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大阪第三学科たより
2022年


2022年12月23日号
2022年12月9日号
2022年11月18日号
2022年11月4日号
2022年10月21日号
2022年10月7日号
2022年9月23日号
2022年9月9日号
2022年7月22日号
2022年7月8日号
2022年6月17日号
2022年6月3日号
2022年5月20日号
2022年5月6日号
2022年4月22日号
2022年4月8日号
2022年3月18日号
2022年3月5日号
2022年1月7日号


2022年12月23日号

田舎の踏切に「戦闘機より住まい!1機で○軒のアパート」と某政党ポスター。1960年小学生の時を思い出す、平和国家より軍事国家へ進む今。

[第848回ゼミ報告]
12月14日のゼミは、芦田文夫『資本に対抗する民主主義』V部「「21世紀社会主義」と自由・平等・民主主義論」の3章「「ラディカル・デモクラシー」論と社会的制度化」、4章「グローバル化と民主主義の制度転換」を行いました。民主主義の根源と政治で権力集中・官僚制・エリート、中央集権化と権力分散の地方政治、ラディカルからの具体化が消極的・否定的な側面。ゴーダ綱領批判からの自由時間、実質的摂から主体・管理・領有の論減欠如へ。ME革命からの労働時間削減と利潤追求主導。民主主義の現実化には協働の課題設定が必須。自立した個人と平等・アソシエーション。民主主義制度編成への資本論体系的展開の重要性。アソシエーションの内実と骨組みを社会全体に広げ、国家からの集中化・集権化を排除し、自立性・効率性を保証して、人間・個人の主体による労働基準・生活基準の拡充、そのグローバル化が問題提起されている。報告者から、資本制的所有の制御・止揚の論理、経営権・所有権の侵害と民主主義的変革、という2点の超難題が指摘された。
討論では、この本は大成功とは言えない。アソシエーションの広い概念、協同組合か未来社会か。自由権・労働権・社会権・生存権:民主主義の歴史。労働者が生産を押さえていく、所有権・経営権と知的労働。ロシア革命と民族問題。ウクライナ戦争でウクライナ民族が出現するという歴史過程。人種は血、民族は文化・言語。民族国家形成と国民国家。資本主義対社会主義→資本主義対民主主義、主体が問題。バーリ&ミーンズの所有と経営の分離:生産手段の支配と所有、貨幣の問題、機能資本家と貨幣資本家の独立と対抗、運動論が出てこず、労働者が出てこない:労働組合。力関係の問題、対応する→闘い、これが出てこない。市民と市民運動とは。

*芦田本が前回で終わりました。次のテキストは以下に決まりました。柄谷行人『力と交換様式』岩波書店、2022/10、¥3,850

*訂正:前号まで2023年の予定日が1日ずれていました、すいません

****** ゼミ日程 *******
12月28日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻7編50章 競争の外観     

2023年1月11日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
柄谷行人『力と交換様式』序論:上部構造・・〜交換・・

1月25日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻7編51章 分配諸関係と生産諸関係

その後 2023/ 2/8, 2/22, 3/8, 3/22 [アイクルの部屋]

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2022年12月9日号

ニュースに"核戦争"の言葉が飛出し、"核の抑止力"とも。わが国では"専守防衛"が"敵地攻撃能力"に衣替え。"抑止力"とは"脅し""恐喝"ではないか

[第847回ゼミ報告]
11月23日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第7編第49章「生産過程の分析によせて」を行いました。いつもの手書きレジュメで報告が行われた。レジュメに書かれた言葉から:価値レベルで企業者利得・地代・労賃を収入三源泉として扱う。生産価格と価値の区別がなくなる、等々。この章から:利潤と地代は剰余価値部分の独自の形態。利潤+地代は実現された全剰余価値である。収入の第三の形態・労賃は可変資本に等しい。労働は労賃・利潤・地代の形態以外に何も価値を創造しない。それでは不変価値部分はどうか、生産物の価値部分に再現されると想定。ただし、消費された不変資本の補填には追加労働が必要。この問題は2部3篇で解決されている。両大部門では不変資本のうち現物として存在する固定部分は捨象される。ここでは総収益と純収益、総所得と純所得は区別される、前者は労賃+利潤+地代、後者は剰余価値である。あと諸困難等々。
討論では、3巻では価値は触れられていても、価格レベルの問題提起だ。S.843で不変価値部分に新たな補填が必要な時に「新たな追加労働が必要」とは疑問だ。総所得と純所得の違いは素材からと価値からの違い。S855で、「帳消し」は大月版の「埋め合わせ」の方が良い。価値補填と使用価値(物・量)補填の視点で書かれている。ここで単純再生産と追加的労働の問題がある。米と籾で言えば一部を籾で残し、第1部門は籾の補填、第2部門は米の補填となる。固定資本の補填・償却問題は使用価値の観点が残っている。遊休貨幣資本から拡大再生産の可能性、ここで償却が問題となる。また、貨幣での交換・買戻し、価値と使用価値の分離の問題がある。保険は未来社会でも必要だ、働けない人への問題。

*芦田本は12月で終わります。次のテキストの推薦本を持参してください。
また、事前にメールで候補本の提案もお願いします。

****** ゼミ日程 *******
12月14日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』V部 3・4章 

12月28日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻7編50章 競争の外観  

1月12日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
(※テキスト未定:推薦本募集中)

その後 2023/1/26, 2/9, 2/23, 3/9, 3/23 [アイクルの部屋]

