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大阪第三学科たより
2021年


2021年11月19日号
2021年11月6日号
2021年10月22日号
2021年10月8号
2021年9月17日号

2021年9月3日号
2021年7月23日
2021年4月9日号
2021年3月20日号


2021年11月19日号

ある公立の美術館で借用した複数の作品が紛失、廃棄したのではとの新聞記事、学芸員が非正規で短期の入れ替りの情報不足が原因と。ここでも労働問題!

[第827回ゼミ報告]
11月10日のゼミは斎藤幸平『人新世の「資本論」』7章「脱成長コミュニズムが世界を救う」を行いました。
成長優先である資本主義はコロナ禍の危機で矛盾が顕在化するが根本的対策が先延ばしされる。危機の時代では国家権力が全面にでるが、それが機能不全に陥る。この野蛮への回避は自治と相互扶助、コミュニズムであり、ピケティも参加型社会主義に転向した。デトロイトの都市再生・農業、コペンハーゲンの現代の入会地の経験がある。脱成長コミュニズムの柱は、使用価値経済への転換、労働時間短縮、画一分業廃止、生産過程民主化、エッセンシャルワーカー重視にあり、物質代謝の亀裂を修復し、ブエン・ビビール(良く生きる)の実現、野心的な21世紀環境革命である。
討論では、4つの選択のうち毛沢東主義とは、幸せな管理社会、東南アジアの政治体制の特徴。なぜ「コミュニズム」の用語を使うのか、これまでの用語使用と区別するためか。脱成長を主張することは、分配・平等の論点だけでないということ。自主管理についはどうか、世田谷の保育園、関西生コンの経験。ケア労働・ケアの倫理:男性社会に対して女性が担うこと、ケア=気遣い。

*11月24日ゼミは、資本論3巻37章のS.639からです。
*12月8日ゼミで、斎藤幸平『人新世の「資本論」』が終わります。次のテキストの候補本の推薦・提案お願いいたします。前回ゼミまでの推薦本:芦田文夫『「資本」に対抗する民主主義―市場経済の制御と「アソシエーション」』本の泉社,2021-10、青柳和身『マルクス晩年の歴史認識と21世紀社会主義』桜井書店,2021-10、岸本 聡子『水道、再び公営化!―欧州・水の闘いから日本が学ぶこと』集英社新書,2020-3、森田成也『ヘゲモニーと永続革命―トロツキー、グラムシ、現代』社会評論社,2019/2
*12月22日ゼミの会場変更:天六・大阪市立住まい情報センター・5階研修室、地下鉄・阪急天神橋筋六丁目駅下車3号出口から連絡

****** ゼミ日程 *******
11月24日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻6編37章 緒論・後半   

12月8日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第8章 気候正義・・

12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』第3巻8章 差額地代 概説   

その後 2022/1/12, 1/26, 2/9, 2/23, 3/9, 3/23 :アイクルの部屋

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2021年11月6日号

日本が連続受賞とは何か、なんと不名誉な「化石賞」。2019年のCOP25に続き、COP26でも受賞。地球温暖化を前に環境問題は最重要課題だ

[第826回ゼミ報告]

10月27日のゼミはマルクス『資本論』第3巻第6編「超過利潤の地代への転化」第37章「緒論」の前半(S.639まで)を行いました。ここでは剰余価値の一部が土地所有者の手に入るものに限定し、そこで近代的土地所有を考察する。資本主義に照応する土地所有形態は農業を資本に従属させることにより初めて作り出される。土地所有は特定の個人による独占、地球の一部分で他人を排除し利用を独占する。地代は土地所有者に対して生産に使用の代償として支払う。土地に合体された資本を土地資本と名付ける。土地に合体された改良は借地期間が過ぎれば、土地に不可分の属性として土地所有者のものとなる。地代を利子形態と混同することは誤った結論である。地代を科学的に分析するためには不純・あいまいな添え物を一切取り払い、純粋に考察することが重要。
討論では、ここで問題にするのは完全に資本主義的な地代である。共同地が私的所有へと変化。植民地アメリカでインディアンの共有地が契約で私的所有に、共同体では共有ではなく無所有。ロックによる労働からの所有の概念。日本では班田収授法で私的所有としての荘園制度。入会地はどうか。ここでは地代を利子とみることに反論。農業資本が製造業資本よりも剰余価値率が高いのは労働力の比率が高いから。アメリカの大規模農業では小資本が多い、そこでは移民の労働力利用。地代論で近代的土地所有を論じ、三大階級へ。建築地代、鉱山地代はどうか。平均利潤率を超える者が地代、地代を平均利潤率の例外として扱う。

