2004年12月17日号
2004年12月3日号
2004年11月5日号
2004年10月22日号
2004年10月8日号
2004年9月17日号
2004年9月3日号
2004年7月5日号
2004年6月21日号
2004年6月7日号
2004年5月17日号
2004年5月3日号
2004年4月19日号
2004年4月5日号
2004年3月19日号
2004年3月5日号
2004年2月13日号
2004年1月30日号
2004年1月23日号
2004年1月9日号
大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより
2004年12月17日号
ディスカウントショップでの火災、若い命が奪われた。放火であれ、うずたかく積まれた商品棚が災いを大きくしたのではないのか、安売り店、命まで安売りされてはいなかったか。
[第480回ゼミ 報告]
12月8日のゼミはマルクス『資本論』第3巻第25章「信用と架空資本」を行いました。ここでは商業信用と銀行業信用だけを取り上げる。資本主義的生産様式が発展するにつれて信用制度が自然発生的に拡大され、一般化され、仕上げられる。商品同士の流通用具である手形は信用貨幣であれ銀行券の基礎となす。信用制度は貨幣取引の発展と結びつき、その発展は商品取引の発展と歩調をそろえる。銀行の業務は貨幣資本を集中し、その貸し手の代表者として産業資本家と対自し、貨幣資本の一般的管理者となる。貸付可能な資本の源泉は各生産者や商人の準備金等が銀行に集中することによるとともに、貸付の形態として、手形割引等の前貸しや対人信用、利子生み資本、船荷証券や当座貸越などが行われるようになり、他行宛手形・小切手・自己発行銀行券で信用を与える。これらをトゥック、フラートン、ギルバードを採り上げ、銀行の業務とその内容を例証する。さらに前貸しを前提に、さらにそのために事業が行われることを、アジア貿易、鉄道建設投機等で明らかにする。議論では、商業信用に銀行信用を加えたエンゲルスの加筆はどうであったのか。信用論はマルクスのプランの中では一番まとまりが悪い。プランの変遷はどうであったのか。銀行とは何なのか、信用創造と決裁機能。手形流通が銀行券に進むことは教えられる。銀行信用に対し、商業信用が基礎である、その証拠に、銀行信用がなくても商業信用だけで商売は続けることができる。つまり受注さえあれば材料を提供してくれて仕事ができる。先物市場では時間差が相場を成り立たせている。銀行券ははたして国民信用によるのか、国家信用によるのか。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回の12月22日は出版プロジェクト第3弾のテーマ発表会を行ないます。一人30分、テーマと要旨をまとめたレジュメを準備してください。
*新年からのテキストは齊藤正『戦後日本の中小企業金融』ミネルヴァ書房2003年3800円に決まりました。
****** ゼミ日程 *******
12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト・執筆予定者テーマ報告会
1月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』序章、1章、2章
1月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻26章「貨幣資本の蓄積。それ・・」
2月9日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
齊藤正『戦後日本の中小企業金融』3章、4章、5章
後 2/23(天六:27章)、3/9
2004年12月3日号
同じ町内で起きた凶悪犯罪、少女が車に乗せられた道路はいつも通るところ、いつか近くで犯人とすれ違ったかもと思うと、他人事ではなくなる。
[第479回ゼミ 報告]
11月10日のゼミは小林真之『金融システムと信用恐慌』第7章「預金保険と信用恐慌」・第8章「自己資本比率規制と金融システム」を行いました。銀行の公共性は経済活動のインフラ提供にある。アメリカの銀行は日本型と異なり地方分権型のユニットバンク制度で以前にはセーフティネットはなかったが、1930年代から復興金融公社が出来、預金保険制度が整ってきた。日本ではそれより遅れて1971年に預金保険機構がやっと出来た。ただその後の不良資産の巨大化で公的資金注入となった。銀行は営利企業であってもその公共性により銀行破綻が問題になるとき政府の金融業への規制が本格化する。自己資本比率基準が1988年バーゼル合意により、国際金融活動を携わる銀行に対する規制が自己資本比率として定められた。しかし資本の規制をしても銀行の過剰融資を抑制する効果は持ち得ない。これまでの経験の教えるところでは自己資本の比率の高さは必ずしも銀行の健全性を補償するものではない。
