2010年12月17日号
2010年12月3日号
2010年11月12日号
2010年11月5日号
2010年10月22日号
2010年10月8日号
2010年9月17日号
2010年9月3日号
2010年7月23日号
2010年7月9日号
2010年6月18日号
2010年6月4日号
2010年5月21日号
2010年5月7日号
2010年4月23日号
2010年4月9日号
2010年3月19日号
2010年3月5日号
2010年2月19日号
2010年2月5日号
2010年1月22日号
2010年1月8日号
2010年12月17日号
寅年も後わずか、去年よりも良い年であったかどうかは人によって違うが、大多数の人々にと願っている。さて筆者には今年は暦が還る歳で想いは深い。
[第607回ゼミ報告]
12月8日のゼミは、涌井秀行『戦後日本資本主義の根本問題』第4章「戦後日本における労働者の資本への包摂」を行ないました。対米従属での冷戦体制の下、独占資本−中小零細資本−零細農耕とういう三層格差が戦後日本を染め上げた。大企業による最新鋭技術の一挙導入により中小零細企業の自立的展開が望めず大企業の下請け系列に入り、農工間の格差が広がり、農村から賃金労働者が吸い出された。資本への実質的包摂の過程として、鉄鋼業が新鋭技術で合理化を行なう中で職人的熟練工より若年労働者が多能工として会社への強い帰属意識をもった。その元で賃金格差のある社外工を利用した合理化が行なわれた。自動車産業ではトヨタ生産方式と多工程持ち、自発的な公開インフォーマル組織が実質的包摂をすすめた。下請け系列の組織化が行なわれ自立性の欠如と賃金の階層構造が出来上がった。アメリカの冷戦体制に身をゆだね、舗装された高度成長の道を爆走し、生産過剰を輸出での対米依存にし、ニクソンショック後ME技術の合理化を進めたが、搾取メカニズムのフル稼働は過労死に至る。戦前からの会社身分制度が日本的雇用制度の本質であり、男性正規労働者の高密度・長時間労働、企業内労働組合が過労死発生の前提条件である。
討論では、実質的包摂の概念を明確にせず本工にだけ限っている、機械を用いれば実質的包摂とするが、「諸結果」で詳しく相対的剰余価値との関連で多く述べている。擬似封建制というが、「資本論」で近代マニュの利用の問題である。引用が多いが各節の引用のバランスが適切ではなく読みにくい。トヨタや泉南の企業内学校をどうみるか、戦後職業学校が普通制となった。会社身分制で、戦前まではあり戦後も続いたと言うが、終戦時の格差と現代の格差は違うのではないか。グローバル化の中で下請け体制は変わったのではないか。三層構造の展開がない。
*12月11日、12日に京大で人間発達日中会議がありました。会場で懐かしい我がゼミOB・全商連の方に再会しました、
*出版プロジェクト12月25日に忘年会を兼ねて最終稿を持ち寄り会。
午後5時に阪急千里線豊津駅に集合。※前号を訂正します
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第15章労働力・16章剰余価値率
1月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』5章・成立と機能不全
1月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第17章 労働力の価値・価格
2月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』6章・冷戦とアジア
その後は3/22(天六),3/9, 3/23, 4/13, 4/27, 5/11, 5/25, 6/8
[一番上に]
2010年12月3日号
琵琶湖坂本の日吉大社の建物はすべて16世紀末期のもの、織田信長の焼き討ち後に再建されている。石積みが時を経て現代も使われている。職人技。
[第606回ゼミ報告]
11月17日のゼミは、マルクス『資本論』1巻第14章「絶対的および相対的剰余価値の生産」を行ないました。生産的労働とは資本主義では剰余価値を生産することに概念が縮小される。頭の労働と手の労働が分離し敵対的となる。絶対的剰余価値の生産では労働は形式的に包摂されるが、相対的剰余価値生産では労働の実質的に包摂される。労働日の絶対的延長を相対的剰余価値は条件とし、労働の生産性の発展を絶対的剰余価値は条件としている。歴史的に他人のための剰余生産が可能となるには社会的生産力の発展が前提となり、古代エジプトの大建造物の築造は労働者が自由に利用されうる割合に基づく。厳しい自然への人間の支配が社会発展となり、自然条件が制限ではなく、労働によって自然の困難を克服する。
討論では、絶対的と相対的を統合しているが、弁証法では低次元である。生産的労働の問題はこの章だけで論述しているのか。日本の古墳は公共事業で仕事を作り出しているとの論がある。自然の恵みは経済発展の現実性を与えない。他人のための剰余労働の支出と言うが外部からの強制が必要ではないか。暇な時間を自分のために使うには一定の歴史的事情が必要である。人間の歴史はアフリカから出てシベリアからアメリカ大陸までいく。2度、100万年前と10万年まえに人間がアフリカから出て行った。人間の定住は短い歴史である。大工場で定住するがしかし人間は動く。リカード、JSミルを批判するのは同時代の経済学であったから、JSミルの『経済学要綱』は1868年に出ている。その当時の学校教師が出てくるが、これは職業学校である。実質的包摂が問題となるが、包摂と排除は同じ論理の中から出てきて、生産様式の変革が関係する、実質的服属であり、社会的だけでなく内面的にも、生活様式でも包摂される。
*恒例の秋のハイキングを11月27日に琵琶湖西岸・坂本の地、日吉大社、西教寺で深まる秋を巡りました。
*出版プロジェクト12月25日に忘年会を兼ねて最終稿を持ち寄り。関大森岡研究室で行ないます。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
12月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』4章・労働者の包摂
12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第15章労働力・16章剰余価値率
1月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』5章・成立と機能不全
1月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第17章 労働力の価値・価格
その後は2/9(天六)、3/22(天六),3/9, 3/23, 4/13, 4/27, 5/11
[一番上に]
2010年11月12日号
知る権利と秘密にする権利。知らせる義務と秘匿する義務。「政府が秘密と言えば秘密」とは? 民主主義の基本は議論によって決定すべき事柄。
[第605回ゼミ報告]
11月10日のゼミは涌井秀行『戦後日本資本主義の根本問題』第3章「戦後日本の蓄積メカニズムと土地所有」を行いました。戦後3大改革のうち農地改革が対ソ連というアメリカの世界戦略の一環として実施され、戦前の大土地所有から多数の小面積所有に変貌した。その後3度の土地投機により、資本は「含み益」を担保に間接金融による資金供給を得て、それが強蓄積の梃子となり、擬制資本となった。戦後「土地神話」で現実化した資本は戦後版「高率現物小作料」として外からの論理が日本に根底をとらえ内的論理に転化した。