*11月10日ゼミで、斎藤幸平『人新世の「資本論」』が終わる予定です(報告者都合により12月ゼミで終了もあり)。次のテキストの候補本の推薦をお願いいたします。いま話題の本、あるいは是非とも読みたい・討論したい本を提案願います。できれば現物をお持ちください。前回ゼミでは芦田文夫新刊本と青柳和身新刊本が話題になりました。

*12月8日ゼミは、資本論3巻37章のS.639からです。

****** ゼミ日程 *******
11月10日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第7章、第8章 

11月24日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻6編37章 緒論・後半 

12月8日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
未定:11月10日ゼミの都合上、斎藤本後半、あるいは新テキスト

その後 12/22 (アイクルの部屋), 2022/1/12, 1/26, 2/9, 2/23

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2021年10月22日号

夕方、町内の電気が1分間消え、「ゼミたより」作成中パソコンも、原因は落雷。自然の摂理に逆らえず。その昼、USJで停電騒ぎ、こちらは原因不明と

[第825回ゼミ報告]

10月13日のゼミは、斎藤幸平『人新世の「資本論」』第6章「欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム」を行いました。
資本主義の発展は99%の人々に欠乏をもたらすが、コミュニズムは潤沢さを整える。水・土地というコモンは潤沢であったが、本源的蓄積はコモンズを解体し、希少性を人工的に生み出した。本来水は潤沢だか、ペットボトルの商品とされ、水道事業は民営化され利益が目的となる。ここでハーディンの共有地の悲劇に関連して、救命ボートの倫理(救命ボートに乗っているのは先進国、海に投げ出されるのは途上国)を紹介。コモンズを解体され、人々は商品世界に投げ込まれ、「奴隷制」ともいう長時間労働に陥る。商品のブランド化は絶えざる消費に駆り立てる。それが資本主義の原動力であれ、人々は幸せにならない。この悪循環から逃れる道は脱成長コミュニズムである。再生可能エネルギーの普及はエネルギーの地産地消で、コモンによる持続可能な経済への移行を促す。ワーカーズコープによる経済の民主化が福祉国家へのオルタナティブとなり、ラディカルな潤沢さを取り戻し、脱成長コミュニズムを目指す。幸福で公正で持続可能な社会に向けて、自制によって「必然の国」を縮小することが「自由の国」の拡大につながっている。
討論では、米は連作可能な穀物で希少だ(水田の場合)。ラディカルとは「根本的」という意味。モンドラゴンの創始者はカトリック聖職者でその点での問題はある。脱成長はドーナツの中の人の問題、成長するかしないではなく、生活を豊かにすること。成長を何で測るのか。成長を目標としない社会:スウェーデン・デンマーク。気候変動問題は欧州では大きな運動となっているが、日本ではまだ小さく、EV化も遅れている。

*11月10日ゼミで、斎藤幸平『人新世の「資本論」』が終わる予定です(報告者都合により12月ゼミで終了もあり)。次のテキストの候補本の推薦をお願いいたします。いま話題の本、あるいは是非とも読みたい・討論したい本を提案願います。できれば現物をお持ちください。