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2022年11月18日号

「見上げてごらん、夜の星を」ではなく「見上げてごらん、空飛ぶミサイルを」、彼の戦場から住宅地・発電所まで、さらに隣国にも。こちらも隣の国から

[第846回ゼミ報告]
11月9日のゼミは、芦田文夫『資本に対抗する民主主義』V部「「21世紀社会主義」と自由・平等・民主主義論」の1章「市場経済と自由論」・2章「市場経済と平等論」を行いました。1章では、ポランニーを取り上げて、積極的自由と消極的自由という2つの概念で、1920年代・1930年代を考察し、バーリンと対比しながらポランニーの市場経済論が疎外論・物象化論という商品論次元で展開されている。2章では、センの潜在能力に自立した個人のアソシエーションを平等論の出発点とし、それに対してマクファーソンの潜在諸力概念で労働・生活手段の問題を取り上げ、市場経済化を補う生活・福祉、さらに社会主義と市場経済の現実的展開・具体化、労働権・生存権・社会権の確立を主張する。報告者からは具体化と言いながら概念の展開を行い具体化が書かれていない、市場経済と社会主義との関係、20世紀現存「社会主義」への言及・分析が欲しいと締めくくった。
討論では、ここでの対象である「自由」と「民主主義」はそもそも別のカテゴリーであり、起源が異なっている。自由と共同・自由と個人との関係はどうか。ここではマクファーソンの『所有的個人主義の政治理論』1962年と『民主主義理論』1973年が取り上げているが、彼の『自由民主主義は生き残れるか』1977年がより重要ではないか。具体化と言いながら、なぜポランニーから始めるのか、むしろ資本=労働関係が問題で、アソシエーション論に引っ張られている。21世紀社会主義ということではどうか。マルクス『資本論』では二重の自由が論じられるが、抑圧からの自由、所有の自由、選択の自由という観点が考えられる。生活協同組合などのアソシエーションの経営主体の問題では、バーリ&ミーンズによる資本家と経営者の問題点を再考すべきで、改訳本(北海道大学出版会2014年)が出てその解題が良い。

*11月23日(第4週)ゼミも、午後5時半(or 45分)から8時です。
*芦田本は12月で終わる予定、次のテキストの推薦本を募集・提案を。

****** ゼミ日程 *******
11月23日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻7編49章 生産過程の分析によせて

12月14日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』V部 3・4章

12月28日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻7編50章 競争の外観

その後 2023/1/12, 1/26, 2/9, 2/23, 3/9, 3/23

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2022年11月4日号

大阪市の大病院がサイバー攻撃で電子カルテ使えず、診療停止に。我が県の生協にもサイバー攻撃でネット注文が停止。当面は「カミの復活」で対応!

[第845回ゼミ報告]
10月26日のゼミは、マルクス『資本論』3巻7編48章「三位一体的定式」を行いました。最初に、新版での文節変更を説明し、資本主義的生産過程は独自の歴史的一時的な生産関係であるが、必然性の国から自由の国へ、根本条件は労働日の短縮。資本主義では、資本―利潤(企業者+利子)・土地―地代・労働―労賃と三位一体形態、そして資本―利子・土地―地代・労働―労賃とされ、利潤は隠されて、前者が源泉、後者が貨幣として表現される。経済的三位一体では資本主義生産様式の神秘化、社会諸関係の物化、素材と歴史的・社会的規定性との一体化が完成される。必然の国・自由の国に関し、「ゴーダ綱領批判」での未来社会論を紹介し、また不破による3つの条件:生産手段の社会化・社会主義的計画経済・個人の全面発達、日本共産党綱領での社会主義・共産主義への段階論から、それを統一的に捉え、その展望への現状認識の変化と未来社会の認識を紹介した。
討論では、エンゲルス版編集に対して、不破説とリュベール説によりこの章の文節変更があるが、大きな違いはなく、恐慌論問題の指摘のほうが大きい。山田喜志夫はこの章を国民所得論として論じ、生産・分配・支出、生産物から賃金・商品・所得を論じ、それは消費財・非生産物のサービス労働・ブルシットジョブへの論点となる。特に3巻では利子生み資本の篇でこれを信用制度論と利子生み資本論とに分ける説と一体とする説があり、これは通貨流通・手形流通・手形割引・信用創造・銀行信用をどう捉えるかである。ここで未来社化論を協同組合・アソシエーションとして論じるが、全面発達と専門性の関係はどうか。物象化は資本主義特有のものだが、未来社会で自由人の大連合でも社会的分業で商品交換はなくならないのでは。

*11月9日(第2週)ゼミも、午後5時半(or 45分)から8時です。
*芦田本は12月で終わる予定、次のテキストの推薦本を募集・提案を。

****** ゼミ日程 *******
11月9日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』V部 1・2章

11月23日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻7編49章 生産過程の分析によせて

12月14日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』V部 3・4章

その後 12/28:アイクルの部屋、2023/1/12, 1/26, 2/9, 2/23, 3/9, 3/23

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2022年10月21日号

彼の国では支持率7%に低下で首相就任から45日目で辞任表明へ、この国では発足1年余りで内閣支持率低下へ「支持しない」が「支持する」を逆転・・

[第844回ゼミ報告]
10月12日のゼミは、芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部5章「21世紀・社会主義」のあり方と民主主義論」、6章「「金融化」と民主主義制度の構造転換」を行いました。1980年代の経済改革で生産手段の市場化が従来の社会主義経済システムと衝突する、原理的に市場経済は私的所有としか両立しえない。実現可能な社会主義での市場経済のあり方が問題。公的所有での企業の自主性と、労働者管理型企業論への民主主義的制御、ユーゴ型自主管理の失敗、分配の平等化が問題。民主主義的変革では社会的制度の構築と市民社会での信頼と同意、グローバル化と内生的発展の追及が必要。「市場―金融調整―社会保護―社会的パートナーシップー政治―民主的決定」のダイヤモンド図ができる。上からの改革の限界、アソシエーションに依拠した労働権・生存権・社会権を社会全体での確立が必要。カネ・モノ、・ヒト・テクロノジーのボーダレス化、国民国家システムの崩壊により、「帝国主義」に代わり「帝国」が出現するが、国家と人権と民主主義の設定物の重要性、労働の変容によるアトム化を指摘するが短絡的である。
討論では、中国の社会主義で市場経済だが、市場社会主義としてハンガリー、ユーゴが失敗したが、中国は成長している。ウクライナの市場化はオルガルヒーにより腐敗している。中国はネット社会だがクレジットを信頼せず、まさに国独資体制だ。「帝国」概念はアメリカの力が強いとき。世界の主要な資本家たちが競争しながらも連帯している。芦田氏が中国の問題にふれないのはおかしい、資本主義化はロシアだけの問題ではない。共同・協同・協働:いずれもアソシエーション、共有と運営のコモンが抜けているが。イギリスでは地域再生・コミュニティ再生があるが、格差・貧困が問題、アイルランド問題、さらにスコットランドの独立の問題もある。