討論では、全体に説得力がなく、結論を急いでいて、論理の構成が粗く、記述が情緒的である。農地改革を上からというが下から農民運動・小作争議はあった。戦後の体制間矛盾が日本の内部編成を捉え規定したというが、前章で加藤・丸山をもってきて「古層」は執拗低音として残存したというのと違う、断絶か残存かどちらかわからない。土地の含み益を擬制資本とすることに疑義。土地と地価騰貴を高度成長の2大要因というが労働力はどうか。土地と地価騰貴は同じことではないか。<再版原蓄(擬制資本による内資創出:外資の代位=補完)>の、外資を代位、外資が代位、どちらか。含み益が外資の代役というが、戦後はドルそのものとして外資が入っている。土地神話でマイホームはもっと後で、60年代初頭までは労働者は賃貸にも入るのが大変であって、家を買うというのは60年代末ごろからだ。高度成長は産業の発展が主で土地は従ではないか。総合農政で農地転用が進んだことが重要。サラリーマンの注に上野千鶴子の2重の不払労働を持ってくることに理論として納得できない。日本資本主義を型として固定的にとらえているが、むしろいろいろな状況の変化をとらえることが必要。あきらかに戦前と戦後の日本は違う構造となっている。
*恒例の秋のハイキング:11月27日(土)琵琶湖西岸・坂本の地、日吉大社等を巡ります。10時半にJR湖西線比叡山坂本駅に集合。
*出版プロジェクト12月25日に忘年会を兼ねて最終稿を持ち寄り。
*11月後半ゼミは、会場の都合で第3水曜の11月17日に変更します。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
11月17日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第14章 絶対的・相対的剰余価値
12月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』4章・労働者の包摂
12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第15章労働力の価格と剰余価値・・
1月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』5章・成立と機能不全
その後は1/26(天六)、2/9(天六)、3/2, 3/9, 3/23, 4/13, 4/27
2010年11月5日号
ゼロ金利政策が続く。異常な低金利というが、もう10年以上も続いている。10年も続くと、異常ではなくこれが通常の金利ではないか、と思うが。
[第604回ゼミ報告]
10月27日のゼミは、マルクス『資本論』1巻第13章「機械設備と大工業」第9節「工場立法(保健および教育条項)。イギリスにおけるそれの一般化」第10節「大工業と農業」を行いました。工場立法は生産過程の自然成長的姿態に与えた最初の意識的かつ計画的な反作用であり、大工業の必然的産物である。工場制度から未来の教育の萌芽をみて、全面的に発達した人間をつくる唯一の方法としている。大工業はマニュ的分業を排除し奇怪なかたちで再生産する。労働者の生活状態の安全をなくし、労働者の手から労働手段と生活手段を叩き落とすが、社会の細部の部分的個人のかわりに、全体的に発達した個人を死活の問題とする。諸個人が結合された労働人員を構成し、退廃と奴隷状態との害毒から人間発展の源泉に変わる。工場法の拡張に対し例外規定を資本家はもとめていった。工場立法が一般化すると、資本の集中がすすみ、資本の直接的な支配がでてきて、小経営や家内労働が破壊されていくが、生産過程の物質的条件と社会的結合により、新しい社会の形成諸要素が成熟していく。農業においても機械が労働者を過剰にさせる。資本主義は農業と工業との新しい総合の物質的前提を作り出す。
討論では、全面発達と全体的な発達とのどのように違うのか。個人と人間。社会とのつながりが市場でのつながりになっている。全面的発達と専門的能力との関連で、専門性がなくても全面発達といえるか。工場立法が小経営を破壊し資本が集中する。失業する自由。労働者教育について、日本では社会で労働者を教育するシステムがなく企業がやっていた。労働者の教育が社会的権利として育っていない。技術の革命により労働者の可動性がたかまり、全体的個人と労働者の窮乏が矛盾し、未来社会で解消する。農業では大農業で機械化をマルクスは考えていたのか。
*出版プロジェクト「秋の草稿持ちより一日合宿」を、11月3日(祝)に関大森岡研究室で行ないました。執筆者8人全員参加。書名「貧困社会ニッポンの断層」に。12月25日に忘年会を兼ねて最終稿を持ち寄り。
*11月後半ゼミは、会場の都合で第3水曜の11月17日に変更します。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』3章・蓄積と土地所有
11月17日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第14章 絶対的・相対的剰余価値
12月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』4章・労働者の包摂
12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第15章労働力の価格と剰余価値・・
その後は1/12(天六)、1/26(天六)、2/9(天六)、3/2,3/9,3/23
2010年10月22日号
地底から救出された人々、それに耐えた人と喜びあう家族、そして救出にあたった人達がニュースに出る。労働現場を危険な状態にした人はどこに。
[第603回ゼミ報告]
10月13日のゼミは、涌井秀行『戦後日本資本主義の根本問題』第2章「戦後日本資本主義の規定因子−「執拗低音」・「土着思想」としての零細土地所有」を行ないました。加藤周一は外来の体系の「日本化」の過程を分析し「日本化」を実現した土着世界観の力の方向を見つけようとし、個人の零細土地所有と資本・企業の大土地所有という土地所有が「土着の世界観の力」として戦後日本にもつらぬかれているという。丸山真男は「原型・古層・執拗低音」として「縦」の歴史発展に「横から」の急激な文化接触で思想的文化的景観をとらえ、完結的イデオロギーとして「日本的なもの」をとりだそうとすると必ず失敗するが、外来思想の「修正」とパターンと見て、執拗低音としての半封建的土地所有=半隷農的零細農耕という半封建的基盤での分析視角を提唱する。これを山田盛太郎「分析」で読み直せば、戦前は農村での半封建的関係と絶対主義天皇制国家の経済外強制で成り立っていたが、戦後は農地改革により細分化された零細土地所有が土地の切り売りを容易にし、企業に土地の含み益をあたえ、農村は労働力排出の土壌となった。
討論では、時代を変化するものとの観点が欠如、基底としての土地所有・小作関係も変化の過程である。今は開国を山田のように考えない。鎖国ではなかった。ヨーロッパ文化は一つではなくケルト、イスラムからの影響など多様性を持っている。日本的なものが不動ではなく日本的なものになる。それぞれの民族がもっているナショナリズムが地域の特殊としてある。著者は変わらないものを強調している。執拗低音はイデオロギー面であり零細土地所有とどう結びつくのか。変わらないのが執拗低音。マイホームでは生産手段と生活手段の区別がない。戦前の天皇制は地主がささえていた。地主からの産業資本の創出。山田は産業資本確立を明治30年代としているが、官業払下げものありもっと早いのでないか。
*出版プロジェクト「草稿持ちより一日合宿」を、11月3日(祝)に関大森岡研究室で行ないます。その日まで仕上げよう、草稿を!!