****** ゼミ日程 *******
10月27日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻6編37章 緒論・前半

11月10日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第7章、第8章

11月24日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻6編37章 緒論・後半

その後 12/8, 12/22 (アイクルの部屋), 2022/1/12, 1/26, 2/9, 2/23

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2021年10月8日号

人口密集地で地震、鉄道が止まり駅に人の群れ、タクシー待つ行列と帰宅困難者、7日夜のテレビ報道の光景。前日6日未明に岩手県でも同じ震度5強だが‥

[第824回ゼミ報告]
人口密集地で地震、鉄道が止まり駅に人の群れ、タクシー待つ行列と帰宅困難者、7日夜のテレビ報道の光景。前日6日未明に岩手県でも同じ震度5強だが‥
9月22日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第36章 「資本主義以前[の状態]」の後半(S613から)を行いました。ここでは、利子生み資本の産業資本への従属の過程、近代的利子生み資本の発生の過程を論じている。利子生み資本は資本主義的生産に適合させられるとともに、潜性的な資本家・起業家・下層から補充を可能にする。オランダの銀行で古風な高利独占の消滅へ、イングランド銀行が高利資本の独占を奪うとともに、信用貨幣を創造し貴金属の独占を制限した。現代の信用制度は貴金属貨幣を土台としてここから離脱できず、私人による社会的生産手段の独占を前提とし、可能な限り最高・最終の形態まで発展させる推進力である。銀行制度により資本の分配が特殊な業務として社会的機能となり、資本主義的生産の制限を超えて進行する強力な手段であり、また恐慌・詐欺への媒介物ともなる。信用制度は資本主義的生産様式から結合労働の生産様式への移行での強力な槓桿として役立つ。利子生み資本が自己増殖する価値として神秘的で純粋な姿で現れるとともに、生産過程だけでなく個人的消費・家屋への貸し付けで二次的搾取を行う。報告者はこれらの叙述に加え、様々な注釈を加えて述べていった。金融資本が最後の形態であるとしたレーニンに対し、ハーヴェイがそれを認めながら、一方向のみの発展に疑問を呈したこと、信用・銀行制度と未来社会とのつながり、二次的搾取を略奪による蓄積としたこと、また、中世には一般的利子率がない、宗教改革者のルターによる損失補償として利子を是認し商人資本を肯定したこと、など。
討論では、ユダヤ人といえば金貸しのイメージに何故なるのか、ナポレオン三世はサンシモンに傾倒していたことなど、多岐にわたって議論をした。

*「コロナ禍の閑居の今ぞ積年の積ん読の書の山崩さばや」:ある新聞に「コロナに向き合う歌人たち」と題して掲載された短歌のひとつ、そう我らが長年の仲間の作品です。さて作者はどのくらい山を崩したのでしょうか。当方はまだまだ積み上がるばかり、読まずに別の山に積み替え、本の数々を眺めています。

****** ゼミ日程 *******
10月13日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第6章「欠乏の資本主義」

10月27日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻37章 緒論・前半

11月10日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第7章、第8章

その後 11/24, 12/8, 12/22 (アイクルの部屋)

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2021年9月17日号

ある政党の党首選出に立候補した政治家の演説会、選挙権があるのは国民ではなく党員、それを全国民向けにテレビが延々と中継。何か変ではないですか。

[第823回ゼミ報告]

9月8日のゼミは、斎藤幸平『人新世の「資本論」』の第5章「加速主義という現実逃避」を行い、6章は次回にしました。この章の狙いは加速主義を検討・批判し、脱成長コミュニズムの姿を鮮明にすることである。バスターニは新技術の指数関数的な生産力発展を推し進める「豪奢なコミュニズム」を詠唱し、ラトゥールの「エコ近代主義」は現実逃避の思考であり、選挙を通じての共産主義革命は素朴であり危険でさえある。フランスの「黄色いベスト運動」を取り上げ、ここで出現した市民議会が環境に対する提言を行っていて、民主主義の在り方を抜本的に変容させた「社会運動」である。市民議会は、社会運動が「気候的毛沢東主義」に陥ることなく、民主主義を刷新し、国家の力を利用できることを証明した。資本による包摂と専制の結果、社会全体が包摂され、構想と実行の統一が解体されたというブレイヴァマンを紹介し、自律性を奪われた労働者は機械の付属品となってしまい、労働者は「構想」という主体的能力を失う。ゴルツは生産力至上主義の危険を避けるために、「開放的技術」の促進を提唱する。我々は生活そのものを変え、経済成長と贅沢さを結びつけることをやめて、新しい贅沢さを見出すべきである。
討論では、「気候毛沢東主義」が出てくるが、毛沢東は時期によって違いがあり少し抵抗がある。フランス・スペインの市民運動・社会運動を取り上げているが、日本の場合はどうか。特に斎藤氏は「成長」を否定的に取り扱い、過度の成長に対して、いい成長もあるのではないか。日本の国民の特徴として、明治維新後と戦後、素早く「姿」を変えていくところ、日本人の姿と特徴がある。