*10月26日(第4週)ゼミも、午後5時半(or 45分)から8時です。
*10月26日ゼミから、資本論第3部最後の第7篇に入ります。

****** ゼミ日程 *******
10月26日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻7編48章 三位一体的定式

11月9日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』V部 1・2章

11月23日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻7編49章 生産過程の分析によせて

その後 12/14、12/28:アイクルの部屋

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2022年10月7日号

面目ない事:代表質問で答える言葉なくうなずく議長、「隣の大陸から」との発言を聞き間違えたか非公開会合で、長男秘書官就任に空気読めずとの声あり

[第843回ゼミ報告]
9月28日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第46章「建設地地代。鉱山地代。土地価格」・第47章「資本主義的地代の創世記」を行いました。大地に住むことを許す権利:建設地地代、土地所有が貢納を要求、鉱山地代は農耕地代と同様。特別な属性がある土地には独占価格。資本還元された地代が土地価格を形成。より高度の社会構成体:人間による私的所有は地球の私的所有・馬鹿げたものに。大地そのものが生産用具・大地は絶えず改良される。一定の期間領主の農地で無償労働・労働地代、本源的形態、社会的関係が定常状態・慣習・神聖化。生産物地代への転化:経済学的には本質変えないが、直接的生産者に相違を生み、他人労働の直接搾取の可能性へ。貨幣地代は生産物地代からの転化形態、生産物の一部が商品に転化、一定の社会的生産力の発展が必要。自由な農民所有への転化へ、または資本主義的借地農業経営へ。農民と土地所有者の伝統・慣習から純粋な貨幣関係へ転化。資本還元された土地価格の設立、土地譲渡の可能性へ。分益制度:古い土地共有・共同耕作のなごり、国家・私人が横奪へ。分割地所有で農民は自由な所有者・自営農民。大工業による人間と土地の自然力の破滅・荒廃。
討論では、アメリカでは白人が土地を略奪し個人経営の大規模農業で季節労働者を使っていた、今は機械化。欧州で分益制度は生産物地代の主要な形態、「種」を貸す領主経営で、フランスで小農が分割地耕作、日本では共同体で「種」を分け水田稲作で自立している。「創世記」には終末期を予告し、1巻24章との関連で収奪者が収奪される:人間と土地破壊、環境論へ。ロックによる労働と所有・耕した土地は俺のもの(私有財産)、対するアメリカインディアンの共同地→白人の手に。原発予定地への建設会社による土地買占め、買い手の空き地、地下所有権の問題=大深度。土地地代の研究が手薄。

*10月12日(第2週)ゼミも、午後5時半(or 45分)から8時です。
*10月12日ゼミは、芦田本の5章と6章を報告します。

****** ゼミ日程 *******
10月12日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 5・6章

10月26日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻7編48章 三位一体的定式

11月9日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』V部 1・2章   報告者未定

その後 11/23, 12/14, 12/28:アイクルの部屋

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2022年9月23日号

海の向こうでは荘厳に国葬。こちらでは、反対する人々が多数を占める「働き方改革」首謀者の「コクソウ」になんと「労働者の代表」が出席すると聞く・・

[第842回ゼミ報告]
9月14日のゼミは、芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部4章「「レギュラシオン理論」と国家による調整の諸制度」を行いました。
レギュラシオン・アプローチ、資本主義を社会の側から調整、あるいは制度の概念で展開。1920年代までの外延的蓄積体制から内包的蓄積体制=フォーディズム的蓄積体制へ大幅な生産性上昇、70年代に低成長へ。レギュラシオン理論を応用し社会的調整制度で社会主義経済を改革と解体、そして体制転換へ。計画と管理のヒエラルキーの下で、市場経済導入による経済改革、中央計画機関の意思決定と企業への計画命令伝達。制度改革の官僚的制御と調整様式。外資導入・役割の重大化:ハンガリー・チェコ・ポーランド。国家的保護と経済的自由主義化との間の緊張。変革が全社会的な諸階級と利害関係・衝突での政治的妥協への展開、そして分配・利害関係の問題へ。人間主体の民主主義的発達を保証する社会経済的構造の理論化へ。労働―生産過程における「資本―労働」関係を離れてまで、なし得るのか。
討論では、ここでレギュラシオン理論について考察するのは、時代遅れではないか、この理論では現代を分析できす、また今ではこの理論を取り上げる意義はないでは。フォーディズムを取り上げているが、もっと多様性があり、ハンガリーに関する分析も必要だ。むしろ、ロシア・ウクライナのオルガルティーが問題だ。この理論で例えばケ小平での資本主義化はどうか。この本の主題「民主主義」にこの章は適合しているのか。東欧変革は民主主義から論ずるべき。プーチンの下で市民社会は形成されたのか。ソ連からロシアになり経済はガタガタになったが、中国は経済発展した。以前は中ソ対立があったが、ロシアと米国との対立で中ソは仲良く。今の日本でのレギュラシオン理論の評価は? むしろ物象化論へ。市民社会論 対 アソシエーションか。