*11月後半ゼミは、会場の都合で第3水曜の11月17日に変更します。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
10月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業9-10節
11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』3章・蓄積と土地所有
11月17日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第14章 絶対的・相対的剰余価値
12月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』4章・労働者の包摂
その後は12/22(天六)、1/12(天六)、1/26(天六)
2010年10月8日号
かつて教えられた、「労働者に国境はない」、若き日その言葉に感動した。今、国境の問題に直面した時、ナショナリズムがもたげる自らの内にびっくり。
[第602回ゼミ報告]
9月22日のゼミは、マルクス『資本論』1巻第13章「機械設備と大工業」の第7節「機械経営の発展にともなう労働者の反発と吸引。綿業恐慌」第8節「大工業によるマニュファクチュア、手工業、および家内労働の変革」を行ないました。「機械経営の発展は働く労働者を増大させる」という補償説に対して、その異常な発展は労働者の相対的な減少だけでなく絶対的な減少にも結びつく。その規模拡大によっても絶対的な増加とも両立する。工場制度の突発的な拡張と世界市場への依存性は市場の過充と収縮を生み出す。19世紀イギリス綿工業の好況と不況、金融恐慌、世界恐慌。他方、マニュと家内労働は大工業の支配下で、近代マニュとして搾取が露骨に夜間・女子・少年少女・非衛生的労働となる。近代的家内労働では労賃は惨めに引き下げられる。しかし機械の採用が広がると共に近代マニュ・家内労働は工場経営へ急速に転化させられる。資本は1864年の工場法という強制法により規制に服する。
討論では、大工業の発展の裏側であったこと、労働者の問題をあつかう。工場法がマニュをつぶしていった。綿工業の19世紀の歴史は恐慌と不況の連続のあるように見えるが、原料の輸入量をみると10倍以上になっていて、その間急速に発展・拡充していた。「容赦のない浪費」とは何にとっての浪費なのか、社会にとって、法外な利潤。景気循環の始まりはどこからか、中位の活況からか。世界市場として現代はアジアの発展が対応。「近代的」と「本来的」マニュとの違い、マニュが中心ではなく大工業の支配下にあり、脇役になっている。労働者を犠牲にしているという点で現代と共通している。紡績業は大工場であるが、縫製はミシンでシャツを縫うように手作業であり、現代は途上国で多く見かける。マルクスが出した結論は現代でも通じる。最低賃金の引き上げは中小企業をつぶすのか。デフレと賃下げ、年金生活者にとってデフレは良いのではないか。
*出版プロジェクト「草稿持ちより一日合宿」を、11月3日(祝)に関大森岡研究室で行ないます。その日まで仕上げよう、草稿を!!
*11月後半ゼミは、会場の都合で第3水曜の11月17日に変更します。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
10月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』2章・規定因子
10月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業9-10節
11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』3章・蓄積と土地所有
11月17日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第14章 絶対的・相対的剰余価値
その後は12/8(天六)、12/22(天六)、1/12(天六)
2010年9月17日号
新長田で基礎研大会、会場窓の外に鉄人28号の姿が。見上げても大きい。それにしても28号の戦う方向があの商店街になっているのが気になる。
[第601回ゼミ報告]
9月8日のゼミは涌井秀行『戦後日本資本主義の根本問題』1章「戦後日本資本主義の視角と方法」を行ないました。日本では土地所有の絶対性が色濃く残り、近代以降も決定的意義を持ち続け、戦後も決定的因子だった。零細土地所有は戦後日本資本主義の執拗低音あり規定因子であり、それこそ戦後日本資本主義の経済分析の出発点におかれる範疇である。その基本構成は原燃料の国外依存と輸出を構成要素とする外生循環構造である。もう一点は緻密で低賃金労働者の存在である。零細地片私的土地所有が高度成長の培養容器となり、それが独占資本−中小零細資本−零細農耕という三層格差の基底である。1950〜70年の第T期が基本構成の成立、71〜91年の第U期がアジア進出とME自動化、91年〜現在の第V期がその機能不全にと、3つの時期を分ける。結局、戦後日本資本主義は国外の再生産構造が国内の構造を代位=補完するアジア資本主義の第1走者であり、外からの資本主義発展の道をはじめて歩んだ国である。
討論では、論述・図は山田盛太郎そのまま受け継いでいる。山田の論はトロッキーの裏返しで零細土地所有を、型論とした。日本は特殊なのか、イギリスの資本主義は外・植民地との関係がなければ成立しなかった。代位=補完と言えばグローバリゼーションとしてのアメリカの体制でもある。土地の問題では農地解放の方が問題である。絶対天皇制からアメリカ帝国主義に替わっただけで日本の特殊性は変わらない。零細土地所有というが、マルクスのプランで言えば、資本があっての土地所有に替わる。生産手段の土地と住宅地を同列に扱うのはどうか。小坂明子、富士製鉄、石川島播磨重工業など例示が古い。
*出版プロジェクト合宿を9月4・5日に関大恭仁山荘で行いました。
8名全員参加し、あと浄瑠璃寺に遊びました。次回は「草稿持ちより一日合宿」を、11月3日(祝)に関大森岡研究室で行ないます。
*訂正です。数学、いや算数の間違いです。次の700回は2年半後ではなく、1年44回ではなく22回で4年半後でした。
*11月後半ゼミは、会場の都合で第3水曜の11月17日に変更します。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
9月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業7〜8節
10月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』2章・規定因子
10月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業9〜10節
11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』3章・蓄積と土地所有
その後は11/17(天六)、12/8(天六)、12/22(天六)
[一番上に]
2010年9月3日号
600回記念ゼミでOさんは、当時資本論学び場を探し続ける中、基礎研に出会い、これまでとは違う読み方に出会うことができた、思い出を語る。
[第600回ゼミ報告]
7月28日のゼミは、マルクス『資本論』1巻第13章「機械設備と大工業」の第5節「労働者と機械の闘争」、第6節「機械によって駆逐された労働者にかんする補償説」をおこないました。資本家と労働者との間の闘争は資本関係そのものから始まるが、機械採用以後に労働者ははじめて物質的基礎である労働手段に反逆する。17〜19世紀初頭のラダイト運動。マニュの時代は同職組合親方・特権都市から反抗がおこった。機械として労働手段は直ちに労働者の競争者となった。分業が労働力の一面化をうながし、機械が労働力の交換価値を消滅させる。余剰な人口が慢性的な窮乏へとおいやり、労働手段が労働者を打ち殺す。そのなかで機械設備は絶え間ない改良と自動体系を発達させ、労働者のストライキに対する強力な武器となる。駆逐する労働者を就業させるために十分な資本を遊離させるという補償説に対し、機械の採用は可変資本から不変資本へ転化させ、駆逐するよりも少ない労働者しか雇用しない。生活手段からの遊離は機械設備そのものではなく資本主義的使用から生じる。
討論では、召使階級の多さ。なぜここで繊維がとりあげられたか、他に産業があった。機械体系ができていたから。資本主義におけるマニュの積極的意味は何か。戦前日本の問題で、今はアジアの問題、ミャンマーのミシンの列。機械→賃金低下→購買力低下→植民地へ販売→世界市場の構図。世界市場との関係では原料部門の発展が重要。「遊離」の用語、資本の遊離=蓄積、生活手段からの遊離。この時代は南北戦争、ストライキ、マニュ・植民地との関係、世界市場が問題。
*9月8日からの新しいテキストは、涌井秀行『戦後日本資本主義の根本問題』大月書店、2010年3月、2800円に決まりました。
*7月28日のゼミは通算600回目となり、記念ゼミの報告者は第1回(1977年10月20日)から唯一参加されている方にお願いしました。1年で44回、2年半後、次の700回もお願いしました。
*出版プロジェクト合宿を9月4・5日に関大恭仁山荘で行います。
JR加茂駅に午前12時半集合です。8名の執筆者全員参加予定。
*11月後半ゼミは、会場の都合で第3水曜の11月17日に変更します。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
9月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』1章・視角と方法
9月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業7〜8節
