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大阪第三学科(金融・流通・協同組合論ゼミ)の紹介


この学科は、学科名に表現されている金融・流通・協同組合に関するものにかかわらず、あらゆる面から経済学を学んでいこうという、現代資本主義を対象にした学科です。大きく現代の経済学を極めたいという人、少しでも現在の経済情勢を観る目を養いたいという人、職場での日々携わる労働がどのような経済的な事象とつながっているのか知りたい人、混迷する日本経済の行方を追っていこうとする人、流動化する世界経済をどのように掴み取ろうかと思い立っている人、そんな人たちに最適な学科です。八百屋の大根の値段からマンハッタンの土地価格まで、マクドナルドの時給からロックファラーの年俸まで、町の零細工場から多国籍企業まで、村の役場からホワイトハウスまで、お母ちゃんの財布からIMFまで、鉛筆からミサイルまで、ゼミでは議論が行き尽きることなく続いています。
この学科では、参加された人たちを中心に出版プロジェクトを企画し、これまで以下の4冊の本を出版いたしました。森岡孝二編『勤労者の日本経済論―構造転換と中小企業』(法律文化社1986年)、森岡孝二編著『現代日本の企業と社会―人権ルールの確立をめざして』(法律文化社1994年)、 森岡孝二編著『格差社会の構造──グローバル資本主義の断層』(桜井書店 2007年9月刊)、その続刊である森岡孝二編著『貧困社会ニッポンの断層』(桜井書店 2012年4月刊)。
学科は毎月2回開かれ、月前半のゼミでは現代資本主義に関するものを中心に、月後半のゼミでは古典文献を取り上げています。古典文献では、これまでマルクス『資本論』1巻・2巻・3巻、同『資本論草稿集・経済学批判要綱』、ヒルファディング『金融資本論』などを読んできました。現在は、3回目の『資本論』第1巻・第2巻を終え、第3巻を読んでいます。一方、現代資本主義の文献では、最近の主なものをあげると、ジュリエット・ショアー『働きすぎのアメリカ人』、ピエール・エリティエ『オルタナティブ・エコノミーへの道』、ミッシェル・アグリエッタ『資本主義のレギュラシオン理論』、海野八尋『日本経済はどこへ行く』、北原勇・伊藤誠・山田鋭夫『現代資本主義をどう視るか』、山本孝則『不良資産大国の崩壊と再生』(日本経済評論社1996年)、大谷禎之介編『21世紀とマルクス 資本システム批判の方法と理論』(桜井書店2007年)、D.ハーヴェイ『新自由主義』(作品社、2007年)、有井行夫『株式会社の正当性と所有理論』(新版、桜井書店2011年)、D.ハーヴェイ『資本の〈謎〉世界金融恐慌と21世紀資本主義』(作品社、2012年)を読んできました。ここでは、適宜参加者の個人研究報告も行なわれています。取り上げる文献は参加者の興味あるもの、読みたいものを持ち寄って合議により決めています。
なお、定例のゼミ以外にこの学科では、これまで一泊の合宿を行なってきました。これは上記の出版プロジェクトに向けた報告会を目的としましたが、苺取り・ハイキング・川遊び・バードウォッチング・夜の団欒など、参加者の楽しい交流の場となっています。また、ゼミの皆で春・秋などにハイキングを楽しんでいます。
経済学を学ぼうとする意欲ある人、経済の流れを掴み取りたいと願望している人、ぜひ我が学科に参加あれ。ゼミ後の餃子を囲みながらの議論もまた楽し。
2002年10月20日には開講25周年を迎え(第1回ゼミは1977年10月20日)、記念誌をゼミ参加者で作りました。
2010年7月28日にはゼミ開催回数600回、2015年3月25日には700回、2019年11月27日には800回を迎えました。

2016年基礎研春季研究交流集会でこのゼミの紹介・活動を報告しました
報告要旨
当日報告内容
上記報告を「経済科学通信」141号(2016-09)に掲載しました:執筆リストへ

2018年8月1日、このゼミの最初から長く指導されてこられた森岡孝二先生が急逝されました。私たちは森岡先生からの指導の数々を果たすべく、今後もこのゼミを続けています。


800回ゼミ記念写真 アイクルの部屋にて 2019-11-27


NOP法人働き方ASU-NET事務所での最後のゼミ 2019-02-13


700回記念写真・働き方ASU-NET事務所にて 2015-03-25


666回・大阪市立住まいの情報センターの最後・記念写真 2013-07-24


600回ゼミ記念写真 2010-07-28
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