議論では、アメリカの様々な金融機関は民衆の次元から発達してきている。ユニットバンク制度、国法銀行、州法銀行とはなになのか。ここにはグローバリズムから金融システムの問題を書いていないから、国際的な金融の動きが捉えられていない。現在の金融業界の状況は当事者責任を打ち捨てて国が直接出てきている、それを国独資というのではない。歴史的なものとグローバルなもの、その両方の捕らえ方で問題を複雑にしている。金融システムを問題にするのであれば、多国籍銀行という視点が必要で無いか。グローバリズムを問題にするのであれば、アメリカの戦略が見えてこない。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*前回で小林本が終わりました。次回ゼミで1月からのテキストを決めます。推薦本をお持ちよりください。
*12月8日に資本論を行います。お間違えのないように。
*12月22日は出版プロジェクト第3弾のテーマ発表会を行ないます。
一人30分、テーマと要旨をまとめたレジュメを準備してください。
****** ゼミ日程 *******
12月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻25章「信用と架空資本」
12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト・執筆予定者テーマ報告会
1月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定
1月26日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻26章「貨幣資本の蓄積。それ・・」
後 2/9(天六),2/23、3/9
大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより
2004年11月5日号
天災は忘れた頃、というが、あんなに多くの台風ができ、おまけに地震まで。忘れる前に。とまれ全て天災ではない、人災でもあることも忘れるな。
[第478回ゼミ 報告]
10月27日のゼミはマルクス『資本論』3巻24章「利子生み資本の形態における資本関係の外面化」を行いました。利子生み資本において、資本関係はそのもっとも外面的で物神的な形態に到達する。G―G'の両極面を媒介する過程なしに自己自身を増殖する価値となる。資本は大きさの関係であり、自己増殖する価値としての、剰余価値を生んだ元金としての自己自身にたいする、元金としての、与えられた価値としての関係である。完成された資本として、生産過程と流通過程との統一、一定期間に一定の剰余価値を生みだす資本となる。資本は利子の、自己自身の増殖の、神秘的で自己創造的な源泉として現れ、貨幣・商品が物として既に資本であり、総生産過程の結果が物におのずからそなわる属性として現れる。利子生み資本では自動的な物神が純粋に仕上げられている。資本はこの形態において、もはやその発生のなんらの痕跡も帯びていず、社会関係はひとつの物の、貨幣の、自己自身にたいする関係として完成され、現れるのは、内容の無い形態だけである。これが俗流経済学には願ったり叶ったりのもので、永遠に複利の増殖を夢想するにいたる。
議論では、利子生み資本が「架空資本」への橋渡しとなる。バブル期、日本の土地値段でアメリカの全土が買えるとか、株価でどれだけ買えるとか、すべて架空の話だ。楽天、ライブドアしかり、資産が世界一といわれるマイクロソフトも株価総額だ。利子生み資本のその他とは、株券、社債。23章までが実際に投資するが、ここからの資本は誰かに渡すだけとなる。昔、糸相場が立っていた。綿花の出来具合に左右されて上下したが、合繊が出てきて糸相場も変わってしまった。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回で小林本が終わります。次回ゼミで1月からのテキストを決めます。推薦本をお持ちよりください。
*11月24日のゼミは取りやめて、12月8日に資本論を行います。新しいテキストは来年1月からとなります。
*12月22日は出版プロジェクト第3弾のテーマ発表会を行ないます。
一人30分、テーマと要旨をまとめたレジュメを準備してください。
****** ゼミ日程 *******
11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第7・8章
12月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻25章「信用と架空資本」
12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト・執筆予定者テーマ報告会
1月12日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定
後 1/26(天六)、2/9,2/23
2004年10月22日号
とうとう司直の手が大銀行に入った。その訴えられた大銀行の頭取が同時に大スーパーの社長を再生機構に追い詰めた。なんとも滑稽な構図ではないか。
[第477回ゼミ 報告]