10月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
涌井『戦後日本資本主義の根本問題』2章・規定因子
10月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業9〜10節
その後は11/10(天六)、11/17(天六)、12/8(天六)
[一番上に]
2010年7月23日号
7月17日に東京でのポスト冷戦研との研究会に参加した。討論はアメリカと中国に集中したが、はたしてアメリカ現代帝国主義は終末を迎えたか。
[第599回ゼミ報告]
7月14日のゼミは、「出版プロジェクト報告会」でした。「現代の貧困と最低生活保障(生活保護制度)」として、今回は生活保護制度に重点をおいて報告された。保護世帯の増加と人件費抑制でケースワーカー不足が起きている。自立支援として「就労促進」が行なわれているが、実態は雇用状況の改善が望めない中、自立支援プログラムが福祉事務所で違法な解釈と運用が行なわれて来た。むしろ金銭給付とともに個々のニーズに応じた対人援助が必要で、義務としての自立ではなく、権利としての自立支援を提唱したい。生活保護裁判では憲法25条の生存権と最低生活保障機能を勝ち取っているが、他方では稼働能力を理由に保護申請が却下されて、若年失業者が保護を受けにくい状況となっている。また、最近新聞で取り上げられている貧困ビジネスについて、生活保護行政が無料低額宿泊所に依存して、貧困ビジネスが活躍する場を与えている。
討論では、生活保護と失業対策とは本来主旨の違う社会保障なのに、失業対策の抜けた穴を、生活保護が受け止めているとことに、様々な問題を起こす原因がある。生活保護政策が体を成していないことから、最低の生活を保障するためにはどうあるべきか。今後の執筆にあたって、各節をどうするか、「T生活保障の現状、U補足性、V自立支援、W生活保障の確立」、との意見が出た。
続いて残った時間で、「製造業への派遣会社の実態をみる」として大阪労働局が派遣会社を始めようとする人への説明会、派遣会社と有料職業紹介会社の類似性・兼業について簡単に報告した。
*次回のゼミは通算600回目となります。記念ゼミの報告者は1977年10月20日の第1回から唯一参加されて人にお願いします。
*9月8日からの新しいテキストの候補は、井村喜代子『世界的金融危機の構図』、相沢幸悦『戦後日本資本主義の平成金融恐慌』、涌井秀行『戦後日本資本主義の根本問題』他、ポランニー、アタリ。次回ゼミで決めます。
*出版プロジェクト合宿(9月4・5日)会場は関大恭仁山荘に変更です。
*11月後半ゼミは、開場都合で第3水曜の11月17日に変更します。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
7月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業5〜6節
9月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定(新しいテキスト)
9月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業7〜8節
10月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定(新しいテキスト)
その後は10/27(天六)、11/10(天六)、11/17(天六)
[一番上に]
2010年7月9日号
所詮は勝負事、相撲も賭け事も、とは思うが。しかし、勝負事でもチカラの勝負とカネの勝負とは違う。チカラの勝負がカネの欲に負けた、という事か。
[第598回ゼミ報告]
6月23日のゼミは、マルクス『資本論』1巻第13章「機械設備と大工業」の第3節「労働者におよぼす機械経営の直接的影響」、第4節「工場」を行ないました。大工業の出発点は労働手段の革命であり、工場に編成された機械体系に発展した。その革命が労働者に及ぼす影響。そこでは婦人と児童が労働市場に加わり、家族で労働力の価値を分割し、夫は奴隷商人となる。健康が侵され、乳幼児の死亡率が高くなる。労働者の抵抗を排除。機械でより利益を生みために乱暴に労働日が延長される。標準労働日の制定に対し資本家は労働強度を増し、機械の改良をすすめ、結局工場主の富の増大へすすむ。工場では主体と客体が入れ替わり、技術的基礎を廃除し、労働者が機械に奉仕するようになり、兵役的規律を作り出し、監督労働を分離させる。そこでは高い湿度・汚れた空気・騒音が健康を害していく。
討論では、24時間稼動は当時もあったのか、リレー制度が書かれている。現代の車の生産は24時間を3交替から2交替になっていて、交替時間のすき間をとっていない。3交替では8時間労働になるが、2交替では12時間労働となってしまう。ここでは女性・子どもの成長と健康被害が多く書かれているが、それで次世代が育つのだろうか、労働力を補充できるだろうか、当時はまだ工場は少なく、農村から労働力を補充できていた。児童労働に関して、家父長制の問題ではないか。児童労働を問題にしたのは宗教家だ。機械設備の内的矛盾とは労働者数と剰余価値率の間の関係。工場法が資本主義のカリカチュア、工場法法典の実態は社会的規制として役立たないのか。トヨタの作業分析では秒単位で測り余裕を残さない労働強化である。合理化とは政治的側面でもある。社会的労働体という用語、ばらばらにならない労働者の集まり、有機的な集まり、結合された労働者、労働者主体での言葉である。
*次回のゼミは通算599回目、そして7月28日のゼミは600回となります。記念ゼミの報告者は第1回から唯一の参加者小野さんです。
*9月前半のゼミは、出版プロジェクト報告会を終え、新しいテキストを計画しています。次回ゼミで皆さんのテキスト候補をお持ちより下さい。
*出版プロジェクト:8月末脱稿後、9月4・5日に関大彦根荘で合宿。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
7月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告会
7月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業5〜6節
9月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定(新しいテキスト)
9月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業7〜8節
その後は10/13(天六)、10/27(天六)、11/10(天六)
[一番上に]
2010年6月18日号
途中で寝て、翌朝の新聞トップに勝利とびっくり。にわかファンが増える
[第597回ゼミ報告]
6月9日のゼミは、予定を変更して、森岡先生の新著『強欲資本主義の時代とその終焉』の質問・感想会を行ないました。
報告は、それぞれが各章の感想と疑問・質問点を述べた後、森岡先生がそれに答える形でこの著書の想いを語られました。本のタイトルのうち「強欲」はインパクトのある語として選んだが、ムーアの映画の主張でもある。「終焉」とは終わりの始まりを意味している。この著書では08恐慌をどうみるか、という視点から書いている。アメリカは29年恐慌をひとつの区切りとしてそれと比較した時代の変化と捉えるが、日本は敗戦で時代を区切り、その戦後が続いている。そこで、70年・80年代にはじまる時代を、現代資本主義論として書いた。舞台は日本であり比較対象としてアメリカを取り上げている。一般理論は重要ではあるが、それを生産的な議論にしないとだめだ。第1章は愛着のある論文で入れたが、特にその章に書いた「資本主義の歴史的傾向」の様々な項目をよく見て欲しい。ブレバーマンは労働問題を独占の問題としているが、それは独占だけでなく、資本主義一般からも論じられることだ。グローバル資本主義、情報資本主義、消費資本主義、フリーター資本主義、株主資本主義という5つの資本主義にみる多面性のうち、株主資本主義を株価資本主義という言葉よりも株価至上主義といえる。ここでコーポレートガバナンスと宮内氏を取り上げた。企業は制度であり会社は法制度あるが、この度制定された会社法で会社の姿がかわった。労働法は民法をゆがめてはいるが、それは労働者の権利の問題である。権利とはいろいろな権利の束であり、ちょうどたくさんの鍵をぶら下げているような姿である。変革主体論は展開できなかった。働き方と環境との関係については、環境と働きすぎの問題としたい。エコロジストは短絡に資本主義はダメだというが、持続可能性は経済だけでなく労働者も家族にも当てはまる。株式会社改革論は現在ある会社の制度をどのように変えていくか、実践的な活動にとって重要な論点である。その他、福祉、環境、ベーシックインカムなど議論した(まとめきれず!)。
*出版プロジェクト:6月末までに文献リストをA4に1枚で提出し、8月末脱稿後の9月4・5日の合宿は関大彦根荘に変更予定です。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
6月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業3〜4節
7月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告会
7月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業5〜6節
その後は9/8(天六)、9/22(場所未定)、10/13(場所未定)
[一番上に]
2010年6月4日号
寄せては返す波、人気絶頂から忘れられた芸人。最初は期待度で高支持率、が最後は急落へ、前の3人はなんとか一年前後で退陣、今度はもっと短?