*9月29日(第4週)ゼミも、午後5時半(or 45分)から8時です。
*10月12日ゼミは、芦田本の5章と6章も報告します。

****** ゼミ日程 *******
9月29日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻46章 建設地代・47章 創世記

10月12日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 5・6章

10月26日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻7編48章 三位一体的定式

その後 11/9, 11/23, 12/14, 12/28:アイクルの部屋

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2022年9月9日号

この国は「法治国家」である。政府は法によって様々な政策などを行っている。さて、法律に基づかない「国葬」はどうか。まったく「放置国家」である。

[第841回ゼミ報告]
7月27日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻第44章「最劣等地にも生じる差額地代」・第45章「絶対地代」を行いました。最初に資本論草稿の執筆順序について第3部1−3篇の草稿には重要な誤りがあるという説は取らない、とし、経済学批判プランから資本論体系への過程、地代論の位置づけ、差額地代から林業の特殊性を論述した。最劣等地での差額地代の発生について原則として発生しないが、様々な数値例を示し、生産価格での価格差、また市場価格と生産費との関係があるとした。次に絶対地代については、最劣等地でも耕作し地代が発生することには穀物価格の騰貴が原因であるとする。結局、商品の生産価格を超える商品価値の超過により独自の超過利潤として地代に転化される。外的に土地所有が資本に、土地所有者が資本家に相対する。土地所有は未耕地に地代を要求し、資本投下の障壁ともなる。農産物はいつも独占価格で売られ、生産価格は平準化されない。
討論では、地代論では絶対地代が根幹をなしているのは、差額地代では最劣等地でも特殊な事例として扱われているからである。日本では地主に対して小作という関係であるが、ここでは資本主義的農業として地主に対するのは借地資本家農業である。農業は有機的構成が低いため剰余価値部分は大きいが、工業では利潤率が低くなっていくという違いがある。差額地代については先人など他の人も論じているが、絶対地代はマルクス地代論の独自のもの。封建的地代についてはどうか。林業の地代、これは農業での地代に近い。一般的に土地の賃借料と地代論との関係はどうか。新メガに関して、地代論ではエンゲルスの歪曲の問題が指摘されている。エンゲルスは自然弁証法など自然科学を問題の対象にして、哲学からのマルクスとの違いがある。

*9月14日(第2週)ゼミも、午後5時半(or 45分)から8時です。
*9月14日ゼミは、芦田本の4章・5章の予定でしたが、報告者都合により、4章のみとなり、5章は次回に行います。

****** ゼミ日程 *******
9月14日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 4章

9月29日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻46章 建設地代・47章 創世記

10月12日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 5章

その後 10/26, 11/9, 11/23, 12/14, 12/28:アイクルの部屋

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2022年7月22日号

「こんな○○○に誰がした」と、戦後すぐの歌と映画の題名をもじるとすれば、「こんな日本に誰がした」と呟きたくなるのが、カルト宗教と政治の関係

[第840回ゼミ報告]
7月13日のゼミは、芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部2章「20世紀「現存社会主義」と市場経済化」・3章「「体制転換」―「市場経済化」と主体形成の歪曲」を行いました。60年代の内包的経済発展。直接的国家計画から間接的誘導計画へ、70年代の停滞、ユニバーサル企業へ。生産性向上・効率化と労働疎外の克服へ、二兎を追う。労働者自主管理へ個別化・参加が消滅へ。89年の市場化の下で「新しい社会主義経済」の模索、市場経済移行の具体化、改革構想の新たな段階。国有企業の企業長が選挙制から任命制に、企業評議会・理事会の共同決定へ変容、株式会社化・民営化、経済危機での自主管理の退行と消滅へ。生産・労働への主体の権利確立・自主性・平等から経営権の容認へ、労働権・生存権・社会権と経営権の対立・国家による制御。主体の自由と権利を社会全体で意識化させる実体的基盤がソ連の長い歴史過程で侵蝕されていた。経営権に対する社会的な制御・包摂を強化する基盤の再構築が必要であったのではないか。労動運動と社会運動との連動で社会的ルール・基準制度で、資本の経営権への社会的制約・規制が所有に対する制御へ進化する道を切り開くことになる。
討論では、1980年代前半のソ連経済はどうか、それからペレストロイカも、建前と現実の問題。ここで芦田氏は何をするべきかを語っていない。政権のノーメンクラートは自分達の権限を保つことに関心。革命後のスターリン体制でソビエト制度が変化した、レニングラード派とモスクワ派の抗争。労働組合の権限縮小、実施の主体は。中国にも労働組合があるが同様の問題。経営権とは何か、所有に基づく? ソ連の経営者は自分の利益・短期的。中国の資本主義化は国家により例外的。労働組合による労働者自主管理は。

*7月27日(第4週)ゼミも、午後5時半(or 45分)から8時です。
*7月27日ゼミは、44章と45章の最劣等地・絶対地代をまとめて行います。報告は興味また問題ある論点等を中心に行います。

****** ゼミ日程 *******
7月27日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻44・45章 最劣等地・絶対地代

9月14日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 4・5章 

9月29日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻46章 建設地代、鉱山地代・・

その後 10/12, 10/26, 11/9, 11/23, 12/14, 12/28:アイクルの部屋

[一番上に]


2022年7月8日号

午後の空、ヘリコプターの騒音が我が家の周辺で響く。狙撃犯が近くの警察署に移送されたとの報道。どんな為政者であれ、言論を封じる暴挙は許さざること

[第839回ゼミ報告]
6月22日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻40〜43章の「差額地代第二形態」を一括して行いました。報告では、第二形態では第一形態の地代の土地に追加の資本を投下すると地代はどう変化するか、という問題設定をし、マルクスの設定への疑問として、農業経営者間でも産業資本家間の第3部10章と同様に利潤率は均衡化すると問題提起し、資本家間の競合・模倣・情報収集等で技術水準と知見が平準化し、さらに資本家間、また地主間の貸借での競争により一般利潤率と同時に地代水準も決まる、あるいは産業資本の平均利潤率が農業資本の平均利潤を決めると想定できる。そこで報告者は様々な条件に設定した表を示して、問題・解答形式で話を進めていった。数値の設定例では、複数の生産物の想定・労働手段の耐用年数も含めで考察する。さらに長期の借地契約への農業経営者間闘争を追加して増産をも考察する。次に生産技術の進歩があり、例として深耕作業トラクター導入で収穫量増加も、また排水溝・灌漑設備・農業用建物という広義の労働手段も想定できる。マルクスの結論は、「土地が私有されると土地の適切な利用に支障が出て、適切に投資が行われない」ということで、逆に述べる俗説を批判する。
討論では、利潤論・地代論へのマルクスの執筆順は、地代論の後に競争を前提とする利潤論を書いていて、地代論にはそれが反映されていない、むしろ地代論を生産価格での農業部門の例外とすべきだ。米作と林業では年数が1年と100年と異なる設定が必要。ソビエトでは土地国有化だか、差額地代を設定した。イギリスは歴史的に資本主義的地主、借地農業で農業経営者と労働者の関係だが、日本は水田での小作制度で異なる。