10月13日のゼミは小林真之『金融システムと信用恐慌』の第U部「現代の信用恐慌とセーフティ・ネット」の第5章「多様な金融システムと所業銀行の変容」・第6章「資産価格と景気変動」を行いました。主要先進国の金融システムの比較において、各国の金融制度はその固有の経済的・歴史的背景の下で成立した金融媒介機構を法制的に追認したものである。高度成長期には外部資金需要が増えたが、低成長期には内部資金で賄うことが可能となった。ドイツと日本では間接金融優位の構造であるのに対し、アメリカ・イギリスでは直接金融・内部資金比率が高く、商業銀行において企業向け融資が低下し、中小企業・個人向け融資が増えている。自己資本比率規制により資本規模拡大が抑制され非金利収入へ移行している。日本の銀行の資産収益率は低いが自己資本経常利益率は法人企業より良い。それに対しアメリカの資産集積率は高い。グローバル・スタンダードといわれるアメリカの商業銀行のあり方は、自己資本比率規制という特殊な歴史的条件で営業しているものであり、必ずしも健全な商業銀行モデルといえない。地価の上昇により資産「インフレ」状態とで80年代後半から地価が上昇し投機的動きを促した。80年代企業金融は内部資金がありながらエクイティファイナンスによる資金調達が行われ、投資に走り、ブームを作り出した。89年の公定歩合引き上等で株価が反転し、資産価値下落と実物経済の長期停滞をもたらした。それが金融システムへの不安を呼び起こした。
議論では、「信用恐慌」といいながらその理論的な突っ込みがなく現象面だけに述べている。経済のグローバルといいながら、その進展に基づく対米協調的施策の分析が必要。金融機関の「ガバナンス」「モラルハザード」と大蔵省と金融機関の馴れ合い、癒着に注目すべき。家計にも目を向けて。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*11月24日のゼミは取りやめて、12月8日に資本論を行います。新しいテキストは1月からとなります。新テキストのご推薦を。
*12月22日は出版プロジェクト第3弾のテーマ発表会を行ないます。
一人30分、準備をお願いいたします。
****** ゼミ日程 *******
10月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻24章「利子生み資本の・・外面化」
11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第7・8章
12月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻25章「信用と架空資本」
12月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
出版プロジェクト・執筆予定者テーマ報告会
後 1/12、1/26
大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより
2004年10月8日号
最多安打達成した日本人を祝福するアメリカの人達、その光景を見ながら何時どやの王を抜くかとローズを敬遠した日本の選手達を思い出す。そんな寛大なアメリカの人達が何故イラクを無政府状態にしたの?
[第476回ゼミ 報告]
9月22日のゼミはマルクス『資本論』3巻23章「利子と企業者利得」を行いました。利子は利潤の一部分であるが、資本の運動にとって外的なものである。産業資本家と貨幣資本家の2種類の機能資本家の競争によって利子率が成立する。産業資本家が再生産過程を処分できないように、貨幣資本家は機能している貨幣資本を投下し続けねばならない。貨幣資本家が「所有としての資本」となり、生産的資本家は「機能としての資本」となる。利子は一般利潤率で規定されて自立し、純利潤は企業者利得となり、量的に利子に対立すると共に質的にも対立する。利子生み資本は機能資本と対立することによって賃労働と対立していないように見える。企業者利得も賃労働とは対立せず、利子とだけ対立する。結局、企業者利得は機能資本家の監督賃金となる。利子と企業者利得の対立は両者の真の源泉を忘れさせる。企業者利得は「資本として資本」から生ずるのではなく、労働過程一般から機能・労働の所産として生まれ出るように見え、労働の監督賃金とされる。監督・指揮労働では、オーケストラの指揮者のように、作業場の総活動の統一についての指揮と、直接的生産者としての労働者と生産手段の所有者との対立に基づく全生産様式で発生する監督労働がある。さらに、利潤を剰余価値としてではなく、資本家自身の労働に対する賃金として弁護論的意図がうかがえる。結局は企業者利得と監督・指揮賃金の混同へと結びつく。
議論では、資本の人格化を考える場合、大企業の社長は資本家か経営者か、現代では所有の細分化により誰が資本家なのか、はっきりしなくなる。利子生み資本と機能資本との分離により、管理労働をどう捉えるか。監督労働者という新たな階級が生まれる、実際、ストのときは人事部と秘書課は除外されていた。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*11月の会場について次回ゼミで話し合います。