*基礎研研究大会が10月2日・2日に行われます。今回もオンライン配信で行われ、視聴会場も設置される予定です。プログラムなど詳しいことは基礎研ホームページに掲載されます。

****** ゼミ日程 *******
9月22日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻36章 資本主義以前[の状態]:後半

10月13日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第6章「欠乏の資本主義」

10月27日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻37章 緒論

その後 11/10, 11/24, 12/8, 12/22 (アイクルの部屋)

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2021年9月3日号

コロナ感染が急上昇するとともに支持率が急落して、やっぱり短命でしたかね。かつての菅(カン)首相は1年3ヶ月で、今の菅(スガ)首相はわずか1年で・・

[第822回ゼミ報告]

7月28日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻36章「資本主義以前[の状態]」の前半(S613まで)を高橋さんの報告で行いました。歴史的記述の章の存在への宇野理論を最初に述べ、続いて、利子生み資本(高利資本・高利貸資本)と商業資本(商人資本)は資本主義よりもっと以前から存在した、双子の兄弟であるが、後者の貨幣充用は利潤目的あるが、後者は貨幣蓄蔵者から転化した。高利資本は生産様式を変化させずに寄生虫として生産様式を搾取し衰弱させることで、民衆の憎悪にあった。ただし、アジア的な形態の下では、高利は長く存在することができた。ここではアジア的生産様式をヨーロッパとの比較を論じ、前者を相対的安定性を持っていると論じている。土地所有に依存しない貨幣財産を形成していく高利資本と商人資本によって、貨幣は使用価値での富の局限された表現形式に対立して、本来の富・一般的な富として現れ貨幣蓄蔵されていく。高利が独立した貨幣財産を形成し、古い労働条件の所有者を破滅させる限りで、産業資本形成の強力な一手段であり、それは商人資本が同様に独立な貨幣財産を形成することと同じである。
討論では、イギリス・ロンドンにおける市場は産業資本を育成したが、そこにはオランダの高利資本や商人資本家が投資していた。古代社会のうち、ローマはラテン系だが、ギリシアにはアジアとも関連がある。ここでは信用論と同様に世界市場が重要な要素であり、小商品生産者は国内のみだが商品資本は海外との関係が重要。高利資本は社会の発展・進歩に直接結びつかず、従属的である。古代ギリシアのエピクロスの言葉で、「気孔」と訳すが、「器官」が正確。債務奴隷と賃金奴隷。

*通常通り8月をお休みし、9月第2週から再開です。
*会場「アイクルの部屋」は5月末に淀屋橋・道修町から堺筋本町・瓦町に移転しましたが、新しい「アイクルの部屋」では、「アイクル文庫」を新設し、本の寄贈を募っています、ジャンルは問いません。

****** ゼミ日程 *******
9月8日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第5章・第6章 

9月22日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻36章 資本主義以前[の状態]:

10月13日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第7章・第8章 

その後 10/27, 11/10, 11/24, 12/8, 12/22 (アイクルの部屋)

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2021年7月23日号

それでも開催:贈賄疑惑・競技場設計変更・エンブレム盗作・女性蔑視失言・いじめ自慢・侮辱コントと直前まで問題多発の五輪は、コロナ・エピセンターか

[第821回ゼミ報告]