*7月13日(第2週)ゼミも、午後5時半(or 45分)から8時です。
*7月13日ゼミは芦田本U部2・3章を行います
*7月27日ゼミは、44章と45章の最劣等地・絶対地代をまとめて行います。報告は興味また問題ある論点等を中心に行います。

****** ゼミ日程 *******
7月13日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 2・3章

7月27日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』3巻44・45章 最劣等地・絶対地代

9月12日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 4・5・6章

その後 9/29, 10/12, 10/26, 11/9, 11/23, 12/14, 12/28:アイクルの部屋

[一番上に]


2022年6月17日号

福島の原発事故、避難した人々が国の責任を求めた裁判、最高裁は国に賠償責任がないと判決。長期間に渡って故郷を離れている人々への思いを砕いて・・

[第838回ゼミ報告]
6月8日のゼミは、芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部1章を行いました。なお、予定の2章は時間がなく、次回の7月13日ゼミで、2・3章を同じ報告者で行います。最初に20世紀の認識として、「国家―巨大経営」の枠組みでケインズ主義と冷戦体制でのコーポラティズム、その枠組みの破綻、これに抗して「人間らしい生活と労働」の回復が焦点となる。市民社会論ではハーバーマスの二元論を元に市場経済の関りが問題となる。それに対してコミュニタリアニズム(共同体主義)が志向される。「政治社会」や「経済社会」が「市民社会」に深く根ざし必要不可欠である。そこで「市場」と「市民社会」を重ね合わす論者も出てくる。国家は市民社会の枠組みをつくるとともに、共同社会生活の限界条件や基本的規則を定める。「市民社会」概念は「階級社会史観」「市民社会史観」を両立させ、市場の止揚・社会主義へと繋がっていく。さらに、資本主義と市民社会の関係は多義的である。市場・労働と資本・経済が社会・文化・国家の間で歴史的な変化の関係こそ、市民社会概念での本質的な意味がある。
討論では、欧州では小僧・使用人は市民ではない。市民社会概念はアリストテレスなどギリシアからヘーゲルの概念まで多様にある、政治における市民間平等。芦田氏の市民社会概念は錯綜し整理していない。市民社会を望ましいと思うのか、共産主義社会でも市民社会はあるのか。市民社会は概念なのか、それとも現実の実体なのか。ヘーゲル・マルクス・吉田傑俊など。ニューディールを民主主義の解体とみるが、むしろ民主的なものだ。労働・資本・経済と社会・文化・国家の対比、まさに土台と上部構造だ。

*6月22日(第4週)ゼミも、午後5時半から8時です。
*6月22日ゼミは、40章から43章までの差額地代論をまとめて行います。
報告は興味また問題ある論点等を中心に行います。
*6月8日ゼミは芦田本U部1章のみで2・3章は次回(7/13)に行います

****** ゼミ日程 *******
6月22日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻40〜43章 差額地代論

7月13日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 2章 20世紀・報告

7月27日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻44章 最劣等地・差額地代

その後 9/12, 9/29, 10/12, 10/26, 11/9, 11/23, 12/14, 12/28:アイクルの部屋

[一番上に]


2022年6月3日号

コロナ対策持続化給付金の不正受給、次々とニュースに、国税局職員まで。その一方で、何度も書類を書き直し、やっと通っても直ぐには入金されず・・

[第837回ゼミ報告]
5月25日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻39章「差額地代の第一形態(差額地代T)」を行いました。地代の数量比較等を外し論点を絞り報告。差額地代第T形態の基本は土地の豊度と位置の差、第U形態は資本の追加投資、第T形態が基本。地代は超過利潤として存在、位置を考察から外し、自然的豊度を考察。化学による豊度の変化、工業の利潤が農業の利潤を規制、そこで虚偽の社会的価値が生み出される。計画的な結合体:アソツィアツィオーンでの社会的な意識的組織では収穫は自立的・社会的労働時間を表す。消費する社会でのマイナスは土地所有者ではプラスとなる。差額地代第U形態への前置き:最劣等地と優良地での地代の逆作用、未耕地・劣等地への耕作拡張、植民地・新興国の廉価。植民地農業での過剰生産物の観点、世界各地の大草原での農業発展、この開拓が欧州農業に変革的作用をもたらす。植民地では豊かな土地より貧しい土地が大きく植民者が第一に手をつける。報告の最後に、前回(第519回、2006/12/8)の39章の報告の「ゼミだより」の内容を紹介しました。
討論では、土地の狭い日本では耕作状況は異なる、否、米が余って農政が歪んでいる。日本の農業規模は小さい、資本論では大土地所有が前提、英国:貴族・商人の大土地所有・借地経営で資本主義的農業は少なくなっている、米国:家族経営で個人経営が生き残る。工業の地代では運送の違いがあり、地代は平均化される。「虚偽の社会的価値」とは労働に基づかない、ソ連ではそれを存在不可として歪みがでた。鋏状価格で工業製品が高く農民から取り上げ労働者の賃金へ。過渡社会・アソシエーションでは地代・利潤がなくなる。資本は民主主義を育てるのか、市民社会での自立した個人。しかし資本は民主主義をつぶすのだ。

*6月8日(第4週)ゼミも、午後5時半から8時です。
*6月22日ゼミは、40章から43章までの差額地代論をまとめて行います。報告は興味また問題ある論点等を中心に行います。

****** ゼミ日程 *******
6月8日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 1章・2章

6月22日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻40〜43章 差額地代論  

7月13日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 3章・4章

その後 7/27:アイクルの部屋

[一番上に]