*12月22日は出版プロジェクト第3弾のテーマ発表会を行ないます。一人30分、準備をお願いいたします。
****** ゼミ日程 *******
10月13日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第5・6章
10月27日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻24章「利子生み資本の・・外面化」
11月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第7・8章
11月24日(水)午後6時半〜9時 場所未定
マルクス『資本論』3巻25章「信用と架空資本」
後 12/8(天六)、12/22(天六)。
大阪第三学科 金融流通協同組合論ゼミ & 資本論合同ゼミからのたより
2004年7月5日号
突然名古屋駅を発車しなくなったのぞみ号の中で3時間、車掌さんは同じ放送ばかり。静岡県内の豪雨は依然として続き、運転再開見通しは立ちませんと。とうとう間に合わなくなって下車し、近鉄特急で家に引き返し。車窓から嘘のような青空と白い雲を見ながら、やっぱり東京は遠かった、と。
[第473回ゼミ 報告]
6月28日のゼミはマルクス『資本論』3巻22章「利潤の分割、利子率、利子率の「自然」率」を行いました。この章では、利子生み資本の自立的な姿態、および利潤にたいする利子の自立化を扱い、貸手と借り手の競争、それから生じる金融市場の比較的短期の諸変動・利子率が産業循環中に通過する循環・世界市場における利子率のおおよその均等化は考察外とする。利子の一般的限界は利潤であるが、利子の最高限度は利潤ともいえ、利子の最低限度は規定することはできないが、結局は利子は利潤率によって規定されている。産業循環と利子率の関係では、繁栄期は低利子率となり、景気の転換局面で上昇をはじめ、その最高極限が恐慌と対応している。低い利子率が停滞と、適度な上昇が活気の増大と同時であることもある。利子率を利潤率と関係なく低落させるのは、金利生活者の増大と信用制度の発達による貸付可能貨幣資本の増大である。利子率の利潤率に対する関係は商品の市場価格のその価値に対する関係に似ている。一般的には規定されているが、個別・一部面では規定されていない。利子生み資本は商品と違うカテゴリーではあるが、特殊な種類の商品として利子はその価格となるが、その価格は需要と供給によって、与えられた時点で固定されている。平均利潤は事実として現れず研究を通じてはじめて確定されるのに対し、利子率は局地的な普遍妥当性として日々固定されている。
議論では、自然利子率をどうマルクスは考えていたか。利子率は固定されているというがそれでは何によって決まっているのか。現代は金とリンクされていない、そこでの利子率とは。金利生活者とは誰のことか、現代はデイトレイダーか、左うちわに右キー打ち。カネボウの切り売りか、会社が商品に、と議論が続きました。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回のゼミのテキストは、小林真之『金融システムと信用恐慌 信用秩序の維持とセーフティ・ネット』日本経済評論社2000年3000円です。
*「森岡先生還暦お祝い会大阪第3学科の夕べ」を7月31日(土)午後7時より北新地「阿もちん」で行います。出席の方は、ご連絡をお願いいたします。地図等は次回ゼミでお渡しします。
*次回は月曜日ですが、9月からは第2・4水曜日に戻ります。
****** ゼミ日程 *******
7月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第1・2章
9月8日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
小林真之『金融システムと信用恐慌』第3・4章
9月22日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻23章「利子と企業者利得」
後 10/13、10/27。
[一番上に]
2004年6月7日号
やいやい、人のカネをどうするんだい。勝手に減らすなんて決めやがって。だいたいが払うほうも払うほうだ、「とられる」なんていうから、向こうだって知らん間に勝手に決めてしまうだい。みんなで集めてみんなで支えあって、必要になったときに受け取る、もともとは頼母子講なんてこと忘れて。
[第471回ゼミ 報告]