7月14日のゼミは、斎藤幸平『人新世の「資本論」』第3章「資本主義システムでの脱成長を撃つ」・第4章「「人新世」のマルクス」を行いました。経済成長は必要なのか、開発経済では南北問題解決のために経済成長こそ鍵というが、開発モデルは行き詰っている。社会的な土台と環境的な上限を表したドーナツ経済で不公正を示すが、資本主義はグローバルな公正さを実現できないし、「脱成長資本主義」も存在できず、空想であり、日本社会の現状は脱成長ではなく長期停滞である。新世代の脱成長論はラディカルな資本主義批判による「コミュニズム」であり、ここにマルクスと脱成長とを統合する必然性が出てくる。第三の道が「コモン」であり、社会的に共有・管理される富であり、コミュニズムがコモンを再建し、地球を持続可能なコモンとして新しい道を模索する。若きマルクスが進歩史観としての生産力至上主義・ヨーロッパ中心主義を脱し、晩年は物質代謝論に行き着き、エコロジカルな理論的転換を行った。『資本論』以降、持続可能な「エコ社会主義」のビジョンへ、さらに単線的歴史観を決別し、自然科学研究と非西欧・前資本主義社会の共同体研究へと進んだ。「持続可能性」と「社会的平等」が新しいコミュニズムの基礎となり、「脱成長コミュニズム」と「協同的富」へと至る。報告者は大澤真幸・見田宗介・花崎昂平などを紹介。
討論では、斎藤がここで取り上げるマルクス主義は欧州での議論だが、日本では宮本憲一に代表される環境問題への研究の歴史がある。

*コロナ禍による「緊急事態措置」・「まん延防止等重点措置」により、
4月14日・28日、5月12日・26日、6月9日・23日と3ヶ月間6回のゼミを中止し報告予定を順延し、7月14日から再開しました。
*会場「アイクルの部屋」は5月末に淀屋橋・道修町から堺筋本町・瓦町に移転しました。住所:大阪市中央区瓦町1 7 1 エスペランサ瓦町4階
*新しい「アイクルの部屋」では、「アイクル文庫」を新設し、本の貸出を行うとのこと、本の寄贈を募っています、ジャンルは問いません。

****** ゼミ日程 *******
7月28日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻36章 資本主義以前[の状態]

9月8日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第5章・第6章

9月22日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻37章 緒論

その後 10/13, 10/27, 11/10, 11/24, 12/8, 12/22 (アイクルの部屋)

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2021年4月9日号

「マンボウ」といえば、ある世代は北杜夫「どくとるマンボウ航海記」を連想、「航海記」は「ドリトル先生航海記」。「まん延防止等重点措置」の“後悔”は・・

[第820回ゼミ報告]
3月24日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻35章「貴金属と為替相場」の第2節「為替相場」をで行いました。貨幣金属の国際的バロメーターは為替相場である。イングランド銀行は金流出の防衛策として利子率引上げを行い、為替相場に影響する。銀行学派は貴金属輸出と資本一般の輸出の為替相場への影響を同一視している。資本投下は商業取引でなく還流も期待しない。普通でない輸入品、植民地からの貢納、等価を支払わない無償輸入品は為替相場に影響せず、インドに対する資本の利子・配当、官吏の報酬などがある。カトリックは重金主義、プロテスタントは信用主義であるが、信用主義は重金主義から解放されず。この節では議会証言が多く、その背景・論点が分かりづらい。問題にしているのは商品取引と資本取引が為替相場・金準備の問題で影響を区別していないこと、外国との関係での植民地をもつイギリスの特殊性が論点となる。
討論では、この章でJ.S.ミルを取り上げ批判的に書き、マルクスは折衷派としているが、ミルは第1インターに関わっている。ここでの主題は「金」だが、日本では石見銀山などがあり銀が流通していた。現在の為替のベースは本当に金なのか、金相場とドル相場の関係は、仮想通貨も。石油価格は果たして金価格と連動しているのだろうか。労働価値説が問題だ。
付記:参加者から報告者が同じ35章を前回の2006年5月24日に報告しているとの指摘がありました。15年も前のことをすっかり忘れていましたが、その時のレジュメを見せてもらい、今回の方が少しマシなレジュメになったかと、長い年月に思い返しました。