[第596回ゼミ報告]
5月26日のゼミは、マルクス『資本論』1巻第13章「機械設備と大工業」第1節「機械設備の発展」第2節「生産物への機械設備の価値移転」を行ないました。機械の発明は剰余価値生産のためである。労働手段が道具から機械に何によって転化し、機械が手工業用具と何によって区別されるか。機械は原動機、伝道機構、道具機(作業機)の構成部分からなる。道具が一つの機構に移されると単なる道具にかわって機械が現われる。原動機も人間力の制限から放たれ多くの作業機を動かすようになる。伝道機の媒介で諸作業機の編成された体系へと機械経営の最も発達した姿となる機械経営は人的・技術的制限を除去して技術的基礎をつくり、機械による機械の生産をして大工業が自立化する。機械は直接に社会化された労働・共同的な労働によってのみ機能する。高価な機械が安価な生産物をつくるのか。機械は価値を創造しないが、引き渡す。機械は労働過程には全体として入るが、価値増殖過程では一部分ずつしか引き渡さない。したがって、価値を少なく引き渡せばその機械は生産的である。しかし機械の価格と機械よって替わられる労働力の価格の差が機械使用の限界となる。資本主義の下では労働過剰による労賃の低落が機械の使用を妨げている。
討論では、機械発明の物質的基礎には鉄の役割が大きい。木製の機械があるが。蒸気機関の発明が大きい。現代は電気。発明は楽しみのため、考える人は純粋ではないか。人間の意識的活動が社会的行為となる。人間力という言葉に違和感あり。自動機械でコンピュータを機械なのか、機械を越えるものなのか。
*次回6月9日のゼミは予定を変えて、森岡先生の新著『強欲資本主義の時代とその終焉』をゼミ全員が各章を受け持ち、質問・感想会を行ないます。。一人2点の質問・感想を紙に書いて用意してください。
*出版プロジェクト:6月末までに文献リストをA4に1枚で提出し、8月末脱稿後の9月4・5日に関大恭仁山荘で合宿します。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
6月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
森岡著『強欲資本主義の時代とその終焉』質問・感想会
6月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業3〜4節
7月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告等未定
7月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業5〜6節
その後は9/8(場所未定)、9/22(場所未定)、10/13(場所未定)
[一番上に]
2010年5月21日号
ユーロ安、これはと銀行に走って両替したのは先週、まだ下がるのか。
[第595回ゼミ報告]
5月12日のゼミは出版プロジェクト報告を休み、森岡孝二「労働者派遣制度と雇用概念」(彦根論叢382号2010/01)を行ないました。雇用の弾力化による不安定な働き方が社会問題となり労働者派遣への疑問が高まった。労働者供給事業が戦後、法的に禁止されたものを、請負を容認し派遣法成立によって労働者供給事業を開放した。その後、経済界・政府が足並みを揃え規制撤廃へと派遣法の改正を行いつつ、派遣労働者数は20年間に20倍に増えたが、2008年末からは数十万人の派遣切りが、特に製造現場で行なわれた。彼らは失業給付を受けられず労災率も高い。禁止業務、二重派遣など違法な派遣が横行した。派遣制度は労働力需給調整システムとして機能しているが、それは労働者供給事業から派遣元雇用を分離したものである。供給元と労働者が雇用関係をもち、供給先で労働者が指揮命令される、雇用関係と使用関係を分離されて、労働条件を決める派遣契約に労働者は排除され、団結・団体交渉の場からも排除される、ピンハネ合法化、賃下げ競争、これでは、まともな雇用は言えない。
討論では、派遣法成立へのアメリカの圧力を一言触れて欲しかった、雇用概念の「破壊」と書かれているが、概念の歪曲・逸脱ではないか、あるいは雇用の融解はどうか。戦前に焦点をあて、高梨氏の労働者供給と労働者派遣の二つの表への類似性の指摘は注目すべき。キヤノンが新しい工場を正規雇用に戻しているが、「新時代の日本的経営」で成功したところはあったのか。
*出版プロジェクト5月8・9日の関大六甲山荘での新緑合宿は8名参加で行なわれました。少し寒い六甲山の上で風呂に入る時間を惜しんで深夜まで報告討論しました。6月末までに文献リストをA4に1枚で提出し、8月末脱稿後の9月4・5日に関大恭仁山荘で合宿します。
*6月9日のゼミは予定を変えて、森岡先生の新著『強欲資本主義の時代とその終焉』をゼミ全員が各章を受け持ち、質問・感想会を行ないます。一人2点の質問・感想を用意してください。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
5月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業1〜2節
6月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
森岡著『強欲資本主義の時代とその終焉』質問・感想会 各割当担当
6月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業3〜5節
7月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告等未定
その後は 7/28(天六)、9/8(場所未定)、9/22(場所未定)
2010年5月7日号
トンネル内で渋滞した車にトラックが追突炎上、連休中の痛ましい事故。3週間前同じ道を通ったばかりでドキッ。連続したトンネルに目が眩む。
[第594回ゼミ報告]
4月28日のゼミはマルクス『資本論』1巻第12章「分業とマニュファクチュア」の第4節「マニュファクチュア内部の分業と社会内部の分業」、5節「マニュファクチュアの資本主義的性格」を行ないました。マニュ分業は労働者の一定数、社会内分業には人口の大きさと密度という物質的前提が必要で、マニュ分業には一定の発展度の社会内分業を必要とする。マニュ分業は生産手段・労働力が同一資本家に集中し結合労働力として資本家のもとに部分労働者として隷属するが、社会内分業ではそれが商品生産者に分散し自然発生的に連結される。資本主義的生産様式では社会的分業の無政府性とマニュ分業の専制とが相互に制約しあっているが、マニュ分業は資本主義的生産様式の独自な創造物である。マニュでは資本の指揮のもとで個人は部分労働の自動装置に変化し、その発展は大工業において完成する。しかしマニュでは手工業として不熟練労働などの障害に突き当たるが機械がそれを排除する。討論では、IT技術と工場内分業との関連でITを適用した工場は労働をより一面化する。生産は自然のコントロールであるが、金融は社会のコントロールであり完璧ではない。マニュは資本主義であるのかどうか、支配的・全体的ではない、商人資本の存在、大塚史学。社会的分業では世界市場と植民地制度の関連が大きい、重商主義。下請制度は社会的分業なのか、マニュ分業あるいは工場内分業なのか、自立化されているかどうか、交換・市場の問題。社会的生産力の富裕化と労働者の貧弱化。
*出版プロジェクト5月8・9日の関大六甲山荘での合宿:集合は午後1時阪急六甲駅、参加予定者は8名です。報告討議は8日午後3時〜6時、夜7時半〜10時半、9日朝9時〜12時で、各自1時間の予定です。
*次回5月12日のゼミは、合宿で未報告場合には出版プロジェクト報告を予定しています。報告者がない場合は、森岡孝二「労働者派遣制度と雇用概念」(彦根論叢382号2010/01)を行なう予定です。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
5月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告(報告者未定)あるいは、上記森岡論文