5月24日のゼミはマルクス『資本論』3巻21章「利子生み資本」を行いました。貨幣はそれが貨幣として有する使用価値のほかに、一つの追加的使用価値、すなわち資本として機能する使用価値をもつようになる。貨幣は可能資本として利潤を生産するための手段としてただ一つの特殊な商品になる。利子は利潤のうち機能資本家が自分のポケットに入れずに資本の持ち主に支払わねばならない部分を表す特殊な名称、特殊な項目にほかならない。利子生み資本特有の流通として、貸し出された資本は二重に還流する、ひとつは機能資本家のもとへ、もうひとつは貸し手である貨幣資本家のもとへ。利子生み資本が商品として販売される独自の仕方は、貨幣が現実に資本として使用され、現実に自己の出発点に還流することを前提としている。他の商品は最後の入手者の手中でその使用価値が消費され、その価値も消滅する。それに反して資本という商品はその使用価値の消費によって価値・使用価値が維持されるだけでなく、増加される。利子と本来の利潤への分割は、需要と供給とによって、したがって競争によって規制されるほかに分割の法則は実存しない。利子率には「自然」率は実存しない。
議論では、「利潤がその使用価値である」という記述をどう考えたらよいのか、資本の使用価値とはその有用性、資本の機能、能力、結果が利潤、すなわち使用価値は価値増殖にあり、生み出される超過分とする。そこに売買と賃借の違いがある。機能資本としての貨幣資本と、利子生み資本との関係において、記述ではそれまでの貨幣資本に比べて、ここで利子生み資本がサラッと出てくる。この巻全体を未完の書と考えて読んでみるべきだ。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回で飯盛信男『サービス産業』が終わります。次のテキストをお持ちよりください。3月10日の話し合いにより、現代物のテキストの選択基準は、「資本論の進み沿った現代的問題と日本資本主義論」となっています。
*「森岡先生還暦お祝い会大阪第3学科の夕べ」を7月31日(土)午後6時半頃北新地「阿もちん」で行います。詳細は後日お知らせいたします。
*4月〜7月は第2・4月曜日に変更、9月からは第2・4水曜日に戻る。
****** ゼミ日程 *******
6月14日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
飯盛信男『サービス産業』7・8・9章、補論
6月28日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻22章「利潤の分割、利子率・・」
7月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定
後 その後は夏休みで、9/8から再開。
[一番上に]
2004年5月3日号
毎週新幹線のE席に座り、静岡を過ぎるといつも窓の外が気になる。今日はよく見えるかな。その姿が現れるとついカメラを取り出し、シャッターを何度ときってしまう。講義の冒頭で映すと意外と好評、「今日の富士山」。
[第469回ゼミ 報告]
4月26日のゼミはマルクス『資本論』第3巻19章「貨幣取扱資本」と、20章「商人資本にかんする歴史的スケッチ」を行いました。19章「貨幣取引資本」では、商品取引資本が流通過程で貨幣をもって行う純粋に技術的な諸運動が貨幣取引資本に転化し、総資本のうち一定部分が貨幣資本として分離独立し、産業資本家等のために操作を行う。結局貨幣取引資本の運動も、自分の再生産過程上にある産業資本の一部分が独立したものの運動でしかない。両替商や為替等の国際的交易、地金取引業が貨幣取引資本の本源的形態であるとしても、いまや全資本主義的生産様式の商業一般から生じる蓄蔵貨幣と遊休資本を集積して決済に必要な貨幣量を減少させるが、貨幣流通の技術と貨幣機能にのみ関係し、彼らの利潤は剰余価からの控除である。20章「商品資本にかんする歴史的スケッチ」では、商人資本は流通過程にある産業資本が自立したものであるが,俗流経済学者はこれを混同している。確かに商業資本は歴史的に最も古い資本の自由な存在様式であり、資本主義発展の歴史的前提でもあるが、商人資本の独立な発展は社会の一般的経済発展に反比例する。生産者が商人や資本家になる道と、商人が直接生産をわがものとする道があるが、前者が真に革命的な道あり、後者は古い生産様式を変革するまでに至らない。いまや商人資本は商品交換を媒介するだけであり、資本主義的生産様式ではひとつの特殊な機能の資本でしかない。議論では、貨幣取引資本には信用制度を含むのかどうか、資本主義への発展の3つの道(商人が直接生産者になる、問屋制マニュとなる、産業家が商人になる)をどう考えるのか、日本資本主義の発展では商人資本はどう機能したのか、寄生地主制が大きな関わりを持った等の議論が続きました。今回第3巻20章を終わり、これで新日本新書版3巻6分冊のうち2分冊を終わり、次回から第3分冊目に入ります。
*次回の会場は中之島中央公会堂地下第1会議室です。
*「森岡先生還暦お祝い会大阪第3学科の夕べ」を7月31日(土、予定)に行います。詳細が決まり次第、皆様へお知らせいたします。
*4月〜7月は第2・4月曜日に変更、9月からは第2・4水曜日に戻る。
****** ゼミ日程 *******
5月10日(月)午後6時半〜9時 中之島中央公会堂地下第1会議室
飯盛信男『サービス産業』4・5・6章
5月24日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻21章「利子生み資本」