2022年5月20日号

国立の大学・研究所などの非常勤研究者が雇い止めに、その数4500人と。そもそも10年で無期転換とする法律を国の機関が主旨を無視するとは・・

[第836回ゼミ報告]
5月11日のゼミは、芦田文夫『資本に対抗する民主主義』T部2章「ロシア革命とレーニン「民主主義」」の3節「1917年革命における「民主主義―社会主義」論」、4節「「ネップ」の段階―「市場経済」と民主主義論」を行いました。2月革命後は臨時政府とソヴィエトの二重権力状態、レーニンの政治的民主主義での階級闘争推進、パンと土地要求。社会主義への国家資本主義独占、上からの統制管理と下からの民主的参加、経済的次元での変革、重要拠点:銀行・軍需の国有化。1918年戦時共産主義期に工業部門の国有化と食料割り当ては自己批判。世界大戦・内戦で窮乏と脱階級化。市場経済を基礎に自由な取引へ、労働者国家による統制・監督。過渡的段階で国家資本主義から社会主義への到達、管理・経営・統治での能力・文化性の不足。レーニンとグラムシ:民主主義への共同闘争の確認。レーニンの民主主義論:東方と西方で経済民主主義の課題、ネップ期の党・国家機構の集権化、スターリン独裁と国家計画管理と権力闘争、鋏状価格問題でのスターリンとトロッキー・ブハーリン反対、社会的再生産過程での工業品と農産物の乖離、企業・組織の自立性喪失。
討論では、ウクライナの民族問題はロシア革命期にもあり、ジョージア(グルジア)も同様、民族自決権の問題。レーニンと党とは別、建前と現実。憲法制定会議で自由選挙を踏み潰した、ボルシェビキは少数派。4節1の「脱階級化」とは何か。食料税、・クロンシュタットの反乱・官僚制批判の無視。鋏状価格:工業製品・労働者賃金で農民から取り上げる。レーニンはグラムシに影響されず。マルクスは先進国革命論、ソ連は唯一の社会主義国、ソ連の存在と中国革命。資本は民主主義を育てるのかどうか。アソシエーション:資本主義・市民社会における自立した個人。資本は民主主義をつぶす。

*5月25日(第4週)ゼミも、午後5時半から8時です。
*5月25日ゼミ:報告は資本論の逐次でなく興味ある論点等を中心に

****** ゼミ日程 *******
5月25日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻39章 差額地代の第一形態

6月8日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部 1章・2章

6月22日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻40章 差額地代の第二形態
その後 7/13, 7/27:アイクルの部屋

[一番上に]


2022年5月6日号

このゼミ45年目にして初めてオンラインで報告を会場で聴くことに。そんな時になぜだかトラブルが起こるもの、突然切断、何とか再開でき、ホッとする

[第835回ゼミ報告]
4月27日のゼミは、佐々木隆治「資本主義の最終発展形態「レント資本主義」」(『神奈川大学評論』99号2021/11)を行いました。
マルクスが予想できなかった脱工業化での延命・回復。労働運動弱体化と長期停滞でも金融投資で未曽有の収益。その解くカギは資本論第三部にあり、搾取強化と金融化。世界金融危機で金融収奪の限界・金融緩和の限界をレント資本主義・レントの一種、第三部地代は制約突破する。フラットフォーマー・ビッグデータ独占で生産・流通・金融の超過利潤をレントとして収奪し、労働過程の包摂から生活過程全体を包摂し、人々の行動を制御・支配する体制を目指す。20世紀は冷戦・フォーディズムだが、21世紀は米中のレント収奪体制の争いとなる。しかし、環境危機は止められず、レント資本主義は資本主義の最終の段階となる。次に今野晴貴『賃労働の系譜学』10章を取り上げ、非正規雇用とブルシットジョブへと労働が二極化し、20世紀のフォーディズム型労務管理・労働運動が行き詰まり、ライドシェア・シェアエコノミー、ケアワーク労働運動、社会的企業や共同労働の促進、ユニバーサル・ベーシックインカム、労働市場規制への新しい労働運動を論じる。また『99%のための経済学』では、将来の選択としてプラットフォーム社会化への民主的所有と民主的管理・大衆運動が論じられている。最後に地代・レントに関連して、差額地代Uのエンゲルス方式とマルクス方式の問題、絶対地代と最劣等地地代、鉱山地代、石油地代、さらに炭素税と地代、建設地地代と都市、独占利潤・独占地代の問題点を取り上げた。
討論では、ここでは「レントの収奪」が出てくるが、収奪と搾取との関係は、地代は剰余価値からで収奪か。封建制では収奪、略奪とも。水も所有者がいて土地と同じ論理。日本では水は公有だが、「水独占」により民営化へ進むことも。プラットフォーマー体制ではアメリカと中国の対決がある。油田など地下資源の国有と癒着、米国は民営だ。

*5月11日(第2週)ゼミも、1時間早く、午後5時半から8時です。
*5月11日ゼミは、芦田本第1部2章の残り、3・4節です。

****** ゼミ日程 *******
5月11日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』T部2章:3・4

5月25日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
マルクス『資本論』第3巻39章 差額地代の第一形態

6月8日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部1章 市民社会と・・

その後 6/22, 7/13, 7/27:アイクルの部屋

[一番上に]