5月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業1〜2節
6月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告等未定
6月23日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章機械設備と大工業3〜5節
その後は 7/14(天六)、7/28(天六)、9/8(場所未定)
2010年4月23日号
気温が不安定な中、とうとうアイスランドで火山が噴火、欧州の航空網がストップ。金融危機から今度は自然災害、経済的損失と空港難民の数が踊る。
[第593回ゼミ報告]
4月14日のゼミは、出版プロジェクトの報告会で、第1報告として「日本の貧困と最低生活保障(生活保護)−雇用と住居の不安定化−」を報告されました。以前の報告は、雇用と生活保障の双方にかかわっていたが、今回はやや生活保障に絞られたものになった。目次:T現状−貧困の直視 U「ワンストップ・サービス」V生活保護を「利用しやすく、自立しやすい」制度へ W居宅保護−アパート入居を原則に Tでは現状の把握。Uでは最近の「ワンストップ・サービス」にみられる求職と生活保障の結びつける傾向、ドイツの「求職者基礎保障」を参考に。Vでは、1補足性(他のあらゆる手段を尽くしたのちにやっと生活保護)の見直し。2自立支援プログラムを。Wではハウジングプアの増大。日米のみが住宅政策が社会政策ではなく経済政策。討論では、相対的貧困率の問題をも含め「貧困とは何か」を定義する必要。第1のセーフティネットである社会保障と結びつけて第2のセーフティネット生活保護を考える。Wは別に切り離して考えた方がよいのではないか。
第2報告は、前回の「世界市場における競争と中小企業の変転」の報告をやや修正して再報告した。目次:T生産の海外移転 U海外生産のわが国輸出入に及ぼす影響 V中小企業における雇用の推移 修正したのは、Uの輸出入に対する影響であり、輸出に大きな影響はなく影響の大きいのは輸入であること。前回のU下請け企業利用システムの解体はVに統合。討論では、従業者と雇用者との定義、新自由主義政策との関連等の指摘があった。
*4月9日号の報告で、討論部分に以下の訂正があります。
誤:「スミスの分業の評価ではかれの批判対象者は地主・貴族であり資本家と労働者を一緒にしているが、マルクスはこの問題を剰余価値分析に持ってきている。」正:「スミスの分業の評価ではかれの批判対象者は地主・貴族であり、資本家と労働者は階級としてまだ分離していなかったので、スミスは剰余価値を理解できなかった。」(ご指摘により):掲載分は訂正済みです
*出版プロジェクトの合宿を、5月8日(土)9日(日)に関大六甲山荘でおこないます。1月9日の一日合宿・初稿発表会に続くものです。この合宿を目標に改稿していきましょう。集合時間等詳細は次回ゼミで。第2次スケルトンを合宿前までにメーリングリストで送ってください。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
4月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第12章分業とマニュ 4〜5
5月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
5月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章 機械設備と大工業 1
その後は 6/9(天六)、6/23(天六)、7/14(天六)
2010年4月9日号
暑くなったり寒くなったり、しとしと雨と思うとカンカン照り、おかげで咲き始めた桜も足踏みして、ようやく満開の木々に、ついカメラを向ける。
[第592回ゼミ報告]
3月24日のゼミはマルクス『資本論』第1巻第12章「分業とマニュファクチュア」の第1節「マニュファクチュアの二重の起源」、第2節「部分労働者とその道具」、第3節「マニュファクチュアの二つの基本形態−異種的マニュファクチュアと有機的マニュファクチュア」を行ないました。様々な種類の自立的手工業者が、あるいは同じ種類の業者がひとつの作業所に結合されることでマニュが発生する。そこでは職業分化により終生同じ単純労働に従事する労働者が専門化で生産力を高め、労働用具も専門化・分化していく。マニュは独立した部分を単に組み合わせることで形成するもの(異種的マニュ)、例えば時計マニュと、一系列の関連する諸過程によるもの(有機的マニュ)、例えば縫針マニュがあり、後者を完成された形態とする。有機的マニュにより生産が空間的並列に転化して拡張性をもつ。そこでの機械使用は大工業の準備的過程であり、労働の等級化を促し、労働の一面化によって熟練と未熟練労働者に区分され、労働力の価値低下による資本の価値増殖がなされる。
討論では、ここでは使用価値の生産を技術的側面からみている。スミスの分業の評価ではかれの批判対象者は地主・貴族であり、資本家と労働者は階級としてまだ分離していなかったので、スミスは剰余価値を理解できなかった。労働過程の分析をマルクスはすごくやっている。作業が単純化しないと機械の導入へと進まない。社会的生産性=社会的生産力での労働の生産性として、労働の強度をどのように捉えるのか。強められた労働を一般的な労働の生産性としてどう扱うか、労働の強度を相対的剰余価値にふくめるのかどうか、労働の生産性にたいして「生産性」だけで言葉がなりたつのか、議論が紛糾した。
*出版プロジェクトの執筆者の皆様へ:第2次スケルトンを5月8日の合宿前までにメーリングリストで送ってください。
*出版プロジェクトの合宿を、5月8日(土)9日(日)に関大六甲山荘でおこないます。1月9日の一日合宿・初稿発表会に続くものです。この合宿を目標に改稿(初稿の人も・私)していきましょう。詳細は追って。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
4月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
4月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第12章分業とマニュ 4〜5
5月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
5月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第13章 機械設備と大工業 1
その後は 6/9(天六)、6/23(天六)、7/14(場所未定)
2010年3月19日号
鹿児島国際大学での春の研究交流集会、日本列島の南でもホームレスと子どもの貧困を問う。激しい雨に打たれた桜島見学、強欲資本主義のごとき。
[第591回ゼミ報告]
3月10日のゼミは、出版プロジェクトの報告会で、「世界市場における競争と中小企業の変転」を報告されました。これまでのものから大幅に構成を変更され、以前の構成にあった理論の節を省いて実情分析に絞っています。「目次:1.1985年以降の日本企業の海外進出とその影響、2.下請企業利用システムの解体、3.中小企業における雇用の推移、4.熟練労働・精神労働の解体・精神労働の肉体労働化」1.では、生産の海外移転による海外での雇用拡大と国内での雇用の影響、その業種別分布を分析し、さらに現地法人による対日輸出の増大を主としてアジアを対象に国内雇用への影響とその業種別分布を見る。その結果、生産の海外移転が必ずしも国内の雇用を減らしていない。むしろそれは産業構造の変化によるものである。2.では、大企業による下請企業利用システムが解体し、その背景のICT技術の発展と中小企業政策の転換をみる。3.では、資本金規模別に中小企業従業者数をみて1億円未満の中小企業比率が大きく、人材派遣業の増大が考えられ、さらに非正規・臨時雇用者の拡大がみられる。4.では、精神労働がコンピュータ入力作業に見られるように肉体労働化されている。日本だけで中小企業が減っていて、中小企業の存在による経済の柔軟性のあり方が問われている。討論では、海外との労働者間の競争とみえるものは、実は企業の競争であって、日本の労働者の賃金低下には国内外の労働者間の協調による生活向上・賃金上昇が必要である。これまで中小下請企業が調節弁であったが、現在は大企業体制での人材派遣が調節弁になっている。労働組合の問題はどうか。労働法における規制緩和と中小企業政策の転換は関連しあっている。輸入による輸出の増加が考えられる。アジアでの生産ネットワークを考察の対象としてはどうか。ブランドと言われるが、自分が作ったものにたいする誇りである。