6月14日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
飯盛信男『サービス産業』7・8・9章、補論
6月28日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻22章「利潤の分割、利子率・・」
後 7/12(天六)、その後は夏休みで、9/8から再開。
[一番上に]
後 6/28、7/12(いずれも天六)
[一番上に]
2004年4月5日号
ソメイヨシノに大きな枝振りの山桜、すっかり満開の枝垂れ桜、春の一日を満喫しながら、疏水の流れにいにしえの人の気概と汗を思い描きました。
[第467回ゼミ 報告]
3月24日のゼミはマルクス『資本論』3巻18章「商人資本の回転。価格」を行いました。産業資本の回転は生産時間と流通時間の統一であり、それゆえ全生産過程を包括する。これに対し商人資本の回転は商品資本の自立した運動であり、W−Gを特殊な資本の自立還流運動として表しているだけである。流通の内部では産業資本はW1−G−W2として現れ2つの商品が交換を媒介するが、商人資本ではG−W−G'となり、同じ商品が2度持ち手を変える。すなわち貨幣の商人への還流を媒介するだけである。総再生産過程の周期は商人資本にとっては外的な条件にすぎない。商人資本が迅速な回転をするためには産業資本が恒常的に商品を市場に投げ込み引き上げることが必要であるが、商人資本の回転は産業資本の回転の制限である生産時間に直接影響を及ぼさないが、個人的消費の速度と範囲によって制限されている。商人資本は自立化によって再生産過程の制限に関わりなく運動しその制限を越えてまで進み、恐慌によって回復される点まで到達する。商人資本の販売価格には、商品の生産価格と平均利潤率という2つの彼の自由にならない限界があり、唯一決定しうるのは高い商品か安い商品を取引するかである。平均利潤率は商人資本にとっては一つの与えられた大きさであり、産業資本が生産した利潤総量から自分の配当を引き出す限りでのみ一般的利潤率の形成に規定的に入り込む。
議論では、小売業は商業資本に入らないが、問屋を通さない直接取引きが多くなると産業資本に比べ商業資本は小さくなるということか。現実はスーパーなど小売業のバイヤーは大きな力を持っている。繊維業では製品が27回業者の間を移動すると言われ、物が動かないのに取引される。商人資本の介在は見込み需要に大きく動き結局は過剰生産を誘っている。一般的利潤率と平均利潤率はどう違う。薄利多売に対し「厚利少売」というのか。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回のテキストは飯盛信男『サービス産業』新日本出版社2004年です。
*4月から都合により当分の間第2・4月曜日に変更となります。
*4月3日、満々と流れ来る水面に桜の花びらが浮かぶ中、御陵から山科まで琵琶湖疏水を第三学科春のハイキングで歩きました。4名参加。
****** ゼミ日程 *******
4月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
飯盛信男『サービス産業』1・2・3章
4月26日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻19章「貨幣取扱資本」
20章「商人資本にかんする歴史的スケッチ」 報告高橋さん
5月10日(月)午後6時半〜9時 中之島中央公会堂地下第1会議室
飯盛信男『サービス産業』4・5・6章
5月24日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻21章「利子生み資本」
[一番上に]
2004年3月5日号
鳥にはかわいそうだが袋詰めで生き埋めに、それも人のなせる業のひとつ。そんなことを繰り返せば、いつかは人もトリかえしのつかない事になる。
[第465回ゼミ 報告]
2月18日のゼミはマルクス『資本論』3巻17章「商業利潤」を行いました。商業利潤の源泉について商品取扱資本は剰余価値を生まないとして、平均利潤の形態で商人資本に帰属する剰余価値が総生産資本によって生み出された剰余価値の一部分であるという。それでは、どのようにして商人資本は剰余価値のうち自分に与えられる部分をわがものとするのか。まず流通費用を捨象して、商人は生産価格以上に売ることで、前提として商業資本は一般的利潤率の形成には参加せず、利潤の分配に参加する資本であるとする。しかしながら商業資本が総商品資本の価値に商業利潤として組み入れられるならば、一般的利潤率の形成に参加することとなる。産業資本家が自ら商人である場合よりも商業資本として自立化し商品売買を集中化することで一般的利潤率の低下を小さくすることができる。困難は純粋流通費用が還元できなかったことと、商業労働が価値を創造する労働でないとすると商業資本の可変資本部分を前貸資本として加算するのかどうか。困難は依然として片付いてない。