*4月のゼミを中止・延期します。昨年12月から2月までの3カ月の長いゼミ休み後、3月に入ってやっとゼミを再開できました。なんとそれから1か月後に、大阪など各都市で「まん延防止等重点措置」が適用され、大阪ではより多くの感染者が出て、再びゼミを休むこととなりました。「医療崩壊」予想に自粛とワクチンに期待するしかないのでしょうか。

****** ゼミ日程 *******
*4月14日ゼミ、4月28日ゼミは、中止し次回に延期します
5月12日(水)午後6時半〜9時 淀屋橋道修町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第3章・第4章

5月26日(水)午後6時半〜9時 淀屋橋道修町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻36章 資本主義以前[の状態]

6月9日(水)午後6時半〜9時 淀屋橋道修町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第5章・第6章

その後 6/9, 6/23, 7/14, 7/28, 8月?, 9/8, 9/22 (アイクルの部屋)

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2021年3月20日号

「コロナ」と聞いて何、とは今の人には愚問。1960・70年代に生きた人は「トヨタ・コロナ」。20年前に販売終了とか、良かったね、豊田章男君

[第819回ゼミ報告]
1月13日のゼミは、新しいテキスト・斎藤幸平『人新世の「資本論」』の「はじめに」、第1章「機構変更と帝国的生活様式」、第2章「気候変動ケインズ主義の限界」を行いました。この本では、SDGsに疑問をいだき、『資本論』を参照しながら「人新世」での資本と社会と自然の絡み合いを分析する。気候変動へのノーベル経済学賞の罪を問い、気候変動に対して以前の状態に戻れない地点が迫り、二酸化炭素排出量の問題、海面上昇、環境負荷の飛躍的増大、新興国などグローバルサウスへの「人災」の広がりが資本主義の矛盾とつながり、先進国の帝国的生活様式で維持でなくなっている。地球環境も搾取の対象で環境負荷が外部化され、「大洪水よ、わが亡き後」へ。そこにグリーン・ニューディールが新たなビジネスチャンスに。成長とCO2削減は両立するのか、技術楽観論では解決せず、脱成長という選択肢を提起している。最後に報告者は資本主義の害悪の多面性、物理的環境と生物的環境での悪化の違い、これまでの恐慌に対し石油危機・コロナ危機での剰余価値生産の困難、情報労働の拡大を指摘した。
討論では、これからの人々はどのように発展していくのか、情報化で、また技術革新で解決できるのか。ドーナツ経済の内側での不足に対し、どのように公平に分けることができるのか、人口が多すぎるのか。農業のGDPがとても低く評価されているのは貨幣での評価。使用価値の問題を問うているが、それは価値の問題でもある。お茶を飲むのに以前は急須を使ったのは昔の話、いまはペットボトル、それでいいのか。

*3カ月の長いゼミ休みとなってしまいました。毎回参加者の皆様へゼミの開催・中止を問合せ、都合12月から2月まで6回のゼミが中止・延期となりました。コロナ籠りで皆様のご健康・ご勉強が気になっていました。なぜもっと検査を増やさないのか、医療など社会基盤への支援をもっとあつくしないのか、政府・自治体の政策当局への疑問がふつふつわきます。
*3月27・28日の基礎研春集会は昨年9月の研究大会同様に、ネット配信で行われ、京都にも視聴会場があります。ぜひご参加ください。

****** ゼミ日程 *******
3月24日(水)午後6時半〜9時 淀屋橋道修町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻35章 貴金属と為替相場 2節

4月14日(水)午後6時半〜9時 淀屋橋道修町・アイクルの部屋
斎藤幸平『人新世の「資本論」』第3章・第4章     

4月28日(水)午後6時半〜9時 淀屋橋道修町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻36章 資本主義以前[の状態]

その後 5/12, 5/26, 6/9, 6/23, 7/14, 7/28, 8月?, 9/8, 9/22 (アイクルの部屋)

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