*出版プロジェクトの合宿を、5月8日(土)9日(日)に関大六甲山荘でおこないます。1月9日の一日合宿・初稿発表会に続くものです。この合宿を目標に改稿(初稿の人も・私)していきましょう。詳細は追って。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
3月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第12章分業とマニュ 1〜3
4月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
4月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第12章分業とマニュ 4〜5
5月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
その後は 5/26(天六)、6/9(天六)、6/23(場所未定)
2010年3月5日号
はるか琉球の地、首里城の城壁から街を眺めていると、空から凄まじい戦闘機の爆音が降ってきた。人の生活を略奪し威圧するような音。沖縄の現実。
[第590回ゼミ報告]
2月24日のゼミは、マルクス『資本論』1巻第11章「協業」を行ないました。資本主義的生産の出発点は、同じ個別資本が多数の労働者を同時に就業させ、労働過程を拡大して大きい量的規模で生産物を供給することにある。初期のマニュファクチュアは労働者の数が多いこと以外には同職組合的手工業と区別されない。しかしある限界内で変化が生じ、社会的平均的な質の労働となる。この社会的平均労働を動かすようになると価値増殖の法則が一般的に実現される。同じ生産過程で、あるいは異なっているが連関している生産諸過程で一緒に計画的に労働する形態が、協業と呼ばれる。結合された労働の成果は集団力である生産力の創造である。協業は労働の空間的部面を拡大すると共に、生産の場を空間的に縮小する。多量の生産手段が資本家に集中することは協業の物質的条件であり、資本家の指揮の下、社会的労働過程と資本の価値増殖過程という二面性を持つ。協業そのものが資本主義的生産に固有な歴史的形態として現われる。協業は資本主義的生産様式の基本形態である。
討論では、協業と分業の関係は?アダムスミスは分業から始めているが、ここでは協業から始まっている。歴史的と概念的なものを区別して、協業が資本主義の出発点に置かれている。そこでは協業が2つに分かれているのではないか。資本主義的と同業組合的な協業について量的には変わらないが質的に変わる。集団力が量から質への転化を表し、そこで生産力が問われる。空間的広がりと連続的・多面的との関係。指揮・集中をオーケストラの指揮者に例えて、それを労働課程の必要条件とし、資本主義独自の機能を管理の二重性に求めている。「生産体総体の統一」という言葉について。ここでは、同じ場所で生産を行なうことが重要であって、生産現場に力点がある。現代ではインターネットのように離れているが連携しあった労働現場がある。
*出版プロジェクトの合宿を、5月8日(土)9日(日)に関大六甲山荘でおこないます。1月9日の一日合宿・初稿発表会に続くものです。この合宿を目標に改稿(初稿の人も・私)していきましょう。詳細は追って。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
3月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
3月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第12章分業とマニュ 1〜3
4月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
4月28日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第12章分業とマニュ 4〜5
その後は 5/12(天六)、5/26(場所未定)、6/9(場所未定)
2010年2月19日号
世界中を走っている車でリコール、対応の遅さが指弾される。早速プリウスを改修に持っていった。ブレーキの改修だけに消費者は迅速に動いている。
[第589回ゼミ報告]
2月10日のゼミは出版プロジェクトの報告会で、「雇用・労働に関する企業の社会的責任」と、「派遣労働者と派遣会社の実態をみる」が報告されました。最初の報告で、雇用・労働への企業の社会的責任の論理をマルクスの原典から説き起こし、企業が人類生存の社会的器官と利潤獲得の器官という二重性の中で考察する必要がある。企業は雇用し賃金を払うが、労働者が企業の中で人間発達し、社会的生産物を通じで社会的関係を意識する場である。労働者の雇用と労働が企業存立の基盤という意味で、労働CSRが企業にとって一番重要である。討論では、労働CSRは剰余価値に直接関係している。企業は利益を挙げるのが社会的責任という経団連・企業家の主張に対抗する。労働をコストと見るかどうか。「市民運動」の用語の問題で様々な異論が出て、また構成について日本の実態から始める案が出た。
次に、派遣会社の実態について報告した。机と電話で出来る商売の利益構造。各社の売上高と利益。スポット派遣で急成長したクリスタル、その後のGWへの売却、企業買収など、派遣労働者の汗と涙の結晶が大金となって企業間で取引される。また登録スタッフへの就業規則にみる労働者管理の実態、さらに過酷な派遣会社社員の労働実態をみる。また二重派遣・偽装請負などその企業体質の問題にも迫る。討論では、収益の不安定さが様々な会社における違法性を生み出したのではないか。企業の栄枯盛衰・買収をみると、ある産業部門の本源的蓄積過程をみるようだ。リクルートにみる政治との関係、財界での人材派遣会社の位置づけはどうか。理論的に総括する必要があるが、これは搾取というよりも収奪というべき。
*出版プロジェクトの合宿を、5月8日(土)9日(日)に関大六甲山荘でおこないます。1月9日の一日合宿・初稿発表会に続くものです。この合宿を目標に改稿(初稿の人も・私)していきましょう。詳細は追って。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
2月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第11章 協業
3月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
3月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第12章分業とマニュファクチュア1
4月14日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
その後は 4/28(天六)、5/12(場所未定)、5/26(場所未定)
2010年2月5日号
空の翼の凋落から、今度はボルトを付け忘れて鉄路の翼、いやパンタが飛んでしまった。深夜から未明での交換作業ミス。労働条件に無理はないか。
[第588回ゼミ報告]