議論では、商業資本は今でもホットな論争部分である。「困難」をマルクスは自ら出して売買が価値どおりにならないことから再び困難にしてしまっている、特に可変資本部分が困難の原因となっている。純粋な流通費ということでは商社はどうか。小売商人は中間部類(雑種・両性)となっている。商社といえば繊維を扱うより鉄鋼を扱えば単位金額はとてつもなく大きい。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回のゼミでは前半でもう一度労働総研提言を取り上げます。後半では、現代物のテキストを1年間系統だったものにするべく、ゼミ計画を話し合うこととなりました。推薦書をお持ちよりください。
*4月から都合により当分の間第2・4月曜日に変更となります。
*春の研究大会3月21日京都橘女子大学で労働総研プロジェクト『均等待遇と賃金問題―賃金の「世帯単位から個人単位へ」をめぐる論点の整理と提言―』を同時に取り上げているジェンダーゼミと合同で公開ゼミを行います。多数の参加を。
****** ゼミ日程 *******
3月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
1)労働総研『均等待遇と賃金問題―整理と提言―』まとめ
2)ゼミでのテキスト採り上げ計画の話し合い
3月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻18章「商人資本の回転。価格」
4月12日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定
4月26日(月)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻19章「貨幣取扱資本」
20章「商人資本にかんする歴史的スケッチ」
後、5月10日(場所:中之島中央公会堂地下第1会議室)
[一番上に]
2004年1月30日号
「もったいない、もったいない」の大日本ドケチ教の教祖様のマルビルが産業再生機構の支援を受けるとか、例にもれずバブル期の過剰投資が原因とか、やっぱり「もったいない、もったいない」ことしていたんだ。
[第463回ゼミ 報告]
1月28日のゼミはマルクス『資本論』3巻16章「商品取引資本」を行いました。流通過程にある資本が特殊な機能として自立化され分業によってわりあてられた機能が固定される限りで、商品資本は商品取扱資本となる。生産者の商品資本の貨幣への転化の機能が、生産者の付随的な操作ではなく、資本家の専門の操作として現れ特殊な投資の営業として自立化される。自立化の契機として、商品資本の貨幣への転化が社会的分業の一つの特殊な形態であり、独自の流通代理人専属の機能として現れることと、自立した商人が貨幣資本を前貸しする事による。だた、分業の結果として産業資本家が販売を行うより資本部分が小さいこと、貨幣への転化が早く成し遂げられること、商人資本の一回転が生産資本の多数の回転をあわすことが認められる。商人資本は流通部面にあり、そこでは剰余価値は生産されない。流通時間を短縮する限りで間接的に剰余価値の増加を助け、商人資本が市場の拡張をすることにより産業資本の生産性と蓄積を促進し、通流時間を短縮することで剰余価値率を高め、流通部面にわずかな部分を貨幣資本としてとどめる限りで直接生産のための資本部分を増大させる。
議論では、資本論草稿集では、運輸業・倉庫業と並んで卸小売業が取り上げられていてこちらの方が詳しい。消費の直前までを生産過程と捕らえている。ここでの商人資本の役割は個別資本としてか、社会的総資本としての問題か。商人資本はせまい範囲で使っていて、純粋の流通費にあたる。空費とは。虚偽の社会的価値・差額地代等々議論が続きました。
*次回の会場は天六・大阪市立住まい情報センターです。
*次回のゼミで次のテキストを決めます。推薦書をお持ちください。
*2月は第1・3水曜日に変更します。2月4日・18日(いずれも天六)、また4月から都合により当分の間第2・4月曜日に変更となります。
*春の研究大会3月21日京都橘女子大学で労働総研プロジェクト『均等待遇と賃金問題―賃金の「世帯単位から個人単位へ」をめぐる論点の整理と提言―』を同時に取り上げているジェンダーゼミと合同で公開ゼミを行います。多数の参加を。
****** ゼミ日程 *******
2月4日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
労働総研『均等待遇と賃金問題―整理と提言―』
論点提言・課題・論文(22〜56頁)
2月18日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻17章「商業利潤」
3月10日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
テキスト未定 報告者未定
3月24日(水)午後6時半〜9時 天六・大阪市立住まい情報センター
マルクス『資本論』3巻18章「商人資本の回転」
後、4月12日(天六)、4月26日(天六:19・20章)