2022年4月22日号

「西部戦線異状なし」、否「東部戦線異状あり」。一方的な一都市掌握宣言、多くの市民が避難する製鉄所包囲を解かずに。いつ終わるともみえない戦争へ・・・

[第834回ゼミ報告]
4月13日のゼミは、芦田文夫『資本に対抗する民主主義』T部2章「ロシア革命とレーニン「民主主義論」」の1節「「第1次ロシア革命」のおける民主主義論」・2節「第一次世界大戦―「帝国主義」段階における民主主義論」を行い、3・4節は次回に行います。
レーニンの民主主義論を4つの時代に分けて議論する。1905-1907年の第1次ロシア革命では、ブルジョア民主主義への階級的視点での闘争を説き、プロレタリアートと農民の同盟で中央集権化された政治闘争で、農奴主義的絶対主義権力への勝利があるが、社会経済的・労働・疎外への主体的統治・制御はまだ展開されず。次に第一次世界大戦・帝国主義段階では、資本は国際的・独占的になり、不均等性からロシアは英仏金融資本に従属する。帝国主義戦争は祖国防衛・排外主義を生み出すが、これを日和見主義としてレーニンはドイツ社民党を批判した。社会排外主義=帝国主義戦争容認と革命的国際主義=戦争反対・革命的大衆行動は鋭く対立する。ここでの民主主義の課題は民族自決権の擁護である。
討論では、民主主義を政治的・社会経済的・文化的と分けるが、下からではないのか。民主主義と社会主義との関係、マルクスの民主主義はフランス的。ローザ・ルクセンブルグはレーニン・ロシア革命に対して民主主義からの批判をし、また民族問題でもレーニンへの批判がある。クロンシュタット反乱、ハンガリー動乱、という負の問題もある。民主主義で訓練されないプロレタリアート:管理者がいない。第一次大戦・世界革命というが、ここではヨーロッパが世界であり、国により異なる。芦田民主主義論は視点が定まらない、いや広がりがある。社会の在り方を変える民主主義:労働者が決定権をもつ。

*4月27日(第4週)ゼミは、1時間早く、午後5時半から8時です。
*第2週ゼミも1時間早くし、オンライン参加併用として、さらに基礎研所内の方々にオンライン参加も呼びかけます。※6時からの場合あり
*5月11日ゼミは、芦田本第1部2章の残り、3・4節です。

****** ゼミ日程 *******
4月27日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木隆治「資本主義の最終発展形態「レント資本主義」

5月11日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』T部2章:3・4

5月25日(水)午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
(予定) マルクス『資本論』第3巻39章 差額地代の第一形態

その後 5/25, 6/8, 6/22, 7/13, 7/27:アイクルの部屋

[一番上に]


2022年4月8日号

首都へ攻めきれず、撤退した後には残忍な光景が報道され、何時まで続くのか。桜が散り始め、季節は暖かく変わっていくが、かの人々へかける言葉なく・・

[第833回ゼミ報告]
3月23日のゼミは、「第4週ゼミの今後について:意見交換会」を行いました。第4週ゼミへの参加者が最近少なくなってきて、12月22日ゼミでは3名と最小人数になったこともあり、このままの形でゼミを続けていくことが出来るかどうか、話し合いの機会を持つことにしました。
話し合いの結果、以下を決めました:
今後も『資本論』3巻を続けていく:適時『資本論』に関連した論文等を取り上げる:開始時間を1時間早め午後5時半〜8時までとし開始時間から直ちに報告を始める、ただし直前に他のゼミ予約の場合は午後6時からとする、なお現役世代へ問い合わせる:オンライン参加・報告も可能とする:基礎研所内にオンライン参加を知らせ、参加を認める。
検討課題:第2週ゼミでも時間を早めるか、オンライン参加はどうか
意見の数々:『資本論』そのものでなく、関連する文献、特に「地代論」はこれから重要。通常、地代論は農業問題と言われるが、現代の資源等の問題に対処するには、鉱山地代・都市地代などが重要な論点となり、また「物質代謝」「気候変動」「気候正義」にも関連している。ゼミでの報告方法の変更提案:『資本論』3巻はこのゼミで3回目であり、その文章を詳しく報告するよりも報告者が興味ある論点を指摘し、現代の問題との接点を議論したい。
4月27日ゼミの文献は佐々木隆治「資本主義の最終の発展形態としての「レント資本主義」」(神奈川大学評論99号、2021/11/30)です。
その後は、ウクライナ問題について活発な議論がおこなわれました。

*4月13日ゼミは、通常通り、午後6時半から9時です。
*4月27日ゼミは、1時間早く、午後5時半から8時です。
*3月23日ゼミは、このゼミ約45年間で初めてオンライン参加併用で行いました。画面を通してという制約はありますが、会場まで来られない方への参加方法として、第4週ゼミでは取り入れていきます。また、第2週ゼミでのオンライン参加を検討してはどうでしょうか、ご意見を

****** ゼミ日程 *******
4月13日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』T部2章 レーニン

4月27日(水)*午後5時半〜8時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
佐々木隆治「資本主義の最終発展形態「レント資本主義」

5月11日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部1章 市民社会論

その後  5/25, 6/8, 6/22, 7/13, 7/27:アイクルの部屋

[一番上に]


2022年3月18日号

この度のウクライナ侵攻:基礎研緊急シンポ(3/13)、急な開催に約200名参加、ロシアとウクライナ、また欧州全体の問題だと。その間にも人々に砲弾が……

[第832回ゼミ報告]
3月9日のゼミは、芦田文夫『「資本」に対抗する民主主義』T部1章「マルクスと民主主義」を行いました。民主主義の近代的な意味で市民社会をヘーゲル・マルクスはブルジョア社会とした。民主主義と社会主義の問題はコントロール概念・民衆の統治・制御を中心に置く。第1章ではマルクス・エンゲルスの民主主義の展開・資本による国家権力・社会全体の包摂・支配の論理展開をみる。1848年革命・1871年革命への論述から君主制・共和制・パリコミューンで階級対立と国家権力、コミューンによる国家からの解放・人民政府へ、自由な協同労働への進歩的な仕事へ。マルクス・エンゲルスの民主主義論へは、資本概念展開の問題軸と人間主体の生活・労働概念の問題軸を立て、「ドイツ・イデオロギー」の歴史観・『経済学批判要綱』の人類史、さらに『資本論』の資本蓄積・労働のアソシエーション、さらに後期マルクスの周縁部社会、アソシエーションと疎外まで論じる。
討論では、ここでは民主主義の定義が明確にされていない。民主主義をカニンガムによるコントロール、統治・制御でいいのか。自己統治、市民自らの統治という点、近代国民国家での代表制としての民主主義。コントロール→制御、デモクラシー→統治、ガバメント、リプレゼンテーション:表象の概念。21世紀での民主主義の危機に関して、古代の民主主義、現代の民主主義、未来社会の民主主義、本来の民主主義、等々。芦田氏の主題は「民主的な社会主義」、アソシエーションは資本主義後の議論として。

