との間には大きな区別がある。銀行業者にとって貨幣を手放すあらゆる機能が貸付のように思われる。前貸しが手形の割引によれば、前貸しの形態も消えうせる。純粋な買いと売り、資本の移転である。
議論では、手形の割引が貸付でないというが、実務で銀行は手形貸付といっている。また割引についても担保がとられている。貸付・割引が生産と結び師弟射る点に注意すべき。現代では貸付証券そのものが売買される。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*4月から7月まで月曜日に変更いたします。昨年同様私が水曜日に出講するためです。ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
*3月19日の春季研究集会(京都府立大)で分科会を催します。
*3月26日(土)に出版プロジェクトの第2回検討会を開きます。
*5月7日(土)8日(日)は出版プロジェクト向合宿を関大六甲山荘で行います。

****** ゼミ日程 *******
2月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』3章、4章、5章 

2月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻27章「資本主義的生産・信用・」

3月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』6章、7章、8章、終章 

3月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻28章「通流手段と資本、・・」

後 4/11、4/25

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2005年1月21日号

10年の節目をただ悲しみと復興だけに目を向けるのではなく、あの時、それ以降人間がいかに大切にされてきたのか、一人一人の人権を問うべき時。

[第482回ゼミ 報告]
1月12日のゼミは齊藤正『戦後日本の中小企業金融』序章「本書の課題と方法」、第1章「高度成長期の中小企業金融(1)」、第2章「高度成長期の酋長企業金融(2)」を行いました。金融ビックバンは正に「金融庁が中小企業をつぶす」ものであった。本書では戦後日本の特有な中小企業金融システムの成立発展過程から21世紀の「持続的成長」を保証する金融システムのあり方を解明する。戦後日本では大企業部門に集中的に資金が投入され中小企業へは資金供給が制限される金融の二重構造が生じた。「窓口指導」は直接には都銀の与信量を規制することにより、その他の銀行を含めた全体の与信量が抑制され、コールレートの上昇により中小企業向け貸し出し圧縮という差別的資金配分をもたらした。都銀の「低コスト経営」に対し補完的地位の信金は「高コスト経営」となり、中小金融機関は都銀の行動に左右されていた。「護送船団行政」は高度成長目的にために都銀が担ってきた大企業向け貸出市場と中小企業金融専門機関が担う中小企業向け貸出市場との分断という「金融の二重構造」の上に展開された。
議論では、著者は「公正な市場」というが公正を実現するには市場以外のものが必要。銀行が情報生産機能を持つとの記述、まさに情報の集中、特に異業種の情報が集中している。中小企業の重要性は、つぶれても大きな影響ないではないことに対し、どれだけの労働者が働いているかをみるべき。中小企業の統計で、中小事業所は中小企業とイコールではない。二重構造について一般的には「近代的」と「前近代的」をいってきたが、著者は違う意味を持たしている。ここでは支配・従属関係が重要。この時代の中小金融機関は従属していないのか。戦前の問屋制前貸しは昭和15年まであった。それが戦後商社金融として残ったのではないか。銀行のお世話になるのが名誉、小切手帳は神棚へ。論述は金融政策でおわっている、中小金融機関の具体的な姿の叙述が欲しかった。一センテンスが長すぎて文章の意味が取りにくい。

*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*2月23日の報告者は高橋さんです。訂正いたします。
*3月19日の春季研究集会(京都府立大)で分科会を催します。

****** ゼミ日程 *******
1月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻26章「貨幣資本の蓄積。それ・・」


2月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』3章、4章、5章 

2月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻27章「資本主義的生産・信用・」

3月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』6章、7章、終章 

後 3/23(天六)、4/13、4/27

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2005年1月7日号

あけましておめでとうございます。年初の論調に「グローバル化」と「地方の時代」あり。どちらも同じ法則から出てきたものと推測、それとも否か。

[第481回ゼミ 報告]
12月22日のゼミは出版プロジェクト・執筆予定者テーマ報告会を行いました。『勤労者の日本経済論』86年、『現代日本の企業と社会』94年、25周年誌『変化のなかの企業と社会』03年に続く第4弾の出版プロジェクトを話し合いました。

○計画日程は以下のとおり決まりました。
2004年12月 計画立案とテーマ報告会
2005年3月 合宿または日帰り合宿で、章立ての話し合い、テーマ報告
2005年5月 中間報告、討議
2005年7月 執筆内容報告、討議、執筆開始
2005年9月末 原稿締め切り 後、編集へ
2005年10月末 最終稿、出版社へ原稿渡す
2006年2月頃 出版

○第1回報告会テーマ発表での各人のテーマは以下のとおりです。
川口民記 :平等・不平等論
小野満  :消費の本源性―持続可能な社会に関説して
森井久美子:国民所得の支出動向
高田好章 :「アウトソーシング」の経済学−下請けからの新たな展開へ
高島嘉巳 :土地市場と土地価格
仲野組子 :統計から見た自営業の増大
高橋邦太郎:「グローバリゼーション」と「国家」

○執筆者は、大阪第三学科参加者とするが、章立ての都合により、基礎研所内の人も入れることも検討する。


*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回からのテキストは齊藤正『戦後日本の中小企業金融』ミネルヴァ書房2003年3800円です。

****** ゼミ日程 *******
1月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』序章、1章、2章  

1月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻26章「貨幣資本の蓄積。それ・・」

2月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』3章、4章、5章  

2月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻27章「資本主義的生産・信用・」

後 3/9、3/23、4/13、4/27

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