1月27日のゼミはマルクス『資本論』1巻第10章「相対的剰余価値の概念」を行いました。抵抗のない剰余価値創出方法として、労働日を延長しないで剰余価値を増大させる方法として、剰余労働の延長と必要労働の短縮により相対的剰余価値が創出される。労働日の延長による絶対的剰余価値に対し、必要労働時間の短縮と両比率の変化による相対的剰余価値がある。労働力の価値を下げるには労働の生産力が上昇しなればならない。それを促す最大の推進力は特別剰余価値の追求である。商品の現実の価値は個別的価値ではなく社会的価値である。競争の法則による技術的改良によって一般化されるとともに特別剰余価値が終わりを告げる。商品を安くすることにより労働者そのものを安くしようとする資本の内的衝動。特別剰余価値の実現への欲求が、交換価値の生産だけに関心を持つ資本家がなぜ交換価値を絶えず引き下げようとするのかの謎が解ける。相対的剰余価値の特殊な生産方法が次章以下で述べられる。
討論では、相乗された労働・力能を高められた労働を強められた労働・労働の強度とみるか、労働の強度による剰余価値は相対的剰余価値とするのか、絶対的剰余価値とするのか。これまでの議論から、絶対的剰余価値でいいのではないか。しかし労働の強度と労働の生産力との関係では、労働の強度からやがて生産力として論理的につながるのであれば、相対的剰余価値となることもあるのではないか。いわゆる「ノルマ」という観点からはどうか。今経団連と連合が交渉を始めたが、金融の力のほうが大きく、金融を軍事的にささられる資本主義として、マネーゲームから利潤を生み出している。相対的剰余価値の説明から、交換価値の引き下げと賃下げというデフレスパイラルを想起させる。
*2月以降の前半ゼミは、一日合宿での指摘をうけて書き直しのために、
出版プロジェクト報告会を続けます。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
2月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
2月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第11章 協業
3月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
3月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第12章分業とマニュファクチュア1
その後は 4/14(天六)、4/28(場所未定)
2010年1月22日号
アテンションプリーズ、そういえばこのドラマの舞台だったのは、いま注目の航空会社。栄枯盛衰ではないが、「沈まぬ太陽」が「墜落した翼」に。
[第587回ゼミ報告]
1月13日のゼミは、出版プロジェクト報告会で、「経団連の法人税実効税率引き下げ要求は正当か」と題して、報告しました。経団連の毎年の提言では日本の企業競争力のために法人税率を下げるべきとの論調に、22年度提言に「海外からの新たな投資を呼び込むため」と付け加わったのが注目される。税率が下がることで内部留保に余裕ができ研究開発を強化できるという。しかし税率が低くても投資が増えないことがあるし、税率が高いのに海外へ出て行かない国がある。税率によって企業が国内に残るか海外に出て行くか、ということではなく、それ以外の要素による。税額控除や優遇制度がある。どうして直接投資と法人税率に直接関係あるような結論がでるのか検討し、世界的な法人税率の引き下げ競争が起きていることを考え、その対策を考える。世界各国の対外投資と法人税率に関する統計をグラフ化して、反証材料としたい。
討論では、経団連にたいして経済同友会の動きはどうか、民主党と財界との関係を探ることが必要。重厚長大産業から金融業への財界の変化との関係。政策形成過程をみると、財界の動き・接点が見えるのではないか。国・企業が小さくても幸せに暮らせることが大切。
*出版プロジェクト一日合宿・初稿報告会を1月9日に行いました。参加は7名で、各報告に対して森岡先生から厳しい指摘があり、全員大幅な構成の再検討を要求されました。さあハードルは高いぞ!
*2月以降の前半ゼミは、一日合宿での指摘をうけて書き直しのために、出版プロジェクト報告会を続けます。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
1月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第10章相対的剰余価値の概念
2月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
2月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第11章 協業
3月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
その後は 3/24(天六)、4/14(場所未定)
[一番上に]
2010年1月8日号
あけましておめでとうございます。今年は寅年、年男。一回り前の1950年、生まれた年の新聞の見出しは朝鮮戦争一色。今も戦争の報道は絶えず。
[第586回ゼミ報告]
12月16日のゼミは、「マルクス『資本論』1巻第3編までを振り返って」と題して、問題提起を行いました。序文から9章まで18回のゼミから以下の4つの問題点を示されました。1)市場経済:人の関係を物の関係に転倒・物象化・環境汚染・使用価値の再検討、2)2008年恐慌とそれ以後:投資ファンド・株主資本主義・実体経済・金本位制、3)人間生活と労働:家族・自由・CSR・企業・価値増殖過程からの考察・階級としての団結・ルールある経済社会、4)未来社会への展望:経済的運動法則・社会的労働力・自由な人々の結合体。
討論では、これまでのゼミでは資本論上の論争を省みなかった。1)について:商品経済の社会と資本の世界の区別、市場経済には搾取はないが労働力の売買で不等価交換、市場経済の発展が資本主義ではないか、商品の現代のあり方、社会的使用価値・他人の為の使用価値、大量生産・大量消費・大量廃棄物・欲望を生み出す、利潤原理と市場原理の対立。2)について:金はやはり貨幣として機能する、金価格の上昇はどうか。3)について:ディーセントワーク労働過程の見直し、大企業をつぶせない、労働者が生きて行けなければ資本も生きて行けない、雇用と生活を守ることは資本のためでもある、日本的経営の見直し、日本の消費を当てにせず企業は世界へ出て行く。4)について:労働が最大の喜びとなる、自由時間と人間発達、労働が人間を発達させる、最大の生産力は労働力、リコール問題が増えている。労働者の視点から:海外の労働者の賃金が安いから日本で物が安くなっている、各国の最低賃金の問題である、再び「万国の労働者よ団結せよ」の時代となる。
*出版プロジェクト一日合宿・初稿報告会を来る1月9日に関目・城北学習センターで行います。時間は午後1時より夜9時ごろまで。当日は各報告者の初稿原稿を持ち寄り、内容報告をお願いします。森岡先生出席決定。
*2月以降の前半ゼミを、このまま出版プロジェクト報告続けるのか、新テキストにするかは、1月13日のゼミで決めます。
*次回の会場はいつもの天六・大阪市立住まい情報センターです。
****** ゼミ日程 *******
1月9日(土)午後1時〜夜9時 関目・城北学習センター
出版プロジェクト一日合宿・初稿報告会
1月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト報告
1月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第10章相対的剰余価値の概念
2月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
内容未定:出版プロジェクト報告 または 新テキスト
2月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』1巻第11章 協業
その後は 3/10(天六)、3/24(場所未定)、4/14(場所未定)