*3月23日ゼミは、「第4週ゼミの今後について:意見交換会」を予定しています。オンライン参加もできます、第4週ゼミに参加の方はもちろん、第2週ゼミに参加の方も会場・オンラインでご参加してください。今後のゼミについてご意見・ご提案をお願いします。オンライン参加情報は別途MLメールでお知らせいたします。事前にご意見等をお寄せいただければ、当方からの提案・資料と共に、MLメールで事前配布いたします。
*3月26・27日は基礎研春季集会が、東京の慶応大・中央大で開催されます。京都に視聴会場、オンライン配信もあり、ご参加ください。

****** ゼミ日程 *******
3月23日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
「第4週ゼミの今後について:意見交換会」・オンライン参加可

4月13日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『資本に対抗する民主主義』U部2章 レーニン 

4月27日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
(予定) マルクス『資本論』第3巻39章 差額地代の第一形態

その後  5/11, 5/25, 6/8, 6/22, 7/13, 7/27:アイクルの部屋

[一番上に]


2022年3月5日号

まさかヒットラーと同じように、他国への侵略がこの現代におこることを、誰が予想したであろうか。いや今のロシアの指導者であればか。多くの人が犠牲に

[第831回ゼミ報告]
1月12日のゼミは、M.サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』第7章「労働を承認する」を行いました。能力主義からの選別へは絶望死という現実が提示され、対応策は労働の尊厳の回復である。1970年までは学位がなくても中流として快適に暮らせたが、グローバリゼーションは男性白人に何ももたらさず、製造業の雇用を減らした。能力主義的選別が政治的反発をあおりトランプ投票へ。労働の世界が人の尊厳、労働の尊厳を蝕んだ。人間が根本的に必要とするのは、生活を共にする人々から必要とされることであり、自分の能力を発揮する労働の尊厳は、仲間意識を共有することであるが、グローバル競争では能力主義は敗者にとっては侮辱的である。金融化は労働の尊厳には有害であり、意欲を奪うかもしれない。経済に対する金融の割合が激増し実体経済への投資は縮小し、金融商品は経済に害を与える。投機抑制と生産的労働賞賛により、労働の尊厳承認による経済立て直しをサンデルは提示する。多くを受け取るのは投機活動に携わる金融業界であり、実体経済に貢献しない莫大な利益に対して、誰がつくって誰が受け取るのかは貢献的正義の議論である。労働の尊厳を回復するには道徳的問いへの取り組み、労働を承認し評価することである。
討論では、アメリカは草の根民主主義であり、能力・実力を共通善とするが、基盤は労働である。共和主義時代の生産者は小農民である。労働の評価は金銭・生活保障に関連し、学歴による死亡率の格差がラストベルトにある。

*3月9日ゼミからのテキスト:芦田文夫『「資本」に対抗する民主主義―市場経済の制御と「アソシエーション」』本の泉社,2021-10、です。
*3月23日ゼミは、MLで提案の「第4週ゼミの今後について:意見交換会」を予定しています。ご意見・ご提案をお願いします。
*コロナ禍が続き、3回ゼミを中止しました。3月9日ゼミは皆様からの意見・出席を募り開催します。3月23日のゼミ開催、今後のゼミについては、再びご意見を伺うことがありますので、よろしくお願いします。

****** ゼミ日程 *******
3月9日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『「資本」に対抗する民主主義』1章 マルクス・・

3月23日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
「第4週ゼミの今後について:意見交換会」

4月13日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『「資本」に対抗する民主主義』2章 レーニン

その後 4/27, 5/11, 5/25, 6/8, 6/22, 7/13, 7/27:アイクルの部屋

[一番上に]


2022年1月7日号

新たな年、寅年がオミクロンと共に始まった。寅年生まれは日本の総人口の8.%、1,025万人。1950年生の寅は185万人、当方その一人也

[第830回ゼミ報告]
12月22日のゼミは、マルクス『資本論』第3巻38章「差額地代。概説」を行いました。地代が含まれる生産物も生産価格で販売されるが、問題は利潤の一部が地代に転化され土地所有者へ行くことである。水力で有利な条件があれば、超過利潤が生まれるが、その原因は資本・労働から発生したものでない。自然落流は自然力であって、石炭のように費用が掛からず、なんの労働も入り込まない。この自然力は協業・分業のような社会的自然力と同様に資本による独占が可能であるが、この独占化は一般利潤率を高めるが、超過利潤は絶えず平均利潤に均等化され超過利潤は存在しない。ただし、自然力と結びついた労働は自然発生的生産力が増大し、水力に恵まれた土地は限られ、自然力の占有が高い生産力を形成する。落流を保有する土地所有者への超過利潤が地代として入る。ただし、自然力が超過利潤の源泉ではなく、自然力が労働の例外的に高い生産力という自然の基盤をもたらすからである。
討論では、落流の例は分かり易さとともに、水車という時代性もあるが、土地の豊度に比べて落流では格差が少ない。日本では、川の水は共有となり、田への水争いを村全体で調整していた。人間も自然の中の一つ、労働価値に対して自然の価値を入れないのは資本主義だから。森林は伐採して植林するが、鉱物は限りあるもの。SDG’sは持続可能な開発というが、問題は経済成長を止めないこと。修繕したほうが高くつくことも。

*1月12日ゼミ:サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』第7章「労働を承認する」、テキストはMLで配布のPDF版を使用します。コピー版が必要な方は当方まで連絡下さい。
*1月26日ゼミは、MLで提案の「第4週ゼミの今後について:意見交換会」を予定しています。ご意見・ご提案をお願いします。
*2月9日ゼミからのテキスト:芦田文夫『「資本」に対抗する民主主義―市場経済の制御と「アソシエーション」』本の泉社,2021-10、です。
*訂正:前号でゼミ報告の最初に日付「12月8日」が抜けていました。

****** ゼミ日程 *******
1月12日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
M.サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』7章

1月26日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
「第4週ゼミの今後について:意見交換会」(予定)

2月9日(水)午後6時半〜9時 堺筋本町瓦町・アイクルの部屋
芦田文夫『「資本」に対抗する民主主義』はじめに、1章

その後 2/23, 3/9, 3/23 :アイクルの部屋

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